自転車ときどき世界1周

カテゴリ: アジア2

 第9部 まちカドあじあ 
 〜世界1周するためにまずは自転車に乗ろう そして自転車に乗って ついでに自転車に乗ろう〜
 
 アルメニア1日目 イラン国境〜エレバンから南東に約210km メグリの町

 アルメニアというかコーカサス三国はアジアなのか?という疑問はあるのだが、私のブログではアルメニアより東をアジアとして扱うことにしたい。単純にヨーロッパの総括を作り終えたこともあり、今更改稿するのが面倒臭いというのもある。

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 んで国境の橋を渡ったのだけど

 イランを出国してようやく気持ち的にも落ち着いたと思いきや、アルメニアの入国審査が思っていたより大分厳しい。掘っ建て小屋みたいな施設に職員がいたので審査もさぞや適当だろうと思っていた私の見込みは甘かったというか。

 ただ審査が厳しいといっても他国のそれとは違ってアルメニアのイミグレーションではパスポートの写真をやたらと詳しく確認する謎の厳しさというべきか。ルーペ使って写真をじっくりと確認する職員初めて見たよ。

 思うのだが、本気でパスポートを偽造するような輩は写真を別人の状態で放置したりはしないと思うんだ。何が言いたいかというと、一生懸命パスポートを確認してるアルメニアの職員には悪いが「その行為にはほとんど意味がないのでは?」と言ってやりたい。

 そんな感じでスタンプ押され、お次は長蛇の列をなす荷物検査に並ぶ。この国境は緊張感高くてとてもじゃないがカメラを取り出す雰囲気ではないため写真はないが、人数にして100人くらいは並んでいた感じ。

 しかも進みが無茶苦茶遅くてやってらんない。途中で「こいつは旅行者だから」という謎の理由で先に手続き受けれることになったけど、それでも1時間弱は並んだし私1人のチェックに15分以上使う徹底っぷり。アルメニアは何をそんなに気にしているのか。

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 ようやく入国できた

 実にイランの国境から2時間半の経過である。それでも尚「一般的な旅行者より早かったのだろう」という意識があり、面倒臭いなアルメニア入国は。

 とりあえず10kmほど先にあるメグリの町を目指す。時間的には早いと思うが色々と疲れたので早めに休みたいという気持ち。

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 時間も16時過ぎてるしさ 

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 ところがどっこい

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 メグリの町は山の斜面に位置しており

 安宿を探すにも厳しい坂道を登って探索しなければならない事実。オマケにネットで出てきた安宿3つのうち3つ共が看板も出しておらず存在するのか怪しいレベル。

 探し回ってもそれらしい宿が見当たらないため町の入口にあった宿まで戻って投宿す。実は最初にこの宿で受付しようとしたのだけれど、オーナーが不在でスルーしたという側面がある。

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 なおオーナーとは町中で偶然出会った

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 とりあえず夕食作りまして

 イランを抜けたことでネット規制がなくなったため、ブログの写真を一気にアップロードする作業に入る。ざっと1ヶ月分ほどの量があり、他の作業と並行しながらとはいえずいぶん時間がかかってしもうた。

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 ビール飲みながら

 一息つけたのは0時近くになってからだが、ここから呑気にネットで遊び始める私はロクでもないヤツだ。結局眠ったのは2時を過ぎてからであり、バスでの就寝で睡眠不足となっていたのに何をやっているのやら。明日の朝起きれるのか不安である。

 2024年4月21日(日) 走行距離16km(続き)  累計149846km
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 アルメニア2日目 メグリの町〜エレバンから東南東に約190km カパンの町

 上手いこと窓から朝日が差し込んできたため目を覚ますことに成功した。とはいえ無茶苦茶眠たい朝7時。とりあえず離れのキッチンでコーヒー飲みつつ朝食作りましょうか。

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 ベッドは2つも要らなかったな

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 キッチンあると色々便利で助かります

 出発準備整えて9時半前には動き出す。この地域は「シュニク地方」と呼ばれているのだが、東西をアゼルバイジャンに包囲された土地であり、険しい山々の中を通る道が1本ないし2本あるのみだ。

 つまりここから北上していくにあって峠越えは避けられない模様。というかメグリの町ですら山の斜面に築かれた町であり、平坦な場所は数えるほどしかない土地である。

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 これはなかなか厳しそうな予感

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 8%がずっと続くのだろうか?

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 アルメニアの牛はなんか可愛いな

 スタートからずっと上り坂が続く。メグリの標高が500mくらいなのだが、この先越える峠の最高標高は2500mオーバーとなるようで、アルメニアは最初の峠から2000mアップという随分厳しいヒルクライムやらせるのね。

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 勘弁してくれ

 淡々と登り続けて2時間くらい経っただろうか?道中に水場が多いため水分補給だけは楽にできるのがありがたい。ちょいちょい食堂も見かけるのだが、ケバブばかりで入店しようという気にならないのは問題だ。イランの後遺症か。

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 中途半端に道が造られてるな

 2000mを越えると周囲に景色も徐々に変化が訪れる。周りの山々にも雪を被った姿が増え、気温もかなり下がってきた。スタート時はTシャツ1枚でも暑いくらいだったが途中から上着を着て暖を取る程度には。

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 お、頂上が見えた?

 何とか無事に山頂までイケそうだと安心したのが悪かったのか、ラスト数kmのところで右足がつってしまうトラブルが。お昼休憩もドライフルーツだけで済ましたし、電解質のバランスが崩れたか。

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 無理矢理エネルギー補給して進むことに

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 何とか山頂到着の2535m

 ここから先は暫く下り坂が続くことになるため何も心配することはない・・・かと思いきや、あまりに疲労の色が濃いせいか、両手足の指が痺れている状況が続く。これもエネルギー不足の影響なんだろな。

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 そんな状態で撮影するの嫌なので

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 早いとこ問題解消したいのだけど

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 下り途中に見えたカジャランの町

 地図では山中に存在する地方の田舎なんだろな・・・とか思っていたが、意外にも高層ビルが立ち並ぶ結構な都会の雰囲気がある。

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 でも近くで見てみると

 その大半は廃墟なのか人が住んでいるのかも怪しいボロビルばかり。メグリの町ではそれほど感じなかったけど、ロシアの衛星国だった過去を持つアルメニアはやっぱり社会主義国の色合いを感じる。

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 渓谷の川沿いを下っていく

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 ここもダイナミックな地形だ

 稼いだ標高貯金をほぼ排出したところで到着したのはかパンの町。流石に疲れ切っているので今日は素直に宿を取ろうと思ったのだが、あまりツーリスティックではない町のためか「安宿」というものがなくお高い宿泊施設ばかり。

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 相当探し回ったぞ

 チェックインしたのは18時半を過ぎており、オマケに全身疲労感でいっぱいの状況。夕食作る気力もなくて食堂にて晩御飯とあいなったところ

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 隣の席のオッちゃんたちと仲良くなる

 どうやらアルメニアでは事あるごとにウオッカで乾杯して一息に飲み干すのがマナーみたいだが、空きっ腹に疲労感満載の状況で5杯も6杯もウォッカ飲まされたためフラフラである。楽しかったけどさ。

 何とか宿に戻り、それはそれとしてビール飲んでる私は罪深い。ほら、よく言うじゃないですか「甘い物とビールは別腹」ってヤツだ。

 2024年4月22日(月) 走行距離80km 累計149926km
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 アルメニア3・4日目 カパンの町

 全身がバキバキに痛くてダルくて仕方ない。そもそも目を覚ましたのが10時であり、充分すぎるほど睡眠取っているにも関わらず眠気も強いというか、身体が休息を欲している状態だ。

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 それはそれとして宿から出発す

 偶然にも天気が雨模様となっており、そういう事なら仕方ないな!とカパンの町でもう1泊休むことにした。雨が降るならシカタガナイ。

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 全然そんな感じの天気じゃないけど

 食材買い込んで昨日から目星を付けていたキャンプ場へ行ってみる。何故昨日の時点でキャンプ場に行かなかったのかといえば、立地が無茶苦茶急斜度の坂の上にあるからだ。昨日は満身創痍でキャンプ場まで上がる気力もなかったので。

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 実際エグい坂だったし

 たっぷり1時間近くかけて何とかキャンプ場到着す。オーナーは出かけているようで不在のため、椅子に座って帰ってくるのを待っていたが。2時間ほど経ったところで先にテント張ってしまい中入って寝てしもうた。

 18時過ぎにオーナー家族が戻ってきたので改めてチェックイン。日本人のお客は初めてだそうで、喜んでくれたのは私としてもなんか嬉しい。

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 夕食作ってビールも用意して

 明日に備えて早めに就寝。どうやらアルメニアの山岳地帯はまだまだ続くようなので、ここで気を抜くわけには行かない模様。


 翌日。休日挟んだことで大分回復したというか、昨日は割と普通に動き回るのもしんどかったので。自転車って身体への負荷が少ない乗り物なので、なまじ限界まで乗り続けて想定以上のダメージ受けることがあるんだよね、気をつけなくては。

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 非常に居心地良かったキャンプ場

 オーナー夫婦が自家製ティーを持ってきてくれて朝から優雅なひとときを楽しみつつ。出発前に娘さんから「昨日のお礼(日本の文化が好きだと聞いたので折り鶴を渡してた)よ」とイラストを頂いた。

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 これは本当に無茶苦茶嬉しい

 私の名前もわざわざ漢字を調べて書いてくれており、オッさんになるとこういうのに弱いんだ・・・とか思ったが、そもそも私はこういう類いのサプライズにすぐ感動してしまうタイプだった気もする。

 嬉しいお土産を抱えてカパンの町を出発し再びアルメニアの山岳地帯へ突入する。地図で確認すると細かなローカル道路を除けば北へと抜ける道路は2本あるのだが、このうち1本はアゼルバイジャンとの国境線上を通るルートであり「こっちの道は通っちゃ駄目だ」と釘を刺されたのであり、実質ルートの選択肢はない。

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 山の中を通る道しかない

 のに川沿いを下っているのも変な気持ちだな。交差点がこの先なので仕方ないが、この後明らかに上り坂が待ち構えてると思うとさ。ここで標高下げることでより登らされるの勘弁願いたいという気持ちになってしまう。

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 さぁ本日のヒルクライムスタート

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 アルメニア語は文字がやや丸っこいイメージ

 一昨日の反省を踏まえて塩分多めの携行食も準備したし、今日の峠は標高も多少低くて楽とのこと。問題なのは高さよりも斜度なのだけど、そうはいっても1日の限界獲得標高2500mがいいとこの茶壺さんには高すぎる峠が困るのも事実。

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 フルパッキンじゃなければもうちょい登れると思うけど

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 途中に水場や休憩施設が多いのは助かるな

 今日の峠は2段構えのタイプらしく、1本目は1600mくらいで山頂となり下り坂を挟んで次の峠まで少々の平坦区間が続く。ずっと登り続ける坂と比べてどちらのタイプにも長短あると感じるが、体力的な面で見ればインターバルを挟む今日の峠は無理が少なく楽できる。

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 精神的にもっかい気合い入れる必要あるのはキツい

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 お、山頂っぽいのが見えた

 いやまぁ峠なんて本当に嫌いだけどさ。自分が限界まで力を出せる瞬間ってなかなか無いと感じるし、苦労して踏み込んだペダルの重みがそのまま景色の雄大さとして返ってくるのは素晴らしいと感じるのだ。言ってしまえば「やり甲斐のある道」だとは思う。

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 まぁ私は嫌いだけど

 やっとこ峠をクリアして、返しの下り坂がひと段落したタイミングで出てくるのがタテヴの町。アルメニアというのは世界で最も早くキリスト教を国教にした国なのだけど、その関係か国内のあちこちに歴史ある教会や修道院といった建物が残っている。

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 んでこれが

 アルメニアで最も美しいと評される修道院とのこと。私は通り道なので普通にやって来たが、これを目当てにわざわざこんな山中までやってくる観光客も多いらしい。

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 このロープウェーに乗ってくるのかな?

 インフォメーションセンターがキャンプ場を兼ねてるらしく格安料金でチェックイン。斜面の草地に貧相な設備だが、そもそもタテヴの町が山奥に位置する寒村だ。贅沢言うつもりはない。

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 ということで見学に

 キリスト教系で偉いなと思うのが、教会や修道院といった建物の多くを無料又は安価な入場料で開放していること。どこぞのイスラム教というかトルコも見習ってほしいと思いつつ中へ。

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 石組み系の教会はイスラム建築とはまた違った趣だ

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 大分修繕されてると思う

 ギリシャで見たメテオラとかもそうだったが、俗世を離れて修行のためとはいえこんな断崖絶壁のすぐ脇によくまぁこんな巨大建築物造ったなと感心してしまう。現代ですらここまで貧弱な道路(とロープウェー)しかないのに当時の人たちはこんな僻地で生活してたな。

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 建物内からの眺めがコレ

 良いなと思うのが西欧の豪華絢爛な教会とは違って基本石組みで作られた立派だけども派手派手しくない美しさを感じる点か。カトリックの教会は如何にも「権力の象徴」という感じがあって、凄いのだけど引いてしまうところもあってさ。

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 こういうのが良いんだよ・・・っと

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  紋様が素敵

 そういえばアルメニアって分類的には東方正教会に属するのかね?割と急なルート変更だったのでその辺の情報調べてないが、この修道院見る限り割と私好みの雰囲気を感じる。これはアルメニア観光も楽しくなりそうだ。

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 そうだろう?

 町には小さな個人商店しか無かったので食堂で夕食頼んで終了とした。というかレストランの値段が安く、自炊するより外食の方が安上がりになりそうなパターンの国な気がしてきた。物価の安いアルメニアです。

 2024年4月23日(火) 走行距離 4km 累計149930km
 2024年4月24日(水) 走行距離55km 累計149985km
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 アルメニア5日目 カパンの町〜エレバンから東南東に約170km ゴリスの町

 正規にキャンプ場としてる土地でないからかテント場が斜面に位置しており、微妙に寝心地悪かった気もする。それでも朝までグッスリだったので相当疲れていたのだろう。

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 ちょっと整地すれば人気出そうだが

 修道院を眺めつつ朝食済ませて出発したのは10時半。普通に準備したつもりだったのだけど疲れて動きが悪いのかやたらと遅い走行開始になってしもうた。そして今日もガッツリ上り坂が待っている。

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 まぁスタート直後に500m下るし

 というか完全な谷越えの道だ。急峻な坂道を下って最下部の川を渡ると反対岸まで同じくらい登らさせるタイプの地形。直線距離だと10kmも無いのにやたら疲れる道。

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 その最下部なのだけど

 実はここが景勝地になっていて名前を「デビルズブリッジ」という。この先のことを思うと自転車的には間違いなく悪魔的な場所なのだけど、先のことは忘れてとりあえず見学しようか。

 この手の切り立った渓谷に流れる川は相当激しく近寄りがたいイメージなんだけど、その割に川辺まで降りることができて水に触れれるというのが良い。ただしそこにたどり着くまでにはロープを利用して懸垂降下するようなレベルだが。

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 私は楽しいので当然降りるけど

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 僻地だし怪我とかしたら割と洒落にならないとは思う

 激しく川の水が浸食したのを感じさせる縦に長く伸びる岩を見上げてドキドキする。半分くらいは「あの1番上までもっかい登るのか〜」という気持ちのドキドキかとも思うが。

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 それでは登りましょか

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 お、ジップラインがある

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 私もロープウェーで楽したいなぁ

 とか書いてるけれど、谷底からゆっくりと淵まで登ってくるのは悪くないとも感じてはいる。先刻までいた場所がどんどん小さくなっていくが、それは遠くに離れていくというより高くから見下ろして縮小していくという感じでなんとも気分がいい。

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 あと今日は割と上り坂が小規模で楽

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 あそこで山頂っぽいし

 走行距離的にちょうど最高地点の近くで15万kmとなりそうで複数の意味で嬉しい到着になりそうだ。しかし最後のひと頑張り・・・というところで急に後輪がパンクしてしまい、記念ポイントまで1kmを残してパンク修理。

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 どうしてこうなった

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 改めて150000km到達!

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 ロープウェーの駅すぐ脇でした

 このまま道なりに進んでいけば首都のエレバンへ行けるのだけど、少々寄り道してゴリスの町へ向かおうと思う。このゴリスが今朝出発したタテヴの修道院へ観光する際の拠点の町としてよく使われるのだそうで、とりあえず安宿入ってしっかり休みたいです。

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 ショートカットできるローカル道で向かったのだが

 景色が無茶苦茶素晴らしいけど路面がひっどいという両極端な道。思わず景色に見惚れてしまうと路面のギャップに自転車引っ掛けてしまい危険という。

 ここまで走ってきてアルメニアは道路のボロボロさが目立つ国だと思うのだけど、インフラ整備に回す予算が厳しいのだろうか?道路工事自体は様々な場所でやっており、工事業者の姿もよく見かける割に路面のガタガタさが酷いというね。

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 ゴリスの町が見えた

 上から見ると山間部にある平坦地に作られた町かと思ったが、普通に斜面に位置している場所が多く自転車だと町中の移動も一苦労だった。そういやアルメニア入ってからまだ地元民で自転車乗ってる人見てない気がする。

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 何故かコーヒーの自販機が多いアルメニア

 調べておいたホステルにチェックインして近くのスーパーにお買い物。15万km記念でケーキにビールと好き勝手に買いまくった私だが、宿に戻って豪遊してると一気に疲れが吹き出してきた。

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 ケーキの後にビールも飲んだから

 ちょっとだけ横になろう・・・とかやってしまい、次に目を覚ましたのは21時前。今から夕食作る元気も出ず、閉店ギリギリの時間にファストフード店駆け込んで夕食となった。疲れきってたことを忘れてましたわ。

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 とりあえず明日は休む

 2024年4月25日(木) 走行距離34km 累計150019km
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 アルメニア6・7日目 ゴリスの町〜エレバンから東南東に121km地点 道路脇

 かパンと違ってマジで動かない休息日。今日は宿を変える必要もないのでもう思い切り昼前まで寝続けて、昼食は昨日作ろうと思ってたスパイスカレーを作って食べる。

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 朝はケーキとコーヒーのみ

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 とにかく休もうと思ってたので

 夕暮れ前にビールと明日以降の行動食をゲットするため買い物出たが、それ以外は宿の敷地内から動くこともなくPC作業したりネットして遊んでた。流石に今後これ以上の厳しい山々になるとは思ってないが、とはいえアルメニアの走行が相当大変なことは理解してるつもり。

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 休める時に休んでおかねば


 翌日。まだ完全に回復したとはいえない感じだが出発する。ここでもう1日休んで気持ちに穴を空ける方が大変になりそうという判断から。

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 それと天気が素晴らしかったので

 ゴリスの町は周囲を山に囲まれている地形であり、基本的にはどこへ向かうにも周辺にそびえる山の稜線部分まで登らなくてはならない。これは完全にボリビアのラパスと同じ地形条件なのだが、実はラパスはロープウェーに自転車を乗せて上まで登ることも可能なため、ゴリスの方が大変だという見方もできる。

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 まぁラパスと違って標高低い(1300mくらい)のが救いか

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 ここで一段落 

 町を抜けるまでで既に大汗かいてるのだが、恐ろしいのはゴリスの町を抜けてしまっても依然として上り坂が続くという事実。なんだかんだラパスは町を抜けてしまえば標高4000mだけどド平坦な道で楽できたのだが、ゴリスはそもそもの標高が低いため町を抜けてもまだまだ上があるというね。

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 いくかぁ〜

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 ただし景色はだいぶ変わった

 それまでのTHE 峠といった道ではなく広い草地の中に道が続く高原のような風景だ。上り坂というのは視覚的な情報も重要で、ゴリゴリの急斜面が聳え立つ山を前にして登るよりも、そりゃまぁこんな道の方が楽に登れる気がしますよ。町の名前はゴリスだったのに、ゴリスからはキャッキャした道になるの笑えるな。

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 逆方向だったら「ゴリスという名前の通りの道になった!」とか言うてたのか

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 周囲には農作業をしてる人がチラホラ

 13時手前のタイミングでようやく1本目の山頂に。なんだかんだ2000mを越えてきており大変だったと思いつつ。道路脇で手招きしている地元民のオッちゃんに呼ばれて一緒に昼食を頂いたりとか。

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 お腹減ってたのでとても嬉しい

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 ここから一旦下り坂に

 景色は変わったけど結構急斜度の坂が出てくるアルメニア。油断してると平気で12%くらいの看板表記がお出ましされて、限界ギリギリのヒルクライムを課される恐怖。終わらない山岳地帯。

 その上商店を伴う町が全然出てこない地域なのですが。アルメニアは土地面積でいうと約3万平方キロメートルと、日本の1/10以下(日本:約37万平方キロメートル)の小国なのだが、にもかかわらず50km走ってもある程度大きな町が出てこないとは意外だな。

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 まぁ人口も300万とかだしな

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 んでガソスタ併設のフードコート

 仕方ないのでここで夕食を購入することにしたのだが、流石と言うべきか店内でFreeWi-Fiが使えて驚いた。トルコやイランといった国は決してレベルの低い国ではなかったが、ことネット環境という意味ではFreeWi-Fiの存在など最初から期待しない方が良いレベルで壊滅的だったのに。こんな人口500人いなさそうなド田舎でもネットが使える素晴らしさよ。

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 そこからもうちょっとだけ進んで

 湖の辺でキャンプでも良かったのだが、アップダウンが激しい道のためなかなか踏ん切りがつかないままにGraykという町まで来てしもうた。するとレストラン?の前で盛大に飲み食いしてる人たちにお招き受けるというか、半分くらい無理矢理引っ張られた感じ。

 有難いことにたらふく食べさせてもらったのだが、メンバーの1人がどうしようもないヤツで私の私物を掴んでは「これ俺にくれ!」と繰り返す。

 それだけなら私も笑って流すのだけど、性質の悪い酔っ払いでついには自転車に固定している予備タイヤを無理矢理引っ張り固定してたネットを引きちぎりやがった。なんなんだこのクソボケは。

 せっかく皆で記念撮影しようとしていたタイミングなのに最悪の気分になってしもうた。酔っ払ったアルメニア人には要注意!という教訓なわけだが、むしろコイツら真昼間でも平気でウオッカ煽ってる(しかもその後に運転する)輩のため恐ろしい。

 ここの敷地でキャンプしても良いと言われていたが、不安になったのでサッサと退散して町から少々戻ったとこまで移動しテント張り就寝。残念なオチになってしまったがまぁそういう日もある。

 2024年4月26日(金) 走行距離 0km 累計150019km
 2024年4月27日(土) 走行距離71km 累計150090km
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 アルメニア8日目 道路脇〜エレバンから南東に74km地点 川沿い

 ゴリスの町で回復したと思っていたが、アルメニアの山々は想像以上に私の身体を痛めつけていたようだ。有り体に言えば「疲れて朝が起きれない」という事実。

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 このまま寝ているわけにもいかないけれど

 そもそも早朝は気温が低くて目を覚ましても寝袋から脱出できなかったという側面もある。なんだかんだここの標高は2000mを越えてる土地であり、日中の暖かさに油断してたが夜間の冷え込みはまだまだ厳しい環境だ。

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 周辺には雪も残ってるしね

 ・・・という言い訳を列挙したので10時過ぎての出発も罰は当たるまい。子供の頃は休日に遅く目を覚ますことに何の罪悪感も感じなかったけど、大人になると遅く起きることが「勿体ないことした」という気持ちに苛まれることが増えてしまい真面目だなぁ私は。

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 誰も見ちゃいないのに

 少々坂を登ると山頂部分となった模様。つまり昨日はほぼピークの手前まで到達していたということになるのだが、特にそこら辺を意識してなかったというのが本音。終盤は緩やかに登ってたのでどこが山頂でも変わりないと思ってたし。

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 ただ山頂のモニュメントは達成感を感じて嬉しかった

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 ベルギー→イラン

 進行方向的に他の国へ向かうワケないので分かっていたことだけど、この時期にイランへ入国するとはなかなかアグレッシブなサイクリストだよな。流石に人様の旅行ルートにアレコレ意見出すようなしょうもないことはしないけど、現在緊張感ある国だからと必要以上にイランの情報伝えた気がする私は心配性かもしれぬ。

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 それではダウンヒル開始

 ヘアピンカーブの連続で遠目には雪を被った山を眺めつつの道。春の陽気は爆速での風も暖かさを感じて文句ない。いや文句あるとすれば道路の舗装状況が悪くてちょいちょいガタガタな路面が出てくることか。スピード出ている下り坂だと、ちょっとしたミスが大惨事に繋がるので怖い。

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 しかしアルメニアの景色は楽しいな

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 花が咲き乱れてるのも良い

 一気に1000mほど下ったので気温も上がって環境自体が変わった感じだ。ようやく大きな町も出てきたのでフードコートでお昼休憩したりと休憩も楽しみつつ。

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 上りも混じるが基本は下り坂

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 なんてこったワインがあるなんて飲まねば!

 このままエレバンまでずっと下り坂か平坦路が続いてくれれば文句ないのだが、少なくとも1500mを超える峠に臨まねばならぬようで、あんまり標高下げすぎるのは止めてほしいと思ってしまう。単純にこれ以上標高下げると気温が高くてきついというのもある。

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 電光温度計で35度とか表記されてたし

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 良い感じの渓谷エリアを進み

 アレニの町手前にある更に狭い急峻な谷間へたどり着く。どうもここの谷には幾つか洞窟があるようで見てみたいと思っていたのだ。奥まで進むと有名な修道院もあるそうだが、キツい上り坂を10km近く走るだけの気力がもう残ってなかった茶壺さん。

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 なので洞窟だけ見に行ってみる

 1つはガイド同伴でないと入れないタイプで、私の直前でツアー客が入場してしまい次回の入場は30分まちと言われたため別の洞窟へ向かう。向かうというか渓谷入口にある洞窟なので逆走して戻ったという方が適切か。

 

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 入口巨大でワクワクするな

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 割と奥は短いものの

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 内部に置かれてる土器がここのウリ

 かなり古くから活用されてた洞窟らしいのだが、何に使われていたのかと言えばワインの醸造にだ。どうやらこのアレニ洞窟は人類最古のワインセラーとして活用されていた場所らしく、内部に残されている壺みたいな土器でワインを保存していた模様。

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 みんなアルコールが好きだったのか

 そして現代においてもワインの産地であるアレニの町は、町まで行かずとも周辺道路にて様々なワインが路上販売されている。それも空のペットボトルにワインを詰め込むようなお上品とはかけ離れた庶民的なスタイルで。

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 そんなの絶対美味しいに決まってるじゃん

 コーラの1ℓペットボトルにワイン注いでもらい1000ドラム(約405円)と格安のお値段。町で食材購入後、郊外に出てテント張ったら夕食作る前に早速頂いてみる。

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 なおワインとは別にビールも買った人

 果実の甘味がとても強くて良いワインだと思う。久しぶりに夕食作りながらアルコールを楽しむというおよそロクでもないスタイルでワイン堪能し、食後もそれはそれで就寝直前まで飲んでいた。いやはや実に美味しかったです。

 2024年4月28日(日) 走行距離81km 累計150171km
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 アルメニア9日目 川沿い〜エレバンから南に33km地点 農道脇

 エレバンまでのルートで既に山岳地帯の核心部は越えたというか、むしろ1番厳しかったのアルメニア入国直後に出てきたメグリ峠だったので徐々に楽になってはいるのだ。

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 楽になった気がしない

 今日これから登る峠も標高でいったら1800mに満たない高さで大分マシ。にもかかわらず日を追うごとに大変な気がしてるのは疲労の蓄積の方が大きいからなのだろな。

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 まだこの国ほとんど登りと下りしか走ってない

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 そんなこと思いつつ走行開始

 首都も近づき徐々に交通量が増えてきたのが地味に嫌だ。アルメニアのドライバーはクラックション鳴らさないし紳士的な運転する人が多いのだけど、ごく稀に自分が神と勘違いしてるかのような運転するアホが出てくるのも事実なので。

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 側道が無い道だし気をつけねば

 北へと進んでいるので理屈では寒くなっていくはずなのだが、季節の巡りの方が早いのか気温の上昇に伴う発汗がすごい。フルパッキンでの上り坂において最大の難敵は「斜度」なのだけど、そこをクリアしてる場合は「暑さ」が次の課題になると私は思っている。

 長時間暑い中を登っていると発汗が多過ぎて足が吊ったりエネルギー切れでハンガーノック引き起こしたりと悪影響が出るのだが、外国の田舎は下手すると道中全然補給できる場所がなかったりするのが怖い。アルメニアの場合水だけはどこにでもあるけど。

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 でも水や荷物増やすと重くて大変

 常に行動食や予備の食材は携行しているが、今日みたいな「そこまで大変じゃなさそうな峠」だとその辺の備えが疎かになりやすい。油断は禁物というが、どんな状況にも万全の状態で赴いてるワケじゃ無いからなぁ。

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 結局山頂まで午前中いっぱいかかった

 見立て通りそこまで厳しくはなかったのだが、この峠が嫌らしかったのはここからで下り坂に入って「あとは気楽なダウンヒルだ〜」というところからまさかの登り返しで隠れピークに登らせるパターンを2度もお出しされた。こういう坂は気持ちを入れ直す必要があるので見た目以上にしんどいんよ。

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 あ〜疲れた

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 よしよし今度こそちゃんとダウンヒルだな

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 飛び込みゲート?

 地図で見るとこの辺にごく小さなアゼルバイジャンの飛び地があったりして気になっていたが、その場所に気づくことすらなく一気に駆け下りてエラスフの町。アゼルバイジャン・トルコとの国境に近い町なのだけど、アルメニアはこの2カ国と国境を通してないので他国に近くて遠い町。

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 トルコとも仲悪い国なのは

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 主にこのアララト山が原因と聞いた

 アルメニアの最大手ビールがアララトビールであり、なんならこの辺はアララト県だと町の名前もアララトの町。そもそもキリスト教を国境としているアルメニアにおいて、ノアの箱舟の物語で舞台となったとされるアララト山は領地以上に精神的にも重要な山だったのだろう。

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 今はトルコ領なんですよこれが

 そうすると「トルコ憎し」の感情が強い国なのだろうということが想像できる。西はトルコ、東は数ヶ月前にナゴルノカラバフを侵略したアゼルバイジャンとなかなか受難の多い国だ。

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 ここで一気に平坦路に変わった

 アララトの町から少々離れた場所に修道院があるそうなので寄り道してみようかとローカル道へ。この道が本当にローカルで言ってしまえば単なる農道だった。トラクターの轍あとを乗り越えながら進むガタガタ未舗装路って久しぶりだな。

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 この辺で終了しても良かったけど

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 もうちょっとだけ進んだ

 身体ベトベトだったので水場を探してフラフラ進み、修道院の手前まで来たところに上手いことレストエリアを発見する。中にいた宴会してるグループにここでキャンプしても良いのか?と確認したら「ノープロブレム!」と元気よく答えられたので一緒になってウォッカ飲まされつつ食事してた。

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 してたのだけど

 最後になって「ここではキャンプできないから他の場所行け」って言ってくるのは勘弁してほしい。仕方ないので自転車押して近くの農地へと入り込み、小高い丘の上にテント張って終了とした。もうお腹いっぱいだったのと飲み過ぎてフラフラのためそのままダウン。

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 疲れた 

 アルメニアではこんな感じにパーティ参加させてもらえること多くて嬉しいのだけど、毎回「おいおい」となる出来事が起きてる気もするな。難しい。

 2024年4月29日(月) 走行距離77km 累計150248km
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 アルメニア10日目 農道脇〜アルメニア首都 エレバンの町

 厳しい山岳地帯が続いたが、ここから首都エレバンまでは平坦基調の楽な道が続く。つまり今日は既にウィニングランの気分であり実に気楽。

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 とりあえず目を覚まして

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 朝食で昨日食べなかったヒンカリを頂く

 正確にはジョージアの国民食として人気の食べ物らしいがアルメニアでも普通に販売されてたので試してみた次第。作り方も知らなかったので半分は茹でヒンカリに、もう半分は揚げヒンカリにして食す。個人的には揚げたほうが好きな味だった。

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 そんな感じで最寄りの修道院へ

 ここホル・ヴィラップ修道院には既に朝から多くの車両が並んでおり人気が高いことを思わせる。昨日地図眺めてて思い立ったから寄ってみた・・・という私みたいな人間でも立ち寄りやすい立地なのが要因か。

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 そんなレベルなので何にも情報調べてない

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 やたら鳩が多い建物だなと思っていたら普通に鶏小屋が

 小高い丘の中腹に建てられている修道院で、山頂にはアルメニアの国旗が掲げられそこからアララト山がよく見える。アルメニア人がどのような気持ちでここから山を眺めているのかと想像すると複雑な気持ちになるが、皆さん山をバックにポーズ決めて楽しそうだな。

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 そんなナショナリズム強い人ばかりじゃないか

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 まぁ観光地だし 

 見学終えて本格的な走行開始。これまで走ってた国道2号線は幹線道路で交通量が増えた割に側道がなく危ないので、並行して伸びてるH8号線という道路で進むことに。

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 町中での走行だけどそれでもこちらの方が安全

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 これはワクワクするアーチだ 

 平坦路の走行だと歌ったものの、実際には緩やかな上り坂が続く道。これまでのアルメニアの道と比較すれば坂など無いも同然の楽な行程ではあるが、首都に入って交通量は激増したし充分な余裕を持って行動したい。

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 早いとこ宿にチェックインしてしまおう

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 この近くがエレバンの中心部かな?

 予約していた宿がまさかの階段使った上にある立地で無茶苦茶苦労した。民家の中にある普通の1軒家を宿泊施設に流用しているタイプの宿で、宿泊客の7割がロシア人という極端な構成。そういやセルビアとかでもこんな感じの宿に泊まったな。

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 オーブン使えたので夕食はオーブン料理で済ます

 他に日本人の宿泊客が複数いたのだが、典型的な猥談オヤジで助平話を永遠としていた。それは別に構わないのだが、そのオッさんが私と同じ歳だったことに衝撃。

 とにかく疲れているのでエレバンではしっかり休息取りたいと思う。休むことも大事な旅行の一部です。

 2024年4月30日(火) 走行距離46km 累計150294km
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 アルメニア11日目 エレバンの町

 休息日。冗談抜きで疲れ切ってたのでもう思い切り午前中いっぱい寝ていた。ちょっと驚いたのが私の他に泊まってる宿泊客の8割は似たような感じでずっと部屋内にてゴロゴロしていたこと。

 客のほとんどが戦争逃れでやって来たロシア人なので、暇を持て余している末の状況だとは思うのだけどそれにしてもこの気怠げな雰囲気は・・・とか思ってしまうの勝手だな。

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 寝室は常に人が寝てるのでリビングの写真

 良い機会なので今後のルートについてあれこれ調べつつビザとか走行予定ルートのプランニングに充てる。ユーラシア大陸は東西に長い形をしているため自転車における横断を試みると「何処で越冬すべきか?」という問題が出てくるのだけど、この辺の予定がUAE入国できなかったことで大幅に狂ってしまったため。

 とか言ってるけどそもそも2024年の冬でアラビア半島走行しよう!とか思ってて4月の終わりに入国しようとしていた時点で計画は既に破綻していた気がする。むしろクソ暑い砂漠を走らず春のコーカサスに来たことは幸運だったと思えるレベル。

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 ただ明日からずっと雨が続くのが・・・

 雨となったら身動き取るの難しくなりそうだし、そもそもずっと宿に滞在してても煮詰まってしまう。ということで買い物ついでにエレバンの町を散歩することに。

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 駄目になったゴム製のネットが買えれば良いのだけど

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 市場はあれどもバイク屋がない

 というかアルメニアは車社会のようでバイクの需要が低い国だな。バイク用品店どころかバイク屋の姿すら全然見かけないのであり、車の修理店は通りいっぱいに100店以上が並んでいるのと雲泥の差。

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 とりあえず中央広場に来てみた

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 旧社会主義国はこの手の建物がとても立派な印象

 それと警察や軍関係の姿が結構目に付く国だと思う。まぁ私が走って来たルートが領土問題を抱える上に、数ヶ月前ナゴルノカラバフで戦争発生した地域なので特に緊張感が高いのかもしれないが。

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 中心部はとても綺麗なエレバンだけど

 一国の首都でありながら町へと突入する際に通った郊外なんか、無数の廃工場がそのままの姿で放置されており物悲しさを感じさせた。そんなに産業ない国なのかねアルメニア?

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 この通りの公園には 

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 手作りの民芸品屋台が立ち並ぶ

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 日本の文化を勘違いしてないか?

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 甘い物食べてコーヒー飲むのが良いのよ 

 イスラム教圏を抜けたことでアルコールは毎日好きに摂取しているが、実はイスラム御法度食材である豚肉をまだ食べてなかったりする。アルメニアは思ったよりも肉の値段が高くて躊躇していたのが主な理由だが、せっかくキッチンのある宿でのんびりしてるのだし豚肉を食べようじゃないか!

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 ということで生姜焼き

 こうして自分の好きな食事作って食べれるのが嬉しいな。欲いえば味噌を見つけて味噌汁やれ味噌炒めとか作りたいところだが、いくらアジアとはいえアルメニアで味噌を見つけるのは簡単ではなさそう。

 まだ階段を登ると太ももに疲労を感じることもあり、ギリギリ晴天が続く明日も走行開始とはならなそう。というかチェックインの時点で3泊分の料金支払ってるし。

 2024年5月1日(水) 走行距離0km 累計150294km
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 アルメニア12日目 エレバンの町

 引き続き休息日。本当は今日のタイミングでロシナンテ号の整備をしようと思っていたのだが、今夜から雨が断続的とはいえ10日くらい続く模様。

 とすると私の性格的に同じ場所でずっと留まっているとは考えられず、僅かな雨の止んだタイミングで無理して走行することが想像できる。そんで雨に降られて悲惨な目に遭うまでがワンセット。

 とすると今のタイミングで自転車整備しても、あっという間に泥だらけとなってしまうことが目に見えている。私は賢いのでその状況を見越して今このタイミングで掃除するのを避けたのだ。

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 賢いなら雨の中走るなよ

 雨が降り出す前に買い物済ませて後は宿の共有スペースでダラダラす。このまま陸路での移動を続けた場合、ジョージア入国後にロシア入るしかルート無くなってしまうこととなり、現在の情勢でロシア走るのはやりたくない。

 可能とか不可能の話じゃなくて「やりたくない」というのが重要なポイントで、私は基本戦闘行為を仕掛けている国に自ら入国し旅行するという行為を是としてないからだ。何度か言ってるが自由な旅行をするということは、その行為に対して責任を持つということだと思ってるので。

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 市内の何処でも水飲み場があるエレバン

 今日までは晴天が続くという天気予報なので、仮に延泊するとしても観光諸々実施するなら今このタイミングだといえる。いえるのだがもうエレバンには完全に休息で来ているのがあって、どこそこ見て回ろうという気持ちになれず。

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 見て回ってるけどさ

 例えば近郊にあるエチミアジンという町まで足を伸ばせば、みんな大好き「ロンギヌスの槍」が祀られている大聖堂があったりするのだが行く気持ちになれないので。正直アルメニアの教会と修道院はもうお腹いっぱいという感じで、今の気分はもっと自然を満喫したいという気持ち。

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 どうしたもんやら 

 一応明日が天気回復したら出発するつもりで荷物一式準備しておき、しかし夕食途中に凄まじい豪雨となった時点で色々諦めてはいた。偶には一箇所でのんびり長期滞在するのも良いかもしれん。

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 と思いつつのカレー

 2024年5月2日(木) 走行距離0km 累計150294km
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