◇ 金融緩和とは異質の考え方 = 自民党の安倍総裁が日銀に対して強力な金融緩和を求め、大きな話題になっている。その発言は「日銀に無制限の金融緩和を進めさせる」から「日銀に建設国債をすべて買い入れさせる」と発展。さらには「輪転機をぐるぐる回して無制限にお札を刷る」とまで先鋭化した。
こうした発言に刺激されて、市場では円相場が急落、株価は急上昇した。さすがに批判の声も多く、各方面から「日銀の独立性を損なう」とか「財政規律がなくなる」といった反対論が出ている。だが安倍総裁の頭のなかでも、反対論の論旨にも、重大な混乱が生じているのではないか。それは、こうした方策をすべて“金融緩和”と位置づけている点である。
日銀は現在でも、大量の国債を買い入れている。ことし6月末の保有残高は96兆円。前年より18兆円も増えた。国債の購入によって、その代金が市中に放出される。これが日銀の量的金融緩和策だ。この国債買い入れをもっと増やし「さらに大量の資金を放出せよ」という議論なら、金融緩和の促進と言えるだろう。
だが「建設国債のすべて買い入れ」や「無制限に日銀券を刷る」話は、金融緩和ではない。それは税収などで賄えない国家財政のすべてを、裏づけのない日銀券で処理することを意味する。昭和の初期に、軍部が戦費を調達するために実行した方法と全く同じだ。これを金融緩和の延長線と考えることは、きわめて危険である。
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