第16章 失業率って、なんだろう? ⑤
労働力人口とか就業者とか完全失業者とか、いろいろ勉強しましたね。こういうことを調べているのは、総務省の統計局というお役所です。「労働力調査」といって、全国で満15歳以上の人を約10万人選び出し、毎月調査しています。調査員が調査票を配って書き入れてもらい、回収します。
調査票にはこまかい質問もたくさんありますが、大事な質問はその人が月末の1週間に働いていたか、それとも仕事を探していたかという点。月末の1週間に1時間以上働いて給料をもらった人は、就業者ということになります。また仕事を持っているが、たまたまその1週間に病気で休んだり、休暇をとって働かなかった人も就業者です。
その1週間に仕事を探していたけれども見付からず、1時間も働けなかった人は完全失業者ですね。そのほかの人たち、たとえば主婦や学生など、仕事をする気のない人たちは非労働力人口に分類されるのです。また働く気はあるけれど仕事が見付かりそうにないと考えて、仕事を探さなかった人たちも、非労働力人口に数えられます。
むずかしいのは、フリーターと呼ばれる人たちの場合です。その1週間に1時間以上働けば就労者。働いていなければ失業者。たまたま、そのときに働く気がなければ非労働力人口となるわけです。こうした統計の作り方はILO(国際労働機関)という国連の機関が決めたもので、世界の主な国々は同じ方法で労働統計を作成しています。
(続きは来週日曜日)
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労働力人口とか就業者とか完全失業者とか、いろいろ勉強しましたね。こういうことを調べているのは、総務省の統計局というお役所です。「労働力調査」といって、全国で満15歳以上の人を約10万人選び出し、毎月調査しています。調査員が調査票を配って書き入れてもらい、回収します。
調査票にはこまかい質問もたくさんありますが、大事な質問はその人が月末の1週間に働いていたか、それとも仕事を探していたかという点。月末の1週間に1時間以上働いて給料をもらった人は、就業者ということになります。また仕事を持っているが、たまたまその1週間に病気で休んだり、休暇をとって働かなかった人も就業者です。
その1週間に仕事を探していたけれども見付からず、1時間も働けなかった人は完全失業者ですね。そのほかの人たち、たとえば主婦や学生など、仕事をする気のない人たちは非労働力人口に分類されるのです。また働く気はあるけれど仕事が見付かりそうにないと考えて、仕事を探さなかった人たちも、非労働力人口に数えられます。
むずかしいのは、フリーターと呼ばれる人たちの場合です。その1週間に1時間以上働けば就労者。働いていなければ失業者。たまたま、そのときに働く気がなければ非労働力人口となるわけです。こうした統計の作り方はILO(国際労働機関)という国連の機関が決めたもので、世界の主な国々は同じ方法で労働統計を作成しています。
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景気回復の初期段階では、寒気と暖気が入り混じって乱気流を生むことが多い。先週後半のニューヨーク株式市場は、その典型的な値動きとなった。ダウ平均株価は、木曜日には200ドル上げ。金曜日には250ドル下げた。特段の理由もないのに、市場の空気は一夜で激変している。
木曜日は7-9月期のGDP速報値が予想を上回る結果となり、またプロクター・ギャンブルやコルゲートといった消費関連企業の決算を好感した。一転して金曜日は、政府の景気対策が先細りになって、景気の回復が腰折れするのではないかという不安が市場を支配した。今週も経済指標や企業の決算をめぐって、強気と弱気が交錯するだろう。
そういう意味で最も注目されるのは、6日に発表されるアメリカの10月・雇用統計。事前の予想は失業率が9.9%、就業者の減少が17万5000人となっている。また景気対策との関連で、3日に発表される10月の新車販売と2日に公表されるフォードの決算にも、ウォール街では関心を寄せているようだ。
国内では、2日に10月の新車販売。6日には、9月の景気動向指数が発表になる。決算発表もピーク。日経平均はこれら国内の数字にも影響を受けるが、ニューヨーク市場の動向により大きく反応しそうだ。特にニューヨークが下げると、円相場が上がってしまう構造が痛い。
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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木曜日は7-9月期のGDP速報値が予想を上回る結果となり、またプロクター・ギャンブルやコルゲートといった消費関連企業の決算を好感した。一転して金曜日は、政府の景気対策が先細りになって、景気の回復が腰折れするのではないかという不安が市場を支配した。今週も経済指標や企業の決算をめぐって、強気と弱気が交錯するだろう。
そういう意味で最も注目されるのは、6日に発表されるアメリカの10月・雇用統計。事前の予想は失業率が9.9%、就業者の減少が17万5000人となっている。また景気対策との関連で、3日に発表される10月の新車販売と2日に公表されるフォードの決算にも、ウォール街では関心を寄せているようだ。
国内では、2日に10月の新車販売。6日には、9月の景気動向指数が発表になる。決算発表もピーク。日経平均はこれら国内の数字にも影響を受けるが、ニューヨーク市場の動向により大きく反応しそうだ。特にニューヨークが下げると、円相場が上がってしまう構造が痛い。
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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アメリカ経済が、戦後最長の景気後退から脱出した。米商務省の発表によると、7-9月期のGDP(国内総生産)は前期に比べ年率で3.5%増加した。経済成長率がプラスになったのは、5四半期ぶり。景気が回復期に入ったという公式判定はまだあとになるが、これで07年12月から続いた後退期が終了したことは間違いない。
プラス成長になった原動力は、まず個人消費が3.4%増加したこと。次いで住宅投資が23.4%と23年ぶりの大幅増になったこと。そのほか輸出も14.7%増加と貢献した。このうち個人消費も住宅投資も、政府の支援策に助けられたところが大きい。CEA(経済諮問委員会)では、オバマ政府が2月に実施した総額7870億ドルの景気対策で、7-9月期のGDPは3-4ポイント引き上げられたと試算している。
この景気対策は公共事業、減税、失業者給付、それに自動車の買い替え補助、住宅の取得税減税など幅広い内容。このうち自動車の購入支援は8月に終了。また住宅減税は11月で終る予定。しかし雇用の改善は遅れており、オバマ大統領も「完全回復までは長い道のり」と述べて、住宅減税については延長する考えを示している。
経済界やウォール街では、成長率は多少落ちるにしても「10-12月期から来年1-3月期のプラス成長は確実だ」という見方が強まっている。ロイター通信も「中国とEU(ヨーロッパ連合)に続いて、アメリカもプラス成長組に入った」と報じたが、そのなかに日本の名前はなかった。その理由は不明だが、ちょっと寂しい。
≪2日の日経平均 = 下げ -231.79円≫
≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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プラス成長になった原動力は、まず個人消費が3.4%増加したこと。次いで住宅投資が23.4%と23年ぶりの大幅増になったこと。そのほか輸出も14.7%増加と貢献した。このうち個人消費も住宅投資も、政府の支援策に助けられたところが大きい。CEA(経済諮問委員会)では、オバマ政府が2月に実施した総額7870億ドルの景気対策で、7-9月期のGDPは3-4ポイント引き上げられたと試算している。
この景気対策は公共事業、減税、失業者給付、それに自動車の買い替え補助、住宅の取得税減税など幅広い内容。このうち自動車の購入支援は8月に終了。また住宅減税は11月で終る予定。しかし雇用の改善は遅れており、オバマ大統領も「完全回復までは長い道のり」と述べて、住宅減税については延長する考えを示している。
経済界やウォール街では、成長率は多少落ちるにしても「10-12月期から来年1-3月期のプラス成長は確実だ」という見方が強まっている。ロイター通信も「中国とEU(ヨーロッパ連合)に続いて、アメリカもプラス成長組に入った」と報じたが、そのなかに日本の名前はなかった。その理由は不明だが、ちょっと寂しい。
≪2日の日経平均 = 下げ -231.79円≫
≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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厚生労働省の調査によると、9月の勤労者1人当たりの現金給与総額は26万6364円だった。昨年9月に比べると1.6%の減少。これで08年6月から、16か月連続での減少を記録した。昨年9月の給与総額は27万3175円だったから、1年間で6800円減少したことになる。給料の減少が、どうにも止まらない。
現金給与総額というのは、毎月決まって支給される所定内給与と残業料などの所定外給与、それにボーナスなど特別に支給される給与の総額。9月の場合でみると、所定内給与は前年比1.1%、所定外給与は12.5%の減少だった。所定外給与の大幅な落ち込みは、残業時間の縮小を反映している。加えて夏のボーナスも目立って減少した。
ことしの夏のボーナス支給額は、1人当たりで36万3104円。前年の夏に比べて9.7%も減った。これで夏のボーナス支給額は3年連続の減少となったが、一昨年の1.4%減、昨年の1.0%減に比べて、ことしの減少率はきわめて大きい。さらに経団連が大手企業について冬のボーナスの妥結状況を調べたところ、昨年冬を15.9%下回るという結果も出ている。
日本経済新聞の調査によると、米英独など主要国の賃金はこの不況下でも増加しているという。これは主要国の場合は雇用調整で人件費を減らし、残った従業員の賃金は多少とも上げているためだというのが日経新聞の解説。たしかに日本の方が失業率は低いから、そうなのだろう。だが日本の就業人口も減り続けている。こんな状況では、鳩山首相が力説する「内需の拡大」は不可能に近い。政府はこの点をどう考えているのか。そこがどうにも判らない。
≪4日の日経平均 = 上げ +41.36円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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現金給与総額というのは、毎月決まって支給される所定内給与と残業料などの所定外給与、それにボーナスなど特別に支給される給与の総額。9月の場合でみると、所定内給与は前年比1.1%、所定外給与は12.5%の減少だった。所定外給与の大幅な落ち込みは、残業時間の縮小を反映している。加えて夏のボーナスも目立って減少した。
ことしの夏のボーナス支給額は、1人当たりで36万3104円。前年の夏に比べて9.7%も減った。これで夏のボーナス支給額は3年連続の減少となったが、一昨年の1.4%減、昨年の1.0%減に比べて、ことしの減少率はきわめて大きい。さらに経団連が大手企業について冬のボーナスの妥結状況を調べたところ、昨年冬を15.9%下回るという結果も出ている。
日本経済新聞の調査によると、米英独など主要国の賃金はこの不況下でも増加しているという。これは主要国の場合は雇用調整で人件費を減らし、残った従業員の賃金は多少とも上げているためだというのが日経新聞の解説。たしかに日本の方が失業率は低いから、そうなのだろう。だが日本の就業人口も減り続けている。こんな状況では、鳩山首相が力説する「内需の拡大」は不可能に近い。政府はこの点をどう考えているのか。そこがどうにも判らない。
≪4日の日経平均 = 上げ +41.36円≫
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◇実効性ゼロ? の返済猶予法案 = 政府は先週30日、問題の「中小企業金融円滑化法案」を臨時国会に提出した。その内容は、金融機関に対して、貸し付け条件の変更に応じる努力義務を課するというもの。11年3月までの時限立法となっている。
亀井金融相が最初にブチ上げたのは、貸付金の元利合計を強制的に3年程度、塩漬けにするという構想。非常手段を意味する“モラトリアム”という言葉も使われて、大論争を惹き起こした。それに比べれば、提出された法案の内容は全く穏やかなもの。猶予期間や金利については、一言も触れていない。条件変更も「借り手の要請があれば」ということになった。
金融機関に対して、条件変更の実績の開示を義務づけたから、金融機関側も相談体制を整備するなど気は遣うに違いない。しかし、この程度の法律ができたからといって、金融機関が経営状態の悪い企業に甘い態度をとるとは思えない。金融庁は「条件変更に応じた債権は不良債権とみなさない」と言っているが、金融機関にとっては実質的に不良債権であることに変わりはない。
その結果、金融機関の経営が悪化したとき、株主や出資者にどう説明すればいいのか。また金融機関の経営が悪化すれば、貸し出し余力も低下する。金融機関はそれを避けるために、新規の貸し出しを極力絞ることになるだろう。健全な中小企業にとっては、迷惑な結果にもなりかねない。得をしたのは、名前を売った亀井大臣だけなのかも。
≪5日の日経平均 = 下げ -126.87円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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亀井金融相が最初にブチ上げたのは、貸付金の元利合計を強制的に3年程度、塩漬けにするという構想。非常手段を意味する“モラトリアム”という言葉も使われて、大論争を惹き起こした。それに比べれば、提出された法案の内容は全く穏やかなもの。猶予期間や金利については、一言も触れていない。条件変更も「借り手の要請があれば」ということになった。
金融機関に対して、条件変更の実績の開示を義務づけたから、金融機関側も相談体制を整備するなど気は遣うに違いない。しかし、この程度の法律ができたからといって、金融機関が経営状態の悪い企業に甘い態度をとるとは思えない。金融庁は「条件変更に応じた債権は不良債権とみなさない」と言っているが、金融機関にとっては実質的に不良債権であることに変わりはない。
その結果、金融機関の経営が悪化したとき、株主や出資者にどう説明すればいいのか。また金融機関の経営が悪化すれば、貸し出し余力も低下する。金融機関はそれを避けるために、新規の貸し出しを極力絞ることになるだろう。健全な中小企業にとっては、迷惑な結果にもなりかねない。得をしたのは、名前を売った亀井大臣だけなのかも。
≪5日の日経平均 = 下げ -126.87円≫
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1) チャイナ・アズ・ナンバーワン = アメリカの社会学者エズラ・ボーゲルは1979年に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と題するベストセラーを書いた。60年代から70年代にかけての驚異的な日本経済の躍進ぶりを、世界に知らしめた名著である。だが彼がいま書くとすれば「チャイナ・・・」に違いない。
一国の経済規模を表わすGDP(国内総生産)は08年にドイツを抜き、世界第3位になった。09年も実質8%程度の成長を達成するとみられ、日本のGDPにかなり接近する。IMF(国際通貨基金)は、10年には日本を抜いて、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になると予測している。
貿易面をみると、中国の世界全体に占める貿易量は50年にはわずか0.9%にすぎなかったが、08年には8%を超える大きさになっている。輸出額は08年にドイツを上回って、世界第2位に躍進した。保有する外貨準備高は、06年に日本を抜いて世界第1位に。09年6月末の保有高は、2兆1316億ドルにまで増大している。
このほか新車の国内販売台数も、09年は1300万台に達する見通し。年間販売台数が1000万台を割り込んでいるアメリカや日本をかなり引き離して世界一になるのは確実だ。また粗鋼、テレビ受信機、携帯電話、パソコン、それに紙・板紙の生産量も世界一になっている。世界経済に対する影響力もアメリカやEU(ヨーロッパ連合)に匹敵。しかも成長力は最大。まさに「チャイナ・アズ・ナンバーワン」である。
(続きは来週サタデー)
≪6日の日経平均 = 上げ +71.91円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】
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一国の経済規模を表わすGDP(国内総生産)は08年にドイツを抜き、世界第3位になった。09年も実質8%程度の成長を達成するとみられ、日本のGDPにかなり接近する。IMF(国際通貨基金)は、10年には日本を抜いて、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になると予測している。
貿易面をみると、中国の世界全体に占める貿易量は50年にはわずか0.9%にすぎなかったが、08年には8%を超える大きさになっている。輸出額は08年にドイツを上回って、世界第2位に躍進した。保有する外貨準備高は、06年に日本を抜いて世界第1位に。09年6月末の保有高は、2兆1316億ドルにまで増大している。
このほか新車の国内販売台数も、09年は1300万台に達する見通し。年間販売台数が1000万台を割り込んでいるアメリカや日本をかなり引き離して世界一になるのは確実だ。また粗鋼、テレビ受信機、携帯電話、パソコン、それに紙・板紙の生産量も世界一になっている。世界経済に対する影響力もアメリカやEU(ヨーロッパ連合)に匹敵。しかも成長力は最大。まさに「チャイナ・アズ・ナンバーワン」である。
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≪6日の日経平均 = 上げ +71.91円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】
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第16章 失業率って、なんだろう? ⑥
景気がいいと、工場には注文がどんどんきます。お店でもお客さんが増えて、品物がたくさん売れます。そういうとき工場やお店の経営者は、従業員の人数を増やすでしょう。そうすると働く人が増えて、失業者は少なくなります。失業率も下がることになりますね。
反対に景気が悪くなると、工場への注文は減り、お店の売上げも少なくなります。そうなると従業員は少なくても仕事はできるでしょう。経営者は人件費を節約するために、従業員の数を減らします。結果として働く人が少なくなり、失業者が増えてしまいます。失業率は上昇するわけですね。
ですから失業率は、景気がいいかどうかを計る物差しにもなるわけです。たとえば日本の経済が元気よく成長していたころ、1960年代から94年までの完全失業率はだいたい1%台から2%台ぐらいで、世界中でもいちばん低い水準でした。それが95年には3%台に、さらに99年には4%台へと上昇しています。日本経済の元気が少しずつ失われてきたためです。
いま世界中の国が不況に悩まされています。日本の景気もよくありません。失業率は09年4月には5%台に上昇。その後もじりじりと上がって、7月には5.7%を記録しました。そのあと8月は5.5%、9月は5.3%と少し下がっていますが、このまま下がり続けるかどうかは判らないというのが現在の状況です。
(続きは来週日曜日)
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景気がいいと、工場には注文がどんどんきます。お店でもお客さんが増えて、品物がたくさん売れます。そういうとき工場やお店の経営者は、従業員の人数を増やすでしょう。そうすると働く人が増えて、失業者は少なくなります。失業率も下がることになりますね。
反対に景気が悪くなると、工場への注文は減り、お店の売上げも少なくなります。そうなると従業員は少なくても仕事はできるでしょう。経営者は人件費を節約するために、従業員の数を減らします。結果として働く人が少なくなり、失業者が増えてしまいます。失業率は上昇するわけですね。
ですから失業率は、景気がいいかどうかを計る物差しにもなるわけです。たとえば日本の経済が元気よく成長していたころ、1960年代から94年までの完全失業率はだいたい1%台から2%台ぐらいで、世界中でもいちばん低い水準でした。それが95年には3%台に、さらに99年には4%台へと上昇しています。日本経済の元気が少しずつ失われてきたためです。
いま世界中の国が不況に悩まされています。日本の景気もよくありません。失業率は09年4月には5%台に上昇。その後もじりじりと上がって、7月には5.7%を記録しました。そのあと8月は5.5%、9月は5.3%と少し下がっていますが、このまま下がり続けるかどうかは判らないというのが現在の状況です。
(続きは来週日曜日)
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景気はゆるやかな回復軌道に乗っているが、将来の見通しは全く不確かだ--日米両国の経済に共通する現状認識である。このため双方の株式市場も、強気と弱気の波に洗われて一喜一憂しているのが最近の状態だ。しかし先週はニューヨークが強気、東京は弱気とはっきり明暗を分けることになった。
ダウ平均株価は週間311ドル値上がりした。特に木曜日には204ドルの大幅高で10000ドルを回復。あくる金曜日には予想以上に失業率が上昇したという発表があったにもかかわらず、株価は反落しなかった。これに対して日経平均は週間245円の値下がり。ニューヨークの株高や上向きを続けた景気動向指数にも、あまり反応しなかった。
アメリカでは住宅減税の延長など、追加的な景気対策が実行に移される。日本では予算委員会の議論を聞いても、鳩山内閣にその覚悟はない。株価の明暗は、その差から生じているのではないだろうか。今週は10日に、10月の景気ウォッチャー調査。11日には9月の機械受注、13日には10月の消費動向調査が発表されるが、日経平均はどう反応するのか。
アメリカでは、13日に9月の貿易収支とミシガン大学の11月・消費者信頼感指数。また11日には、中国が10月の貿易、生産、物価、固定資産投資をまとめて発表。13日には、EUが7-9月期のGDP速報を公表する予定。このほか10日にはガイトナー米財務長官が、また週末にはオバマ大統領が初めて来日する。
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ダウ平均株価は週間311ドル値上がりした。特に木曜日には204ドルの大幅高で10000ドルを回復。あくる金曜日には予想以上に失業率が上昇したという発表があったにもかかわらず、株価は反落しなかった。これに対して日経平均は週間245円の値下がり。ニューヨークの株高や上向きを続けた景気動向指数にも、あまり反応しなかった。
アメリカでは住宅減税の延長など、追加的な景気対策が実行に移される。日本では予算委員会の議論を聞いても、鳩山内閣にその覚悟はない。株価の明暗は、その差から生じているのではないだろうか。今週は10日に、10月の景気ウォッチャー調査。11日には9月の機械受注、13日には10月の消費動向調査が発表されるが、日経平均はどう反応するのか。
アメリカでは、13日に9月の貿易収支とミシガン大学の11月・消費者信頼感指数。また11日には、中国が10月の貿易、生産、物価、固定資産投資をまとめて発表。13日には、EUが7-9月期のGDP速報を公表する予定。このほか10日にはガイトナー米財務長官が、また週末にはオバマ大統領が初めて来日する。
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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内閣府は景気の基調判断を引き上げ、すでに景気が回復局面にあることを確認した。9月の景気動向指数のうちの一致指数が6か月連続して上昇、前月を1.3ポイント上回る92.5に達したため。これまでの「景気は下げ止まり」という基調判断を改めて、「上方への局面変化」に修正した。
景気動向指数のうちの一致指数は、景気の動向に敏感な11の経済指標を総合し、景気の現状を反映するように作られている。9月の一致指数は、このうち生産や商業売上高、所定外労働時間など8つの指数が前月より好転した。これで7-9月間の一致指数が上昇したため、来週発表される7-9月期のGDP成長率も2-3%のプラスとなる見込み。
したがって本来なら「景気は少しずつよくなる」という安心感が広がるはず。しかし経済界やマスコミ、一般市民の間に、そうした気分は盛り上がってこない。というのも、年末から来年春にかけての景気動向に対する不安感がどうしても払拭できないからである。その理由は--。
いまの景気回復は、輸出の伸びと政府の景気対策によるところが大きい。このうち輸出は海外経済の好転で、少しずつ回復するかもしれない。しかしエコカー減税などの景気対策はそろそろ効力を失いそうだ。鳩山内閣は子育て支援などの景気浮揚効果に期待するが、それは来年度予算。来年4月までの間に、景気は二番底に陥る懸念が強い。ところが政府には、それを回避しようという考え方がない。内閣府が基調判断を上方修正しても、喜べないのはそのためだ。
≪9日の日経平均 = 上げ +19.64円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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景気動向指数のうちの一致指数は、景気の動向に敏感な11の経済指標を総合し、景気の現状を反映するように作られている。9月の一致指数は、このうち生産や商業売上高、所定外労働時間など8つの指数が前月より好転した。これで7-9月間の一致指数が上昇したため、来週発表される7-9月期のGDP成長率も2-3%のプラスとなる見込み。
したがって本来なら「景気は少しずつよくなる」という安心感が広がるはず。しかし経済界やマスコミ、一般市民の間に、そうした気分は盛り上がってこない。というのも、年末から来年春にかけての景気動向に対する不安感がどうしても払拭できないからである。その理由は--。
いまの景気回復は、輸出の伸びと政府の景気対策によるところが大きい。このうち輸出は海外経済の好転で、少しずつ回復するかもしれない。しかしエコカー減税などの景気対策はそろそろ効力を失いそうだ。鳩山内閣は子育て支援などの景気浮揚効果に期待するが、それは来年度予算。来年4月までの間に、景気は二番底に陥る懸念が強い。ところが政府には、それを回避しようという考え方がない。内閣府が基調判断を上方修正しても、喜べないのはそのためだ。
≪9日の日経平均 = 上げ +19.64円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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アメリカは法人税減税を含む追加の景気対策を急ぎ始めた。すでに住宅減税や失業保険給付の期間延長については、関連法案が議会で可決された。また企業に対する優遇税制の拡大や法人所得税の減税についても、実現に向けた動きが加速している。さらに予算化されている公共事業の前倒し執行も、政府部内では検討されている模様だ。
住宅減税は、初めて住宅を購入する人に最大8000ドル(約72万円)の税金を還付する内容。11月末で期限切れとなっていたのを、来年4月末まで延長した。失業保険の給付期間も14週間延長している。企業に対する優遇税制は、これまで中小企業だけに認められてきた損金算入に伴う優遇措置を全企業に拡大する。
成長率でみると、アメリカ経済は7-9月期に前期比の年率で3.5%のプラスにまで回復した。しかし10月の失業率は10.2%と、26年ぶりの高さに。エコカーに対する支援策が終了したために、9月は個人消費も減少してしまった。このように雇用と消費の面では改善が進まず、政府や議会も追加的な景気対策が必要と判断したわけだ。
景気はゆっくりした回復軌道に乗っているが、雇用はまだ悪化の傾向から抜け出せない。雇用の縮小は、消費の減退につながる。こうした状況は、日本でも同じ。アメリカが早くも追加対策に踏み出したのに比べ、日本ではようやく閣内に第2次補正予算の必要論が高まってきた段階。その国会提出も来年になってしまう。とにかく、やることが遅い。
≪10日の日経平均 = 上げ +61.74円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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住宅減税は、初めて住宅を購入する人に最大8000ドル(約72万円)の税金を還付する内容。11月末で期限切れとなっていたのを、来年4月末まで延長した。失業保険の給付期間も14週間延長している。企業に対する優遇税制は、これまで中小企業だけに認められてきた損金算入に伴う優遇措置を全企業に拡大する。
成長率でみると、アメリカ経済は7-9月期に前期比の年率で3.5%のプラスにまで回復した。しかし10月の失業率は10.2%と、26年ぶりの高さに。エコカーに対する支援策が終了したために、9月は個人消費も減少してしまった。このように雇用と消費の面では改善が進まず、政府や議会も追加的な景気対策が必要と判断したわけだ。
景気はゆっくりした回復軌道に乗っているが、雇用はまだ悪化の傾向から抜け出せない。雇用の縮小は、消費の減退につながる。こうした状況は、日本でも同じ。アメリカが早くも追加対策に踏み出したのに比べ、日本ではようやく閣内に第2次補正予算の必要論が高まってきた段階。その国会提出も来年になってしまう。とにかく、やることが遅い。
≪10日の日経平均 = 上げ +61.74円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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世の中には、予想外のことが起るものだ。法人税の税収が“赤字”になったという。当初に予定した税収額に足りないというのではない。税金の還付が多すぎて税収額を上回ったために、差し引きの収支で赤字になったのだから尋常ではない。こんなことが本当に起ってしまった。不況のせいとはいえ、椿事と言うしかない。
財務省の発表によると、ことし上半期(4-9月)の法人税収は1兆3757億円だった。ところが税金の還付が2兆6832億円もあって、差し引き1兆3075億円の還付超過に。不況の影響で赤字に陥った企業が多く、これらの企業が昨年のうちに前払いしていた税金を返還したためだ。財務省の担当者も「こんな経験ははじめて」と驚いている。
こんなこともあって、今年度の法人税収は当初予算で想定した10兆5000億円を大幅に割り込み、最終的には5-6兆円に減る見込み。所得税や消費税の税収も、前年の実績を大きく下回っており、全体の税収も当初予算の46兆円に対して35-37兆円しか見込めなくなっている。
来年度予算の編成作業に入っている鳩山内閣は、いま懸命に歳出のムダを省き、新規の国債発行を44兆円以内に収めようと努力している。しかし税収がこんな調子では、その公約も達成は不可能に近いだろう。すでに国債の発行残高は563兆円を超え、1日についてで260億円の利息を支払っている状態。日本人は割と冷静だが、海外の目は厳しく見ている。
≪11日の日経平均 = 上げ +0.95円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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財務省の発表によると、ことし上半期(4-9月)の法人税収は1兆3757億円だった。ところが税金の還付が2兆6832億円もあって、差し引き1兆3075億円の還付超過に。不況の影響で赤字に陥った企業が多く、これらの企業が昨年のうちに前払いしていた税金を返還したためだ。財務省の担当者も「こんな経験ははじめて」と驚いている。
こんなこともあって、今年度の法人税収は当初予算で想定した10兆5000億円を大幅に割り込み、最終的には5-6兆円に減る見込み。所得税や消費税の税収も、前年の実績を大きく下回っており、全体の税収も当初予算の46兆円に対して35-37兆円しか見込めなくなっている。
来年度予算の編成作業に入っている鳩山内閣は、いま懸命に歳出のムダを省き、新規の国債発行を44兆円以内に収めようと努力している。しかし税収がこんな調子では、その公約も達成は不可能に近いだろう。すでに国債の発行残高は563兆円を超え、1日についてで260億円の利息を支払っている状態。日本人は割と冷静だが、海外の目は厳しく見ている。
≪11日の日経平均 = 上げ +0.95円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ なぜ成長率を忌避するのか? = 鳩山内閣になってから、経済成長率の話が聞えなくなった。臨時国会での質疑をみても、GDP(国内総生産)とか成長率はほとんど問題になっていない。そういえば民主党の選挙マニフェストにも、成長目標は書かれていなかった。
鳩山首相はかつて「経済政策の目標はGDPばかりではない」と述べたことがある。GDPの大きさよりも国民生活の安定を重視したい、という考え方の表明だったのだろう。だから子ども手当て・・・となる政治姿勢。それはそれで理解できないことはない。だが成長率を無視したり、忌避するのは間違っているのではないか。
政府が成長目標を明示しないと、企業経営者は大きな拠りどころを一つ失う。将来の見通しが不鮮明になって、雇用や設備投資の増加にも踏み切りにくくなってしまう。海外諸国の例をみても、不況の度合いが薄れるにつれて将来の成長率見通しを上方修正し、民間を元気付けようとしている。
いま民主党政府は来年度予算作りを急いでいる。しかし歳出のカットには懸命だが、歳入見込みの大前提となる来年度の成長予測は、だれが作業をしているのだろう。民主党政権といえども、おそらく年末までには「経済見通し」を作成する必要があるはずだ。そこで、いい加減な数字が飛び出してくるのは最悪。GDPをバカにしていると、結局はGDPの報復を受けることになる。
≪12日の日経平均 = 下げ -67.19円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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鳩山首相はかつて「経済政策の目標はGDPばかりではない」と述べたことがある。GDPの大きさよりも国民生活の安定を重視したい、という考え方の表明だったのだろう。だから子ども手当て・・・となる政治姿勢。それはそれで理解できないことはない。だが成長率を無視したり、忌避するのは間違っているのではないか。
政府が成長目標を明示しないと、企業経営者は大きな拠りどころを一つ失う。将来の見通しが不鮮明になって、雇用や設備投資の増加にも踏み切りにくくなってしまう。海外諸国の例をみても、不況の度合いが薄れるにつれて将来の成長率見通しを上方修正し、民間を元気付けようとしている。
いま民主党政府は来年度予算作りを急いでいる。しかし歳出のカットには懸命だが、歳入見込みの大前提となる来年度の成長予測は、だれが作業をしているのだろう。民主党政権といえども、おそらく年末までには「経済見通し」を作成する必要があるはずだ。そこで、いい加減な数字が飛び出してくるのは最悪。GDPをバカにしていると、結局はGDPの報復を受けることになる。
≪12日の日経平均 = 下げ -67.19円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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2) 5人に1人は中国人 = 国連の推計によると、中国の人口は09年で13億5300万人。もちろん、世界で最大だ。世界の総人口に占める比率は20%近い。5人に1人は中国人という計算になる。ちなみに2位のインドは11億9800万人、3位のアメリカはぐっと下がって3億1500万人。日本は1億2700万人で、世界のなかでは10番目に位置する。
国の面積をみると、中国は960万平方キロメートル。属領を入れるかどうかで微妙に違ってくるが、アメリカとほぼ同じ。ロシアとカナダに次いで世界第3位。日本は38万平方キロメートルで、世界では60番目。中国もアメリカも、日本の面積の25倍という広大な国土を持っている。ただ人口密度でみると、アメリカが1平方キロメートル当たり32.7人であるのに対し、中国は140人で意外に高い。
広大な国土には豊富な資源が眠っており、中国は資源大国でもある。石油や石炭といったエネルギー資源、鉄鉱石や銅鉱石などの金属資源。さらにはインジウム、タングステンなどのレアメタル。いま電気自動車用の電池に不可欠となったリチウムの産出高も多い。
人口が多いことは、それだけ消費市場が大きいことを意味する。経済が未熟な状態にあったときは、人口の多さが発展の妨げになったことは確かだろう。だが経済がいったん発展段階に入ると、消費市場の大きさは成長を促進する要素に変化する。自動車が年間1000万台、携帯電話が1億台売れるのはそのためだ。一種の“規模の利益”と言ってもいい。
(続きは来週サタデー)
≪13日の日経平均 = 下げ -34.18円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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国の面積をみると、中国は960万平方キロメートル。属領を入れるかどうかで微妙に違ってくるが、アメリカとほぼ同じ。ロシアとカナダに次いで世界第3位。日本は38万平方キロメートルで、世界では60番目。中国もアメリカも、日本の面積の25倍という広大な国土を持っている。ただ人口密度でみると、アメリカが1平方キロメートル当たり32.7人であるのに対し、中国は140人で意外に高い。
広大な国土には豊富な資源が眠っており、中国は資源大国でもある。石油や石炭といったエネルギー資源、鉄鉱石や銅鉱石などの金属資源。さらにはインジウム、タングステンなどのレアメタル。いま電気自動車用の電池に不可欠となったリチウムの産出高も多い。
人口が多いことは、それだけ消費市場が大きいことを意味する。経済が未熟な状態にあったときは、人口の多さが発展の妨げになったことは確かだろう。だが経済がいったん発展段階に入ると、消費市場の大きさは成長を促進する要素に変化する。自動車が年間1000万台、携帯電話が1億台売れるのはそのためだ。一種の“規模の利益”と言ってもいい。
(続きは来週サタデー)
≪13日の日経平均 = 下げ -34.18円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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第16章 失業率って、なんだろう? ⑦
労働人口や失業者の数は、地域によってもかなり違います。きょうは地域ごとの完全失業率を調べてみましょう。全国の失業率は毎月の数値が発表されますが、地域ごとの失業率は四半期ごとにまとめて発表されます。みなさんが住んでいる地域は、どうなっているでしょうか。
いちばん新しい7-9月期の完全失業率は、全国平均が5.4%でした。最も高かったのは近畿地方の6.4%です。次いで東北地方が6.1%、九州・沖縄地方が6.0%、四国が5.5%で、この四地域は全国平均を上回っています。北海道は5.4%で、全国平均と同じでした。
完全失業率が最も低かったのは、北陸地方で4.5%でした。続いて低かったのは中国地方の4.7%、東海地方と北関東・甲信地方が4.9%、南関東地方は5.3%となっています。近畿地方と北陸地方では、差し引き2%ほどの違いのあることがわかりますね。
いま日本全体の景気はあまり良くありません。その日本のなかでも失業率に違いのあることは、地域によって景気の状態に差のあることを示していると言ってもいいでしょう。それはその地域にある会社や工場が、不況でどのくらい苦しい状態になっているかを表わしているとも言うことができます。各地域の失業率が、早く下がるといいですね。
(続きは来週日曜日)
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労働人口や失業者の数は、地域によってもかなり違います。きょうは地域ごとの完全失業率を調べてみましょう。全国の失業率は毎月の数値が発表されますが、地域ごとの失業率は四半期ごとにまとめて発表されます。みなさんが住んでいる地域は、どうなっているでしょうか。
いちばん新しい7-9月期の完全失業率は、全国平均が5.4%でした。最も高かったのは近畿地方の6.4%です。次いで東北地方が6.1%、九州・沖縄地方が6.0%、四国が5.5%で、この四地域は全国平均を上回っています。北海道は5.4%で、全国平均と同じでした。
完全失業率が最も低かったのは、北陸地方で4.5%でした。続いて低かったのは中国地方の4.7%、東海地方と北関東・甲信地方が4.9%、南関東地方は5.3%となっています。近畿地方と北陸地方では、差し引き2%ほどの違いのあることがわかりますね。
いま日本全体の景気はあまり良くありません。その日本のなかでも失業率に違いのあることは、地域によって景気の状態に差のあることを示していると言ってもいいでしょう。それはその地域にある会社や工場が、不況でどのくらい苦しい状態になっているかを表わしているとも言うことができます。各地域の失業率が、早く下がるといいですね。
(続きは来週日曜日)
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ニューヨークは堅調、東京は軟調。株式市場では先週も、このパターンが続いた。ダウ平均は週間247ドルの値上がり、日経平均は19円の値下がりだった。東京の場合は円相場や大型増資ラッシュといった独自の問題を抱えているにしても、元気がなさすぎる。その基本的な理由は、やはり景気の見通しに自信が持てないことにあるのだろう。
今週は16日に、7-9月期のGDP速報が発表される。事前の民間予測は、前期比の年率でプラス2.4%-2.5%に集中している。4-6月期のプラス2.3%に続いてこの程度の数値が出れば、一般的には「まずまず」という受け取り方になるだろう。だが市場は、どのように反応するか。反応が鈍ければ、やはり先行き不安が大きいと考えざるをえなくなる。
鳩山内閣も景気の先行きが心配になってきたとみえて、17日に今年度の第2次補正予算を正式に決定する予定。総額は2兆7000億円ほどだが、この補正予算に対する株式市場の受け取り方も非常に興味深い。ほかに17日には、9月の第3次産業活動指数。19日には、9月の全産業活動指数が発表になる。
アメリカでは、16日に10月の小売り売上高。17日に10月の工業生産と生産者物価。18日には、10月の住宅着工件数と建設許可件数、消費者物価指数。19日には、コンファレンスボードによる10月の景気先行指数とフィラデルフィア連銀の11月・景況指数が発表される。これらの景気指標が、ダウ平均の年初来高値をさらに押し上げるかどうか。
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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今週は16日に、7-9月期のGDP速報が発表される。事前の民間予測は、前期比の年率でプラス2.4%-2.5%に集中している。4-6月期のプラス2.3%に続いてこの程度の数値が出れば、一般的には「まずまず」という受け取り方になるだろう。だが市場は、どのように反応するか。反応が鈍ければ、やはり先行き不安が大きいと考えざるをえなくなる。
鳩山内閣も景気の先行きが心配になってきたとみえて、17日に今年度の第2次補正予算を正式に決定する予定。総額は2兆7000億円ほどだが、この補正予算に対する株式市場の受け取り方も非常に興味深い。ほかに17日には、9月の第3次産業活動指数。19日には、9月の全産業活動指数が発表になる。
アメリカでは、16日に10月の小売り売上高。17日に10月の工業生産と生産者物価。18日には、10月の住宅着工件数と建設許可件数、消費者物価指数。19日には、コンファレンスボードによる10月の景気先行指数とフィラデルフィア連銀の11月・景況指数が発表される。これらの景気指標が、ダウ平均の年初来高値をさらに押し上げるかどうか。
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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内閣府が16日発表した7-9月期の実質GDP成長率は、前期比の年率でプラス4.8%となった。07年1-3月期以来の高い伸びで、事前の民間予測を大幅に上回った。これで2四半期連続のプラス成長。本来ならば「ひと安心」と胸をなぜ下ろすところだが、経済界の評価はいま一つ。株式市場も、全く反応しなかった。
成長率を押し上げたのは、個人消費と輸出。設備投資も健闘、住宅投資も減少幅を縮めて貢献した。4-6月期の前期比・年率の数字と比べてみると、個人消費はプラス3.2%からプラス2.9%にやや減速。輸出はプラス27.9%からプラス28.0%へと横ばい。設備投資はマイナス16.1%からプラス6.6%へと改善。住宅投資はマイナス33.0%がマイナス27.5%にやや改善した。
ただ物価が下落したことによって、名目GDPは逆に前期比の年率で0.3%縮小している。名目GDPの大きさ自体もピークだった08年1-3月期に比べると、40兆円以上少ない。久しぶりの高成長だったにもかかわらず、ほとんど景気回復感が湧かないのはこのためだ。加えて今後の見通しが全く不鮮明なことも、喜べない理由になっている。
問題は内需の見通し。エコカーに対する補助金や減税、家電製品のエコポイントなどの効果はそろそろ一巡する。09年度前半はこれらの施策が個人消費を押し上げたが、後半にはそれに代わるエネルギー源が見当たらない。鳩山内閣は慌てて2次補正や住宅向けのエコポイント制度を考えているが、遅きに失した感は否めない。市場が無反応だった最大の原因は、そこにあるのだろう。
≪16日の日経平均 = 上げ +20.87円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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成長率を押し上げたのは、個人消費と輸出。設備投資も健闘、住宅投資も減少幅を縮めて貢献した。4-6月期の前期比・年率の数字と比べてみると、個人消費はプラス3.2%からプラス2.9%にやや減速。輸出はプラス27.9%からプラス28.0%へと横ばい。設備投資はマイナス16.1%からプラス6.6%へと改善。住宅投資はマイナス33.0%がマイナス27.5%にやや改善した。
ただ物価が下落したことによって、名目GDPは逆に前期比の年率で0.3%縮小している。名目GDPの大きさ自体もピークだった08年1-3月期に比べると、40兆円以上少ない。久しぶりの高成長だったにもかかわらず、ほとんど景気回復感が湧かないのはこのためだ。加えて今後の見通しが全く不鮮明なことも、喜べない理由になっている。
問題は内需の見通し。エコカーに対する補助金や減税、家電製品のエコポイントなどの効果はそろそろ一巡する。09年度前半はこれらの施策が個人消費を押し上げたが、後半にはそれに代わるエネルギー源が見当たらない。鳩山内閣は慌てて2次補正や住宅向けのエコポイント制度を考えているが、遅きに失した感は否めない。市場が無反応だった最大の原因は、そこにあるのだろう。
≪16日の日経平均 = 上げ +20.87円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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中国汽車工業会の発表によると、1-10月間の新車販売台数は1089万1400台になった。前年同期比では37.7%の大幅な伸び。通年の販売は1300万台を上回る可能性が出てきた、と同工業会では予測している。一方、アメリカの新車販売台数は、通年で1030万台前後の見込み。自動車の販売台数で、ことしは中国がアメリカを抜いて世界第1位となることが確実になった。
中国では政府の補助金政策もあって、新車の購買熱が大都市から地方へと広がっている。大都市では5-10万元(約66万ー132万円)クラスの中型車、地方では3万3000元(約44万円)クラスの小型車が売れ筋。外国メーカーの現地生産車が健闘しており、売れ行きの1位はフォルクスワーゲン、日産も6位に食い込んでいる。
生産の増加もいちじるしい。1-9月間の自動車生産台数は961万台で、前年を32.0%上回った。通年では1250万ー1300万台を見込んでいる。このうちの約7割が小型車。中国の自動車生産は08年にアメリカを抜き、日本に次いで世界第2位となった。ことしは日本をも抜き去って、世界第1位の座に就くことは確実だ。
このように中国は09年、自動車の販売と生産の両面で断トツの世界第1位に躍り出る。その経済的な影響は、中国国内はもちろん、日本を含めた海外諸国にも大きな波及効果をもたらす。たとえば中国の10月の工業生産は前年比16.1%も増加したが、その主たる原動力は自動車だった。また日本の自動車メーカー各社も中国での売上げを伸ばし、部品メーカーも輸出を通じて業績を好転させているところが多い。
≪17日の日経平均 = 下げ -61.25円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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中国では政府の補助金政策もあって、新車の購買熱が大都市から地方へと広がっている。大都市では5-10万元(約66万ー132万円)クラスの中型車、地方では3万3000元(約44万円)クラスの小型車が売れ筋。外国メーカーの現地生産車が健闘しており、売れ行きの1位はフォルクスワーゲン、日産も6位に食い込んでいる。
生産の増加もいちじるしい。1-9月間の自動車生産台数は961万台で、前年を32.0%上回った。通年では1250万ー1300万台を見込んでいる。このうちの約7割が小型車。中国の自動車生産は08年にアメリカを抜き、日本に次いで世界第2位となった。ことしは日本をも抜き去って、世界第1位の座に就くことは確実だ。
このように中国は09年、自動車の販売と生産の両面で断トツの世界第1位に躍り出る。その経済的な影響は、中国国内はもちろん、日本を含めた海外諸国にも大きな波及効果をもたらす。たとえば中国の10月の工業生産は前年比16.1%も増加したが、その主たる原動力は自動車だった。また日本の自動車メーカー各社も中国での売上げを伸ばし、部品メーカーも輸出を通じて業績を好転させているところが多い。
≪17日の日経平均 = 下げ -61.25円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 先送りになった補正予算の決断 = 鳩山内閣は17日の閣議で、第2次補正予算の編成を正式に決定するはずだった。ところが予算の規模や事業内容について閣僚の意見がまとまらず、詳細な決定は先送りになってしまった。鳩山首相は「いろいろな意見が出ることはいいことだ」と言っているが、国民には統率力のなさに映る。
前日16日の基本政策閣僚委員会で、菅副総理が予算規模を2兆7000億円程度にしたいと提案したが、亀井金融相がもっと大型にすべきだと主張。合意に達することができなかった。また事業内容についても雇用と環境を軸にすることは決まったが、具体的な議論にまでは踏み込めなかったという。
第2次補正予算の話は、11月になってから急速に浮上した。景気が二番底に陥るのを防ぐため、というのが民主党政府の理由づけだ。財源についても、自民党の前内閣が編成した第1次補正予算の執行停止分2兆9000億円を充てることは、早々に決まっていた。したがって、それを上回る大型予算という亀井氏の主張は国債のさらなる増発を意味する。
どうせ来年の通常国会に提出するのだから急ぐことはない、と考えているのかもしれない。だが、それは大きな間違いだ。金融政策をみても判るように、景気対策はたな晒しにしておくと、どんどん効果が薄れてしまう。国民に対する心理的なインパクトは、時間とともに減退する。この経済心理学を、鳩山首相はご存知ないようだ。
(続きは明日)
≪18日の日経平均 = 下げ -53.13円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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前日16日の基本政策閣僚委員会で、菅副総理が予算規模を2兆7000億円程度にしたいと提案したが、亀井金融相がもっと大型にすべきだと主張。合意に達することができなかった。また事業内容についても雇用と環境を軸にすることは決まったが、具体的な議論にまでは踏み込めなかったという。
第2次補正予算の話は、11月になってから急速に浮上した。景気が二番底に陥るのを防ぐため、というのが民主党政府の理由づけだ。財源についても、自民党の前内閣が編成した第1次補正予算の執行停止分2兆9000億円を充てることは、早々に決まっていた。したがって、それを上回る大型予算という亀井氏の主張は国債のさらなる増発を意味する。
どうせ来年の通常国会に提出するのだから急ぐことはない、と考えているのかもしれない。だが、それは大きな間違いだ。金融政策をみても判るように、景気対策はたな晒しにしておくと、どんどん効果が薄れてしまう。国民に対する心理的なインパクトは、時間とともに減退する。この経済心理学を、鳩山首相はご存知ないようだ。
(続きは明日)
≪18日の日経平均 = 下げ -53.13円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 鳩山内閣は“景気音痴”? = 鳩山内閣が最初に着手したのは、自民党の麻生前内閣が編成した第1次補正予算のうちの不要と考えた部分の執行停止だった。この作業で浮いた2兆9000億円を、来年度予算の財源に充てるというのが、つい最近までの基本戦略だった。だが景気の動向をよく観察すれば、この段階で3兆円の財政支出を削減することの危険性は明白だったと言える。鳩山内閣は当時、そのことに気付かなかった。
第1次補正予算の景気浮揚効果は10月以降、急速に薄れる。すると来年度予算が実行されるまでの間、財政面からの刺激に空白状態が生まれるのではないか。これが景気の“二番底”懸念を惹き起こした。7-9月期のGDPが予想を大幅に上回るプラス成長になったにもかかわらず、株価が下げ続けているのはこのためだ。
本来ならば第1次補正の執行を停止した時点で、第2次補正を組むべきだった。その欠陥に気付いたのはいいが、これから作業をすればどんなに早くても執行は来年3月になってしまう。これでは財政支出の空白を完全に埋めることはむずかしい。要するに、遅きに失したと言わざるをえない。
予算の内容にも、問題がありそうだ。鳩山内閣は公共事業を目の敵にしているが、景気を刺激するには公共事業がいちばん手っ取り早い。もちろん不要な道路を造れと言っているわけではない。老朽化した道路や橋、学校や病院の補修や建て替え・耐震工事。これらは立派な公共事業だし、雇用も増える。この際は将来の負担を先取りして、景気対策にすることが賢明だろう。
◎ 補正予算を減額することの危険性については、このブログの9月15-17日、10月7-8日でも警告し、民主党本部あてにも送稿した。返事は「参考にします」だった。
≪19日の日経平均 = 下げ -127.33円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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第1次補正予算の景気浮揚効果は10月以降、急速に薄れる。すると来年度予算が実行されるまでの間、財政面からの刺激に空白状態が生まれるのではないか。これが景気の“二番底”懸念を惹き起こした。7-9月期のGDPが予想を大幅に上回るプラス成長になったにもかかわらず、株価が下げ続けているのはこのためだ。
本来ならば第1次補正の執行を停止した時点で、第2次補正を組むべきだった。その欠陥に気付いたのはいいが、これから作業をすればどんなに早くても執行は来年3月になってしまう。これでは財政支出の空白を完全に埋めることはむずかしい。要するに、遅きに失したと言わざるをえない。
予算の内容にも、問題がありそうだ。鳩山内閣は公共事業を目の敵にしているが、景気を刺激するには公共事業がいちばん手っ取り早い。もちろん不要な道路を造れと言っているわけではない。老朽化した道路や橋、学校や病院の補修や建て替え・耐震工事。これらは立派な公共事業だし、雇用も増える。この際は将来の負担を先取りして、景気対策にすることが賢明だろう。
◎ 補正予算を減額することの危険性については、このブログの9月15-17日、10月7-8日でも警告し、民主党本部あてにも送稿した。返事は「参考にします」だった。
≪19日の日経平均 = 下げ -127.33円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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3) 市場経済への決断 = 中国はことし10月1日に、建国60周年を迎えた。この60年間は前半の30年と後半の30年を、きわめて明確に2分することができる。前半の30年は毛沢東の圧倒的なリーダーシップの下で、社会主義体制の確立にまい進した時代だった。
1978年から始まった後半の30年。ここからは経済の高度成長がスタートする。小平の現実主義、成長重視政策に支えられたもので、特に92年に市場経済への道を決断したあとは2ケタ成長の時代に入った。大胆な市場開放→外資の導入→新しい産業の育成→輸出の増大→大量の外貨獲得→政府による内外市場への投資という好循環を実現したと言っていい。
GDPは80年の3093億ドルから、08年には4兆4016億ドルへ。28年間で14倍になった。輸出額と輸入額を足した貿易総額は、78年時点では200億ドル。それが08年には2兆6000億ドルと、実に124倍にふくれ上がっている。92年に194億ドルしかなかった外貨準備高は、09年6月末で2兆1316億ドルに達して世界最大だ。
中国政府によると、高卒労働者の平均月収は97年時点では850元(約1万2000円)だった。それが08年には倍増している。また民間企業の数は550万社で、全体の80%を超えたという。08年の北京オリンピックも、高度成長には大きく貢献した。10年の上海万博も成長要因として寄与するに違いない。中国の高成長がどこまで続くのか、世界中が見守っている。
(続きは来週サタデー)
≪20日の日経平均 = 下げ -51.79円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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1978年から始まった後半の30年。ここからは経済の高度成長がスタートする。小平の現実主義、成長重視政策に支えられたもので、特に92年に市場経済への道を決断したあとは2ケタ成長の時代に入った。大胆な市場開放→外資の導入→新しい産業の育成→輸出の増大→大量の外貨獲得→政府による内外市場への投資という好循環を実現したと言っていい。
GDPは80年の3093億ドルから、08年には4兆4016億ドルへ。28年間で14倍になった。輸出額と輸入額を足した貿易総額は、78年時点では200億ドル。それが08年には2兆6000億ドルと、実に124倍にふくれ上がっている。92年に194億ドルしかなかった外貨準備高は、09年6月末で2兆1316億ドルに達して世界最大だ。
中国政府によると、高卒労働者の平均月収は97年時点では850元(約1万2000円)だった。それが08年には倍増している。また民間企業の数は550万社で、全体の80%を超えたという。08年の北京オリンピックも、高度成長には大きく貢献した。10年の上海万博も成長要因として寄与するに違いない。中国の高成長がどこまで続くのか、世界中が見守っている。
(続きは来週サタデー)
≪20日の日経平均 = 下げ -51.79円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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第16章 失業率って、なんだろう? ⑧
失業率は男女や年齢によっても、かなりの差があります。いちばん新しい9月の数字でみてみましょう。全体の失業率は5.5%でした。このうち男性は5.6%、女性は5.3%です。いつも男性の方が高いとはかぎりませんが、最近は男性の失業率が女性の失業率を上回る傾向が強くなっているようです。
年齢別にみると、その差はとても大きいことが判ります。15歳-24歳では9.8%、25歳-34歳は7.3%と、平均よりもかなり高いのです。また35歳-44歳は4.4%、45歳-54歳は4.2%、55歳-64歳は5.1%、65歳以上は3.1%となっています。若い人の失業率が高いですね。55歳-64歳は定年を迎える年齢層、65歳以上は仕事を探す人が少ないため失業率は低くなります。
男女と年齢層を組み合わせてみると、失業率がいちばん高いのは15歳-24歳の男性で11.1%にも達しています。逆にいちばん低いのは65歳以上の女性で、失業率は1.3%でした。若い人の失業率が高い理由は、いくつかあります。不況になると企業は余った従業員を解雇しますが、このとき仕事の熟練度が低い若い従業員から人員整理をすることが多いのです。また若い人は仕事が面白くないと、自分から辞めてしまうケースも多いと言えるでしょう。
数日前の新聞に「ことしの就職内定率は低い」という記事が出ていました。来年春に卒業する予定の大学生は、10月1日時点で就職が内定した人は62.5%しかいないという内容です。まだ内定していない大学生が留年したりすれば非労働力人口になりますが、就職活動を続ければ失業者ということになります。失業率は景気のバロメーターですが、失業者を減らさないと景気はよくならないとも言えるでしょう。
(続きは来週日曜日)
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失業率は男女や年齢によっても、かなりの差があります。いちばん新しい9月の数字でみてみましょう。全体の失業率は5.5%でした。このうち男性は5.6%、女性は5.3%です。いつも男性の方が高いとはかぎりませんが、最近は男性の失業率が女性の失業率を上回る傾向が強くなっているようです。
年齢別にみると、その差はとても大きいことが判ります。15歳-24歳では9.8%、25歳-34歳は7.3%と、平均よりもかなり高いのです。また35歳-44歳は4.4%、45歳-54歳は4.2%、55歳-64歳は5.1%、65歳以上は3.1%となっています。若い人の失業率が高いですね。55歳-64歳は定年を迎える年齢層、65歳以上は仕事を探す人が少ないため失業率は低くなります。
男女と年齢層を組み合わせてみると、失業率がいちばん高いのは15歳-24歳の男性で11.1%にも達しています。逆にいちばん低いのは65歳以上の女性で、失業率は1.3%でした。若い人の失業率が高い理由は、いくつかあります。不況になると企業は余った従業員を解雇しますが、このとき仕事の熟練度が低い若い従業員から人員整理をすることが多いのです。また若い人は仕事が面白くないと、自分から辞めてしまうケースも多いと言えるでしょう。
数日前の新聞に「ことしの就職内定率は低い」という記事が出ていました。来年春に卒業する予定の大学生は、10月1日時点で就職が内定した人は62.5%しかいないという内容です。まだ内定していない大学生が留年したりすれば非労働力人口になりますが、就職活動を続ければ失業者ということになります。失業率は景気のバロメーターですが、失業者を減らさないと景気はよくならないとも言えるでしょう。
(続きは来週日曜日)
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東京の株式市場は、弱気の虫に取りつかれてしまった。先週はダウ平均も後半は反落したが、それでも週間48ドルの値上がり。日経平均は273円下がって、4か月ぶりに9500円を割り込んだ。ニューヨークやロンドン、それにアジアの各市場が年初来高値を更新するなかで、東京だけが“一人負け”の状態に陥っている。
大型増資のラッシュと円高の進行が、“一人負け”の原因。大型の公募増資は5月の東芝から先週の三菱UFJに至るまで12件。さらに年末までに予定される分を入れると、総額は5兆円に達するという。一方、円相場はドル安の影響を受けて、とうとう1ドル=88円台にまで上昇した。
さらにその背景には、民主党政府のきわめて拙劣な経済政策が影を落としている。象徴的なのは、第1次補正予算から3兆円を削減。その経済的な悪影響に気付くと、こんどは慌てて2次補正を組んだこと。3兆円を削減した時点で2次補正ならよかったが、いまさら組んでも今年度中の効果はほとんど期待できない。外国人投資家は、特にこの欠陥を重視している。
今週は25日に、10月の企業向けサービス価格と11月の貿易統計。27日には、10月の労働力調査、家計調査、消費者物価が発表になる。だが株価を元気付けるような結果が飛び出す可能性は小さい。アメリカでは23日に、10月の中古住宅販売。24日には、9月の住宅価格と11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数。25日には、10月の新築住宅販売件数が発表になる。
≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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大型増資のラッシュと円高の進行が、“一人負け”の原因。大型の公募増資は5月の東芝から先週の三菱UFJに至るまで12件。さらに年末までに予定される分を入れると、総額は5兆円に達するという。一方、円相場はドル安の影響を受けて、とうとう1ドル=88円台にまで上昇した。
さらにその背景には、民主党政府のきわめて拙劣な経済政策が影を落としている。象徴的なのは、第1次補正予算から3兆円を削減。その経済的な悪影響に気付くと、こんどは慌てて2次補正を組んだこと。3兆円を削減した時点で2次補正ならよかったが、いまさら組んでも今年度中の効果はほとんど期待できない。外国人投資家は、特にこの欠陥を重視している。
今週は25日に、10月の企業向けサービス価格と11月の貿易統計。27日には、10月の労働力調査、家計調査、消費者物価が発表になる。だが株価を元気付けるような結果が飛び出す可能性は小さい。アメリカでは23日に、10月の中古住宅販売。24日には、9月の住宅価格と11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数。25日には、10月の新築住宅販売件数が発表になる。
≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)排出量の増加が、なかなか止まらない。国際的な研究チームの発表によると、世界が08年中に化石燃料の燃焼で排出したCO2の総量は87億トン。前年より2.0%増えて、過去最大となった。90年の水準に比べると41%も増加している。同チームでは「このまま行くと、今世紀末の世界の平均気温は20世紀末より2.4-6.4度上昇する」と警告している。
経済産業省の集計によると、日本の08年度の排出量は11億3800万トンだった。不況の影響で前年度より6.7%減少している。特に産業部門は10.4%も減少した。ただ08年の排出量は90年比にすると、まだ7.4%の増加。京都議定書で08-12年平均の排出量を90年比で6%減にするという日本の約束には、ほど遠い。
部門別の排出量を90年比でみると、不況の影響をいちばん受けた産業部門は13.0%の減少。あとはすべて増加で、運輸部門が8.4%、業務部門が41.3%、家庭部門も34.7%の増加だった。オフィスや店舗、家庭の省エネが全く進んでいない。
来月7日からはデンマークのコペンハーゲンで、国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP15)が開かれる。鳩山首相も出席して、京都議定書後の中期目標設定について議論するが、そこで合意が成立する可能性はきわめて小さい。就任直後の国連総会では「90年比25%削減」を打ち出して世界の注目を集めた鳩山首相だが、この会議では何か具体的な提案ができるのだろうか。
≪24日の日経平均 = 下げ -96.10円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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経済産業省の集計によると、日本の08年度の排出量は11億3800万トンだった。不況の影響で前年度より6.7%減少している。特に産業部門は10.4%も減少した。ただ08年の排出量は90年比にすると、まだ7.4%の増加。京都議定書で08-12年平均の排出量を90年比で6%減にするという日本の約束には、ほど遠い。
部門別の排出量を90年比でみると、不況の影響をいちばん受けた産業部門は13.0%の減少。あとはすべて増加で、運輸部門が8.4%、業務部門が41.3%、家庭部門も34.7%の増加だった。オフィスや店舗、家庭の省エネが全く進んでいない。
来月7日からはデンマークのコペンハーゲンで、国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP15)が開かれる。鳩山首相も出席して、京都議定書後の中期目標設定について議論するが、そこで合意が成立する可能性はきわめて小さい。就任直後の国連総会では「90年比25%削減」を打ち出して世界の注目を集めた鳩山首相だが、この会議では何か具体的な提案ができるのだろうか。
≪24日の日経平均 = 下げ -96.10円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 意図不明なデフレ宣言 = 政府は11月の経済月例報告で、日本経済は「緩やかなデフレ状況にある」と断定した。事実上の“デフレ宣言”である。だが、なぜいま改めてデフレを宣言するのか。どうも、その意図がよく判らない。この宣言は鳩山内閣にとって、悪い結果をもたらすだけなのではないだろうか。
経済用語のデフレはインフレの反対語で、物価が長期にわたって下落する状態を意味する。国際的には、物価の下落が「2年程度つづく場合」と解釈されることが多い。この解釈からすると、日本経済の現状をデフレと断定するのはやや尚早だ。消費者物価の下落はことしの3月からだし、GDPデフレータは08年10-12月期からずっとプラスが続いている。
菅副総理は、政府がデフレと判断した理由について ①消費者物価の下落が続いている②名目成長率が2四半期連続で実質成長率を下回った③需給ギャップが40兆円の不足になっている--の3点を挙げた。しかし、これらの点は、いまに始まったことでもない。
たしかに消費者物価は7月から9月までの3か月間、前年比で2%を上回る大幅な下落を続けた。物価の大幅な下落は企業の経営を圧迫し、雇用や賃金にも悪影響を及ぼしかねない。その点には注意が必要であり、月例報告でそれを指摘することは正しい。だが、それにしてもデフレ宣言をするとは。どうも真意が汲み取りにくい。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 上げ +40.06円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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経済用語のデフレはインフレの反対語で、物価が長期にわたって下落する状態を意味する。国際的には、物価の下落が「2年程度つづく場合」と解釈されることが多い。この解釈からすると、日本経済の現状をデフレと断定するのはやや尚早だ。消費者物価の下落はことしの3月からだし、GDPデフレータは08年10-12月期からずっとプラスが続いている。
菅副総理は、政府がデフレと判断した理由について ①消費者物価の下落が続いている②名目成長率が2四半期連続で実質成長率を下回った③需給ギャップが40兆円の不足になっている--の3点を挙げた。しかし、これらの点は、いまに始まったことでもない。
たしかに消費者物価は7月から9月までの3か月間、前年比で2%を上回る大幅な下落を続けた。物価の大幅な下落は企業の経営を圧迫し、雇用や賃金にも悪影響を及ぼしかねない。その点には注意が必要であり、月例報告でそれを指摘することは正しい。だが、それにしてもデフレ宣言をするとは。どうも真意が汲み取りにくい。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 上げ +40.06円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 天にツバする行為では? = 菅副総理は記者会見のなかで「日銀にもデフレから脱却する努力をしてほしいと申し上げた」と述べている。日銀は今回の大不況に際してCP(コマーシャル・ペーパー)や社債の買い切りなどの非常措置をとったが、これを12月末で終了することに決めた。菅副総理の発言は、この終了を撤回してほしいということらしい。
だが日銀に金融緩和の継続を求めるのにデフレ宣言が必要なほど、政府と日銀の意思疎通が悪いのかと市場関係者はびっくりした。と同時に、政府は日銀に対して要求はするものの、政府自身はなにも対策を講じないことに、関係者はがっかりしている。本来、デフレ宣言を出すのならば、そこから脱却するための施策も一緒に公表すべきだったろう。
第2次補正予算を組むといっても、その実行は来年3月になってしまう。第1次補正から3兆円を剥ぎ取ったために財政支出が息切れし、景気は二番底に落ち込むのではないかという懸念が強まっている昨今だ。そこへ政府がデフレ宣言を出し、しかも対策はないというのでは、景気に対する警戒感がいっそう強まるだけ。現に株価は下落、円高が進行した。
景気が悪化すれば、その結果は鳩山内閣に直接はね返る。もう「サブプライムが元凶」とか、「世界中が不況」だとか、あるいは「麻生前内閣の後遺症」だとか言う時間は過ぎた。これからの不況は、みな民主党政府の責任になる。今回のデフレ宣言は、いまの政府にとっては自信のなさの表われと受け取られても仕方がない。悪い結果だけを背負うことになるのではないか。
≪26日の日経平均 = 下げ -58.40円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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だが日銀に金融緩和の継続を求めるのにデフレ宣言が必要なほど、政府と日銀の意思疎通が悪いのかと市場関係者はびっくりした。と同時に、政府は日銀に対して要求はするものの、政府自身はなにも対策を講じないことに、関係者はがっかりしている。本来、デフレ宣言を出すのならば、そこから脱却するための施策も一緒に公表すべきだったろう。
第2次補正予算を組むといっても、その実行は来年3月になってしまう。第1次補正から3兆円を剥ぎ取ったために財政支出が息切れし、景気は二番底に落ち込むのではないかという懸念が強まっている昨今だ。そこへ政府がデフレ宣言を出し、しかも対策はないというのでは、景気に対する警戒感がいっそう強まるだけ。現に株価は下落、円高が進行した。
景気が悪化すれば、その結果は鳩山内閣に直接はね返る。もう「サブプライムが元凶」とか、「世界中が不況」だとか、あるいは「麻生前内閣の後遺症」だとか言う時間は過ぎた。これからの不況は、みな民主党政府の責任になる。今回のデフレ宣言は、いまの政府にとっては自信のなさの表われと受け取られても仕方がない。悪い結果だけを背負うことになるのではないか。
≪26日の日経平均 = 下げ -58.40円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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4) 高成長の構図 = 中国の高い経済成長を支える要因は、投資と外需だと言っていい。中国では公共投資、設備投資、住宅や不動産投資をひっくるめた数字が、固定資産形成として発表される。06年の統計でみると、GDPに対する固定資産形成の比率は44.9%にも達した。
輸出から輸入を差し引いた純輸出のGDPに対する比率は、06年の場合で7.7%だった。巨大な投資が過剰生産を惹き起こし、これが輸出増大の圧力となっている。その一方で、民間の消費はGDPの38.3%しか占めていない。日本やアメリカの60-70%に比べると、極端に低い。06年の貯蓄率は43.7%という驚異的な高さだった。
その貯蓄は銀行預金、また06年以降は株式投資に向けられている。したがって直接金融、間接金融ともに資金源は豊富であり、これも高成長に大きく貢献している。さらに近年は政府の積極的な外資導入策が、功を奏したと言える。外資導入に踏み切った79年から07年までの外国企業による投資額は8000億ドルにのぼった。
日本を含む外国企業の対中投資は、豊富な労働力と広大な市場を目指して行なわれた。しかし最近になって中国政府は、中国を単なる加工工場ではなく、高い技術力を持った高度な経済国家に変身させようと必死になっている。技術を保有する外資の導入。あるいは豊富な外貨による外国企業の買収、中国企業の海外進出。そして研究開発、資源開発予算の拡大などが、経済政策のなかでも最優先の目標に掲げられるようになった。
(続きは来週サタデー)
≪27日の日経平均 = 下げ -301.72円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】
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輸出から輸入を差し引いた純輸出のGDPに対する比率は、06年の場合で7.7%だった。巨大な投資が過剰生産を惹き起こし、これが輸出増大の圧力となっている。その一方で、民間の消費はGDPの38.3%しか占めていない。日本やアメリカの60-70%に比べると、極端に低い。06年の貯蓄率は43.7%という驚異的な高さだった。
その貯蓄は銀行預金、また06年以降は株式投資に向けられている。したがって直接金融、間接金融ともに資金源は豊富であり、これも高成長に大きく貢献している。さらに近年は政府の積極的な外資導入策が、功を奏したと言える。外資導入に踏み切った79年から07年までの外国企業による投資額は8000億ドルにのぼった。
日本を含む外国企業の対中投資は、豊富な労働力と広大な市場を目指して行なわれた。しかし最近になって中国政府は、中国を単なる加工工場ではなく、高い技術力を持った高度な経済国家に変身させようと必死になっている。技術を保有する外資の導入。あるいは豊富な外貨による外国企業の買収、中国企業の海外進出。そして研究開発、資源開発予算の拡大などが、経済政策のなかでも最優先の目標に掲げられるようになった。
(続きは来週サタデー)
≪27日の日経平均 = 下げ -301.72円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】
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第16章 失業率って、なんだろう? ⑨
外国の失業率は、どうなっているでしょうか。ことし9月の統計をみると、アメリカが9.8%で目立って高いことがわかります。フランスも9.1%で、主要国のなかではこの両国が9%を超えています。このほかロシアが8.3%、イギリスは7.9%、ドイツも7.7%でした。これらの国は、日本の5.3%をかなり上回っていますね。日本より低かったのは韓国で、失業率は3.6%でした。
いま世界の国々はみな不況に悩んでいます。失業率が高いのは、このためです。不況が始まる前の07年と比べてみると、失業率の上昇がはっきり判ります。たとえば07年平均の失業率はアメリカが4.6%、イギリスは5.2%、日本は3.9%でした。
これらの各国は、国連が決めた方法で失業率を調査しています。みなさんが勉強したように、労働力人口に対する完全失業者の数。これが失業率です。ただ実際の調査方法、たとえば何人ぐらいの人を調べているのか。軍人を含めるか除いているか。細かい点では多少の違いが出てくると考えていいでしょう。
中国政府も失業率を発表しています。最近の失業率は4.3%ぐらい。政府はことしの失業率を4.5%以内に抑えたいと言っています。しかし国土が広い中国では、都会から遠く離れた地方では調査ができないことも事実のようです。このため実際の失業率は20%に達している、と主張する専門家もいるようです。
(続きは来週日曜日)
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外国の失業率は、どうなっているでしょうか。ことし9月の統計をみると、アメリカが9.8%で目立って高いことがわかります。フランスも9.1%で、主要国のなかではこの両国が9%を超えています。このほかロシアが8.3%、イギリスは7.9%、ドイツも7.7%でした。これらの国は、日本の5.3%をかなり上回っていますね。日本より低かったのは韓国で、失業率は3.6%でした。
いま世界の国々はみな不況に悩んでいます。失業率が高いのは、このためです。不況が始まる前の07年と比べてみると、失業率の上昇がはっきり判ります。たとえば07年平均の失業率はアメリカが4.6%、イギリスは5.2%、日本は3.9%でした。
これらの各国は、国連が決めた方法で失業率を調査しています。みなさんが勉強したように、労働力人口に対する完全失業者の数。これが失業率です。ただ実際の調査方法、たとえば何人ぐらいの人を調べているのか。軍人を含めるか除いているか。細かい点では多少の違いが出てくると考えていいでしょう。
中国政府も失業率を発表しています。最近の失業率は4.3%ぐらい。政府はことしの失業率を4.5%以内に抑えたいと言っています。しかし国土が広い中国では、都会から遠く離れた地方では調査ができないことも事実のようです。このため実際の失業率は20%に達している、と主張する専門家もいるようです。
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円相場はさらに上昇して、1ドル=80円に接近するのか。日経平均株価は9000円の大台を割り込むのか。--今週はまことに重大な2つの問題がポイントになってしまった。先週、円相場は予想もできなかったほど急騰し、一時は84円台にまで突入した。その影響もあって、日経平均は週間416円の値下がり。そのうえ週末にはドバイ・ショックの追い討ち。終り値はかろうじて9000円台を維持したが、日本経済にとっては“悪夢の一週間”だった。
為替相場の予想は当たらないことが多い。だが勇気を出して予想してみると、先週の円高はかなりオーバーシュート(行き過ぎ)気味だった。このため政治家が無用な発言をしない限り、少なくとも今週中はあまり円高が進まないのではないか。ただ大きく円安に振れる可能性は小さいから、日経平均の方は9000円台の死守がむずかしそうだ。
こうした状況に直面して、政府と日銀がどのような対応策を講じるのか。政府は各国が為替の協調介入に踏み切ることを期待しているようにみえるが、あまり頼りすぎると失敗に終ったときの反動が大きい。国内での対策についても、早急に決める必要がある。
今週は30日に、10月の鉱工業生産と住宅着工件数。1日には、11月の新車販売台数。3日には、7-9月期の法人企業統計が発表される。またアメリカでは1日に、11月の新車販売台数。4日には、11月の雇用統計が発表になる。就業者数の減少に止まる気配が出るかどうかが注目点だ。
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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為替相場の予想は当たらないことが多い。だが勇気を出して予想してみると、先週の円高はかなりオーバーシュート(行き過ぎ)気味だった。このため政治家が無用な発言をしない限り、少なくとも今週中はあまり円高が進まないのではないか。ただ大きく円安に振れる可能性は小さいから、日経平均の方は9000円台の死守がむずかしそうだ。
こうした状況に直面して、政府と日銀がどのような対応策を講じるのか。政府は各国が為替の協調介入に踏み切ることを期待しているようにみえるが、あまり頼りすぎると失敗に終ったときの反動が大きい。国内での対策についても、早急に決める必要がある。
今週は30日に、10月の鉱工業生産と住宅着工件数。1日には、11月の新車販売台数。3日には、7-9月期の法人企業統計が発表される。またアメリカでは1日に、11月の新車販売台数。4日には、11月の雇用統計が発表になる。就業者数の減少に止まる気配が出るかどうかが注目点だ。
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