2019年8月22日〜8月27日
走行日数6日間
累計走行距離333km(98552km〜98885km)
◎道路
首都タリンの近郊は路面ガタガタだし走りにくい場所も多かったりして難儀したが、それ以外は完璧だった。特に郊外でもキッチリ側道が作られているのが好印象で、交通量も少ない上にアップダウンも全然出てこず自転車で走るにおいてストレスが全然ない。
強いて挙げると当初走ろうと目論んでた国道2号線が高速道路ちっくで自転車での移動は適してないんじゃないかと思う。そんな主要道路を利用しなくても小さな道が網の目状に広がっているのでどうにでもなるし、地元サイクリストも同じようなことを言ってた。
◎治安
大都市でもない限り全く問題ない。第2の都市であるタルトゥですら町の中心部以外は牧歌的でのんびりした雰囲気が広がる場所だった。まぁ辛うじてスーパーが存在する・・・レベルの小さな町に物乞いがいてかなりアクティブに「食べ物くれ(エストニア語)」みたいなこと言われたので、そんな高福祉社会だとかでは無いのかもしれん。そうすっと自転車やれ荷物の盗難危険は一定確率あるのだろう。
◎ビザ・出入国
シェンゲン協定に属しているので審査なしだった。フェンランドからフェリー乗る際にパスポートの掲示求められたけど、これは予約確認のためっぽくて出入国のチェックとかではないと思う。
◎交通事情
非常によろしい。というかやや小さめのローカル道だと交通量自体が少ない。運転マナー良いことは滞在中1度もクラックション鳴らされなかったということである程度の保証ができるのでは無いかと思う。たかが6日間の滞在ではあるけどさ、アホな国だとその間に1000回とか平気で鳴らされまくるし。
横断歩道とかでも9割方歩行者・自転車に対して停車して道を譲ってくれる感じで、こういうところは日本人として私も見習っていかなければと思うのです。
◎特徴
国としてIT事業に力を入れ、先進的なネット社会を実現している。私の旅行中に作られたらしい日本のマイナンバー制度もエストニアをロールモデルとして生み出されたとか何とか。個人的にはSkypeを産んだ国ということの方が気になるかな、いつもお世話になっています。
まぁ自転車で旅行する分には直接的な影響が出るようなことない特徴ではある。
◎気候
8月後半だと気温は25度にちょっと届かない程度で非常に過ごしやすい気候だと言える。滞在中全日ほぼ快晴のような晴れ渡る天気だったのが印象的で、雨の多い北欧というイメージはもうエストニアには存在しない。
夜中はやや冷えるので寝袋使わないで寝るわけにはいかないが、朝に太陽が昇るとTシャツ1枚で活動できる程度にはすぐ暖かくなる。風もほとんど吹かなかったし自転車乗るには最高の環境だった。
◎言語
エストニア語・・・何だけど例によって英語も流暢に話してくれる人が多く会話的にはそれほど苦労しない。ただ問題なのはエストニア語って語源がゲルマン語系ではないそうで、英語寄りの言葉ではないという点。コレは一応ローマ字読みができるのだが、それで単語の意味を把握することがほぼできなかったという意味で大変ということを示している。ゲルマン語系だと単語が似てるから意味を類推しやすいのです。
ちなみに地理・歴史的な背景からかロシア語を話す人も結構な数がいるらしい。私は特に出会わなかったというか、そもそも近くでロシア語聞こえてもそれをどの国の言葉だと判断できる知識がないので当てにならないが。
◎宿(野宿)・Wi-Fi
タリンで利用した宿が1泊11ユーロ。スウェーデンのキャンプ場でその3倍取られたことを思うと物価は劇的に下がったと言える。ただ日記本文でも書いたがタリンの旧市街における安宿エリアは予約せずに向かうとたとえ空きがあっても「満員よ」と断られてしまう雰囲気を感じる。
日程読めないし読みたくない自転車旅行において予め宿の予約を抑えてしまうのは良くないし、タリンの街中なんぞいくらでもFreeWi-Fi飛んでるため、町に到着してから予約入れるとかした方が余計なたらい回しされずに済むかもしれない。というか今の時代、先進国のホステルは飛び入りお客に対応をしないのかもしれない。
なおWi-Fiはメーカー忘れたけどガソリンスタンドでも使えたし、インフォメーションセンターでも利用した。simカードも激安らしいけど個人的にこんだけWi-Fi普及してれば必要ないとは思う。
ああ、野宿は町を抜けてしまえば好きな場所でどうぞ。レストエリアこそなくなったものの、テントなんぞそこら中で張りたい放題ですよ。ちなみにキャンプ場はほとんど姿を見せなくなった。
◎動物
特に気になる動物いなかったな。思ってたより湖とかで釣りしてる人が多く、彼等曰く「こんな大物が釣れるんだ!」とか言ってたけど、釣りしてる人はだいたい同じようなこと言うから話半分。
大きな木々が並ぶ森林地帯も増えたけど、思ったより蚊に悩まされることは少なかったし気楽なもんです。
◎自転車店
タリンで自転車レンタル兼ショップのお店に1件だけ入ってみた。品目はまぁそれなりといった感じだったがシュワルベのマラソンシリーズが数は少ないながらも販売されてたのが印象的。物価が下がったとは言うけれど、自転車関連項目に関しては特別そうした恩恵ないし。
でもショップ内にちゃんと作業エリアがあったのでメカトラあっても対応してくれるとは思う。工具類は一通り揃ってた。
◎物価・食事
フィンランドから南下してきた者にとって、ようやく地獄の物価高エリアの終焉を意味するエストニア。ただ値下げ幅が大きいと言うか物価が下がったのは主に宿泊施設なのであり、スーパーの食材関連ではそんな一気に半額とかそれ以下になったりはしてないですよ。
それでもレストランが1食6〜7ユーロで利用できるようになったワケだし、ビールも様々な種類のタイプが100円そこそこで選べるし。それまでみたく爪に火をともすようにして旅行しなくともそれなりの贅沢ができる程度に安いと言える。
私はエストニアでも自炊続けてたのであんまり恩恵受けなかったけれど、北欧では特筆するほど滞在費用がかからない国なのだと言うことはよく分かる。やっぱり宿が安いってのは大正義ですよ。
◎総括
バルト三国の北に位置するのがエストニア。ちなみに私はフィンランドあたりまでこの3国の位置関係すらちゃんと把握できていなかった人間であり、おそらく多くの日本人が似たようなものだと思う。
しかし「なんかロシアに近い小さな国」で済ますのは勿体無い、その走りやすい道と高度に洗練されたインフラ及びネット社会は自転車で走るのにも簡単な面積ということもあるし、実際結構な数のサイクリストとも出会った。
山のない国ということもあって自転車初心者でも気軽に安全かつ様々な場所を走りやすい国であり、実は物価面を考慮すると北欧で最も自転車旅行するのが簡単な国なんじゃないかとすら思う。ネット先進国なのでsimカードも格安だしWi-Fiもそこら中にあるので現代っ子でもなんら問題はない。そんなワケで海外自転車旅行はバルト三国こそがオススメですよと私は申し上げたい。