写真:横浜にもこんな電車の走る日が来るのか・・・LRV@熊本
さて良く考えたら今年初のイベント見聞録、1月の最終日と言う遅い立ち上がりではありますが、「横浜の公共交通活性化を目指す会第2回総会」に行って参りました。
横浜の公共交通活性化をめざす会
イベント見聞録:2008/11/1横浜の公共交通活性化を目指す会第2回例会
イベント見聞録2008/3/20「横浜の公共交通活性化をめざす会」第1回例会
イベント見聞録2008/1/26~2008新春LRTフォーラム「横浜の公共交通を考える」~
写真:運営委員大内氏による開会挨拶
まずは運営委員の大内氏による開会挨拶、ガソリンが値下がりし、景気後退にあるとは言え逆に今こそ公共交通への投資が必要なのではと言う内容、実際今後を考えていくと先進国でこそ自動車利用のピークは過ぎつつあるもの、中国・インドに代表される先進国よりも人数的なボリュームのはるかに大きい新興国で経済が発展し、自動車利用も増えるだろうし、それに伴いガソリン等の使用が増えることを考えると、やはり環境面だけでなく経済面からも公共交通見直しを考える時期に来ているのではと感じました。
写真:新代表清水氏の挨拶
続いては様々な今年度の活動等に関する議論が行われました。
大きなところでは今年度より現代表の上岡氏が顧問となり写真の清水氏が新しい代表となりました。代表の挨拶で印象に残ったのは「私一人では出来なくても皆の協力で出来る事はたくさんある、アメリカの大統領ではないですがYes We Can!!」と言った話でした。
また役員である運営委員も2人増強されより活動が増強されるそうです。
今年の活動方針としては「まちづくり」「環境」「福祉」等LRT等の公共交通との連携が取れそうな諸団体との関係強化、発足以来続いている「交通システム」「まちづくり」等に関する研究、情報共有、そして様々なPR活動を行う事などが挙げられました。
写真:第2部の意見交換会の様子
続いて第2部は「CO-DO30における交通分野の施策について」をテーマにした意見交換会、CO-DO30とは横浜市脱温暖化行動方針の事で昨年環境モデル都市に選出された横浜市では現在そのロードマップ作成に向けて様々な取り組みを行っています。
現在原案が作成されているのですが交通関係で例示されている施策は以下のような物との事
・電気自動車、プラグインハイブリッド車等に関する税制優遇
・都心部等一定エリアへの自動車流入規制
・自動車を利用する事業者へのエコドライブ講習の義務化
・一定規模以上の駐車場における電気自動車の充電設備の設置義務化
また現在2/18(水)に行われる意見交換会での市民(横浜市の住民・就業者または温暖化対策に関する研究・活動をされている人との事)の発表者を募集しているとの事なので興味のある方はどうぞ
横浜市地球温暖化対策事業本部
ロードマップ(原案)@2009/1/19
横浜市環境創造審議会 第14回地球温暖化対策検討部会の開催について
CO2削減へ動き広がる 横浜市も車流入規制へ 課金など検討@日経新聞
さて本番の話し合いでは色んな意見が出ました。
・郊外のSCをどう巻き込むのか
→車での来客が多く混雑時には渋滞等無駄なCO2排出源になっているのではないか?
→無料駐車場が整備されていると言う事は車利用者のみ優遇されていて差別ではないか?
→きちんと対応しているSCに関しては評価が必要では
→対策としては巡回バスなどの輸送サービスや荷物負担を無くすクォーター等整備が考えられる
→CO2削減を優位に行うには確実に市民を車からバスに転換する為に何らかの対策(例えばビール券配布等)も必要ではないか
→評価に関しては企業がいかにそれを受け取るのかも重要
→まちづくり3法に見られるように車を優遇する郊外型SCは法律的に容認されたなビジネスモデルなのでそれに切り込むには政治家による法律変更が必要なのではないか?
→法律変更に関してはそれに賛同する政治家が必要でそれを選んでいくのは市民自身
・SCは車などで移動する範囲でなく歩いて回れる範囲にあるべきでは(→コンパクトシティ)
→CO-DO30とは直接関わらないがまちづくりのマスタープランでは最近はじめて既存交通機関(鉄道・バス)の沿線を意識した方向性が打ち出された
→コンパクトシティ化には例えば駅や中心市街地周辺で低層の一戸建てをつぶして高層化をしていく必要がある。
→コンパクトシティ化には再開発が必要だが行政はつぶされる一戸建ての持ち主等反対する市民とコンパクトシティを進めろと言う市民との板ばさみにあう
・資料にある試算例では道路整備による渋滞解消とあるが、却って自動車の増加でCO2が増えるのでは
→試算ではどうやら交通の増加は前提とはしていないらしい
→ただしこれを拒否するのは専門家でなく市民の役目なのではないか?
大まかに書くとこんな感じで書ききれなかった部分もあるのですが実際このマスタープラン作成に関わった人も参加し、忌憚ない意見が出てきたので中々見られない面白い交換会となったと思います。
News - 車買えない?それとも買いたくない?@404 Blog Not Found
しかし、この「クルマに託されたメッセージ」の効用が、急速に失われつつあるように感じるのだ。むしろ「クルマを欲しがるのは小学生までだよねー」という、逆のメッセージすら感じられる。それを特に感じるのがギークの世界で、そもそも車の話がほとんど出ない上に、出ても「免許もってません」という人が増えてきているのだ。~中略~
しかし、今日日のギークは、クルマというのは「高くてウザい」ものに成り下がってしまった。東京は特にそれが強いが、この傾向は全世界的なものだというのは、毎年ギークたちに宿を提供している者として強く感じられる。
だから、仮に景気が回復しても、先進国の人々、特に若者がクルマに戻ってくることはあまり期待しない方がいい。彼らはもうクルマに「単なる工業製品を超えた魅力」を感じてはいないし、これからはもっと感じなくなるだろう。
また市民の政治力と言うか政治的な動きの重要性に関しても痛感しました。上の引用は有名ブロガーのdankogaiさんの記事を引用したものですが、実際同年代の30代くらいまではぎりぎり「これまで車に1000万円注ぎ込んだよ」、「給料溜め込んでスポーツカー買ったよ」と言った話は聞こえてくるものの下の20代ではもうそんな声は聞こえない。
ただそう言った状況を伝える努力をしない限り「単なる工業製品を超えた魅力」のあった時代の前提で様々な事が進んでいくと言うのもまた事実、赤木智弘さんではないですが伝える努力が重要なのだなと感じた交換会でした。
さていかがだったでしょうか?もし興味をもたれた方はこちらへどうぞ!!