2009年05月

列車追跡シリーズその7:臨時特急「ほくそう春まつり号」の行く道その4



写真:北総線1期区間と言えば・・・

 1月ほど開いてしまいましたが引き続きほくそう春まつり号をおっていきましょう。
列車追跡シリーズその7:臨時特急「ほくそう春まつり号」の行く道その1
列車追跡シリーズその7:臨時特急「ほくそう春まつり号」の行く道その2
列車追跡シリーズその7:臨時特急「ほくそう春まつり号」の行く道その3

白井駅~赤字バス路線の苦悩~
白井駅

写真:白井駅

 続いて北総線内を見ていきます。続いては各駅停車区間を代表して白井市の玄関駅、新鎌ヶ谷駅と共に北総線で数少ない市役所最寄り駅です。千葉県の統計によると2006年度の乗車人員は以下のようになっています。
定期客 3165人(68.2%)
普通客 1469人(31.8%)
合計  4634人(県内6位、0.1%増加)

 定期比率はやや高いものの北総線千葉県内の66.0%に近い数字、一方増加率に関しては0.1%増と減ってはいないものの成長著しい北総線内では少々寂しい数字が出ています。

北口駅前
マンション販売中

写真:開発が進む駅前

 とは言え駅前を見ると新築マンションの販売が行われ市役所へ続く一等地ながら開発の遅れていた北口も駅前広場が完成し着々と整備が進んでいる様子が見て取れます。

千葉レインボーバス木下線

写真:4月で廃止になった千葉レインボーバス木下線

 さてそんな駅前を見るとバスターミナルにバスが乗り入れてきます。このバス路線は白井市役所最寄り駅白井駅と印西市役所最寄り駅である成田線木下駅を結ぶ千葉レインボーバス木下線です。このバス路線は1928年と80年近い歴史を誇る老舗路線ですが2008年度には乗車密度(1便の乗車人員を区間全体で慣らしたもの)が1.8人まで低下し、県や白井市・印西市の補助で何とか存続していたものの最終的に廃線となったわけです。

ちばレインボーバス@Wikipedia
バス路線に関する「生活交通維持・確保計画」についてのお知らせ@千葉県バス対策地域協議会北総分科会
バス路線維持について@千葉レインボーバス



写真:印西牧の原駅近辺の大型店を巡る無料バスクルバス

 こう言った利用者の少ないローカルバスを考える際にぱっと浮かぶのは以下のようなことだと思います。
・もともと人口密度が低い等利用を喚起しづらい環境にある事
・それに加え昔から変わらない、むしろ利用減少に伴い減便する等バス会社の企業努力にかける姿勢

 こう言った面が全く無いとは思わないのですが個人的には無視できないのはただでさえ少ないパイを食い合う構造にある状況です。

白井市循環バス「ナッシー号」@白井市
同路線図
市内循環「ふれあいバス」@印西市
同路線図

 例えば沿線の白井市・印西市のコミュニティバスを見るとこの木下線と完全並行している訳ではないですがよくよく見ると殆どの区間白井市・印西市の路線でカバーできているわけです。こうして見ると実は気づかないうちに白井市・印西市の補助金で命運を保っていた路線バスと印西市・白井市直営のコミュニティバスが同じ需要を食い合うと言う構図になっていたのが分かります。

印旛日本医大駅発着バス(無料)@日本医科大学千葉北総病院
木下駅発着バス(無料)@日本医科大学千葉北総病院
スクールバス@秀明大学
印西牧の原駅圏の商業施設をくるーっとまわる無料バス「クルバス」@印西市

 また少ないパイを奪い合うのはコミュニティバスだけではありません。乗客の少ないローカルバスの場合、病院への通院客、学生の通学、大型SCへのアクセス等はパイが少ない中でも比較的乗客の多い分野なのですが揃いも揃ってそれぞれの施設が直接無料バスを走らせ、数少ない有望な分野さえも有料の路線バスが進出しづらくなっていると言う構図があります。
 千葉レインボーバスと言う会社はここ最近でも西白井のベリーフィールドの街開きに合わせて新設路線を設定したり、印西牧の原周辺のSCの活況に合わせてお買い物バス、日本医大の通院向けに病院直行バスを走らせる等不足している部分は多いながら積極的な展開も見て取れる会社です。しかしここまで競合が激しいと赤字になる既存のバス路線よりもこう言った自治体や各施設のバス路線を請け負う事で糊口をしのごうとなってしまうのではないでしょうか?

北総鉄道2007年度決算レポート@ぶらざーてぃのページより
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律と言う法律が昨年10月に施行されました。~中略~
 何よりも前段で挙げた千葉ニュータウンでの学割補助の問題や、市町村の運行するコミュニティバスを中心としたバス路線との連携の問題、ここ最近沿線に大挙して進出した大型店等との連携、近辺の大学の通学バス等、成田新高速を抜きにしても北総鉄道と地域とのwin-winな関係を作る為にやるべきテーマはいくらでもあります。

 
 上の引用は昨年書いた北総鉄道の決算レポートからのものなのですが無料バスやコミュニティバスを走らせられる現状のままで行けばよいのですが、自治体は財政問題、各施設も経営状態いかんでは直接収益に結びつかないこれらのバス路線は真っ先にリストラ対照になってしまうのでは無いでしょうか?
 その時に地元のバス路線は再びバス路線を走らせるでしょうか?
 こう言った構図はなにも白井や千葉ニュータウンだけでなく全国各地で見られることだと思います。そして80年の歴史を閉じたこの伝統あるバス路線はその事を静かに語っていると感じるのは私だけでしょうか?


イベント情報@5/16~



写真:この電車の走る街で実験がされました・・・トランスロール

5月16日(土)
人と環境にやさしい交通をめざす研究会
場所:かながわ県民センター 604会議室(横浜駅西口・徒歩5分)
時間:16:30~18:30(受付16:15~)
講師:三井物産(株)交通プロジェクト部コーディネーター   岡本 俊彦 氏
三井物産プラントシステム(株)都市交通本部本部長補佐 藤原 拓身 氏
同     新交通システム部マネージャー 斉藤 泰彦 氏
内容:都市の新しい交通システムの一つに、フランスのロール(LOHR)社が開発したタイヤトラム「トランスロール」があり、すでにフランス・クレルモンフェラン、イタリア・パドヴァ、中国・天津などで営業運行を開始しています。
わが国では三井物産(株)が窓口となり、普及の動きがありますが、今回直接関わっておられる方々をお招きし、タイヤトラムの特徴、長所/短所、各国の導入事例など、今まであまり知る機会のなかった話を伺うこととします。
資料代:500円
申込み・問合せ先:「横浜の公共交通活性化をめざす会」事務局(小田部) E-mail a.kotabe@k8.dion.ne.jp
参考
横浜の公共交通活性化をめざす会
ゴムタイヤトラム@Wikipedia
濱海快速導軌電車@中国の地下鉄・都市鉄道
イベント見聞録:2009/1/31横浜の公共交通活性化を目指す会第2回総会
イベント見聞録:2008/11/1横浜の公共交通活性化を目指す会第2回例会
イベント見聞録2008/3/20「横浜の公共交通活性化をめざす会」第1回例会

JAMSTEC横須賀本部一般公開
場所:JAMSTEC横須賀本部(京急追浜駅より無料送迎バス
時間:9:30~16:00
内容
・海洋調査船「かいよう」の体験乗船!(午前の部は受付終了、午後の部は当日11:00まで受付、抽選)
・有人潜水調査船「しんかい2000」コックピット見学会(当日抽選で72名限定)
・企画展示 「地球システムをCO2から見てみよう」
・『立体生中継・地球LIVE 地球の肺 森と海に迫る危機』コラボレーション企画
・サイエンスカフェ、公開セミナー他
参考
JAMSTEC横須賀本部が一般公開-体験航海・深海調査船の見学も@横須賀経済新聞

馬生ハマ寄席
場所:横浜にぎわい座(京急日の出町駅、横浜市営地下鉄、JR関内駅より徒歩)
時間:開場12:30、開演13:00
チケット:3000円(お問合せTEL:045-261-4618、申し込み
内容:落語系イベントの少ない横浜では貴重な寄席です。いなせな気分に浸りたい方どうぞ!!
参考:にぎわい座で落語「馬生ハマ寄席」―荻野アンナさんも出演@ヨコハマ経済新聞


民主党の正念場~小沢代表辞任に思う~



写真:今回も号外が・・・

【ビデオ配信】小沢代表記者会見@民主党
小沢・民主党代表が辞任 ネットでは「遅すぎる」の声が圧倒的@J-CAST NEWS

 さて昨日は民主党小沢代表の辞任がトップニュース、政権交代を目指すためと言う事で西松建設事件に対する説明責任等批判も相次ぎました。
 
内閣支持率が上昇 日経と産経の世論調査@J-CAST NEWS

 それに対し目立たないですが1時期10%台まで低迷していた麻生内閣の支持率は30%を超えるまで回復してきました。この状況に対し「西松建設問題への対応のまずさ」、「定額給付金に代表されるばらまき」と言った言葉が出てきそうですが個人的には何となく違うような気がします。

小沢一郎氏の失われた16年 - 池田信夫 @アゴラより
今の日本が不幸なのは、こうした政策論争の軸が失われ、有権者が選挙で何を選んでいいのかわからないことです。15兆円のバラマキをやった自民党か、20兆円のバラマキを提唱する民主党かというのは、不毛の選択といわざるをえない。小沢氏も、内心ではそういう政策をよしとはしていないでしょう。

 個人的には上の上武大学の池田教授の指摘では無いですが、民主党と言う政党が安部、福田両政権の政権投げ出しのような相手の失点頼みになった結果、新しい方向性を打ち出せなくなり、自民党もリーマンショック以降、明確なキャッチフレーズは無いものの小泉政権の様な構造改革-小さな政府志向から、雇用促進住宅の提供や雇用調整助成金制度の拡充等に代表されるセイフティネットの充実と消費税増税等による大きな政府志向へ明確に政策転換した結果、存在がぼやけてしまった事が大きいのではないかと思います。個人的に印象に残っているのは年度予算の国会の際山岡国対委員長が「自民党に完全に政策をぱくられた(こんなラフな言葉ではないですが)」とぼやいていた場面です。

記者発表@横須賀市議会議員吉田雄人のユーティング・ブログ!より
 すくなくとも私は、36年間続いている官僚出身の市長やその官僚文化が染み付いた市役所では、この厳しい時代を乗り越えることはできないと思うのです。
 昨年9月のいわゆるリーマンショックで始まった経済危機は横須賀市の製造業をはじめとした雇用状況にこれからも多くの波紋を投げかけるでしょう。
~中略~
こうした状況を変えていくためには、職員一人一人の意識を変えることも大切ですが、それよりも、トップを変えることのほうが先決です。
36年間という長い間にしみついてしまった官僚文化を変えるには、トップから変えていくしかありません。
~中略~
そういったことなどを含め私吉田雄人は、長い間、思い悩みましたが、その末の結論として、市長への挑戦を決意いたしました。


 上の引用は横須賀市議の吉田雄人氏の市長選挙立候補に関する決意表明のブログ記事、吉田市議は6年前の市議選、2年前の市議選と2度の市議選でトップ当選した若手No1の市議、そして6年間の市議生活の中で培われた危機感から選択したのは小泉家世襲を阻む道ではなくて市長として横須賀を建て直す道、4月のプチ統一地方選挙では多くの市長選挙で現職落選の番狂わせが起きましたが、逆に言えば吉田市議のような「今の政治を変えたい」と言う意思と実力をを持つ有力な候補者の多くが民主党の陣笠代議士として国政を変えていくことよりも地元の首長として地域を守ると言う選択をしたように見えます

三越池袋店の閉店セール

写真:51年の歴史に幕を閉じた池袋三越

池袋三越、51年の歴史に幕 鹿児島店も閉店@J-CAST NEWS
<伊勢丹>吉祥寺店10年3月で閉鎖…赤字経営続き@毎日新聞
[マック]第1四半期、過去最高益…特大バーガーで客単価増@毎日新聞
長期プライムレート年2.30%に引き上げ みずほCBなど@J-CAST NEWS
レギュラーガソリン 116.7円…5週連続値上がり@MSN自動車

 さてそんな中民主党に求められている事は何でしょう?小沢代表時代の2007年の参院選では小泉改革の中で疲弊した地方を重視する事で「美しい国」を標榜した安部氏率いる自民党に大勝しました。そしてその前の郵政解散では岡田代表の下小泉政権と同じ「改革」を旗印にしたものの結局小泉首相の存在感に圧倒され大敗しました。
 そう考えると、やってはいけないのは今の麻生政権と同じような方向性で行く事であり、逆に目指すべきなのは参院選での小沢代表のように与党が見逃している論点を発掘しそれをフィーチャーして戦っていく事ではないでしょうか?
 小沢党首の進退が取りざたされている間にも世の中は動いてきました。例えば写真にある池袋三越の閉店に代表される百貨店の不振はとどまる事を知らない状況にあるわけですが、逆に過去最高益を記録したマックやユニクロに代表される元気な小売も決してないわけではありません。
 また街を歩くと確実にいえるのはアジア系を中心とした外国人の存在が増している事、最近両親が従兄弟の結婚式で九州まで行ってきたのですが彼の地でもやはり同様との事でした。

 一方不景気でデフレ傾向とは言え、10年前と比べて変わったのは例えば国債発行額の増加で金利が早い段階で下げ止まったり、ガソリン価格も下がったとは言え前回ボトム期よりは2割程度高い水準で推移しこちらもシーズン的な傾向もありますが上がりつつあります。
 金利の動向は住宅や自動車のローンを抱えている人にとって下落傾向の給料と共に不安材料になるでしょうし、ガソリン価格の動向は民主党の打ち出している高速道路の無料化やガソリン暫定税率撤廃の効果をそぐことになります。

 そう言った意味で与党の見逃している盲点を突いていかに差別化をはかり強い方向性を打ち出していくか民主党にとって今はまさに正念場なのかもしれません。


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