◇ 下げ渋った東京市場の実力 = ニューヨーク市場の株価は、目前に迫った大統領選挙とコロナの再拡大で大きく売られた。トランプ再選か、バイデン登場か。全米の関心は、かつてなく盛り上がっている。だが市場の関心は、選挙後の混乱に移り始めた。郵便投票を巡る開票の遅れで、新大統領がなかなか決まらないのではないか。街中でトランプ派とバイデン派が衝突し、治安が乱れるのではないか。そんな心配が、株価を押し下げた。
ヨーロッパとアメリカで、コロナ第2波が猛威を振るっている。先週初めはヨーロッパ市場の株安がアメリカに伝染、ニューヨーク市場の株価も大幅安となった。だがアメリカ国内でも感染者が急増、ニューヨーク州など多くの州で経済活動の再規制が実施された。これで景気は再び下降するという見方が強まり、株式は売り込まれた。
ダウ平均は先週1834ドルの値下がり。終り値は2万6500ドルまで落ち込んだ。一方、日経平均は先週539円の値下がりにとどまっている。これは①日本のコロナ禍が比較的軽いこと②政治的に安定していること③株価に出遅れ感が強いこと――のためだと考えられる。なかには経済正常化を見越した日本株の実力だと言う人もいるが、そこまで言い切れるかどうか。
今週は2日に、10月の新車販売。6日に、9月の家計調査と毎月勤労統計。アメリカでは2日に、10月のISM製造業景況指数。4日に、9月の貿易統計と10月のISM非製造業景況指数。6日に、10月の雇用統計。また中国が7日に、10月の貿易統計を発表する。なお3日に、アメリカの大統領選挙。
≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ヨーロッパとアメリカで、コロナ第2波が猛威を振るっている。先週初めはヨーロッパ市場の株安がアメリカに伝染、ニューヨーク市場の株価も大幅安となった。だがアメリカ国内でも感染者が急増、ニューヨーク州など多くの州で経済活動の再規制が実施された。これで景気は再び下降するという見方が強まり、株式は売り込まれた。
ダウ平均は先週1834ドルの値下がり。終り値は2万6500ドルまで落ち込んだ。一方、日経平均は先週539円の値下がりにとどまっている。これは①日本のコロナ禍が比較的軽いこと②政治的に安定していること③株価に出遅れ感が強いこと――のためだと考えられる。なかには経済正常化を見越した日本株の実力だと言う人もいるが、そこまで言い切れるかどうか。
今週は2日に、10月の新車販売。6日に、9月の家計調査と毎月勤労統計。アメリカでは2日に、10月のISM製造業景況指数。4日に、9月の貿易統計と10月のISM非製造業景況指数。6日に、10月の雇用統計。また中国が7日に、10月の貿易統計を発表する。なお3日に、アメリカの大統領選挙。
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◇ 二重行政の弊害を実感できず = 大阪都構想は1日の住民投票で、5年前と全く同様に僅差で否決された。前回は敗北の責任をとって、橋下府知事が政界を引退。今回も松井市長が引退を表明した。多くの人が既視感にとらわれたに違いない。反対の最大の理由は、大阪人の大阪市に対する愛着だった。だが周到な準備をしてきたにもかかわらず、その愛着を説得できなかったのはなぜか。その大きな理由は2つある。
その1つは、ともに維新の会の松井市長と吉村府知事がタッグを組んだこと。一心同体の関係だから、大阪府と大阪市の間に波風が立つことは全くなかった。だから二重行政の欠陥を是正するための都構想だと説明しても、選挙民には実感が湧かなかったに違いない。皮肉にも都構想を推進した両氏の良好な関係が、市民の理解を阻害する結果となった。
もう1つは、都構想というネーミング。東京23区のような行政組織にしたいという発想から、橋下前知事が名付けたようだ。しかし大阪人は、東京の後塵を拝することを極端に嫌がる。なにお今さら「東京の真似をする必要があるのか」といった批判が強かった。仮に“大阪特別区構想”だったら、僅差で勝っていたかもしれない。
維新の会は「再び都構想を提案することはない」と明言している。したがって、大阪市が消滅する可能性はなくなった。しかし将来、府知事と市長が異なった政党から選出される可能性は否定できない。そのときは、議論が再燃するのだろうか。とにかく大阪人の多くが、今回の結果に安心しただろう。だが失ったものも大きい。闘志あふれる2人の大阪人政治家を失ったことである。
≪2日の日経平均 = 上げ +318.35円≫
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その1つは、ともに維新の会の松井市長と吉村府知事がタッグを組んだこと。一心同体の関係だから、大阪府と大阪市の間に波風が立つことは全くなかった。だから二重行政の欠陥を是正するための都構想だと説明しても、選挙民には実感が湧かなかったに違いない。皮肉にも都構想を推進した両氏の良好な関係が、市民の理解を阻害する結果となった。
もう1つは、都構想というネーミング。東京23区のような行政組織にしたいという発想から、橋下前知事が名付けたようだ。しかし大阪人は、東京の後塵を拝することを極端に嫌がる。なにお今さら「東京の真似をする必要があるのか」といった批判が強かった。仮に“大阪特別区構想”だったら、僅差で勝っていたかもしれない。
維新の会は「再び都構想を提案することはない」と明言している。したがって、大阪市が消滅する可能性はなくなった。しかし将来、府知事と市長が異なった政党から選出される可能性は否定できない。そのときは、議論が再燃するのだろうか。とにかく大阪人の多くが、今回の結果に安心しただろう。だが失ったものも大きい。闘志あふれる2人の大阪人政治家を失ったことである。
≪2日の日経平均 = 上げ +318.35円≫
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◇ 日本も同じ道を辿るのか = 日米欧の景気は、そろって7-9月期に急回復した。アメリカのGDP成長率は年率33.1%の拡大。新型コロナの影響で31.4%も縮小した4-6月期から、大きく反発した。EUの成長率も7-9月期は61.6%の驚異的な拡大。4-6月期のマイナス39.5%からV字型の回復をみせている。日本の発表は16日になるが、民間の予測で7-9月期の成長率は18%程度のプラス成長になる見通しだ。
だが、どの国もGDPの水準はコロナ以前の高さには戻っていない。アメリカは昨年10-12月期に比べると、まだ2.9%低い。EUも前年比では4.3%低い水準だ。日本も同様で、18%成長したとしてもコロナ前に比べると6%ほど足りない。これは、たとえば100のGDPが3割減ると70になる。それが4割増えたとしても、98にしかならない。つまり日米欧のGDPは急回復はしたものの、まだコロナ前の水準は取り戻していないわけだ。
もちろん10-12月期も急回復が続けば、コロナによる経済の陥没は埋め戻される。ところが現実は、再びコロナ・ウイルスの感染が拡大し始めてしまった。アメリカもヨーロッパ諸国もコロナ第2波に見舞われ、最近の感染者増加数は第1波のときよりも3倍の大きさになっている。各国政府は10月末から、再び経済活動を規制する政策を取り始めた。フランスは全土、イギリスはイングランドで外出規制、店舗の営業制限に踏み切っている。
経済活動を規制すれば、景気は悪化する。10-12月期のGDPが収縮するのは目に見えており、いまアメリカもEUも景気は二番底に向かって下降し始めたと考えていい。こんどのマイナス成長はいつまで続くか、どこまで落ち込むかが関心のマトになてきている。そうしたなかで、日本はまだ規制を緩和中。しかしコロナ感染者は明かに増加してきた。日本も米欧と同じ道を辿るのだろうか。その可能性は、決して小さくはない。
(続きは明日)
≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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だが、どの国もGDPの水準はコロナ以前の高さには戻っていない。アメリカは昨年10-12月期に比べると、まだ2.9%低い。EUも前年比では4.3%低い水準だ。日本も同様で、18%成長したとしてもコロナ前に比べると6%ほど足りない。これは、たとえば100のGDPが3割減ると70になる。それが4割増えたとしても、98にしかならない。つまり日米欧のGDPは急回復はしたものの、まだコロナ前の水準は取り戻していないわけだ。
もちろん10-12月期も急回復が続けば、コロナによる経済の陥没は埋め戻される。ところが現実は、再びコロナ・ウイルスの感染が拡大し始めてしまった。アメリカもヨーロッパ諸国もコロナ第2波に見舞われ、最近の感染者増加数は第1波のときよりも3倍の大きさになっている。各国政府は10月末から、再び経済活動を規制する政策を取り始めた。フランスは全土、イギリスはイングランドで外出規制、店舗の営業制限に踏み切っている。
経済活動を規制すれば、景気は悪化する。10-12月期のGDPが収縮するのは目に見えており、いまアメリカもEUも景気は二番底に向かって下降し始めたと考えていい。こんどのマイナス成長はいつまで続くか、どこまで落ち込むかが関心のマトになてきている。そうしたなかで、日本はまだ規制を緩和中。しかしコロナ感染者は明かに増加してきた。日本も米欧と同じ道を辿るのだろうか。その可能性は、決して小さくはない。
(続きは明日)
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◇ 第1波の繰り返しではない! = 新型コロナの第2波がやってきた。再び経済活動が規制され、景気は下降に向かう。しかし感染者の増加が落ち着けば、また規制は解除されるだろう。つまりコロナ第2波は、第1波の繰り返しだ。--多くの人が、こう考えている。だが、この考えは間違いだ。コロナ第2波は、決して第1波の単なる繰り返しではない。もっと恐ろしい毒性を持っていることを、理解しなければならない。
GDP成長率は7-9月期に急回復したが、企業の多くはまだ立ち直っていない。たとえば日航・ANAやJRのような大企業から中小企業まで、経営難に苦しんでいる企業は数多い。そこへ外出や営業の規制が加わるのだから、風圧は第1波の何倍にもなるだろう。休業や倒産が、急激に増加することは避けられない。
雇用も第1波の打撃から、まだ立ち直っていない。7-9月期の景気上昇で状態は好転したが、コロナ前の水準は取り戻せない。そんなところへ第2波が押し寄せると、多くの人が「この調子だと、第3波・第4波が来るかもしれない」と考える。そんな不安定な将来展望のなかでは、経営者は従業員を増やそうとは思わない。雇用の改善は遅々として進まなくなる。
経済活動を規制すれば、休業補償や失業対策が必要になる。だが財政の赤字は膨れ上がるばかり。国債発行を増やせば、金利が上昇してしまう。政府の対策も、手詰まりになっていくだろう。このようにコロナ第2波は、第1波よりも毒性が強い。第3波、第4波となれば、状況は急激に悪化する。その意味で、日本はなんとしても第2波の拡大を防がなければならない。世界に逆行して規制緩和を急ぐ政府に、そうした意識は見受けられない。
≪4日の日経平均 = 上げ +399.75円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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GDP成長率は7-9月期に急回復したが、企業の多くはまだ立ち直っていない。たとえば日航・ANAやJRのような大企業から中小企業まで、経営難に苦しんでいる企業は数多い。そこへ外出や営業の規制が加わるのだから、風圧は第1波の何倍にもなるだろう。休業や倒産が、急激に増加することは避けられない。
雇用も第1波の打撃から、まだ立ち直っていない。7-9月期の景気上昇で状態は好転したが、コロナ前の水準は取り戻せない。そんなところへ第2波が押し寄せると、多くの人が「この調子だと、第3波・第4波が来るかもしれない」と考える。そんな不安定な将来展望のなかでは、経営者は従業員を増やそうとは思わない。雇用の改善は遅々として進まなくなる。
経済活動を規制すれば、休業補償や失業対策が必要になる。だが財政の赤字は膨れ上がるばかり。国債発行を増やせば、金利が上昇してしまう。政府の対策も、手詰まりになっていくだろう。このようにコロナ第2波は、第1波よりも毒性が強い。第3波、第4波となれば、状況は急激に悪化する。その意味で、日本はなんとしても第2波の拡大を防がなければならない。世界に逆行して規制緩和を急ぐ政府に、そうした意識は見受けられない。
≪4日の日経平均 = 上げ +399.75円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ “漁夫の利”を狙う中国 = アメリカが大統領選挙で、未曽有の大混乱に陥っている。トランプ現大統領が勝ってもバイデン民主党候補が勝っても、アメリカの政治・社会は分裂の度を深めるだろう。人種や階層あるいは地域間に生じた亀裂は、短時間では修復できない。その結果、アメリカの国力は落ち、世界からの信頼感も低下する可能性がある。その間に中国は着々と国力を増強し、やがてはアメリカに追いつき追い越す。――習近平国家主席が、こう考えても不思議ではない。
中国は先週開いた共産党中央委員会全体会議で「2035年の1人当たりGDPを2倍にする目標」を決定したばかり。平均4.7%の成長を続ければ、15年後にはイギリス・ドイツ並みの先進国になる。あとは短期間でアメリカにも追いつくはずだ。アメリカがコロナや分断でもたもたしてくれれば、追いつくのも早くなる。
こうした状況を、アフリカ大陸などの新興国家はどうみるだろうか。コロナの封じ込め一つをとっても、アメリカは失敗。中国は成功した。政治的な安定性は、中国の方が抜群に高い。国造りに懸命な新興国は、混乱する民主主義国と、しばしば非難はされるが安定した社会主義国のどちらを手本として選ぶだろうか。
中国の古いことわざに“漁夫の利”という言葉がある。シギとハマグリが喧嘩に夢中となっていたため、漁師がたやすく両方を獲ってしまったという故事である。つまり争いごとに夢中になっていると、第三者が思わぬ利益を得るという話だ。習近平主席の頭のなかには、最近この言葉が去来しているに違いない。
≪5日の日経平均 = 上げ +410.05円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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中国は先週開いた共産党中央委員会全体会議で「2035年の1人当たりGDPを2倍にする目標」を決定したばかり。平均4.7%の成長を続ければ、15年後にはイギリス・ドイツ並みの先進国になる。あとは短期間でアメリカにも追いつくはずだ。アメリカがコロナや分断でもたもたしてくれれば、追いつくのも早くなる。
こうした状況を、アフリカ大陸などの新興国家はどうみるだろうか。コロナの封じ込め一つをとっても、アメリカは失敗。中国は成功した。政治的な安定性は、中国の方が抜群に高い。国造りに懸命な新興国は、混乱する民主主義国と、しばしば非難はされるが安定した社会主義国のどちらを手本として選ぶだろうか。
中国の古いことわざに“漁夫の利”という言葉がある。シギとハマグリが喧嘩に夢中となっていたため、漁師がたやすく両方を獲ってしまったという故事である。つまり争いごとに夢中になっていると、第三者が思わぬ利益を得るという話だ。習近平主席の頭のなかには、最近この言葉が去来しているに違いない。
≪5日の日経平均 = 上げ +410.05円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ トランプ大集会で感染者3割増? = 世界の感染者数は4800万人、死亡者数は122万人を超えた。アメリカ・ヨーロッパ・インド・南米諸国が最悪の状態に陥っている。アメリカの感染者は累計949万人、死亡者は23万4315人に達した。1日の感染者増加数が初めて10万人を超え、全米42州で増加傾向が続いている。スタンフォード大学の試算では、トランプ大統領の大規模な選挙集会で、感染者は約3割増加した。
ヨーロッパを襲った第2波は、春の第1波をはるかに上回る勢いだ。最近の1週間では感染者が170万人も増加、前週比で24%も増えている。イギリス・フランス・イタリア・スペインでは、外出制限や飲食店の営業停止など対策に大わらわ。ドイツでも死亡者数が1万人を超え、一部の都市を閉鎖している。したがって、景気の下降は免れない。
インドの感染者は836万人、死亡者は12万4315人。ブラジルは感染者559万人、死亡者16万1106人だった。このほか死亡者数でみると、メキシコが9万人台、アルゼンチン・ペルー・コロンビアが3万人台。南米諸国でも、コロナはじわじわと広がっている。またアジアでは、インドネシアの感染者が42万人、フィリピンが38万人に増えている。
日本では、感染者数が10万人を突破した。5日には1000人を超す感染者が記録されたが、これは8月21日以来のこと。6日時点では感染者が10万5780人、死亡者が1821人となった。1週間の死亡者数は47人→48人→50人→60人と着実に増えており、リスクは確実に増大しつつある。要注意だろう。
≪6日の日経平均 = 上げ +219.95円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】
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ヨーロッパを襲った第2波は、春の第1波をはるかに上回る勢いだ。最近の1週間では感染者が170万人も増加、前週比で24%も増えている。イギリス・フランス・イタリア・スペインでは、外出制限や飲食店の営業停止など対策に大わらわ。ドイツでも死亡者数が1万人を超え、一部の都市を閉鎖している。したがって、景気の下降は免れない。
インドの感染者は836万人、死亡者は12万4315人。ブラジルは感染者559万人、死亡者16万1106人だった。このほか死亡者数でみると、メキシコが9万人台、アルゼンチン・ペルー・コロンビアが3万人台。南米諸国でも、コロナはじわじわと広がっている。またアジアでは、インドネシアの感染者が42万人、フィリピンが38万人に増えている。
日本では、感染者数が10万人を突破した。5日には1000人を超す感染者が記録されたが、これは8月21日以来のこと。6日時点では感染者が10万5780人、死亡者が1821人となった。1週間の死亡者数は47人→48人→50人→60人と着実に増えており、リスクは確実に増大しつつある。要注意だろう。
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【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】
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◇ 29年ぶりの高値に沸いた東京市場 = 東京市場の株価は、予想をはるかに超えて上昇した。日経平均は先週、文化の日をはさんで4日間の連騰。週間では1348円の値上がりで、終り値は2万4325円に。1991年11月以来29年ぶりの高値水準を回復した。国内景気の回復期待に加えて、ニューヨーク株価の高騰が株価を引っ張り上げている。円高も進行したが、投資家の買いは途切れなかった。
ニューヨーク市場の株価も、予想外の高騰をみせた。大統領選挙は不安定な材料なので、投資家は取り引きを控えるだろうというのが事前の予想だった。ところがフタを開けてみると、買い一色。トランプ優勢でも買い、バイデン急追でも買い。ダウ平均は先週1822ドルの大幅高で終わった。終り値は2万8323ドルに。史上最高値まで、あと1200ドルに迫っている。
市場は活況に沸いたが、さすがにバブルの様相が濃くなっている。今週は常識的にみれば、高値警戒で反落するだろう。だがカネ余り相場だから、上げ基調に乗り遅れまいと考える投資家も多い。このまま突っ走る可能性もなくはない。その場合は、バブルがさらに膨れることになる。東京市場の場合は、円相場の動向も改めて心配になってくるだろう。
今週は9日に、9月の景気動向指数。10日に、10月の景気ウオッチャー調査。12日に、10月の企業物価と9月の機械受注、第3次産業活動指数。アメリカでは12日に、10月の消費者物価。13日に、10月の生産者物価。また中国が10日に、10月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ニューヨーク市場の株価も、予想外の高騰をみせた。大統領選挙は不安定な材料なので、投資家は取り引きを控えるだろうというのが事前の予想だった。ところがフタを開けてみると、買い一色。トランプ優勢でも買い、バイデン急追でも買い。ダウ平均は先週1822ドルの大幅高で終わった。終り値は2万8323ドルに。史上最高値まで、あと1200ドルに迫っている。
市場は活況に沸いたが、さすがにバブルの様相が濃くなっている。今週は常識的にみれば、高値警戒で反落するだろう。だがカネ余り相場だから、上げ基調に乗り遅れまいと考える投資家も多い。このまま突っ走る可能性もなくはない。その場合は、バブルがさらに膨れることになる。東京市場の場合は、円相場の動向も改めて心配になってくるだろう。
今週は9日に、9月の景気動向指数。10日に、10月の景気ウオッチャー調査。12日に、10月の企業物価と9月の機械受注、第3次産業活動指数。アメリカでは12日に、10月の消費者物価。13日に、10月の生産者物価。また中国が10日に、10月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ トランプでもバイデンでも買い材料に = ダウ平均株価は先週1800ドルの上昇、ニューヨーク市場は活況に沸いた。材料は大統領選挙の投開票だけ。ところがバイデン氏が優勢でもトランプ氏が追い上げても、投資家は買い続けた。選挙の結果はどうでもよく、どんなニュースも都合のいい方に解釈した。ある意味では、投資家たちが節操をなくした1週間だった。
夏ごろまで、ウオール街では「バイデンなら売り」が常識だった。法人税や所得税、株式譲渡益課税の引き上げを公約しているのだから、当然の反応だったと言える。しかし秋になると「バイデンは買い」に変わった。民主党がインフラ投資や製造業支援に2兆7000億ドルを投入すると公約したからである。市場には、どちらが勝ってもいいという空気が醸成されて行った。
そして先週。まず3日の投票日には「バイデン優勢」の読みで、ダウは555ドル上げた。4日は「トランプがフロリダ州を獲りそう」という観測が流れて、368ドルの上昇。その一方で民主党が大統領と上下両院を制する“ブルー・ウェーブ”期待も株価を押し上げた。ところが5日になると「上院は共和党になりそう」という予想が強まる。しかし市場は「その方が増税に抑制力が働く」と新解釈。ダウは543ドル上昇した。
トランプでもバイデンでもいい。ブルー・ウェーブでも“ねじれ議会”でもいい。要するに何でも買い材料にしてしまったわけだ。その根本的な原因は、歴史的なカネ余りにある。投資を正当化するために、解釈の一貫性や整合性は捨て去った。この状態はもはやバブルとみていい。危ないと考えて売る投資家が多いか、まだ行けると買う投資家が多いか。
≪9日の日経平均 = 上げ +514.61円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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夏ごろまで、ウオール街では「バイデンなら売り」が常識だった。法人税や所得税、株式譲渡益課税の引き上げを公約しているのだから、当然の反応だったと言える。しかし秋になると「バイデンは買い」に変わった。民主党がインフラ投資や製造業支援に2兆7000億ドルを投入すると公約したからである。市場には、どちらが勝ってもいいという空気が醸成されて行った。
そして先週。まず3日の投票日には「バイデン優勢」の読みで、ダウは555ドル上げた。4日は「トランプがフロリダ州を獲りそう」という観測が流れて、368ドルの上昇。その一方で民主党が大統領と上下両院を制する“ブルー・ウェーブ”期待も株価を押し上げた。ところが5日になると「上院は共和党になりそう」という予想が強まる。しかし市場は「その方が増税に抑制力が働く」と新解釈。ダウは543ドル上昇した。
トランプでもバイデンでもいい。ブルー・ウェーブでも“ねじれ議会”でもいい。要するに何でも買い材料にしてしまったわけだ。その根本的な原因は、歴史的なカネ余りにある。投資を正当化するために、解釈の一貫性や整合性は捨て去った。この状態はもはやバブルとみていい。危ないと考えて売る投資家が多いか、まだ行けると買う投資家が多いか。
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◇ 世界的なコロナ拡大で様子見 = 秋に入ってから、政府はコロナで余儀なくされた出入国に対する規制の緩和を着々と進めてきた。まず10月1日には、3か月を超えて日本に滞在する外国人の入国を条件づきで許可。また11月1日には、1週間以内の海外出張から帰国した日本人に対しても、条件づきで2週間の待機措置を免除した。いずれの場合も、その条件は陰性証明書と入国後の行動計画書を提出すること。さらに公共交通機関を利用しないこと、などとなっている。
次に緩和する予定だったのは、外国人ビジネス客の受け入れだった。これも72時間以内の滞在なら、同じ条件で許可することにしていた。ところが、この計画は保留された。アメリカやヨーロッパ諸国で、コロナ・ウイルスの再拡大が始まったからである。じっさい、アメリカでは1日の感染者数が12万人を突破、ヨーロッパでも各国が外出や店舗の営業制限に乗り出している。
これとは別に、政府は渡航制限をしていた国・地域の縮小も進めていた。一時は世界159か国に対して渡航を制限していたが、コロナが鎮静している国を選んで制限を解除している。たとえば韓国やシンガポール、中国、ベトナム、オーストラリアなどへの出国が出来るようになった。しかし、この方針も世界的なコロナ再拡大で中断されている。
政府が出入国に対する規制の解除を急いだのは、2つの理由から。1つは言うまでもなく、経済活動の正常化。もう1つは、来年のオリンピック開催に備えるためだ。成田・羽田・関西国際に加えて新千歳・中部・福岡空港で、計1日2万件のPCR検査を可能とする準備も進行している。だが肝心の規制を解除する試みは、第一歩を踏み出したとたんに頓挫してしまった。今後の見通しも、決して甘くはない。
(続きは明日)
≪10日の日経平均 = 上げ +65.75円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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次に緩和する予定だったのは、外国人ビジネス客の受け入れだった。これも72時間以内の滞在なら、同じ条件で許可することにしていた。ところが、この計画は保留された。アメリカやヨーロッパ諸国で、コロナ・ウイルスの再拡大が始まったからである。じっさい、アメリカでは1日の感染者数が12万人を突破、ヨーロッパでも各国が外出や店舗の営業制限に乗り出している。
これとは別に、政府は渡航制限をしていた国・地域の縮小も進めていた。一時は世界159か国に対して渡航を制限していたが、コロナが鎮静している国を選んで制限を解除している。たとえば韓国やシンガポール、中国、ベトナム、オーストラリアなどへの出国が出来るようになった。しかし、この方針も世界的なコロナ再拡大で中断されている。
政府が出入国に対する規制の解除を急いだのは、2つの理由から。1つは言うまでもなく、経済活動の正常化。もう1つは、来年のオリンピック開催に備えるためだ。成田・羽田・関西国際に加えて新千歳・中部・福岡空港で、計1日2万件のPCR検査を可能とする準備も進行している。だが肝心の規制を解除する試みは、第一歩を踏み出したとたんに頓挫してしまった。今後の見通しも、決して甘くはない。
(続きは明日)
≪10日の日経平均 = 上げ +65.75円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ オリンピックはどうなるんだろう? = 東京オリンピック・パラリンピック2020は、コロナの影響で来年7月に延期された。全世界からやってくる人は、選手だけでも約1万5000人。コーチや審判員、大会関係者、メディアやボランティアを含めると、7-8万人にのぼると推定されている。そのうえに観客。外国からどの程度の観客が来るかは、現状では見通しが立たない。これらの入国者をどう扱うのか。
政府は、この問題についても検討を始めた。いま日本は、コロナの蔓延が激しい140以上の国・地域からの入国を禁止している。しかしオリンピック関連の入国者については、特例として入国を認める方針。したがって選手など7-8万人と観客が、来年夏には来日してくる見込みだ。ただ競技会場と宿舎などに、行動範囲を制限する方向で検討中。
行動範囲が制限されると、大会関係者はもちろん、一般の観客も日本国内を観光することは出来なくなる。このため少なくとも観客の数は、予想をかなり下回る可能性が大きい。また無観客で競技を行うという案も出ているが、いまのところIOC(国際オリンピック委員会)、日本政府、東京都も無観客試合は想定していない。
これだけの入国者を、政府はちゃんと管理できるのか。準備すべき事項は限りなく多く、来年夏までに間に合うのか。かなり心配である。また世界的にパンデミック(大流行)が進行しているいま、たとえばアフリカ諸国などが、選手を派遣できるかという問題もある。さらに日本自体がコロナを制圧していなければ、日本への渡航を許さない国も出てくるだろう。問題は、日一日と差し迫ってきた。
≪11日の日経平均 = 上げ +444.01円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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政府は、この問題についても検討を始めた。いま日本は、コロナの蔓延が激しい140以上の国・地域からの入国を禁止している。しかしオリンピック関連の入国者については、特例として入国を認める方針。したがって選手など7-8万人と観客が、来年夏には来日してくる見込みだ。ただ競技会場と宿舎などに、行動範囲を制限する方向で検討中。
行動範囲が制限されると、大会関係者はもちろん、一般の観客も日本国内を観光することは出来なくなる。このため少なくとも観客の数は、予想をかなり下回る可能性が大きい。また無観客で競技を行うという案も出ているが、いまのところIOC(国際オリンピック委員会)、日本政府、東京都も無観客試合は想定していない。
これだけの入国者を、政府はちゃんと管理できるのか。準備すべき事項は限りなく多く、来年夏までに間に合うのか。かなり心配である。また世界的にパンデミック(大流行)が進行しているいま、たとえばアフリカ諸国などが、選手を派遣できるかという問題もある。さらに日本自体がコロナを制圧していなければ、日本への渡航を許さない国も出てくるだろう。問題は、日一日と差し迫ってきた。
≪11日の日経平均 = 上げ +444.01円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 冷凍庫は足りるのか? = アメリカの大手製薬会社ファイザーは9日、開発中の新型コロナ用mRNAワクチンについて「最終段階の臨床試験で9割以上の予防効果が認められた」と発表した。今月中にもFDA(食品医薬品局)に承認申請を出し、年内に2500万人分、来年は6億5000万人分のワクチンを生産する予定だという。安全性や効果の持続期間など不確かな点もあるが、とにかく最近にない朗報。株価も大幅に上昇した。
新型コロナ・ウイルスの流行には、全く衰えがみえない。アメリカやヨーロッパ諸国、あるいはインドや南米諸国など、感染者や死亡者は増加傾向にある。世界では5000万人が感染し、125万人が死亡した。こんなとき、頼みの綱はワクチン。世界で50に近い製薬会社が開発にしのぎを削っているが、その第1号としてファイザーが名乗りを挙げたわけだ。
すでに日本政府はファイザー社との間で、ワクチンの供給を受ける契約を結んでいる。その内容は、来年上半期中に1億2000万回分の供給を受けるというもの。このワクチンは少なくとも2度の接種が必要なので、約6000万人分ということになる。したがって順調に行けば、来年春から接種が始まるかもしれない。政府もこの費用を無料にするための法案を、いま作成中だ。
大問題はワクチンの輸送と保存である。なにしろ「摂氏マイナス68度以下」にしなければならないというから大変だ。航空機で運ぶとすれば、超大型の強力な冷凍庫が必要になるだろう。また日本国内では、どのようにして運ぶか。さらに大病院では大きな超冷凍庫、小さい診療所では小さい超冷凍庫を備えなければならない。厚生労働省は、そこまで考えているのだろうか。
≪12日の日経平均 = 上げ +171.28円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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新型コロナ・ウイルスの流行には、全く衰えがみえない。アメリカやヨーロッパ諸国、あるいはインドや南米諸国など、感染者や死亡者は増加傾向にある。世界では5000万人が感染し、125万人が死亡した。こんなとき、頼みの綱はワクチン。世界で50に近い製薬会社が開発にしのぎを削っているが、その第1号としてファイザーが名乗りを挙げたわけだ。
すでに日本政府はファイザー社との間で、ワクチンの供給を受ける契約を結んでいる。その内容は、来年上半期中に1億2000万回分の供給を受けるというもの。このワクチンは少なくとも2度の接種が必要なので、約6000万人分ということになる。したがって順調に行けば、来年春から接種が始まるかもしれない。政府もこの費用を無料にするための法案を、いま作成中だ。
大問題はワクチンの輸送と保存である。なにしろ「摂氏マイナス68度以下」にしなければならないというから大変だ。航空機で運ぶとすれば、超大型の強力な冷凍庫が必要になるだろう。また日本国内では、どのようにして運ぶか。さらに大病院では大きな超冷凍庫、小さい診療所では小さい超冷凍庫を備えなければならない。厚生労働省は、そこまで考えているのだろうか。
≪12日の日経平均 = 上げ +171.28円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 日本にも第3波が襲来 = 新型コロナ・ウイルスのパンデミック(世界的大流行)が止まらない。全世界の感染者は5200万人、死亡者は128万人を超えた。国別ではアメリカが感染者1040万人、死亡者24万1809人。ブラジルが感染者574万人、死亡者16万3368人。インドが感染者868万人、死亡者12万8121人。この3か国が、いぜんとして圧倒的に多い。
死亡者数でみると、次いで多いのがメキシコで9万人台。あとはイギリスが5万人台。イタリア・フランス・スペイン・イランが4万人台。ロシア・アルゼンチン・コロンビア・ペルーが3万人台と続いている。夏を迎えた南米諸国でも、コロナの勢いは衰えていない。またアジアでは、インドネシアの死亡者が1万人を超えた。
日本にも第3波が押し寄せた。全国の感染者数は12日に、1660人の増加を記録。第2波の8月に記録した1日の新規感染者数を上回り、過去最大となった。このため11月に入ってからは、第3波の襲来という見方が強まっている。感染者の累計は11万4519人、死亡者数は1886人に達した。前週に比べて、死亡者数は65人の増加だった。
感染者の増加は、PCR検査数が急増したためと考えられている。これまでは発熱などの症状がある人を中心に検査が行われたが、最近は無症状の人も検査を受けるようになり陽性者が増加した。政府がGO TOなどのキャンペーンを縮小しないのも、こうした理由なのだろう。ただ死亡者数も徐々に増えつつある。ちなみに第1波の死亡者ピークは4月の1週間137人、第2波は9月の94人だった。今週の65人が今後どのように増えて行くか。注視して行きたい。
≪13日の日経平均 = 下げ -135.01円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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死亡者数でみると、次いで多いのがメキシコで9万人台。あとはイギリスが5万人台。イタリア・フランス・スペイン・イランが4万人台。ロシア・アルゼンチン・コロンビア・ペルーが3万人台と続いている。夏を迎えた南米諸国でも、コロナの勢いは衰えていない。またアジアでは、インドネシアの死亡者が1万人を超えた。
日本にも第3波が押し寄せた。全国の感染者数は12日に、1660人の増加を記録。第2波の8月に記録した1日の新規感染者数を上回り、過去最大となった。このため11月に入ってからは、第3波の襲来という見方が強まっている。感染者の累計は11万4519人、死亡者数は1886人に達した。前週に比べて、死亡者数は65人の増加だった。
感染者の増加は、PCR検査数が急増したためと考えられている。これまでは発熱などの症状がある人を中心に検査が行われたが、最近は無症状の人も検査を受けるようになり陽性者が増加した。政府がGO TOなどのキャンペーンを縮小しないのも、こうした理由なのだろう。ただ死亡者数も徐々に増えつつある。ちなみに第1波の死亡者ピークは4月の1週間137人、第2波は9月の94人だった。今週の65人が今後どのように増えて行くか。注視して行きたい。
≪13日の日経平均 = 下げ -135.01円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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◇ ダウは最高値接近、3万ドルへ = ダウ平均は先週1156ドルの値上がり。11月になってからの2週間で3000ドル近くの上昇となった。終り値は2万9480ドルで、2月につけた史上最高値まであと88ドル。3万ドルの大台まであと520ドルの水準に到達している。大統領選挙が終わって不透明感が一掃されたところへ、コロナ・ワクチンの実用化が近いというニュースが飛び込んで、買い一色になった。
日経平均は先週1061円の値上がり。ニューヨーク市場の活況に引きずられた。この2週間では2400円の上昇となっている。GO TO キャンペーンなどの効果で景気が上向き、企業業績も回復していることへの期待も大きい。円相場はやや下落しており、東京市場の出遅れ感が強まった。このため外国人投資家の物色も目立っている。
当面の関心事は、日米ともにコロナ感染の勢いが強まっている点。アメリカの感染者は5400万人を超え、日本の1日当たり感染者数も8月のピークを上回ってきた。アメリカでは外出制限など、再規制に踏み切る州が続出。日本でも規制緩和は一時停止の状態となっている。11月以降の景気がどこまで下向くか。企業業績が再び悪化するか。具体的な数値が発表されると、株価の上昇もストップする公算が大きい。
今週は16日に、7-9月期のGDP速報。18日に、10月の貿易統計と訪日外国人客数。20日に、10月の消費者物価。アメリカでは17日に、10月の小売り売上高と工業生産、11月のNAHB住宅市場指数。18日に、10月の住宅着工戸数。19日に、10月の中古住宅販売。また中国が16日に、10月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均は先週1061円の値上がり。ニューヨーク市場の活況に引きずられた。この2週間では2400円の上昇となっている。GO TO キャンペーンなどの効果で景気が上向き、企業業績も回復していることへの期待も大きい。円相場はやや下落しており、東京市場の出遅れ感が強まった。このため外国人投資家の物色も目立っている。
当面の関心事は、日米ともにコロナ感染の勢いが強まっている点。アメリカの感染者は5400万人を超え、日本の1日当たり感染者数も8月のピークを上回ってきた。アメリカでは外出制限など、再規制に踏み切る州が続出。日本でも規制緩和は一時停止の状態となっている。11月以降の景気がどこまで下向くか。企業業績が再び悪化するか。具体的な数値が発表されると、株価の上昇もストップする公算が大きい。
今週は16日に、7-9月期のGDP速報。18日に、10月の貿易統計と訪日外国人客数。20日に、10月の消費者物価。アメリカでは17日に、10月の小売り売上高と工業生産、11月のNAHB住宅市場指数。18日に、10月の住宅着工戸数。19日に、10月の中古住宅販売。また中国が16日に、10月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 成長率はプラス21.4%だったが・・・ 内閣府は16日、7-9月期のGDP速報を発表した。それによると、年率換算した実質成長率はプラス21.4%に。新型コロナの影響でマイナス28.8%と戦後最大の落ち込みとなった4-6月期から、V字型の回復となっている。ただ4-6月期の落ち込みに対しては、その52%を取り戻したに過ぎない。アメリカや中国、あるいはEUも7-9月期の成長率は大きく上昇しているが、これら諸国に比べると日本の回復ぶりは鈍い。
成長率がプラスに転じたのは、政府が経済再生に向けた対策を講じたため。緊急事態宣言を解除し、GO TO キャンペーンを実施した。また1人10万円の現金支給も、消費の底上げに貢献した。それでも7-9月期の名目GDPは、年率換算で507兆6000億円。ピークだった19年7-9月期の539兆円にくらべると、6%も縮小している。
内容をみると、いずれも年率換算で個人消費はプラス20.3%、輸出はプラス31.3%と大きく伸びた。しかし企業の設備投資はマイナス12.8%で、回復していない。さらに雇用者報酬も、前年比2.2%の減少だった。このことは企業がいぜんとして将来を不安視し、投資や人件費の増加に消極的なことを示している。
民間調査機関の予測によると、10-12月期の成長率はプラス4%前後になる見通しだ。この通りになれば、景気の回復は持続することになる。だが11月に入ってコロナ・ウイルスの伝染は、急に勢いを増している。下手をすると、成長率は再びマイナスに落ち込む危険性も否定はできない。そうなれば、設備投資も所得も回復はさらに遠のいてしまう。
≪16日の日経平均 = 上げ +521.06円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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成長率がプラスに転じたのは、政府が経済再生に向けた対策を講じたため。緊急事態宣言を解除し、GO TO キャンペーンを実施した。また1人10万円の現金支給も、消費の底上げに貢献した。それでも7-9月期の名目GDPは、年率換算で507兆6000億円。ピークだった19年7-9月期の539兆円にくらべると、6%も縮小している。
内容をみると、いずれも年率換算で個人消費はプラス20.3%、輸出はプラス31.3%と大きく伸びた。しかし企業の設備投資はマイナス12.8%で、回復していない。さらに雇用者報酬も、前年比2.2%の減少だった。このことは企業がいぜんとして将来を不安視し、投資や人件費の増加に消極的なことを示している。
民間調査機関の予測によると、10-12月期の成長率はプラス4%前後になる見通しだ。この通りになれば、景気の回復は持続することになる。だが11月に入ってコロナ・ウイルスの伝染は、急に勢いを増している。下手をすると、成長率は再びマイナスに落ち込む危険性も否定はできない。そうなれば、設備投資も所得も回復はさらに遠のいてしまう。
≪16日の日経平均 = 上げ +521.06円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ モデルナ社も有効性を確認 = アメリカの新興製薬会社モデルナは16日、開発中の新型コロナ用ワクチンについて「最終段階の臨床試験で、94.5%の予防効果を確認した」と発表した。近くFDA(食品医薬品局)に緊急使用許可の申請を出す。最終段階の臨床試験は3万人以上を対象に行われ、95人が感染した。このうちワクチンを射った人は5人しか感染しなかったという。
モデルナ社によると、FDAの許可が下りれば年内に1000万人分。来年は2億5000万人-5億人分を生産する計画だ。日本政府との間では、2500万人分のワクチンを供給する契約が結ばれた。また日本政府はすでに効果の確認を発表しているアメリカのファイザー社とも、6000万人分の供給を受ける契約をしている。合計では8500万人分。だが、これで「めでたし、めでたし」とはならない。
というのも、まずファイザー社の製品は管理に大きな難点がある。摂氏マイナス68度以下での保存が必要で、輸送や保存には大小多数の超冷凍庫が必要だ。日本はまだその準備を全くしていない。モデルナ製品は摂氏マイナス2-8度での保存が可能。しかし最初の供給量がきわめて少ない。アメリカ国内での使用が優先されるだろうから、日本への供与は遅くになる可能性が大きい。
今後あらゆる手続きや作業が順調に進んだとしても、日本でワクチンが使用できるのは、早くても来年3-4月ごろになる。しかも量は限られるに違いない。コロナ・ウイルスの感染を抑え込むには、少なくとも3000万人以上がワクチン接種を受ける必要があるという。オリンピック前にそういう状態に持ち込めるかどうか。ギリギリの感じが濃い。
≪17日の日経平均 = 上げ +107.69円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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モデルナ社によると、FDAの許可が下りれば年内に1000万人分。来年は2億5000万人-5億人分を生産する計画だ。日本政府との間では、2500万人分のワクチンを供給する契約が結ばれた。また日本政府はすでに効果の確認を発表しているアメリカのファイザー社とも、6000万人分の供給を受ける契約をしている。合計では8500万人分。だが、これで「めでたし、めでたし」とはならない。
というのも、まずファイザー社の製品は管理に大きな難点がある。摂氏マイナス68度以下での保存が必要で、輸送や保存には大小多数の超冷凍庫が必要だ。日本はまだその準備を全くしていない。モデルナ製品は摂氏マイナス2-8度での保存が可能。しかし最初の供給量がきわめて少ない。アメリカ国内での使用が優先されるだろうから、日本への供与は遅くになる可能性が大きい。
今後あらゆる手続きや作業が順調に進んだとしても、日本でワクチンが使用できるのは、早くても来年3-4月ごろになる。しかも量は限られるに違いない。コロナ・ウイルスの感染を抑え込むには、少なくとも3000万人以上がワクチン接種を受ける必要があるという。オリンピック前にそういう状態に持ち込めるかどうか。ギリギリの感じが濃い。
≪17日の日経平均 = 上げ +107.69円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 責任者は誰なのか? = 北海道がコロナで苦しんでいる。鈴木知事は17日、札幌市民に対して「不要不急の外出を控え、他の地域との往来も自粛してもらいたい」と要請した。まるで札幌市だけに、緊急事態宣言が発令されたようにもみえる。ところが赤羽国土交通相は「GO TO トラベルで、北海道を除外することは考えていない」と、そっけない。一般市民は「北海道へは行くべきか、行かざるべきか」考え込んでしまう。
北海道のコロナ感染者は、連日100人を超えている。人口1人当たりの感染者数は東京や大阪を上回って、全国で最悪となった。特に札幌市に感染者が集中しており、医療関係者は口を揃えて「医療崩壊は目前だ」と警告している。それなのに、政府は何も対策をとろうとしない。北海道だけではなく、東京・大阪・愛知・沖縄・神奈川・兵庫などでも、感染者は増加している。それでも政府は、GO TO キャンペーンを強引に進めるのだろうか。
加藤官房長官は「対策を徹底すれば、感染は防げる」と強調した。裏を返せば、まるで「感染の拡大は旅行者や関係業者の責任だ」と言っているように聞こえる。たしかに、コロナ抑制と経済再生の両立は重要だ。一般市民の緊張感も不可欠には違いない。だが専門家会議を招集し、意見を聞いているのは政府であって、一般市民ではない。
万が一にもコロナ・ウイルスの感染拡大に失敗し、オリンピックが開けなくなったとしたら、いったい誰が責任を取るのだろう。不思議なことに総理や副総理は、この問題に口を閉ざしている。この問題のスポークスマンになっている西村経済再生相は「GO TO を利用するかどうかは、みなさんの判断。感染が爆発的に広がれば、政府も考え直す」と言うばかり。少なくとも地方が外出制限を要請した地域については、国もGO TO から除外すべきだろう。
≪18日の日経平均 = 下げ -286.48円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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北海道のコロナ感染者は、連日100人を超えている。人口1人当たりの感染者数は東京や大阪を上回って、全国で最悪となった。特に札幌市に感染者が集中しており、医療関係者は口を揃えて「医療崩壊は目前だ」と警告している。それなのに、政府は何も対策をとろうとしない。北海道だけではなく、東京・大阪・愛知・沖縄・神奈川・兵庫などでも、感染者は増加している。それでも政府は、GO TO キャンペーンを強引に進めるのだろうか。
加藤官房長官は「対策を徹底すれば、感染は防げる」と強調した。裏を返せば、まるで「感染の拡大は旅行者や関係業者の責任だ」と言っているように聞こえる。たしかに、コロナ抑制と経済再生の両立は重要だ。一般市民の緊張感も不可欠には違いない。だが専門家会議を招集し、意見を聞いているのは政府であって、一般市民ではない。
万が一にもコロナ・ウイルスの感染拡大に失敗し、オリンピックが開けなくなったとしたら、いったい誰が責任を取るのだろう。不思議なことに総理や副総理は、この問題に口を閉ざしている。この問題のスポークスマンになっている西村経済再生相は「GO TO を利用するかどうかは、みなさんの判断。感染が爆発的に広がれば、政府も考え直す」と言うばかり。少なくとも地方が外出制限を要請した地域については、国もGO TO から除外すべきだろう。
≪18日の日経平均 = 下げ -286.48円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 3月期の予想は34%減益 = 上場企業の3月期決算予想が、ほぼ出そろった。日経新聞が発表を終えた1673社を集計したところ、来年3月期の純利益は全体で34%の減益になる見通し。自動車や電機を中心に製造業では業績を改善した企業も多く、全体の32%が見通しを上方修正したという。その一方、交通や娯楽など非製造業には、業績の悪化に苦しんでいる企業が多い。
新型コロナ・ウイルスの流行で、多くの企業が苦しんでいる。だが、そうしたなかにあっても、コロナが追い風となっている企業も少なくない。IT関連や、“巣ごもり”で需要を伸ばしている企業だ。こうした、いわば「コロナ順風型企業」が、全体の約3割弱。あとの7割が「コロナ逆風型企業」となる。このなかで規制緩和によって、業績を上方修正した企業が約3割。いぜんとして改善しない企業は残りの約4割というのが現状だ。つまり3対3対4の比率になっている。
34%の減益見通しにもかかわらず、株価は大きく上昇した。コロナが蔓延すると「コロナ順風型」が買われる。規制が緩和されると、こんどは「コロナ逆風型」の株価が上昇する。特にワクチンの実用化が近いというニュースが伝わると、「逆風型」の株価が大きく上昇した。つまり株価はコロナ禍が強まっても弱まっても、上がり続けたことになる。
こうしてダウ平均は、ついに史上最高値を更新。3万ドルの一歩前まで高騰した。日経平均も29年ぶりの高値水準を回復した。その原動力は、言うまでもなく未曽有のカネ余りに求められる。ただ現状は、コロナのパンデミック(世界的大流行)が再び進行中。これまでの「3;3;4体制」が続き、株価は上昇を続けるのか。試される場面に、さしかかった。
≪19日の日経平均 = 下げ -93.80円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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新型コロナ・ウイルスの流行で、多くの企業が苦しんでいる。だが、そうしたなかにあっても、コロナが追い風となっている企業も少なくない。IT関連や、“巣ごもり”で需要を伸ばしている企業だ。こうした、いわば「コロナ順風型企業」が、全体の約3割弱。あとの7割が「コロナ逆風型企業」となる。このなかで規制緩和によって、業績を上方修正した企業が約3割。いぜんとして改善しない企業は残りの約4割というのが現状だ。つまり3対3対4の比率になっている。
34%の減益見通しにもかかわらず、株価は大きく上昇した。コロナが蔓延すると「コロナ順風型」が買われる。規制が緩和されると、こんどは「コロナ逆風型」の株価が上昇する。特にワクチンの実用化が近いというニュースが伝わると、「逆風型」の株価が大きく上昇した。つまり株価はコロナ禍が強まっても弱まっても、上がり続けたことになる。
こうしてダウ平均は、ついに史上最高値を更新。3万ドルの一歩前まで高騰した。日経平均も29年ぶりの高値水準を回復した。その原動力は、言うまでもなく未曽有のカネ余りに求められる。ただ現状は、コロナのパンデミック(世界的大流行)が再び進行中。これまでの「3;3;4体制」が続き、株価は上昇を続けるのか。試される場面に、さしかかった。
≪19日の日経平均 = 下げ -93.80円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 勢いを強めたパンデミック = 新型コロナ・ウイルスのパンデミック(世界的大流行)は衰えるどころか、むしろ勢いを強めている。世界の感染者は5600万人を超え、死亡者は140万人に達した。なかでもアメリカは最悪の状態が続いている。感染者は1日15万人のペースで増え続け1153万人に、死亡者は25万0579人となった。全米50州のうち49州で感染者は増加傾向にあり、感染者・死亡者ともに第2波に襲われた8月のピークを上回っている。
次いで死亡者数が多いブラジルは、感染者が594万人。死亡者は16万7455人に達した。インドは感染者が895万人、死亡者は13万1578人となっている。このほか死亡者数でみると、メキシコが9万人台。イギリスが5万人台。さらにイタリア・フランス・スペイン・イランが4万人台。ロシア・アルゼンチン・コロンビア・ペルーが3万人台に達した。
日本の状況も、急速に悪化している。19日には感染者が全国で2384人、東京都で534人と、いずれも過去最大の増加を記録した。20日午前0時の時点で、累計の感染者数は12万6644人に。死亡者数は1968人となっている。欧米諸国では外出規制や店舗の営業停止などに踏み切ったところも多いが、日本政府はまだ経済再生の姿勢を変えようとはしていない。
たとえば札幌市は市民に対して不要不急の移動を控えるよう要請したが、政府はGO TO キャンペーンを継続する方針だ。経済再生への姿勢は維持する一方で、コロナ対策は国民の自覚や緊張感に任せるらしい。だが死亡者数をみると、過去5週間で48人→50人→60人→65人→82人と確実に増えている。ほんとうに大丈夫なのだろうか。
≪20日の日経平均 = 下げ -106.97円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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次いで死亡者数が多いブラジルは、感染者が594万人。死亡者は16万7455人に達した。インドは感染者が895万人、死亡者は13万1578人となっている。このほか死亡者数でみると、メキシコが9万人台。イギリスが5万人台。さらにイタリア・フランス・スペイン・イランが4万人台。ロシア・アルゼンチン・コロンビア・ペルーが3万人台に達した。
日本の状況も、急速に悪化している。19日には感染者が全国で2384人、東京都で534人と、いずれも過去最大の増加を記録した。20日午前0時の時点で、累計の感染者数は12万6644人に。死亡者数は1968人となっている。欧米諸国では外出規制や店舗の営業停止などに踏み切ったところも多いが、日本政府はまだ経済再生の姿勢を変えようとはしていない。
たとえば札幌市は市民に対して不要不急の移動を控えるよう要請したが、政府はGO TO キャンペーンを継続する方針だ。経済再生への姿勢は維持する一方で、コロナ対策は国民の自覚や緊張感に任せるらしい。だが死亡者数をみると、過去5週間で48人→50人→60人→65人→82人と確実に増えている。ほんとうに大丈夫なのだろうか。
≪20日の日経平均 = 下げ -106.97円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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◇ ダウは新高値つけて、ひと休み = ダウ平均株価は先週初9日に急伸、終り値は2万9950ドルと9か月ぶりに史上最高値を更新した。3月の安値からみると、コロナ禍にもかかわらず実に1万ドルも上昇したことになる。しかし、その後は反落。週間では216ドルの値上がりにとどまった。株価を急騰させた要因は、ワクチン開発が進展したニュース。反落させた要因は、アメリカ国内で新型コロナの感染が拡大したことだった。
日経平均は先週142円の値上がり。ほぼニューヨーク市場の後を追う形となった。決算予想が上方修正されたことは好感されたが、こちらもコロナの感染拡大が重荷になっている。2万6000円台に首を出した途端に、小休止した格好だ。日米ともに、コロナの拡大で経済再生が阻害されることへの警戒感が、じわじわと高まってきている。
ただ未曽有のカネ余りを背景に、市場の買い意欲は少しも衰えていない。しかし「コロナ拡大で景気が悪化すれば、むしろ財政支出が増えるから買い」といったコジツケ気味の解釈は、さすがに市場から消えた。今後はワクチン関連の新しいニュースが、株価を動かす大きな要因となるのだろう。そして当面は、ダウの3万ドル乗せが注目の的になる。
今週は25日に、10月の企業向けサービス価格。アメリカでは24日に、9月のFHFA住宅価格、11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。25日に、7-9月期のGDP改定値、10月の新築住宅販売戸数が発表される。
≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均は先週142円の値上がり。ほぼニューヨーク市場の後を追う形となった。決算予想が上方修正されたことは好感されたが、こちらもコロナの感染拡大が重荷になっている。2万6000円台に首を出した途端に、小休止した格好だ。日米ともに、コロナの拡大で経済再生が阻害されることへの警戒感が、じわじわと高まってきている。
ただ未曽有のカネ余りを背景に、市場の買い意欲は少しも衰えていない。しかし「コロナ拡大で景気が悪化すれば、むしろ財政支出が増えるから買い」といったコジツケ気味の解釈は、さすがに市場から消えた。今後はワクチン関連の新しいニュースが、株価を動かす大きな要因となるのだろう。そして当面は、ダウの3万ドル乗せが注目の的になる。
今週は25日に、10月の企業向けサービス価格。アメリカでは24日に、9月のFHFA住宅価格、11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。25日に、7-9月期のGDP改定値、10月の新築住宅販売戸数が発表される。
≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 遅すぎたGO TO政策の転換 = 菅首相は21日に開いた新型コロナ対策本部の会合で、GO TO キャンペーン政策の部分的な修正を決断した。GO TO トラベルについては、感染拡大地域に対する適用を一時停止。またGO TO イートに関しても停止を検討する。ただ実行については、都道府県知事の判断に任せると表明した。東京都をはじめ全国的にコロナ感染者が急増している事態に対応した決断。しかし決定が遅きに失したことは否定できない。
この決断を受けて、政府は各自治体との協議を開始している。しかしキャンペーンの停止に伴って発生するキャンセル料の補償をどうするかなど、詰めるべき問題も多い。このため実際のキャンペーン停止は、まだ先になりそうだ。新型コロナの再拡大は11月に入ってから勢いを増し、専門家も警鐘を鳴らしていた。もっと早く決断すれば、3連休にも間に合っていただろう。
国と地方の意識の違いも目につく。たとえば北海道では札幌市民に移動を控えるよう要請したが、政府はGO TO トラベルを強行した。また今回の決定に対して、東京都知事は「GO TO から東京をはずしたのも参入させたのも国だった。それなのに、なぜ今回は地方に任せるのか」と、疑問と不信感をあらわにしている。
最大の疑問は、今回の措置でコロナ感染の拡大を抑制できるかということだろう。いまアメリカもヨーロッパも、コロナの再拡大に苦しんでいる。各国政府や自治体は、移動制限や店舗の営業規制といった強硬手段に訴えるところも多い。そうしたなかで日本はGO TO 政策を一部手直しするだけ。日本だけが「わが道を行く」形になっている。
(続きは明日)
≪24日の日経平均 = 上げ +638.22円≫
≪25日の日経平均は? = 上げ≫
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この決断を受けて、政府は各自治体との協議を開始している。しかしキャンペーンの停止に伴って発生するキャンセル料の補償をどうするかなど、詰めるべき問題も多い。このため実際のキャンペーン停止は、まだ先になりそうだ。新型コロナの再拡大は11月に入ってから勢いを増し、専門家も警鐘を鳴らしていた。もっと早く決断すれば、3連休にも間に合っていただろう。
国と地方の意識の違いも目につく。たとえば北海道では札幌市民に移動を控えるよう要請したが、政府はGO TO トラベルを強行した。また今回の決定に対して、東京都知事は「GO TO から東京をはずしたのも参入させたのも国だった。それなのに、なぜ今回は地方に任せるのか」と、疑問と不信感をあらわにしている。
最大の疑問は、今回の措置でコロナ感染の拡大を抑制できるかということだろう。いまアメリカもヨーロッパも、コロナの再拡大に苦しんでいる。各国政府や自治体は、移動制限や店舗の営業規制といった強硬手段に訴えるところも多い。そうしたなかで日本はGO TO 政策を一部手直しするだけ。日本だけが「わが道を行く」形になっている。
(続きは明日)
≪24日の日経平均 = 上げ +638.22円≫
≪25日の日経平均は? = 上げ≫
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◇ ブレーキは踏まない日本 = 欧米諸国はいま新型コロナの第3波に襲われ、みな対応に苦しんでいる。アメリカではハワイ州を除く49州で、感染者が増大中。多くの都市が緊急事態を宣言した。たとえばシカゴ市では外出禁止令、カリフォルニア州では夜間外出禁止令、ニューヨーク州でも店舗の営業は夜10時までとなった。ミシガン州やフィラデルフィア市では、飲食店の営業が停止されている。
ヨーロッパでも感染者の急増が止まらない。このためスペインでは非常事態宣言が発令された。パリ市では外出が規制され、ロンドンを含むイングランドでも限定的ではあるが都市封鎖が断行された。チェコやアイルランドは、全面的な都市封鎖を実施している。またドイツでも飲食店や娯楽施設の営業が制限された。
こうした規制策をとれば、経済活動は阻害される。これらの諸国は景気が二番底に向かうことを覚悟のうえで、ブレーキを深く踏み込んだ。これに対して日本は、旅行や飲食を奨励するGO TO キャンペーンを一部手直しするだけ。つまりアクセルの踏み方を少し弱めるだけで、ブレーキは踏まない。政策の姿勢は、正反対だと言ってもいい。
日本政府が“わが道”を行くのは、国民に対する信頼感が強いせいかもしれない。外出禁止令などを出さなくとも、国民は自分の判断で外出を控えてくれるだろう。マスクだって、みな着けてくれる。そんな国民性に頼っているのか、それとも経済再生にのめり込み過ぎているのか。結果は正月休みに表われるだろう。GO TO が完全に復活していれば、日本の勝ち。規制がもっと厳しくなっていれば、負けである。
≪25日の日経平均 = 上げ +131.27円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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ヨーロッパでも感染者の急増が止まらない。このためスペインでは非常事態宣言が発令された。パリ市では外出が規制され、ロンドンを含むイングランドでも限定的ではあるが都市封鎖が断行された。チェコやアイルランドは、全面的な都市封鎖を実施している。またドイツでも飲食店や娯楽施設の営業が制限された。
こうした規制策をとれば、経済活動は阻害される。これらの諸国は景気が二番底に向かうことを覚悟のうえで、ブレーキを深く踏み込んだ。これに対して日本は、旅行や飲食を奨励するGO TO キャンペーンを一部手直しするだけ。つまりアクセルの踏み方を少し弱めるだけで、ブレーキは踏まない。政策の姿勢は、正反対だと言ってもいい。
日本政府が“わが道”を行くのは、国民に対する信頼感が強いせいかもしれない。外出禁止令などを出さなくとも、国民は自分の判断で外出を控えてくれるだろう。マスクだって、みな着けてくれる。そんな国民性に頼っているのか、それとも経済再生にのめり込み過ぎているのか。結果は正月休みに表われるだろう。GO TO が完全に復活していれば、日本の勝ち。規制がもっと厳しくなっていれば、負けである。
≪25日の日経平均 = 上げ +131.27円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 再選の可能性はクモの糸だが = トランプ大統領は23日、ようやく政権移行準備に協力する方針を表明した。ところが同時に「法廷闘争を継続し、最終的には勝利する」とも強調している。「往生際が悪いなあ」と感じてしまうが、実はまだトランプ氏が勝つチャンスは全くゼロではない。その背景にはアメリカ独特の複雑な政治の仕組みがからんでおり、日本人にはなかなか解りにくい。
大統領選挙は11月3日に行われ、各州の選挙人が選出された。連邦法によると、各州は12月8日までに選挙人を確定、14日に正式に選出することになる。だが現在、トランプ陣営の要求や告訴によって、ジョージア・ペンシルベニア・ウイスコンシンの各州では、まだ選挙の最終結果が出ていない。この結果、これらの州が仮に12月8日までに選挙人を出せないと、トランプ氏もバイデン氏も選挙人の過半数を獲れない可能性が生じる。
この場合は、下院の投票で大統領を選出することになる。しかも50州に1票ずつが与えられる。そして現在の状況をみると、共和党が優勢な州の方が多い。そうなればトランプ大統領が再選されるかもしれない。このように、いくつもの「仮に」という条件が重なると、まだトランプ氏にも勝ち目があるというわけだ。その道は、クモの糸のように細いけれども。
もう1つ、敗北を認めてしまうと大統領は”死に体”となってしまう。だから認めずに、いろいろ大きな決定を下す。たとえばアフガニスタンやイラクからの撤兵だ。こうして来年1月20日の任期いっぱいまで、大統領としてのインパクトを残し続ける。目的は、4年後の大統領選挙に再出馬するために他ならない。だから敗北宣言は出来ない。
≪26日の日経平均 = 上げ +240.45円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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大統領選挙は11月3日に行われ、各州の選挙人が選出された。連邦法によると、各州は12月8日までに選挙人を確定、14日に正式に選出することになる。だが現在、トランプ陣営の要求や告訴によって、ジョージア・ペンシルベニア・ウイスコンシンの各州では、まだ選挙の最終結果が出ていない。この結果、これらの州が仮に12月8日までに選挙人を出せないと、トランプ氏もバイデン氏も選挙人の過半数を獲れない可能性が生じる。
この場合は、下院の投票で大統領を選出することになる。しかも50州に1票ずつが与えられる。そして現在の状況をみると、共和党が優勢な州の方が多い。そうなればトランプ大統領が再選されるかもしれない。このように、いくつもの「仮に」という条件が重なると、まだトランプ氏にも勝ち目があるというわけだ。その道は、クモの糸のように細いけれども。
もう1つ、敗北を認めてしまうと大統領は”死に体”となってしまう。だから認めずに、いろいろ大きな決定を下す。たとえばアフガニスタンやイラクからの撤兵だ。こうして来年1月20日の任期いっぱいまで、大統領としてのインパクトを残し続ける。目的は、4年後の大統領選挙に再出馬するために他ならない。だから敗北宣言は出来ない。
≪26日の日経平均 = 上げ +240.45円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ アメリカの死亡者、1週間で1万人超す = 世界の感染者数は6000万人、わずか18日間で1000万人も増加した。死亡者数は142万人に達している。特にアメリカが壊滅的な状態に陥る一方、ヨーロッパはやや落ち着きを取り戻した。日本時間27日午前0時の集計でみると、アメリカの感染者は1278万人、この1週間で125万人も増加している。死亡者数は26万2283人、1週間で1万1700人の増加となった。
次いで死亡者が多いのはブラジルで、17万人台に乗せた。続いてインドが13万人台、メキシコが10万人台となっている。ヨーロッパは感染者と死亡者の増加が落ち着き気味。死亡者数を前週比でみると、各国ともほぼ3000人から4000人の増加にとどまっている。このためイギリスでは、ロンドンを含むイングランドの都市封鎖を12月2日に解除。フランスも外出禁止令を段階的に終了する。
この状況から判断すると、やはり外出禁止や店舗の営業停止など、厳しい措置をとった国ほど効果が早く現われている。アメリカの場合は州によって規制の程度がまちまち。マスクの着用なども徹底していない。バイデン新政権が、どの程度までコロナ対策を強化するのか。ワクチンの接種が始まり、その効果がいつから出始めるのか。ともに注目される。
日本の感染者数は14万1004人に。前週より1万4360人増加した。死亡者数は過去6週間で48→50→60→65→82→110人と、確実に増えている。これまでのピークは4月末の137人だった。GO TO トラベルの一部縮小や店舗の営業時間規制で、この傾向をストップできるのかどうか。文字通り正念場に差しかかっている。
≪27日の日経平均 = 上げ +107.40円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】
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次いで死亡者が多いのはブラジルで、17万人台に乗せた。続いてインドが13万人台、メキシコが10万人台となっている。ヨーロッパは感染者と死亡者の増加が落ち着き気味。死亡者数を前週比でみると、各国ともほぼ3000人から4000人の増加にとどまっている。このためイギリスでは、ロンドンを含むイングランドの都市封鎖を12月2日に解除。フランスも外出禁止令を段階的に終了する。
この状況から判断すると、やはり外出禁止や店舗の営業停止など、厳しい措置をとった国ほど効果が早く現われている。アメリカの場合は州によって規制の程度がまちまち。マスクの着用なども徹底していない。バイデン新政権が、どの程度までコロナ対策を強化するのか。ワクチンの接種が始まり、その効果がいつから出始めるのか。ともに注目される。
日本の感染者数は14万1004人に。前週より1万4360人増加した。死亡者数は過去6週間で48→50→60→65→82→110人と、確実に増えている。これまでのピークは4月末の137人だった。GO TO トラベルの一部縮小や店舗の営業時間規制で、この傾向をストップできるのかどうか。文字通り正念場に差しかかっている。
≪27日の日経平均 = 上げ +107.40円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】
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◇ ダウはとうとう3万ドルに到達 = ダウ平均株価は先週24日、ついに終り値で3万ドル台に乗せた。17年1月に2万ドルを達成していたから、3年10か月で1万ドル上昇したことになる。その後は達成感が出たせいかやや反落、週間では647ドルの値上がり。政権移行の作業が始まり、新財務長官にイエレン前FRB議長の公算、そしてコロナ・ワクチンの接種が年内にも実現するというニュースが、株価を押し上げた。
東京市場も、ニューヨークに負けないほどの活況を呈した。日経平均は先週1117円の値上がり。今月に入ってからは4週連続の上昇で、この間の上げ幅は3668円に達した。その上昇率14%は、ダウ平均や独DAXを上回っている。特に外国人投資家の参入が目立ち、コロナで下落していた景気関連銘柄にも買いが広がった。
日米市場で共通しているのは、現在のコロナ急拡大には目をつぶっていること。外出制限など規制を強めれば、景気は悪化する。だがワクチン実用化で、景気は良くなる。だから足元の悪材料にはかまわず、将来に期待する。カネ余り相場ならではの投資家心理だろう。今週もその積極さが持続するのか、それとも一休みするのか。
今週は30日に、10月の商業動態統計、鉱工業生産、住宅着工戸数。1日に、7-9月期の法人企業統計、10月の労働力調査、11月の新車販売。2日に、11月の消費動向調査。アメリカでは30日に、10月の中古住宅販売。1日に、ISM製造業景況指数。3日に、ISM非製造業景況指数。4日に、11月の雇用統計、10月の貿易統計。また中国が30日に、11月の製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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東京市場も、ニューヨークに負けないほどの活況を呈した。日経平均は先週1117円の値上がり。今月に入ってからは4週連続の上昇で、この間の上げ幅は3668円に達した。その上昇率14%は、ダウ平均や独DAXを上回っている。特に外国人投資家の参入が目立ち、コロナで下落していた景気関連銘柄にも買いが広がった。
日米市場で共通しているのは、現在のコロナ急拡大には目をつぶっていること。外出制限など規制を強めれば、景気は悪化する。だがワクチン実用化で、景気は良くなる。だから足元の悪材料にはかまわず、将来に期待する。カネ余り相場ならではの投資家心理だろう。今週もその積極さが持続するのか、それとも一休みするのか。
今週は30日に、10月の商業動態統計、鉱工業生産、住宅着工戸数。1日に、7-9月期の法人企業統計、10月の労働力調査、11月の新車販売。2日に、11月の消費動向調査。アメリカでは30日に、10月の中古住宅販売。1日に、ISM製造業景況指数。3日に、ISM非製造業景況指数。4日に、11月の雇用統計、10月の貿易統計。また中国が30日に、11月の製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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