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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2020-06-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 調整期に入る日米の株価 = ダウ平均は先週918ドルの値上がり。全米50州でコロナ規制が緩和されたことを好感し、26-27日の2日間だけで1000ドル以上も高騰した。3月の安値からは6800ドルも値を上げている。FRBが「景気の回復ペースは悲観的な見方が多い」という地区連銀の報告を発表、また米中関係の悪化が進むと株価は下落した。しかし、その下げ幅はきわめて小さかった。市場は異常なほどに強い。

日経平均も先週は1490円の値上がり。やはり行動規制の解除と第2次補正予算の編成が、上昇の原動力となった。日本の場合、コロナ対策としての緊急事態宣言は4月7日から5月25日まで。この間に日経平均は1800円上げ、さらに解除で1500円ほど上昇したことになる。先週末の水準は、3月の安値に比べると5300円の値上がりとなっている。

日米ともに、株価の上昇は速すぎる。規制の緩和や財政・金融政策も、ほぼ織り込んでしまった。周囲を見渡すと、これから焦点となりそうなのは、コロナ第2波の襲来と米中関係の緊迫化だけ。景気の回復はV字型にはなりそうになく、企業収益の悪化も続きそうだ。したがって常識的に見れば、株価はいったん調整せざるをえないだろう。

今週は1日に、1-3月期の法人企業統計、5月の新車販売。5日に、4月の家計調査と景気動向指数。アメリカでは1日に、5月のISM製造業景況指数。3日に、5月の非製造業景況指数。4日に、4月の貿易統計。5日に、5月の雇用統計が発表される。

       ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ


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≪事業規模≫は 政府の誇大広告
2020-06-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きいことはいいことなのか = 政府は先週27日の閣議で、20年度の第2次補正予算案を決定した。一般会計の歳出額は31兆9114億円で、補正予算としては最大。また事業規模は117兆1000億円にのぼると発表した。すでに成立した第1次補正予算と合わせると、事業規模の総額は233兆9000億円に達する。GDPの約4割にも当たる金額で、安倍首相は「空前絶後の対策だ」と胸を張った。

では、この「事業規模」というのは何だろう。一般会計の歳出は、政府が国債発行で調達したカネを政策・行政費として使い切る。だから判りやすい。これに財政投融資による資金の支出、民間金融機関の協調融資、さらには納税猶予の想定分などを加えた金額を、事業規模と呼んでいる。法的な定義はなく、歴代の政府が勝手に算出しているのが現状だ。

財政投融資による支出はすべて貸し金だから、いずれ回収される。また民間金融機関による協調融資などは、あくまで想定するだけ。実際に実行されるかどうかは不明だ。こうして不明なものまでブチ込んで、全体を大きく見せようとする。政府の誇大広告である。歴史は古く、1986年には日米交渉で事業規模を持ち出し、アメリカ側から強く批判されたという。

今回のコロナ不況に際して、アメリカやヨーロッパ主要国はみな巨額の対策費を計上した。安倍首相の心のなかには、負けられないという競争心があったのだろう。また対策費を大きく見せた方が、支持率の上昇にもつながると考えたのかもしれない。しかし効果が不確かなものまでカキ集めて全体を大きく見せる手段は、どう考えてもいいとは思えない。

       ≪1日の日経平均 = 上げ +184.50円≫

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ


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休業者600万人の 重大なイミ
2020-06-03-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 失職すれば日本経済は崩壊 = 総務省が発表した4月の労働力調査によると、休業者の数は597万人。前月の2.4倍に急増した。その半面、失業者数は178万人で、前月より6万人しか増加していない。リーマン・ショックの際には全く逆で、失業者が急増して休業者はあまり増えなかった。今回の休業者の急増は、なぜ生じたのか。そして何を物語っているのだろうか。

失業者というのは、文字通り職を失った人。勤め先の会社や店舗が倒産したり、経営が苦しくなって解雇された人たち。これに対して、休業者は工場や店舗が閉鎖されて仕事がなくなった人。解雇はされておらず、操業が再開されたら呼び戻されるはずの人たちだ。自宅待機中も、休業手当を支給される。

したがってコロナ規制が緩和されるにつれて、休業者は再び職につける。今回は多くの経営者が早期の規制緩和に期待して、解雇をせずに休業させた。また政府が雇用調整助成金を増額したことも、失業者の増加を抑制したと考えられる。要するに現在の雇用状態は、企業がなんとか頑張って失業者の増加を最小限に抑えているわけだ。

だが経済の再生が遅れると、企業も人員整理に乗り出さざるをえない。国や地方自治体が規制緩和を急ぐのも、それを恐れるからである。仮に300万人いる非正規雇用の休業者が失業すると、完全失業者の数は500万人近くにも達してしまう。そうなれば日本経済は崩壊状態に陥るだろう。そうならないためにも、コロナの第2波を大きくしてはならない。

       ≪2日の日経平均 = 上げ +263.22円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ大統領 再選に赤信号 (上)
2020-06-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 全米に広がった反トランプ運動 = 「大統領がデモ隊に囲まれて避難」というニュースを見て、一瞬どこかの後進国の話だと思ってしまった。だが、これは世界一豊かなはずのアメリカでの出来事。ホワイトハウスがデモ隊に包囲され、危険を感じたトランプ大統領が地下のシェルターに逃げ込んだというのだ。笑い話では済まされない。5か月後に迫った大統領選挙で、トランプ氏の勝ち目はなくなったのではないか。

反トランプのデモは、全米140の都市に広がった。首都ワシントンをはじめ15の州には州兵が出動。ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトルなど40都市では、夜間外出禁止令が出る騒ぎ。警官隊との衝突も激しく、各地で死者も出ている。アメリカでは1968年にキング牧師が暗殺されて以来の大騒動となった。いまのところ、収束の見込みは全くない。

コトの起こりは5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで白人警官の暴行が黒人を死に至らしめた事件。これに抗議するデモが暴徒化したとき、トランプ大統領のツイッターが火に油を注ぐ形になった。大統領は警官の暴行事件には触れず、「デモ隊は悪党だ。略奪が始まれば銃撃も始まる」と書き込んだのである。さらに大統領は「州兵の出動が不十分なら、国軍に出動を命じる」とまで、付け加えた。

当初は警察権力に対する怒りだったデモの性格が、これで一変した。大統領に対する抗議となり、デモには多くの白人も参加するようになった。トランプ大統領は黒人の票を失っただけではなく、無党派の白人からも愛想をつかされたと言えるだろう。共和党の右派からは支持されるかもしれないが、これで11月の大統領選挙で再選されるのだろうか。

                                (続きは明日)

       ≪3日の日経平均 = 上げ +288.15円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ大統領 再選に赤信号 (下)
2020-06-05-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 米中関係は尖鋭化へ = デモの背景には、過激派グループの存在が確認されている。その扇動で略奪などの暴力行為がエスカレートすると、デモは一般国民からの支持を失うことになるだろう。そうなれば、トランプ大統領に対する反発も和らぐかもしれない。トランプ氏はそうなることを期待しているフシがある。しかし、それでも国民の分断を助長した大統領の責任は、問い続けられるに違いない。

大統領選挙の結果を左右する最大の要因は、コロナと景気の動向だ。景気が回復すれば、現職の大統領は優位に立つことが出来る。しかし現状からみると、コロナが早期に終息し、景気が回復する可能性は小さい。ワシントン・ポスト紙による最新の世論調査では、トランプ大統領の支持率は43%。民主党のバイデン候補は53%だった。景気の回復がなければ、この差を縮めることはかなり難しい。

内政が不調なら、国民の目を外へ向ける。古今東西、あらゆる権力者が用いる常套手段だ。今回、その標的は中国になるだろう。したがってトランプ大統領が、中国に対する姿勢をさらに強める公算はきわめて大きい。ただし中国も状況は十分に心得ている。適当にあしらっていれば、トランプ大統領が姿を消すかもしれないことを。

民主党の大統領候補になったバイデン前副大統領は、人柄や信頼感という点では定評がある。ただセクハラ疑惑が取りざたされるほか、喋り過ぎて脱線する傾向もなくはない。いまはコロナのために、集会も思うようには開けない。皮肉な評論家はこう言う。――「バイデン氏にとってはプラスの環境だ。彼が何も言わなければ、トランプ氏の支持率は勝手に下がって行く」

       ≪4日の日経平均 = 上げ +81.98円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ


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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (13)
2020-06-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ スウェーデンの不思議な実験 = 日本時間5日午前0時の集計。アメリカの死亡者は10万7191人。次いでイギリス、イタリア、そしてブラジルが3万人台。フランスとスペインが2万人台で続いている。前週に比べた増加数はアメリカを含めて縮小しているが、なかで拡大したのはブラジルとイギリス。まだブラジルは最悪期を脱していない。イギリスの死亡者数が拡大したのは、一時的な現象なのかどうか。

アジア諸国の状態は、相変わらず落ち着いている。中国は4634人で、週間の死亡者はなし。韓国は273人で、4人増えた。ベトナムは依然として死亡者ゼロを続けている。こうしたなかで日本は926人に。増加数は30人だが、第1波の残り火なのか。それとも第2波の前触れなのか、気にかかる。

気候風土や生活様式、あるいは食物、遺伝子が持つ免疫。専門家の間では、アジア人の死亡者がなぜ少ないかについて、いろいろ研究されているようだ。と同時に北欧スウェーデンの状況にも、大きな関心が寄せられている。というのもスウェーデンは、行動規制など新型コロナ・ウイルス対策を全く実施していないからだ。

それでも5日時点での感染者数は4万0803人、死亡者は4542人にとどまっている。デンマークやノルウェーなどの近隣諸国、あるいはヨーロッパ全体と比較しても、被害はかなり少ない。スウェーデン政府は、何も対策を講じないで国民の大半が自然に感染し、免疫力を持つことを期待しているのだ。この独特の政策は、いまのところ成果を挙げているようにみえるのだが。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +167.99円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    


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今週のポイント
2020-06-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 止まらない株価の高騰 = 一点の雲もない絶好調の景気。最近の株価をみていると、そんな錯覚を起こしてしまいそうだ。多くの専門家が口を揃えて株価と実体経済の乖離を指摘、調整が近いことを予想した(このブログも)。しかし株価はそんな予想をあざ笑うかのように、ぐんぐんと上昇している。こうした状態は、なぜ起きるのだろうか。そして、いつまで続くのだろうか。

ダウ平均は先週1728ドルの大幅な値上がり。終り値では2か月半ぶりに2万7000ドルを回復した。人種差別反対のデモが全米に広がっても、失業率が記録的な高さになっても、市場は無視している。つれて日経平均も先週は986円の値上がり。こちらも3か月ぶりに2万2000円を回復した。ドイツやイギリスの株価も、コロナ・ウイルス拡大前の水準にほぼ戻している。

市場は経済活動の本格的な再開を先取りしている。と解説されているが、それは株を買うための口実だろう。実際の原動力は、各国政府の財政支出や中央銀行による無制限の金融緩和に違いない。これによって放出された膨大な資金のかなりの部分が、株式市場に集中している。だから市場は、燃料の供給にコト欠かない。こうした構造が崩れない限り、株価の上昇は続くのだろうか。

今週は8日に、1-3月期のGDP確定値と5月の景気ウオッチャー調査。9日に、4月の毎月勤労統計。10日に、5月の企業物価と4月の機械受注。11日に、4-6月期の法人企業景気予測調査。アメリカでは10日に、5月の消費者物価。11日に、5月の生産者物価。10日に、6月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、5月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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お先真っ暗の 企業経営
2020-06-09-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ でも1割強の会社は史上最高益 = 東証1部上場企業の3月期決算発表がほぼ終了した。SMBC日興証券が1265社の決算を集計したところによると、売上高の合計は480兆円で前年度比2.0%の減少。最終利益は20兆円で、前年度比31.8%の減少だった。このように年間の決算で減収減益となったのは、リーマン・ショック後の09年3月期以来11年ぶり。減益に落ち込んだ企業は746社、全体の6割近くに及んでいる。

新型コロナ肺炎の影響が現われた1-3月期だけをみると、全体では1兆2900億円の赤字。業種別では自動車などの輸送用機器が7870億円の赤字。一般機械、鉄鋼、電機も赤字決算だった。また非製造業でも空運、陸運、小売り、情報・通信が、いずれも赤字を計上している。ただ情報・通信だけはソフトバンクGの大幅赤字が影響しており、コロナのためではない。

来年3月期の見通しについては、全体の6割に当たる752社が「未定」と発表した。コロナの終息が見通せないため致し方ないが、まことに異常と言うしかない。現状では、半数以上の企業が設備投資や人員計画を建てられない。こんな状態が長引けば長引くほど、日本経済の再生も覚束なくなる。

そんな逆風のなかで、黒字を出した業種もなくはない。コロナ騒ぎが追い風となったのは、ITインフラ、通信、医療関連機器など。これらの業種では、増益を記録した企業も少なくない。日経新聞によると、1-3月期に最高益を出した企業は133社。全体の1割強を占める。業績悪化が多いなかでの最高益だから、こうした企業の株価は大きく上昇した。

       ≪8日の日経平均 = 上げ +314.37円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ
       

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少子化ガ 止まらない : 19年 (上)
2020-06-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 人口は51万5000人減少した = 少子化が一段と加速している。コロナ騒動に隠れて大きな話題とはならなかったが、日本の将来を左右する一大事だ。厚生労働省が発表した人口動態推計によると、19年の合計特殊出生率は1.36で前年より0.06ポイント低下した。これで低下は4年連続。出生数は86万5234人で、前年比5万3166人の減少。1899年に統計を取り始めてからの最少を記録した。20年はコロナの影響で、さらに減る可能性がある。

合計特殊出生率というのは、女性が生涯に産む子供の数。男性は産まないから、この数字が2を上回らないと人口は維持されない。この数字は戦後、第1次ベビー・ブームが起こった1947年には4.59という高さだったが、そこから1.36まで下落した。新生児の数が減れば、人口は減少する。その結果、出生数から死亡者数を差し引いた人口の減少数は、19年に51万5864人。初めて年間50万人を超えた。

出生率が低下した理由は、いくつも挙げられている。女性の社会進出、未婚化・晩婚化、経済に対する不安・・・。なかでも出産適齢期の女性が減ってしまったことが大きい。25-39歳の女性人口は00年に約1320万人だったが、19年7月時点では約970万人にまで縮小した。国立人口問題研究所の推計では、40年に810万人に減少する。

政府は04年に「少子化社会対策大綱」を策定。待機児童ゼロや保育の受け皿確保を、具体的な目標として掲げた。また19年秋には、幼児教育・保育の無償化も実現した。ここ数年は、毎年5兆円程度の対策費も予算に計上している。しかし結果からみると、これらの施策が成果を挙げたとは言えない。どう対処したら、いいのだろうか。

                             (続きは明日)

       ≪9日の日経平均 = 下げ -87.07円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ


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少子化ガ 止まらない : 19年 (下)
2020-06-11-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 発想を大転換しないとダメ = 人口が減少すると、経済には3つの面から大きなマイナス圧力がかかる。労働力の不足、消費需要の低下、そして年金など負担の問題。だから少子化・人口減少に悩む海外諸国もいろいろ対策を講じているが、あまり成功していない。一時は成果を挙げたフランスも、近年は出生率が低下した。中国も“一人っ子政策”の後遺症で悩んでいる。韓国の出生率は1を割った。

こうしたなかで、安倍内閣は「出生率1.8」を目標に掲げ、児童手当の増額や男性の育休促進を目指すことになった。しかし適齢期の女性が減りつつあるいま、その達成は容易ではない。コロナ問題も、状況をいっそう悪くしている。この際は発想を根本的に転換しなければ、改善はムリなのではないか。革新的な方策は、次の2つだ。

現在、0-14歳の年少人口は約2000万人。その全員に年100万円を支給する。子どもが3人なら300万円、5人なら500万円。ここまですれば、赤ん坊は必ず増える。子は宝となり、虐待もなくなるだろう。毎年20兆円の財源が必要だが、保育所も学費補助も止めていい。それでも不足する分は、コロナと同様、日銀が国債を直接引き受ける。少子化問題をコロナ以上に重視すれば、出来ないはずはない。

もう1つは、少子化対策はほどほどにする。その代り、経済成長率を絶対にマイナスにしない政策をとる。成長率がプラスを維持している限り、人口が減れば1人当たりのGDPは増加するからだ。具体的には、たとえば多くの資源を「ロボット、新エネルギー、医療技術」の3点に集中する。人口が少なくなっても、国民生活は豊かな国を目指すわけだ。

       ≪10日の日経平均 = 上げ +33.92円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ


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まゆツバの GDP改定値
2020-06-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 上方修正の根拠なし = 内閣府は8日、ことし1-3月期のGDP改定値を発表した。それによると実質成長率はマイナス2.2%で、5月に発表した速報値のマイナス3.4%を上方修正している。マイナス成長ではあるものの、その幅が大きく縮小したことで一安心した経営者も多かったに違いない。だが、この上方修正は全く信用できない。根拠が不確かで、ないのも同然だからである。

GDPが上方修正された原因は、民間企業の設備投資が急増したこと。速報値では年率2.1%減だったものが、改定値では8.0%増になった。これは財務省が1日に発表した法人企業統計の結果を反映させた結果だ。こうした作業はいつも行われており、別に問題はない。ところが、今回は法人企業統計の内容そのものに大問題が発生していた。

というのも今回の法人企業統計は、コロナ不況の影響で十分な回答が集まらなかった。先行きが不透明で、多くの経営者が質問に答えられなかったからである。財務省も発表に際しては結果が不備なことを認め、調査をやり直すとコメントしている。したがって「設備投資が8.0%増」という数字も、信頼性に欠けるわけだ。

にもかかわらず内閣府は、信頼性に欠ける数字を基に改定値を計算した。おそらく確定値を出す段階では、逆に下方修正を余儀なくされるに違いない。また4-6月期の成長率はマイナス20%前後と予想されているが、1-3月期の数字を上方修正したために落ち込み方は激しくなってしまう。内閣府は実情を率直に説明し、発表を延期すべきだった。

       ≪11日の日経平均 = 下げ -652.04円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (14)
2020-06-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ アメリカは第2波の危険性が大 = 日本時間12日午前0時の集計。アメリカは感染者数が200万人を超し、死亡者数も11万人台に達した。次いでイギリスの死亡者が4万人台。ブラジルも来週は4万人台にのせるだろう。あとはイタリアが3万人台、フランスとスペインが2万人台の死亡者を出している。ただヨーロッパ主要国は、たとえばスペインの新規死亡者が8人にとどまるなど、おおむね鎮静化してきたようだ。

その半面、新型コロナ・ウイルスは新興国で猛威を振るい始めた。ブラジルをはじめとする中南米諸国、インドやアフリカ大陸など。特に貧困層が居住するスラム街では、密集が避けられない。外出を規制すると、収入が絶たれてしまう。そして不十分な医療体制。こうした地域での対策は非常な困難が伴うから、終息にはかなりの時間がかかるとみなければならない。

もう1つ心配なのはアメリカだ。経済再開に動き出したところへ、人種差別反対のデモが重なった。各種の調査によると、主要な都市部での人出は完全にコロナ発生前の水準に戻ったという。そしてカリフォルニア、テキサス、アリゾナ州では、再び新規の感染者が増え始めた。第2波の危険性は、決して小さくない。

日本の死亡者数は938人に達した。一週間の増加数は12人だった。経済活動の再開も着々と進んでいるが、大丈夫なのだろうか。やや不安がないでもない。中国の新規死亡者はゼロが続いている。また韓国ではクラスターも発生したが、死亡者は3人の増加。どうやら落ち着いたと考えてよさそうだ。

       ≪12日の日経平均 = 下げ -167.43円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】    


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今週のポイント
2020-06-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 3か月ぶりの大幅な反落 = ダウ平均は先週1505ドルの値下がり。3月中旬以来3か月ぶりの大幅な下落だった。先々週の大幅な上昇をほぼ相殺したから、6月に入ってからの値動きは“行って来い”の形となっている。高値警戒、景気の先行き警戒、コロナ警戒という3つの警戒が、下落の原因となった。したがって今後これらの警戒感が強まるか弱まるかで、株価の方向は決まってくる。

ニューヨーク市場では先週10日、ナスダック指数が終値で10000を超えた。3月の安値から41%も上昇している。グーグルやアップルなどIT関連の巨大企業が上場しており、コロナに対する抵抗力も強かった。株価はナスダックがスタートした1971年に比べると100倍になった勘定。PER(株価収益率)が100倍を超えた銘柄も少なくない。このナスダック指数10000乗せが、株価の高値感を意識させたことは否定できない。

日経平均は先週558円の値下がり。ニューヨークに比べると、下げ幅はかなり小さかった。下値を拾う個人投資家の動きが活発だったためだと思われる。ただ日本国内でも経済再生が進み、コロナ第2波への警戒感が強まってきた。と同時に景気のV字型回復に対する期待も、揺らぎ始めている。調整色は、まだ続くのではないか。

今週は15日に、4月の第3次産業活動指数。17日に、5月の貿易統計と訪日外国人客数。19日に、5月の消費者物価。アメリカでは16日に、5月の小売り売上高と工業生産。17日に、5月の住宅着工戸数。18日に、5月のカンファレンス・ボード景気先行指数。また中国が15日に、5月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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NY株を反落させた 6つの“警戒” (上)
2020-06-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政・金融政策との綱引きが始まる = ダウ平均株価は先週1500ドルの値下がり。3か月ぶりの大幅な下落となった。反落の原因は6つの警戒感。①高値警戒②実体経済との乖離③景気の先行き警戒④コロナ第2波警戒⑤米中関係⑥トランプ大統領の敗北――である。これらのなかで、今後はどの要因が強まって行くのか。そして市場にとって最強の援軍である財政・金融政策との綱引きが始まる。

巨大IT企業が上場しているナスダック市場の株価指数は先週、初めて10000を記録した。3月の安値からは4割も急騰している。なかにはPER(株価収益率)が、なんと100倍を超えた銘柄も出現した。ダウ平均も先週初には2万7500ドルに達し、3月の安値からは9000ドル上昇した。高値警戒から売り注文が殺到したのは、むしろ当然だったかもしれない。

ナスダック指数が最高値を更新しているとき、NBER(全米経済研究所)は「アメリカ経済が2月に景気後退入りした」と発表した。また1-3月期の実質成長率は年率マイナス5.0%に急落。失業率も4月は戦後最悪の14.7%に急上昇している。決算でも減益を発表した企業が続出している。いかにカネ余りとはいえ、実体経済との乖離が広がり過ぎたことへの警戒感は日に日に増大していた。

FRBは先週11日、ゼロ金利政策を22年末まで継続すると発表した。本来なら株式市場には、大きな朗報のはずである。だが株価は大幅に下げた。あと2年半もゼロ金利が必要なほど景気の先行きは暗いのかと、愕然とした投資家が売り急いだと言われている。コロナ不況はことし後半からV字型の回復をみせるという期待は危うい、という見方が急速に広がった。

                            (続きは明日)

       ≪15日の日経平均 = 下げ -774.53円≫

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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NY株を反落させた 6つの“警戒” (下)
2020-06-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ バイデン候補の当選は大きな悪材料 = アメリカではコロナ・ウイルスの第2波に対しても、警戒度が強まっている。全国的な行動規制の解除に人種差別反対のデモが加わって、カリフォルニアやテキサスなど多くの州で感染者や入院者が増え始めた。このままだと再び規制が強化され、経済の再生が遅れるかもしれない。ワクチンや治療薬の開発が進めば株価は上がるが、さもないと市場は警戒を強めざるをえない。

コロナ発生当時の情報開示や香港問題を巡って、米中の関係は最悪の状態に陥った。選挙を控えてトランプ大統領が反中国派の支持を得るため、強硬な姿勢をみせていることも一因。大騒ぎの結果たどり着いた経済合意も、実行されそうにない。ある意味では新しい形の冷戦に突入したと言えるが、株式市場にとっては重大な警戒材料となっている。

大統領選挙まであと4か月半。現時点での世論調査では、民主党のバイデン候補がトランプ大統領を上回る支持率を獲得している。まだ勝敗の結果を占うのは尚早だが、バイデン勝利の可能性が少しずつ大きくなってきた。しかしバイデン氏は、大企業に対して批判的な考え方。もし当選すれば、市場にとっては大きな悪材料になるだろう。ウォール街では、その警戒感が膨らみつつある。

こうした6つの“警戒”が重複して、先週はニューヨーク市場の株価が暴落した。このうち高値警戒感については、株価の下落でかなり解消した。しかし、あとの5つについては、今後どの警戒感が強まって行くのか。いずれにしても財政金融政策の深掘り期待との綱引きが始まり、株価は乱高下しやすくなるだろう。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +1051.26円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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片肺飛行の 中国経済
2020-06-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 輸出と消費の回復に手間どる = 中国統計局が15日に発表した5月の主要指標をみると、生産は前年比4.4%の増加だった。4月の3.9%増を上回っており、順調な回復ぶりにみえる。また小売り売上高は前年比2.8%の減少。まだマイナスの領域だが、4月の7.5%減よりは改善した。一方、固定資産投資額は1-5月で6.3%の減少。これも1-4月の10.3%減から改善した。中国経済が、コロナ不況の最悪期から脱出しつつあることは明らかだ。

ところが、その内容はあまりよくない。投資も政府によるものは増えたが、民間はさっぱり。たとえば補助金の支給で自動車の販売・生産が増加、また鉄道・道路の建設でインフラ資材の生産が伸びた。しかし自動車とネット通販を除くと、一般の小売り業は停滞したまま。ムリに生産を刺激したため、鋼材などは在庫が急増して価格の暴落を招いている。

特に輸出は伸びが止まっている。4月には前年比3.5%の増加を記録したが、5月は再び3.3%の減少に逆戻りしてしまった。輸出先の経済がコロナで不況に陥ったためである。このように中国経済は最悪期を抜けたものの、非常に不安定な片肺飛行の状態。今後も消費や輸出の回復には手間取りそうだ。つまりコロナ不況からのV字型回復は望めそうもない。

いち早くコロナ感染を抑制し、経済再生に走った中国。それはある意味では、経済正常化への“先駆者”とも言える。いま日本をはじめ世界各国が、行動規制の解除に走り出した。しかし中国の現状をみても判るように、正常化への道は平たんではない。日本もどのような方策をとれば、経済再生を最短距離で達成できるのか。チエを集中しなければならない。

       ≪17日の日経平均 = 下げ -126.45円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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それでも カジノ やるんですか?
2020-06-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ パチンコ店には自粛要請しておいて = パチンコ店の前に長蛇の列。緊急事態宣言が発令されても、営業を自粛しなかったパチンコ店。こんな映像が、たびたびテレビ画面で流されましたね。まだ覚えておられるでしょう。ストレスを解消するためには、どんな危険を冒してでもパチンコをするしかない。解説者たちは口を揃えて「こういう人たちはギャンブル依存症です」と断定していました。

ギャンブル依存症は、ギャンブルにのめり込んで止められなくなっている人。家族や仕事や生活よりも、ギャンブルを優先してしまう。WHO(世界保健機構)では、これを「病的賭博症」と名付けて立派な病気だと認定しています。こうした病人が、いま日本には320万人もいると推定されており、その多くが家族や周囲の人に多大な迷惑をかけているのです。今回のコロナ騒ぎで、そのことが浮き彫りにされました。

にもかかわらず、政府は依然としてカジノ建設計画を推進しようとしています。カジノというのは、言わずと知れた“ギャンブルの殿堂”ですね。これが何か所も出来たら、ギャンブル依存症の病人が増えることは避けられません。それでもカジノに執着するのは、地域経済の活性化と税収の増加が見込めるためでしょう。つまり病人の増加よりも、経済を優先するわけです。

しかし地域住民は、カジノを誘致してまで経済の活性化を望んでいるのでしょうか。少なくとも誘致の最終決定には、地域の住民投票が必要なのではないでしょうか。また国や自治体は緊急事態宣言のとき、パチンコ店に営業の自粛を求めました。パチンコ店の経済より病気の抑制を優先したわけです。そんな国や自治体に、カジノの建設を推進する資格があるのでしょうか。みなさんは、どう思われますか。

       ≪18日の日経平均 = 下げ -100.30円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (15)
2020-06-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 南米とインドで死亡者が急増 = 日本時間19日午前0時の集計。アメリカの死亡者数は11万7728人。増加数はやや減ったが、それでも4803人と多い。次いでブラジルとイギリスが4万人台。ブラジルの死亡者数はイギリスを上回った。イタリアが3万人台、フランスとスペインが2万人台。この両国は落ち着いてきており、特にスペインでは死亡者が出なかった。一方、インドは死亡者数が1万人を超えている。

世界的にみると、いま新型コロナ・ウイルスの猛威は最高潮に達している。感染者の総数は832万人、死亡者数は44万7000人に増大した。新規の感染者はブラジルをはじめチリなどの南米諸国、それにインドが中心。たとえばブラジルでは1日あたりの新規感染者が3万5000人。インドの1日あたり死亡者数は2000人を超えている。

第2波の脅威にさらされているのが、アメリカと中国。アメリカでは過去2週間のうちに、全米22州で新規の感染者が増加した。このためオレゴン州では規制緩和を停止、またテネシー州なども新たな経済活動の再開を見送っている。一方、中国では北京市で80人を超す新規の感染者が発生、一部の地区に封鎖命令が発動された。

日本の感染者数は1万8965人。死亡者数は954人となった。来週には1000人を超えるだろう。こうしたなかで19日には、ほぼすべての行動規制が解除された。その結果、感染者数がどの程度まで増えるのか。クラスター(集団感染)を中心に感染経路を追及する日本式の対策が奏功するのか、世界が注目している。

        ≪19日の日経平均 = 上げ +123.33円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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今週のポイント
2020-06-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政金融政策の優勢勝ち = ダウ平均は先週266ドルの値上がり。火曜日には527ドルも上昇したが、下げた日も多く終り値では2万6000ドルを割り込んだ。日経平均も同じような動き。火曜日には1051円と大幅に上昇したが、週間では173円の値上がりにとどまった。終り値では2万2500円を割り込んでいる。日米ともに、売りと買いがせめぎ合った結果だ。

株価を上昇させた要因は、主として財政金融政策に対する期待。アメリカではFRBが量的緩和政策の拡充を発表、またトランプ政権が1兆ドルのインフラ投資を追加するという観測が広まった。日本でも大型の第2次補正予算が成立、日銀の緩和拡大にも期待が寄せられた。その一方、株価を下落させた要因はコロナ・ウイルスの蔓延。世界的な大流行やアメリカでの感染者増加が、市場の警戒感を強めていた。

要するに、財政金融政策vsコロナの綱引き。先週は積極政策への期待が優勢勝ちした形。今後も当分は綱引きが続きそうだ。コロナ拡散は収まりそうにないが、財政金融政策の方はしだいに手詰まりとなって行くだろう。トランプ政権はまず1兆ドル投資を情報としてリーク、あとの手段を温存した。しかしFRBには、もう残された手がほとんどない。

今週は23日に、5月のデパート売上高。24日に、5月の企業向けサービス価格。25日に、4月の全産業活動指数。アメリカでは22日に、5月の中古住宅販売。23日に、5月の新築住宅販売。24日に、4月のFHFA住宅価格。25日に、1-3月期のGDP確定値が発表される。

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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無味乾燥! 政府の月例経済報告
2020-06-23-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 学生リポート並みの公式見解 = 政府は先週19日の関係閣僚会議で、6月の月例経済報告を了承し発表した。まず景気の現状については「下げ止まりつつある」という判断。4-5月の「悪化」という判断から上方修正している。また個人消費については「緊急事態宣言の解除に伴い、持ち直しの動きがみられる」とし、企業の業況については「改善の兆しがみられる」と表現した。

まったく、ごもっともと言うしかない。4-5月は緊急事態宣言が発令され、外出の自粛や店舗の営業休止が要請された。それが6月になると徐々に解除され、19日にはほぼ正常化されている。したがって景気が「下げ止まる」のは当たり前。企業業績に「改善の兆し」がみられるのも当然だ。少し経済に関心を持つ人なら、だれでもそう考えるに違いない。

月例経済報告というのは関係閣僚会議が了承する、政府の公式な見解である。それがこの程度の内容であることは、まことに嘆かわしい。経済学部の学生なら、このぐらいのレポートは容易に書けるだろう。たしかにコロナの世界的な蔓延で、将来の見通しは不明瞭だ。だが、それだけに政府が経済の現状をどう考えているのか。もっと丁寧に伝えるべきだろう。

たとえば一律10万円の給付は、景気にどんな影響を与えた、あるいは与えると考えているのか。給与や家賃補助、また日銀の緩和策の効果、国債の大増発でもインフレにならないのか。さらにワクチンや治療薬の開発見通し。オリンピックが延期されたことの経済的な影響などなど。国民が知りたいと思っている事柄は数多い。そんなことまでは書き込めませんと言うのなら、月例報告などは止めてしまった方がいい。

       ≪22日の日経平均 = 下げ -41.52円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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米中の思惑が 激突 / Hong Kong (上)
2020-06-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 独立機運の高揚を恐れた習近平政権 = 中国が香港に適用しようとしている国家安全維持法の内容が明らかになった。その主眼は①中国の公安当局が香港に出先機関「国家安全維持公署」を設置②香港の現行法と不一致の場合は、この法律が優先――の2点。香港で高まる独立機運や過剰デモを封じ、民主派を抑え込むことが狙いである。近く法案を成立させ、7月には施行する方針だ。

この法律が施行されれば、いわゆる“一国二制度”の現行体制は危うくなる。“一国二制度”は、香港がイギリス領だったころの資本主義・民主主義を認めるという中国の政策。1997年に返還されたとき、イギリスと中国の間で結ばれた約束だ。国は中国だが、本土とは異なった行政・立法・司法権を認めるという内容なので、こう呼ばれる。

いち早く、対抗措置を打ち出したのはアメリカだった。トランプ大統領は「一国一制度になったからには、香港を特別待遇する理由はなくなった」と言明。これまで香港に与えてきた関税やビザ発給、技術輸出など多くの優遇策を停止すると発表した。またG7(主要7か国)やEU外相会議なども、中国に自制するよう求めている。だが中国は「内政干渉だ」と反発、聞く耳は持たない。

香港市民の反応は複雑だ。もともと本土から逃れてきた人たちの子孫が多いから、反中国的な人は多い。また若者は「自分は中国人ではなく、香港人だ」と考えている。だが本土との貿易で生計を立てている人や、しばしば暴力的になるデモを苦々しく思う人たちは親中国だ。そんななかで目立ってきたのが、香港からの脱出を真剣に考える人たちの急増である。

                              (続きは明日)

       ≪23日の日経平均 = 上げ +111.78円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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米中の思惑が 激突 / Hong Kong (下)
2020-06-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 香港を骨抜きにしてしまえ = 香港の住民が“脱出”を考えるのは、今回が初めてではない。イギリスから中国への返還が迫った1990年代、特に幼い子どもたちには英語を習わせ、イギリス・アメリカ・カナダなどの市民権獲得に奔走した。たとえばブルース・リーとかアグネス・チャンとか、子どもたちの名前もファースト・ネームは欧米風に名付けている。何かあったら、すぐに逃げ出せるようにだ。中国もその空気を察して、一国二制度に踏み切ったのである。

現在、香港の人口は約740万人。しかし貿易総額は世界7位、IPO(新規株式公開)による資金調達額は世界でも最大である。中国にとっては、文字通り“ドル箱”の香港。そんな香港に独立されては、たまったものではない。そこで北京政府は、早めに対策を打つことになった。これに対してアメリカは、香港に対する優遇策を停止する。つまり中国本土と同様に扱うというわけである。

香港の住民のうち、いまでも約35万人はイギリスの海外市民権を持っている。また300万人程度は“脱出”の準備をしているという。すでに台湾には約6000人が移住した。香港にあるアメリカ企業1300社も、ほとんどが引き揚げることになるだろう。すると香港の経済的な価値は急速に衰える。アメリカの対抗措置は、このようにして“ドル箱”を骨抜きにしてしまう作戦だとも言えるだろう。

アメリカと中国は、いま貿易問題を巡って激しく対峙している。歴史的な視点からみると、それは自由主義経済と社会主義経済の最終的な対決でもある。関税の引き上げ競争、中国の国営企業に関する問題などに加えて、香港がその対立点として浮上したとも言える。そして、その行くえが日本経済にも多大な影響を及ぼすことは明かだ。

       ≪24日の日経平均 = 下げ -14.73円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


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納豆を食べると コロナ予防に効果???
2020-06-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 飛び交うコロナ誤情報の実態 = «新型コロナ・ウイルスは熱に弱く、お湯を飲むと予防に効果がある≫≪お茶・紅茶を飲むと効果がある≫≪こまめに水を飲むと効果がある≫≪納豆を食べると効果がある≫≪ニンニクが・・≫≪ビタミンDが・・≫≪新型コロナ・ウイルスは、中国の研究所で作成された生物兵器である≫――新型コロナ・ウイルスに関する様々な誤情報が、いま世の中を飛び交っている。総務省が、その実態を調査した。

総務省は17例の誤情報を挙げて、信用するかどうかを聞いている。最初に掲げたのは、その一部だ。最も信用度が高かったのは≪死体を燃やしたときに発生する二酸化硫黄(亜硫酸ガス)の濃度が武漢周辺で大量に検出された≫という誤情報。信用すると回答した人は、全体の32.8%に達した。最も信用度が低かったのは≪花崗岩などの石はウイルスの分解に即効性がある≫という情報で、信用度は2.4%。ちなみに≪納豆・・≫は9.6%だった。

この調査は全国の男女2000人を対象に、5月13-14日に実施した。その結果、95%以上の人が1日平均1回以上、新型コロナ・ウイルスに関するニュースや情報を見たり聞いたりしていた。また2割程度の人は、1日に10回以上も見たり聞いたりしていることが判明した。その情報源は、民間放送、Yahooニュース、NHKなどとなっている。

しかし、この調査そのものは、ほとんどニュースとして伝えられていない。おそらく調査の意図が全く不明だからだろう。誤情報には気を付けろということなのか。それならカネと人手をかけて、こんな調査をするよりも、総務省が「こういう情報は偽ですよ」と、事例を羅列して発表する方がよっぽど効果的だと思うのだが。

        ≪25日の日経平均 = 下げ -274.53円≫
    
        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (16)
2020-06-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ “第2波”に襲われたアメリカ = 日本時間26日午前0時の集計。アメリカの死亡者数は12万1996人、ついに12万人を超えた。2位のブラジルは5万3830人で、5万人を突破。イギリスが4万人台。イタリアが3万人台。フランスとスペインが2万人台。そしてインドが1万人台にのせた。このうちブラジルとインドの増勢が著しく、アメリカでは26州で感染者数が過去最大となった。

世界的にみても、新型コロナ・ウイルスの猛威は最高潮に達している。23日時点で感染者数は900万人を超えたが、1週間で100万人も増える勢い。死亡者も469万人にのぼっている。このうちアメリカとブラジルが、感染者数でも死亡者数でも4割を占めた。このほかロシアの感染者数が61万人を超え、死亡者数も1万人に迫っている。

アメリカでは早めに経済再生に踏み切った州で、感染者の増加が顕著となっている。テキサスやカリフォルニア、フロリダ州では、感染者数が1日5000人に達し、累計では“第1波”のときより多くなった。ニューヨーク州は小康状態となっているが、予防措置として感染者の多い州からの訪問者を隔離する。アメリカは“第2波”に襲われた公算が大きい。

アジア各国の状態は比較的落ち着いている。べトナムは依然として死亡者ゼロ。中国も死亡者は増えていない。また韓国の死亡者は282人で、増加は2人にとどまった。日本の死亡者数は累計984人、一週間前より30人増えている。アジアのなかでは、日本がいちばん要注意なのかもしれない。

       ≪26日の日経平均 = 上げ +252.29円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】    


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今週のポイント
2020-06-29-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ コロナに怯えたニューヨーク市場 = ダウ平均は先週856ドルの大幅な値下がり。終り値は2万5000ドルすれすれにまで下落した。高値を意識した利益確定売りも出たが、最大の売り材料はコロナ“第2波”の襲来に対する警戒感。特に週末26日には、全米の新規感染者が過去最大の4万4000人を記録。フロリダ州とテキサス州では、店舗営業に対する規制が再強化された。こうしたニュースを受けて、この日のダウ平均は730ドルも下げている。

ウォール街では、まだ財政・金融政策とコロナ不安の綱引きが続いている。だがFRBは低格付け債の買取りまで実行しており、残る手段は限られてしまった。トランプ大統領はまだ1兆ドルの追加支出という切り札を持っているが、もっと選挙が近づいてから発表したい。だから、いまは踊れない。そこでコロナ不安の方が、市場を動かすことになってしまった。

日経平均は先週33円の小幅な値上がり。ニューヨークに比べると、株価の水準がまだ低い。それにアメリカのコロナ不安からは、やや距離がある。それだけ下げ圧力も小さかったのだろう。だが今週はアメリカの警戒感が、改めて伝染してくる。ワクチンや治療薬に関する朗報でもない限り、東京市場も重苦しい空気に包まれそうだ。

今週は29日に、5月の商業動態統計。30日に、5月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数。1日に、6月の日銀短観、消費動向調査、新車販売台数。国税庁の路線価。アメリカでは29日に、5月の中古住宅販売。30日に、6月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、6月のISM製造業景況指数。2日に、5月の貿易統計と6月の雇用統計。また中国が30日に、6月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ


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消費は 7月までV字回復
2020-06-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 5月の小売り高は前年比12.3%の減少 = 経済産業省は29日、5月の商業動態統計を発表した。それによると、小売業の販売高は11兆0650億円。前月を2.1%上回ったが、前年同月比ではまだ12.3%の減少だった。4月の前年比13.9%減少から、やや回復している。新型コロナ肺炎を抑制するための緊急事態宣言は4月7日に発令され、5月25日に解除された。その影響がきわめて明確に表われた結果だと言えるだろう。

商品別の前年比をみると、自動車が35.2%と大きく減少。衣類・身の回り品も34.3%減少した。なかで飲食料品だけは2.2%の増加。外出規制のさ中でも、飲食料品への支出は落ちなかったことになる。また業態別にみると、休業が多かったデパートは64.1%と激減。スーパーは6.9%の増加、コンビニは9.6%の減少だった。

4-5月は“巣ごもり”や店舗の休業で、消費は大きく抑制された。その反動は予想以上に大きいと思われる。さらに1人10万円の現金給付も加わるから、6月の小売り高はV字型の回復になりそうだ。ただ反動による消費の増加や10万円の影響は一時的で、長くは続かない。8月になれば、息切れする可能性が大きい。

このためV字型の回復は、せいぜい7月まで。そのあと消費は横ばいに推移すると考えられる。最初は急増するが、あとは横ばい。図形にすると、学校で習った平方根の形を描きそうだ。大事な注目点は、V字回復が終わる時点で、小売り高が前年比でプラスを取り戻せるかどうか。それによって、景況感は大きく変わってくる。

       ≪29日の日経平均 = 下げ -517.04円≫

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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