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uchoten-ganso 201708

 5年4か月ぶりに平久保の「らーめん有頂天の元祖」を訪問。
 赤湯系の辛味噌ラーメンに山形名物のゲソ天をトッピングして一世を風靡した店で、10年前頃はよく行ったものでした。
 今回は開店直後の時間帯に行きましたが、行列はなく、店内の先客は2人だけ。少し手前にある「麺屋○文」は駐車場がほぼいっぱいたったのに、こちらはすっかり落ち着いた感じがします。

 懐かしいげそ天みそラーメンの大盛り、850+100円。
 相変わらずうまいです。印象に残った点を列記していくと・・・
 熱いのに湯気が立たないんだな。つまり、スープの表面を油分がコーティングしているというワケ。
 麺の茹ではちょい浅め。食べているうちにだんだん有頂天らしいもっちり感が出てきて、ああこれこれ、この味といった感じ。
 普通盛りではやや少ないイメージがありましたが、今回大盛りを食べるとしっかりした量感があり今の自分にはやや多め。大盛りがプラス100円ならついそうしちゃうよね。
 絶妙の味がする辛味噌。溶かすとガツンと来るものの、ヒリヒリ、発汗はさほどでもなし。かつてはこの辛味噌にヒーヒーいっていたものですが、今やすっかり食べ慣れて・・・。
 湯通しした程度のざく切りキャベツ。これがいいんだよナ。
 厚みがあって大きなバラチャーシューは見事!
 ラーメンに天ぷらは邪道と認識しつつも、食べるとおいしいのだからそれでいいじゃん。揚げ立て、熱々だよ。
 天ぷらのショリ感を楽しみたいならば、まずはスープをどんどん啜ってその量を減らすという食べ進め方をすべし。そのスープがまた美味なんだ。
 麺は中太と太麺から選べるようだが、選択をせずに注文した麺は手もみの太麺か?! かつてココは平打ちの麺だったように記憶しているのだが。
 ・・・などなど。

 ああ、うまかったなあ。
 冷房がしっかり効いていたので、ドバ汗もある程度抑制されて、これなら夏の辛味噌ラーメンもいいなと思ったところです。

udonya-zen 201708

 天童市蔵増、天童から寒河江へと続く街道沿いに、「饂飩」という大きな文字が書かれた屋根が見えてきたら、それが「うどんや膳」。ここにうどん屋、というよりも饂飩屋と書くべき店があることは知っていましたが、このたび初訪問となりました。

 カレー丼セット、850円。うどんは「冷」を選択。
 配膳スピードが極めて速く、うれしい限り。きちんと熱いものは熱く、冷たいものは冷たい形で登場です。
 おいしそう。だが、慌てるでない。まずは箸置きから箸をとり、器の位置を整えて、手ぶれのないように写真を撮り、うどんに七味を振りかけ、卓上の天かすを追加して、さあ、いただきましょう。

 うどん(冷)は、絶妙の弾力とつるりとした食感があり、美味。「丸亀製麺」や「花まるうどん」などのチェーン店でも良質のうどんを食べられるようになりましたが、独立店は一味上をいくぞという印象です。
 甘じょっばい味のついたきつねや、ほのかに磯の香りを漂わせるワカメも、それぞれの役割をきちんと演じているし、湿気のない天かすや彩りのかまぼこもいいです。
 そして出汁つゆは、この辺りのスタンダードの黒めの醤油色ではあるけれども、味がきつくなく、昆布や鰹の出汁と醤油の風味がほどよくマッチしています。

 大ぶりのシシトウの天ぷらが添えられたカレー丼は、底の深いどんぶりに充実のごはんとカレーの量。ミニ丼あっちいけ的な堂々たるものです。
 塩味が抑制されたカレーで、味のインパクトはそれなりではあるけれども、香辛料が鼻孔をくすぐるような独特のもの。具は溶けていますが、ほろほろの豚肉の欠片が入っているのがうかがわれます。

 天童の中心部からは大きく離れていますが、わざわざ食べに行く価値のあるいい店だと思います。
 県内の飲食店をあちこち歩いていますが、知らないいい店というのはまだまだたくさんあるのだろうなぁ。

tarotei 201708

 朝日町内の「太郎亭」を初訪問。
 朝日町在住の同行者が言うには、ここは肉そばの名店、河北町「一寸亭」の暖簾分けの店なのだそうです。

 肉そば(冷)700円。
 その血統に恥じない味わいで、親鳥の肉は食べやすい柔らかさ。
 つゆは、レンゲが付いていないのでどんぶりを両手で持ち上げてぐびりとやる形になりますが、甘辛過ぎず、適度に量を啜れるのがいいです。
 ゆで卵が入っているのがユニークです。
 色黒の機械打ち麺も、一寸亭ゆずりでしょうか。
 ゲソ天もりそば850円もいいかなとも思いましたが、この蕎麦なら肉そばで味わうのがいいかもしれません。

 漬物2種も先付け風で好印象です。

 ある昼時に、寒河江市南町の「そば処弘庵」を初訪問。
 おおっ、混んでる! でも、外が眺められる窓際の席が空いていたので滑り込みます。

 せいろそばの大盛り、720+150円。
 細打ち、太打ちから選べるらしいのだけど、この時は細打ちしかありませんけど…とのこと。いいです、それで。

kouan1 201708

 しばらく待って、はじめに運ばれてきたものはご覧のとおり。お、蕎麦がゆが付いています。あとは漬物2種。そばつゆははじめからそば猪口に注がれており、そのほか徳利にも多めに。

 その後5分ほどにしてようやく蕎麦が登場。
 もう少し蕎麦色をしていたほうが自分的には好みですが、いい感じの蕎麦です。二八ほどの手打ちで細打ちらしいいい喉越しです。
 そばつゆも昆布だしが効いていて、薄くもなく濃くもなく、奇を衒ったところもなく、王道をゆくもの。
 大盛りは、自分にとっては適度な量で、けっこう食べたなと思える充足感と、腹9分ぐらいの満腹感。

kouan2 201708

 そば湯の器は三角錐の陶器で、熱いものをたっぷり楽しめる趣向。今回は猪口に1回注いで飲んだにとどまりました。
 ゆっくりと蕎麦湯を賞味する時間がなくなってしまったのは残念でしたが、ココは町なかにあるいい蕎麦屋だと思いました。なので、いつか再訪し、そば湯を3回ぐらい飲むことにしようと思います。

yoshinoya286 201708

 沖縄県下の吉野家で販売されるタコライスが全国の吉野家でも食べられるようになっていると聞いたので、このたび食べに行ってみたところ。「吉野家286号線山形南店」は3年7か月ぶり。

 タコライス(並)450円。
 おおっ、いいセンいってるんじゃない?
 「よくかきまぜて食べてください」とのことですが、本場ではそんなビビンバみたいな食べ方はしないのだぞ。ただこの場合・・・。
 本場のタコライスは温かいご飯の上にレタス、トマト、タコミート、チーズがまんべんなくかけられているのですが、こちらはそれらの3パートがきれいに分かれていて、その上にケチャップ様のトマトがかけられているのです。

 うーむ・・・こういう形であればある程度混ぜるしかあるまい。でも、あまりぐりぐりはしたくない。ということで、ライスはそのまま、表面部分だけを適度に混ぜ合わせていただきました。

 これ、うまいです、結構。雰囲気も出ています。ごはんと具の量のバランスも悪くないです。
 でもって、添えてあるハバネロソースを1滴残らずかけて食べれば、ほどよい辛さが唇をやさしく刺激して楽し。
 本音を言えば、トマトソースはフレッシュトマトに代えて、そのうえでチリソースはご自由にというのが理想ではあるけれども。

 ボリューム的には本場沖縄の「キングタコス」各店などには敵うべくもありませんが、これだったら、また食べたいと思うよなあ。
 想像していた以上の出来栄えでした。

sankosaibo 201708

 先月に続いての訪問となる「新中国料理山香菜房」。昼時にしっかりした中華料理を格安で食べたいと思ったときによく利用する店です。
 格別きれいとは言えないけれども、空間が広くゆったりしていて、昼時でもめちゃ混みの状況に当たったことがなく、何でもスピーディーに配膳されるのが魅力です。そして安い!

 今回は、AからCまである600円のランチメニューの中からCの麻婆チャーハンをセレクト。
 ほどなくして、その名称にふさわしいものが登場。
 一般的なチャーハンに麻婆豆腐が添えられています。それぞれおいしくいただきましたが、この店らしいしっかりしたボリュームで、食べ応え満点。福神漬なんかが添えてあったなら完璧だったでしょう。

 同行者が食べていた麻婆飯セット650円はラーメンと麻婆飯にサラダやデザートが付いていて、50円ぽっちの違いならばそちらのほうがよかったかなと思ったりしましたが、会計時、レギュラーメニューは外税価格だったようで、702円でした。ふーん、ランチは内税で、価格表示がちがうのね。

 格安にもかかわらずあっさりと標準ラインを超えた中華料理を食べさせてくれて、アリガトゴザマスター♪

takemura 201708

 「本来の」中華そばが食べたい。ならば当地の場合、そば屋のラーメンということになりますね。
 数あるラーメンを出すそば屋のうち未訪店というと、篭田に「竹むら」という店があったよナ。じゃあ、そこだ!
 ということで、このたび初訪問となりました。

 「中華」の「大」、600+100円。おおっ、そば屋にしてはどんぶりが大きいぞ。

 醤油のほかに塩で味を調えたと思えるつくり。比較的塩味が薄い感じがしたので、胡椒でコクづけをしましょう。
 そうそう、これこれ、この鶏ガラスープ。そば屋のものにしてはわりとオイリーですが、表面に浮いているその油部分を啜ってみれば、滋味深くて熱々。あぁ、しみじみうまいよなぁ。

 その油分でコーティングされて持ち上がってくる麺は、中太でやや平打ちにシフトした、手もみの入った多分自家製。いい喉越し感があります。
 そして、「大」に恥じない麺量があるので、うれしいことに心ゆくまで何度も啜ることができます。

 海苔、ワカメ、板蒲鉾で和風テイストを打ち出しておいて、小口切りの細ネギでお化粧。夏の天候不順で今、ネギは高いのだろうな。
 自己主張せず縁の下の力持ちを自認しているような素朴な味のメンマが7~8本。
 厚みがあるのに大きく見えないチャーシューがそっと1枚。今どき麺とチャーシューのどちらが主役なのかわからないような手合いが多くなっている中で、そういうところにある種の美学さえ感じてしまいます。

 おいしいスープをあらかた飲んでゴチソウサマ。質・量ともに大満足でした。
 家族経営で顧客本位のこういう店こそ、今後とも繁盛して末永く続いていかれますように。

toyoharu 201708

 東根市温泉町、北村山公立病院至近にある「食べ処と代春(とよはる)」を初訪問。
 茶室風のつくり(?)のちょっぴり洒落た店。こぢんまりしていていい感じです。

 定食、そば・うどん、ラーメン類とメニューはひととおりそろっていますが、あれれ、単品の丼物がありません。東根だったらかつ丼がいいだろうと思って入店したのですが、丼物はミニかけそばかミニラーメンとセットのミニどんぶり7種(かつ丼、親子丼、牛丼、中華丼、天丼、チャーハン、えび丼)。品種多数はいいのだけれども、ミニ+ミニではなあ。

 ということでしばし考えて、焼肉定食900円にしてみました。
 豚肉のスライスしたものが5枚。味付けはタレの塩辛さが抑えられたマイルドなもので、香辛料のコクを感じるもの。肉の厚みがもう少しあればと思ったところです。
 添えられた生野菜は新鮮。ドレッシングがかかっていないように見えましたが、業務用のオレンジ色のフレンチドレッシングが野菜の上ではなく底のほうにありました。そういうのって初めてかもしれません。

 ほかにはかぼちゃ煮とキュウリ漬けと冷奴。かぼちゃ煮は素朴、漬物は自家製でしょう。冷奴はスーパーで売られているミニパックの4分の1ほどの量で、これは笑ってしまうほどに少な過ぎでした。
 山形の食堂らしく、いい米を使ったおいしい炊きあがりのごはん。家庭的な味のする味噌汁もおいしかったです。

yamanakaya-sagae 201708

 表題が長い。
 数日前、平日を選んで入ったのにお盆のため平日ランチをやっていなかったので、食べないで店をあとにしました。今回はそのリベンジとなります。
 よしよし、今日は平日ランチをやっているようです。
 「やまなか家」は、寒河江店で食べるのは初、2015年2月に山形バイパス店で盛岡冷麺を食べて以来です。

 ハーフビビンバ+盛岡冷麺(普)セット、980円+税=1,058円。案外高いです。
 リーズナブルな取り合わせとしては、ランチ盛岡冷麺(普)540円とランチ石焼ビビンバ540円を両方頼むという方法がありますが、これだと量が多い恐れがあるので、割高と知りつつ安全なほうをいってみました。

 辛さふつうをチョイスした冷麺は、麺に弾力があり美味。自分にとってはこの冷麺で十分満足です。
 ビビンバは、「石焼き」でないもののハーフ。それなりにおいしいですが、石焼特有の香ばしさがなく、量もほどほどです。壺に入れて供されたコチュジャンを多用して、ガイロガイロして食べます。

 悔しいけれども、自分にとってはこれでボリューム的に適量。いや、少し多いかな。
 でも、本音を言えば、冷麺と石焼きビビンバをダブルでいきたい。しかしそれを実行に移すのは仕事に支障のない昼時ということになりそうです。しかもそれが平日しか供されないとなると、そういうタイミングはいつ来ることか。
 フツーの平日であれば、これも540円ランチのユッケジャンクッパもいいかもしれません。

sobazou 201709

 寒河江駅まん前に今年6月に移転オープンした「そば増」を初訪問。ここはかつて「薫風」というラーメン店があった建物です。ランチタイムはいろんなものが500円均一で食べられると聞いたので。
 メニューを見ると、つったい肉そば、つったい肉中華、中華そば(温・冷)、白味噌ラーメン、塩中華、とりもつラーメン、油そば(温・冷)などがどれも500円。もちろん税込みです。
 店構えはきちんとしているし、よもや浜茶屋みたいなものは出さないだろうがと少し不安になりながら、大盛りは150円増しだそうなので、「つったい肉そば」の大盛り、500+150円を所望しました。昼のみと記載されていた「げそ天(1本)100円」は、この日はないとのこと。

 肉そばにしては長めに待ったあとに運ばれてきたのは、どどん!といった感じのインパクト。
 うっひゃ、麺量がずいぶん多い。うーむと思いつつ改めてメニュー表を見ると、「1玉」とありました。つまりは2玉分です。
 おーし、こうなりゃはじめから飛ばしちゃうぞっ! 卓上の一味唐辛子をざっとふりかけてかっ込み開始です。

 蕎麦自体は肉そばの店の常として機械打ちなのでそれなりですが、平打ちのぼそぼそとした食感は啜り上げる系のものともまた違った味わいがあって、不満はありません。
 肉そばのつゆは甘辛いのが美味であり一般的。この店もその路線を踏襲。でも、やや甘めに振れているかな。
 鶏脂も標準装備ですがやや少なめ。鶏肉はわりと量があり、生肉の部分が多いのでやわらかです。
 ネギも刻みたてでマル。

 この味と量にしてこの価格はうれしい限りで、大衆の味方になっている印象が強いです。
 肉そばはとてもうまかったので、今後はこの店で、最低でも油そば(温)と白味噌ラーメンは試してみる必要があると思いました。

50banshokudo 201709

 上山市矢来にある「五十番食堂」を初訪問。山形市などでチェーン展開している「五十番飯店」とは別です。
 土曜日でしたが、「平日のみ」のはずのランチメニューのうち、スタミナ丼600円とBランチのラーメン+ミニかつ丼800円は大丈夫のようでした。それではと、ラーメン+ミニかつ丼にします。

 ラーメンは、醤油の香がたつあっさり系。これを特徴がないという向きもあるかもしれませんが、こういう無変哲なものをさりげなく供する店は今どき貴重といえるでしょう。自分はこういうラーメンがとても好き。白胡椒が合います。
 定食、丼物、そば、うどん、一品料理となんでもこなす食堂なので、麺は製麺所製。とは言っても、透明さが加わった熟成度が感じられ、ぷりっとした食感の縮れ麺は、山形ラーメンの王道を行くつくりで、なかなか美味です。

 ミニかつ丼は、ボリューム的には一人前まではいきませんが、「ミニ」の範疇を軽く上回るもの。
 見た目は具がたくさんのように見えますが、とんかつは薄いのが2切れで、とんかつ喰ったぁ!とはなりません。(笑)
 しかしそれを多めのタマネギが補強しており、かつ丼喰ったぁ!という気には十分になれますから、ご心配なく。
 こちらも醤油が効いていて、甘さは控えめの味付けでした。ごはんが硬め(昨日炊いた?)だったのが惜しいです。

 全体として想定を大きく上回るデキ。ネット上に流れる情報などに左右されず、知らない店でも一度は入って自分の舌で感じて判断すべきだと、改めて思ったところです。

marushichi 201709

 R287を大江町から朝日町宮宿へと進む街道沿いにある「丸七そば店」を初訪問。先にスパゲッティハンバーグを食べた「真里夢」の道路を挟んで向かいあたりにあります。
 某グルメサイトでこ「ここの中華はバター味がする」という評価を複数人が報告していたので、興味が湧いたものですから。

 中華そばの大盛り500+100円。安っ! 今どきラーメン500円というのは珍しく、激安の部類だと思います。少なくともこの10年ほどは値上げをしていないようです。

 でっかいどんぶりに、おにぎりが1個ついてきたのにはやや焦ります。少し背伸びをして大盛りを注文したところにさらにプラスだったものですから。まあ、うれしい悲鳴?ですけれども。

 中華そばは、大きい器にたっぷりのスープが注がれ、その中を中華麺がゆったりとたゆたう格好。こういうラーメンの出し方こそがホンモノ。俺の自慢はスープなのだ、いっぱい味わってくれという心意気。
 それは麺にとってもウレシイはずで、大浴場に一人、身体を伸ばして寛ぐときの心境を、この麺たちは堪能しているのかもしれません。

 そのスープがんまい! シンプルを絵に描いたつくりですが、淡白ではなく塩辛くもなく、当然ながらくどさもなく、実にいい塩梅です。
 これならばこのたっぷりのスープは全部飲み干したいし、全部飲んでも体に悪影響はなさそう。ということで、麺よりもスープを啜るほうに力が入ります。
 肝心のバター味ですが、そんなことは微塵も感じられませんでした。鶏ガラベースで、醤油のやさしい返しがかぐわしい。「シンプルイズベストを地でいく中華オーソドキシー」と表現していいのではないか。

 麺については、入店時から大きな期待を持っていませんでしたが、これが意表を衝く形ですごくうまい。中太の範疇ですが、食べていてしっかりとした麺の力強さと、それと相反するするりとした喉越しをともに備えており、少し寝かせたのか、見た目にはうっすらとした透明感があります。

 トッピングだってチャーシュー2、海苔、メンマ、蒲鉾、ネギに加えてゆで卵1/2まで付いて、その上おにぎり付きで普通盛り500円!
 この地域のこの構えの店で、これほどに風格のある中華そばを食べられるとは思ってもいませんでした。ありがとう。スバラシイ限りです。

maruume 201709

 農家レストランでもあるそうですが、昼時は河北町らしく肉そば処といったほうがピンと来る設えの店。昨年9月のオープンで、今回が初訪問となります。
 事前情報としては、肉そば、肉中華に加えて「肉帯麺」なるものがあることと、ここでしか食べられない「泡麩」というものがあること。なんだか面白そうです。

 肉帯麺セット(冷)750円。それに加えて泡麩を1個75円。
 泡麩は先に暖かい汁に入れられて登場。ソフトボールぐらいの大きさがある白地の円形をしていて、汁に浸して柔らかくなった頃に食べるもののよう。食感や味の第一印象は、明石の卵焼き(明石焼き)に似ています。よく味わえば麩なのですが、口溶け爽やかで、独特です。

 セットは、写真のとおり。メインのどんぶりのほか、秋茄子とししとうのぬた和え、イタリア野菜の辛子醤油和え、中国野菜のおひたし、天かすと柚子胡椒の小皿、きゅうり漬けと超豪華。赤とんぼの折り紙飾りが付いていますが、これは食べられません。(笑) これだけ付いて750円は安い!

 珍しい肉帯麺は、幅3cmほど。つるりとした食感で、これはうどんで、いわゆる「ひもかわ」といわれるものでしょう。
 こういう幅広の麺は最近では、「竹林坊」(山形市)の四川牛麺と、「めん処酒処ふる川暮六つ相生店」(群馬県桐生市)のカレー南蛮ひもかわで食べています。

 つゆには鶏脂が入り、肉そば仕様。今回は珍しいので帯麺を選択しましたが、こうなると帯麺よりもやはり蕎麦で食べたほうが、自分はしっくりきます。つるりとしたうどんに鶏脂はミスマッチのような気がするし、帯状だと豪快に啜れないというウィークポイントがありますから。

 食後に、開店1周年なのでと、冷製のポタージュスープが供されました。
 それにしてもユニーク。なかなか楽しく食べることができました。
 肉そば屋が何件も並ぶ谷地のメインストリートで戦っていくのは大変そうですが、ぜひ生き残ってほしい店です。

wakichi 201709

 寒河江市西根の「味処わきち」を初訪問。
 この日のランチメニュー800円は、和風マーボと鶏唐揚定食、豚の生姜焼定食、きつねそばとミニ焼肉丼、麦切りとミニ天丼の4種。充実しているなあ、どれにしようか迷ってしまうではないか。
 どれもおいしそうなので、一番上に書かれていた「和風マーボと鶏唐揚定食」にしました。

 Wメインのひとつの和風マーボとは、大ぶりの賽の目豆腐、豚肉細切れ、キャベツにゆるいとろみのあんをかけたもので、ワカメがトッピング。ベースは醤油味の和風出汁で、辛くもありません。したがって、本格中華料理の麻婆豆腐とは一線を画するものです。
 一方の鶏唐揚は、加工冷凍品を調理したものと思われる、中身の肉が少ないものが3個。熱々でいいのだけど、格式のある料理屋が出すものとしてはどうなのか疑問が残ります。それにドレッシングの付いた刻みキャベツとポテサラが添えられていました。

 むしろよかったのは脇役たちで、茄子漬が美味。単なる添え物としての漬物ではなく、これでごはんが召し上がれますといったような、青々とした立派なもの。
 また、ふたの付いた器で供された味噌汁は、ワカメと油揚げがたっぷり。それにスライスしたタマネギが加えられ、おふくろの味になっています。
 ごはんもふっくら適量。食後にはコーヒーがレギュラーサイズで供されます。

 疑問符が付くところもありますが、他のメニューも食べてみたいと思わせるものがあり、再訪必至の店でした。不定休で、いつが休みなのか読めないところが課題ですが。

kanton 201709

 白鷹町十王地内、R348沿いにある中華料理店「廣東」を初訪問。
 かなり前からここでやっている店。メニューにやまぶき麺もあったので、「中国料理廣東 白山本店」とは何らかの関係があるのでしょう。

 納豆みそラーメンの大盛り、730+120円。
 極めてあっさりした味のスープで、味噌味でこのぐらいさらりとしているのは珍しいかもしれません。味噌の塩辛さ、ラードのコク、唐辛子の辛さなどがないわけではありません。しかしそれらがマイルドに調和しているのです。ん? ニンニクはどうだったかな。もしかしたらそれが入っていなかったのかな。

 ラーメンに納豆を入れるという行為はある意味邪道と知りつつも、しかしこのマイルドスープに発酵食品のコクと香り、適度なとろみが加わると、全体としての絶妙感がぐんと増して美味。
 その納豆は、挽割ではなく小粒なものが、小パックひとつ分ほど。それを麺にまとわせて啜れば、ゾゾーッ!と大きな音が出て楽し。

 中華料理店なので、麺は製麺所製。麺量はたっぷりです。
 野菜炒めのモヤシのしっぽが黒ずんでいたのはマイナス。野菜の量自体も格別多くはありません。
 タクアン3切れは質実剛健。
 スープ内に散開した納豆を掬って食べているうちにスープをほぼ全量飲んでしまいました。ああ、うまっ! このスープであれば、全部飲んだとて身体への悪影響は少ないでしょう。

tamaya 201709

 東根市のR13蟹沢交差点から西方面に数百メートル入ったところにある「中華レストラン玉家」を初訪問。じつは今日までここにこういう店があることを知らないでいました。

 スブタセット1,050円。酢豚と蒸し鶏の冷菜によりなるものです。
 酢豚は、色が茶色で見栄えこそあまり良いとは言えませんが、実力は十分。豚肉は中ぐらいのサイズのものが3個。それをタマネギ、ピーマン、タケノコ、ニンジンといった酢豚の正統派メンバーがしっかり支えているおいしいものです。皿から溢れそうなぐらいの餡をスプーンですくって食べられるのがウレシイ。

 一方の蒸し鶏も胡麻風味のタレがかけられて美味。キュウリもシャキシャキだし、申し分ありません。
 これにキュウリ漬けと、器は中国だけれども中身は純和風のワカメの味噌汁。ごはんはもう少し炊き立て感があればなおよかったと思います。

 いずれにせよ、これでこの価格ならリーズナブル。
 ほかにもエビチリ+春巻+焼売や、回鍋肉+唐揚げ+焼売のセットが1,050円というのがおいしそうだし、880円ぐらいのラーメン類とチャーハンのセットはお手頃。また、「あさり入りカレーラーメン」なんていうのもあるのだそう。
 ふふふっ、これは再訪することになるでしょうね。

garyutei 201709

 天気もいいし、外で蕎麦でも食べようと思い立ち、初めて寒河江市白岩にある「臥龍亭」に行ってみました。
 老舗旅館の大広間といったつくりの広い部屋。鶴岡市三瀬のラーメン店「琴平荘」みたいです。部屋のわりには客数はそれほどでもなく、ざわつきのない空間で寒河江川を眺めながらゆったりと食べられるのがとてもいいです。

 半板げそセット1,100円。
 麺量1.5人前の半板そばは単品で950円で、げそ天は単品だと380円。それらを合わせてセットにすれば1,100円になるという魔法。当然コレを選択するでしょ。

 あぁ立派。ゲソ天380円は高いと思っていたのだけど、モノを見て、私が悪うございましたと反省。「そばのまるごまるご」のそれよりも一回り大きいものが3つ。しかも揚げたてショリショリで、齧る歯がアチチ。このゲソ天に文句を言う客はいるまい。
 長い足だなあと感服。けっして硬くはないのだけれども、太さもあるので、太腿(?)あたりになるとすんなり噛み切るのが困難なぐらい。
 ここはゲソ天を食べるために再訪するというのもアリでしょう。

 蕎麦のほうも手打ちでおいしく、これなら「板」で食べるのにふさわしいと思ったところ。1.5のボリュームも自分にとっては必要十分でした。
 蕎麦湯も熱いのがたっぷり供され、これをそば猪口に3杯飲んだら身体中から汗が出始めてきました。
 ごちそうさまでした。満足です。

jankenpon 201709

 未訪店の探訪、今回は寒河江市東新山町の「じゃんけんポンラーメン」を初訪問。
 店の外観がファミレス風なので無意識に避けていましたが、昼と夕方の食事どきに限定中華と銘打って450円で提供しているラーメンがあるそうなのです。

 限定中華の大盛り、450+100円。安い!
 トッピングに海苔やナルトが入らない一抹の寂しさはありますが、この価格としては立派です。
 麺量がしっかりしており、いかにも中華そばといった味。多少硬めの茹で上がりで、喉の通りがよい性質なのか、ほぼ噛まずに喉奥へと直行してしまいます。いいなあ、これ。
 スープも手抜きがなく、うまい返し醤油にブシ風味のダシを加えた、今風でありながら半分は伝統をキープしているようなコク深いものでした。
 メンマは柔らかでいい味付けのものが6~7本。チャーシューも欠点はなく、さらにゆで卵半分がトッピングされます。

 いいんじゃない、じゃんけんぽん。入ってみれば、ファミレスではなく、明るく広々とした居心地のいい空間で、他には男性一人客が数人といったところでした。
 やはり店というのは、一度は入って見なければ、その真髄はわからないものです。入店せずにその店を語るべからずです。
 こうなると、未訪店放浪にさらに弾みがついてしまいます。

abc 201709

 天童市R13沿い、山元の「ABC食堂天童店」を初訪問。
 とん八の系列店のよう。ABC食堂はかつて山形市馬見ケ崎にも店があったようですが、今はありません。

 食券制。初めてなので、ふつうのロースかつ定食680円をチョイスしてカウンター席へ。
 一般店の3分の2程度の価格なので大きな期待はしませんでしたが、配膳されたものを見れば立派です。表面積の大きな揚げたてのロースカツに千切りキャベツがこんもり。カラシもたっぷり添えられて、ドレッシングはご自由にドウゾの胡麻ドレ。
 その脇を固めるのは、標準サイズのごはんに、ファストフード店的な味噌汁、キュウリと大根の漬物。

 肉はそれなりに厚みがありますが、肉質自体はそれほどでもなく、心持ちパサつき感があります。しかし、十分に柔らかいし、肉に霜降りが入っていないということは脂肪分が少なめなわけで、ヘルシーでもあるということ。この価格で提供するものとしては十分に納得がいきます。
 というか、脂肪過多のものに近づけなくなっている者にとってはこのほうがいいぐらい。言ってしまえば、とんかつソースをたっぷり使って半ばソースの味でとんかつを食べているわけだし。
 ここではプラス300円でとんかつの量が2倍になる「W(ダブル)」制度があります。注文直後はそれにするべきだったかと思いましたが、食べてみればレギュラーで肉量は十分でした。

 ごはんの炊き具合はやや水が少なく、味噌汁は塩辛めでしたが、価格対比の総合力はかなりのものがありました。

kuniaji 201709

 実に久しぶり。過去ログを検索してみたら、ほぼ2年ぶりの訪問でした。
 チキンカツカレー700円。
 このメニューになると2012年3月以来で、当時は650円。メニュー表を見るとどれも50円ほど値上げしています。

 どうですか、この盛り。カレーが皿からこぼれそうでこぼれないぎりぎりのところで止まっています。
 ボリュームがあり、ごはんの量がすごい。それなのに、標準ペースで食べ進んでいくとカレーが余ってしまうぐらいに、カレーの量もすごく多いのです。国味のパワーに改めてびっくりです。
 カレーは、作り置きをお玉で適量を鍋に移して温める方式。具材がほどよくルーとなじみ、全体の味が均一化していて、カレーらしいクミンの香りが強くて美味。
 もちろん、カツも揚げ立てでアッチチ。チキンの胸肉なので脂肪分が少なく、脂負けせずに食べることができます。

 やはりいいなあ、この店。自分にとっては少々量がプレッシャーになってきたけれども、揚げ物やカレーが食べたくなった時には今後何度もお邪魔することになるのだろうな。
 大将の名調子「ありがとござい~んす♪」も健在。女将も年数相応にわずかに齢をとりましたが、以前と変わらず厨房内をこまめに動いておられました。

  翻译: