◇ 量的引き締め政策の効果が現われる = アメリカでは、通貨流通量の減少に大きな関心が寄せられている。FRBの量的金融引き締め政策によって市中のおカネが吸い上げられ、しだいに流通量が減ってきた。これが物価や株価などにどう響くか。政策金利の引き上げは、いわば顔面パンチ。これに対して量的引き締めはボディ・ブロウ、じわじわと効いてくる。
FRBの発表によると、昨年12月の通貨流通量M2は21兆2074億ドルだった。M2というのは、現金や普通預金、それに個人向けMMFなどを合計した通貨の流通量。要するに、個人や企業がすぐに使えるおカネの総量だ。FRBが量的引き締めを開始した昨年5月が21兆7397億ドルでピーク。そこから5323億ドル、率にして2.5%減少した。
通貨の流通量が減ると、おカネの価値が上がるから、物価には引き下げの力が働く。だが同時に株式や暗号資産、不動産や商品なども下がりやすくなる。これらの市場価格は、金融緩和政策とコロナ対策による現金給付でバブル症状を呈していた。それが逆方向に巻き戻されることになるからだ。
流通量はピーク比で、まだ2.5%しか減少していない。だから、これまではその影響をあまり感じなかった。しかし最近は暗号資産が売られ、高級な装飾品や時計の売れ行きが落ちてきている。これは「おカネの流通量が減った結果だ」という指摘も。この調子で通貨の流通量が減って行くと、どうなるか。FRBの利上げにばかり気を取られてきた市場も、ようやく量的引き締めの影響を重視するようになってきた。
(続きは明日)
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流通量はピーク比で、まだ2.5%しか減少していない。だから、これまではその影響をあまり感じなかった。しかし最近は暗号資産が売られ、高級な装飾品や時計の売れ行きが落ちてきている。これは「おカネの流通量が減った結果だ」という指摘も。この調子で通貨の流通量が減って行くと、どうなるか。FRBの利上げにばかり気を取られてきた市場も、ようやく量的引き締めの影響を重視するようになってきた。
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