自転車ときどき世界1周

2020年03月

 ウガンダ8日目 マサカの町〜カンパラから西南西に約180km リャントンデの町

 割と腹立つことが多いウガンダだけど、宿に関しては本当に安くてレベルが高くこれにかなり救われている。マサカの宿も1泊500円そこそこでキッチン設備まであったのであり、こんな状況でなければ連泊したいと思わせる優良物件だ。

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 部屋も広いし

 しかし外に出ると人の顔見るなり「コロナコロナ」と馬鹿の1つ覚えみたく連呼してくる輩が多くてうんざりである。今の時期だから仕方ないという意見もあろうが、裏を返せばウガンダ人は本質的にレイシストであるということもできよう。

 エチオピアの投石行為も最低だと思うけどウガンダの場合、人に嫌がらせしてくるのがいい歳した大人ばかりというのが問題だ。むしろ子供に関しては笑顔で手を振ってくる可愛らしさを持ち合わせており、今のところウガンダ走行は子供に救われてる感がある。

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 景色も良い国なんだけど

 ひたすら小規模なアップダウンが続いて変化の無い地形であるためか、ウガンダあんまり景色を楽しめてないというのが本音でして。それを言ったら砂漠地帯や地平線が広がる荒野だって変化に乏しい道なんだけどさ。

 多分私は「地球の広さ」を感じることのできる土地が好きなのだろうと思う。だからこそ高い山にも登りたくなるし、ほとんど人の住まない土地にも足を運ぶ。

 その点でウガンダは中途半端に坂が続く地形のため、高いポイントから遥か遠くを見渡すこともなければ世界の果てまで続くかのような広がりを感じることもない。要するに中途半端なのだと思う。

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 そもそも小さな丘では上り坂の達成感が無くてさ

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 そういやウガンダはバナナが一大産業とのこと

 食堂でもメニューで当然のようにバナナが入っており、そういや南米でもプラタノと呼ばれる調理用のバナナよく食べてたことを思い出す。

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 所謂生で食べても美味しくない種類のバナナ

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 青空市場なんだろうけど取り扱いしてるのがサトウキビとバナナのみ

 最近は雲量が多く晴れててもいつ天気急変するかわからない・・・という状況が多かったけど、今日は珍しく朝からずっと気持ちの良い青空が続く。おかげで無茶苦茶暑いけど、自転車走らせるの楽しいね。

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 夏を感じる

 次のチェックポイントであるムバララの町が、これまたマサカから約140kmという中途半端な距離。この坂の多い道では1日で走りきるの現実的じゃない距離ということもあり、2日に分けて刻んで進む。

 このパターンだと必然ゴール予定となる町に到着するの早い時間帯になるのだが、他の国なら町歩きの時間が増えることもあり問題ないんだけどさ。前述の通りウガンダは町中にいるとストレス溜まることが多いので、早い到着の喜びが薄いというか。

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 ずっと酒飲んでるのも主義じゃないし

 道路は広いのに歩行者の脇スレスレを通るバイク、すぐ商品の値段ボッタくる商売人、メニューに書かれてる料理が無くて結局選ぶことができない食事。どれも後進国あるあるの出来事だけど、アジア人差別も加えてこれら全てをコンプリートしてるのは珍しい。

 最初はウガンダもっと色々寄り道して滞在期間も長くなりそうだと思ってたけど、幸か不幸かサッサとこの国抜けることになりそうで良かったとも思ってる。これは旅行的にかなり残念な感想だけども。

 2020年3月20日(金) 走行距離76km 累計111876km
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 ウガンダ7日目 ブワマの町〜カンパラから西南西に約120km マサカの町

 かなり蒸し暑く掛け布団は一切使わずに寝ていた夜。外気温はそれほど高くないので窓開ければ快適かとも思うのだけど、そうするとやたら虫が侵入してきて別の意味で安眠できない。蒸し暑く虫厚い夜。

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 上手いこと言ったと思ってる

 とりあえず出発準備して宿から100mと離れてない食堂にて朝ごはん。これくらいの距離だったら自転車は宿に置きっぱなしにして朝食後にチェックアウトした方が防犯・精神的に良いと思うんだけどさ。昨夜この店開いてなくて食堂だと思わなかったのだ。

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 ぶっかけ飯で約100円

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 アフリカはどの国行っても子供が多い

 少子化が深刻な問題とされてる日本的には羨ましい限りであるが、アフリカはアフリカで若くして子供産むもすぐ離婚したり父親が認知しなかったりあとエイズで死亡事例も多いとかで、驚くほど片親や親なし子供の数が多いという問題を抱えている。

 そもそも食料を主とする生きていくためのコストが極端に安いアフリカ諸国では、子供を産むことに抵抗が少ない上に子供は労働力としてのメリットも持ち合わせている。そして悲しいことにアフリカでは乳幼児の死亡率も高いことから尚更「たくさん子供を産むべき」という傾向があるらしい。どっちが幸せなのかは分からん。

 そんな感じで10kmほど走るとアフリカ3度目となる赤道ラインに到着す。つい先日も赤道通ったばかりではあるが、それでもまぁ一応記念撮影するのはお約束。

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 少なくともケニアより記念感がある

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 反対側から見ると道路向こう側のライン上にもモニュメントが

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 コルオリ力の実験用なんだろうけど

 ボルネオ島、エクアドル、東アフリカ3ヶ所に、惜しいところでシンガポールやブラジルのベレンも緯度1度以下の土地であった。ただ不思議とそうした赤道直下で「とんでもなく暑い」と思った土地は少なくて、それよかオーストラリアや中米諸国、スーダンとかの方が厳しい気候だったと思ってる。案外そんなもんなのか。

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 この辺も標高1200〜1300mあるもんなぁ

 もうウガンダは平地が続く土地なぞ存在しないのだ!くらいに思っていたが、それまで永延小刻みなアップダウンを繰り返してた道が突如平坦路に変わる。地図見て確認したらヴィクトリア湖のすぐ側だったので、湖畔は割と平坦な土地なのかもしれない。

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 でもジンジャの町は思いっきり坂の町だった

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 湖で採れた魚だろうな

 案の定というか湖畔エリアを離れると再び復活するアップダウン。登り一辺倒じゃないので総合的な走行ペースはそこまで落ちてないけれど、単純に疲れるのでそんな長い距離走りたくなくなってしまう。

 別に走行距離を競ってるワケじゃないし普段は問題にすらしないけどさ、コロナ問題でルワンダの国境いつ閉鎖されてもおかしくない状況だと思うとついつい気が急いてしまう。

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 後進国名物「乗合バスに群がる売り子たち」

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 ウガンダの売り子は動いてる車両に飛びついたりするので危なっかしい

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 こういうの指して「ブルホーン」というのだろう

 三叉路に差し掛かり、もう1方のルートを南下すればタンザニアへと抜ける道。仮にルワンダ入国する前に国境が閉鎖されたらここまで戻ってタンザニア入国というのも有りかと頭の片隅で考えているけれど。

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 両方閉まったらどうすっぺか

 そんな感じでマサカの町に到着する。この周辺における最大都市だけあって想像してたよりずっと交通量が多く走りづらい。とはいえ特別観光に秀でてもいない普通の地方都市なので、宿の数多い割に値段も安くて有難い。

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 ウガンダ名物食の「ロレックス」1000シリング(約30円)

 都市部の中心に近い宿だからか蚊を含む虫全般が姿みせず、夜になっても窓開けっ放しにできるの助かるな。今まで宿泊したウガンダの宿には100%蚊帳があったので「夜でも窓全開にして涼を取る」というのがこの国の基本スタイルなのだろうけど。

 2020年3月19日(木) 走行距離68km 累計111800km
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 ウガンダ6日目 カンパラの町〜カンパラから西南西に約60km ブワマの町

 雨が降ったら延泊するつもりで天気予報も雨とのことだったが、ちっとも雨降ってないのでカンパラを出発することに。マットレスも低反発仕様の寝心地良いタイプだったりと細かいところまでちゃんと行き届いてる宿で、スタッフも非常に素晴らしいし良い場所だったなと思う。

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 スタッフの皆さんと

 さてウガンダでの走行ルートだが、当初私はコンゴ共和国国境付近に位置するアフリカ全体で標高第3位に位置するルウェンゾリ山の麓へ向かい、山を眺めた後に南下する予定でいた。ところがこのルートは道中で国立公園を通過しなくてはならず、そこは肉食動物が生息してる土地である関係上、自転車での走行が許されていないと教わった。

 そんな経緯もあり特に回り道することなく素直にルワンダへと向かうことにする。地味にコロナの影響でこの近隣国もいつ非常事態宣言出るか分からない状況で、外国人の出入国が制限されるのであればせめて3カ国ビザ最後の国であるルワンダに入ってから身動き取れなくなりたいという思いもある。

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 そしたら解除されるまで沈没します

 それよりまずカンパラの脱出だ。昨日ダウンタウンの異常な喧騒を目撃したこともあり、あんな狂乱地帯を自転車では走りたくないと北部に通っているバイパス路から先へ進むことにした。多少回り道になろうが安全第一だ。

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 そのバイパスですらなかなかの混雑っぷりだけど

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 それでもこっち走って良かったとは思うかな

 ちなみにウガンダでも私を見るなり「コロナ!コロナ!」と連呼してくるアホは大勢いるのだが、こちらが相手にせず無視していても、稀にしつこく私に追い縋ってまで罵倒を続ける輩がいたりして困り者。私がコロナならオマエらはエボラはたまたエイズだろう。

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 とか言いません、一応大人なので

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 何とも独特な形だ

 カンパラ抜けて10kmも進めば一気に交通量も少なくなり走りやすいウガンダが戻ってくる。本当にこの国はカンパラだけ異様な雰囲気だったというか、ちょっと他の町と規模も人の数も違いすぎてクラクラしたわ。

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 ただしカンパラも田舎もアップダウンが多いことは変わらない

 1つ1つの上り坂は精々50m程度だが、やっぱりそれくらい大きさあると整地して平坦にするのは難しいのだろうな。日本ならトンネル掘りまくってでも平坦基調の道にするかもしれないが、ウガンダでなくとも普通は山の上に道を通すし。

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 必死に進んでいくしかない

 今日は後半になるほど天気が良くなっていったので良かった。やっぱり日没まで時間がない時に雨降られるのは精神的に厳しいものがあるので。それくらいなら午前中に雨降ってほしいというのが私の弁。午前中に降ってるとそもそも走らないことが多いけど。

 16時過ぎにブワマというやや大きめの町に到着し幾つか宿の看板表示もあったことだし、やや早いがここで投宿することにした。ここからルワンダまでのルート上に宿ありそうな大きめの町が中途半端な距離でしか出てこないという根本的な問題が裏にある。

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 雨季だし野宿は極力しないつもり

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 なんか変な玉がたくさん成ってると思ったら

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 鳥の巣だった

 宿のすぐ側にある酒屋でビール飲みつつ話してみれば、ウガンダも気持ちのいい人が多いんだけどさ。そんな人たちがハンドル握ったりバイク跨がると途端にクレイジードライバーへと変貌してしまうのが不思議でならない。

 2020年3月18日(水) 走行距離74km 累計111732km
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 ウガンダ4・5日目 カンパラの町

 楽しいカンパラの休日としたいとこだが生憎朝から雨だった。午後から天候怪しくなることは多々あったが、起きぬけで雨が降ってたの実はアフリカ初めてだと思う。今日は休息日なのだし運が良かったといえばそうだけど。

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 なおベッドは今日の時点で変えさせてもらった 

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 結構雨激しくてとても外出る気になれない

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 昨日のフレンチプレスを使ってみたの図

 ところが使い終えて干しておいたフレンチプレスを何処かの阿呆が早速落として壊しおった。別に落としたのは事故だし仕方ないことだと思うけどさ、犯人そのまま知らん顔して逃げてしまうような輩でどうしようもねぇな。

 とりあえず午前中にPC使った作業的なことしてしまい、ようやく雨が上がった14時過ぎになって外出することにした。この外出理由も「食材の買い出し」なのであり、今日はとことんダラけてたなと思う。

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 お昼に頂いたタピオカティー

 ただ買い物するだけというのも寂しので歩いて回れる範囲で適当にブラついてみたのだが、そんなに楽しくないというかスラムの近くまで行ってしまいそこの住民から「チャイナ」だとか「コロナ」と言われるのは気分良いものではないしさ。

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 貴方はエチオピアでも見たアフリカハゲコウさん

 適当に野菜を買い集めて夕食は天ぷら。これは宿に偶然他の日本人が滞在しており話の流れで「天ぷら食べたい」というリクエストに答えた形でのメニューなのだが、この子が料理しない、手伝わない、片付けしない、お金払わないで寝てしまう・・・という豪快というかなかなか酷い輩だった。大学生なんてそんなもんか。

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 他の宿泊者にも好評で良かった


 翌日。今日は天気も好転したので朝食済ましたところで自転車の整備作業に取り掛かる。今回のタイミングでイスラエルで交換したチェーンを新しい物に交換しており、これは私の中でアフリカ縦断のルートが半分超えたと判断したことを意味している。持ち運んでた予備部品がどんどん消費されてくのはちょっと複雑な気持ち。

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 作業後に町中を走行しつつ

 カンパラ中心街へと足を運ぶ。ここに来た理由も自転車ショップで新しいグローブが欲しかったからなんだけど、途中で早くも後悔し始めたというか、カンパラダウンタウンの混沌っぷりが酷すぎて目眩がしそう。

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 交通量だけならまぁ後進国の都市だよなぁで終わるんだけど

 ウガンダのドライバーは「ルールを守らず運転が下手」という塩梅で、普通このテの後進国なら傍若無人な運転だけどもドライバーもそれを踏まえた予測なり危険回避を素早く行う術が身についてるものだが、ウガンダのバイクは自分の車間距離すら把握できてないヘタクソっぷりであり、そんなのが道路上にワンサカ溢れてるから始末に負えない。今日1日だけで脇をすり抜けてきたバイクが3度も私に接触して倒れかけたし。

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 んでモールの地下にある自転車街

 「ここに来れば自転車の部品はなんでもあるよ!」と教えてもらった場所なんだけど、ことスポーツ用の自転車に限れば「ここに来ても自転車の部品なんにもないよ!」というのが正しい。そもそも10以上の店舗があっても扱ってる商品が全て同じなので「自転車街」である意味全くない。

 その上ショップの店員達は知識・技術が無いのか騙そうとしてるのか、明らかに規格が合わない部品持ってきて「これは使える。大丈夫だ!」とかヌカす嘘つきばかり。サイクルグローブなんて業務用手袋持ってきて「指先はハサミで切れば良いだろ?」とかのたまうレベル。とてもじゃないが信用できず別のお店行くことにした。

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 このオールドタクシーパークもそうだけどウガンダは何か狂ってる

 やや郊外にある総合スポーツセンターの一角に位置するショップは恐らく裕福層や外国人相手の商売してるようで、ウガンダでしっかりした自転車やパーツが販売されてる恐らく唯一のお店だと思う。MTBのツアーがメインでラインナップは貧弱だったが、それでもグローブ新調できたしまぁ満足。

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 やっぱケニアで色々買っとくべきだったんだな

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 こんな状況の交差点でバイク突っ込んでいくのがウガンダです

 無事宿に戻ってこれたことにホッと一息ついてしまう。もう絶対カンパラで自転車乗らないぞ!と誓いたいけれど、この町を脱出する時に嫌でも自転車乗らなくちゃなんだよね。しかもその時はフルパッキン。

 怖い未来はひとまず忘れ、昨日の天ぷらで余らせた小麦粉使いお好み焼き作っての夕食である。割と小麦粉余らせてしまい翌日に粉物メニューというのはホステル泊してるとよくあるのだが、そろそろ新機軸で小麦粉使う系の料理を覚えたいとは思ってる。思ってるだけで何もしてないけど。

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 お好み焼き美味いし 

 2020年3月16日(月) 走行距離 0km 累計111634km
 2020年3月17日(火) 走行距離24km 累計111658km
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 ウガンダ3日目 ジンジャの町〜ウガンダ首都 カンパラの町

 8人部屋のドミトリーだったが利用者私1人で独占状態。ウガンダ第2の都市らしいが結局この国に来る人は主目的サファリとかで、わざわざジンジャに来る人そんな多くないのだろうと想像する。

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 ナイル川の源流ってウリはあるけど

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 でも居心地の良い宿だった

 当初はウガンダ入国から2日半でこのジンジャに到着し、半日かけてナイル川源流を観光・・・という腹づもりだったが、昨日の激走及び宿から川を見ることができたのでこれ以上ジンジャに滞在する理由がないし出発しようと思う。

 先へと進むには当然目の前に広がるナイル川を渡らなくてはならないのだが、メイン道路から続く橋は車両専用道で自転車の通行が許されていない。なのですぐ側の迂回路を使って進もうと自転車走らせたのだが。

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 第2の都市とは思えないほど田舎感満載

 橋に繋がる交差点の奥に警察官が鎮座しており自転車見るなり「ここの道は通行不能だ、引き返せ」と言ってくる。それは私も承知しており「分かってる。だから私は迂回路を使って進みたいんだ、その入口は何処かな?」と聞いてるのにさ。

 「俺はもう情報を与えた、なぜ引き返さない?」

 ・・・って会話のキャッチボールもできんのかウガンダ人は!というかコイツ人の話を全く聞こうとせず、自らの要求ばかり。アフリカの警察って傍若無人で腐ってるという話を聞いたことはあるけどさ、コイツの態度見るにそうした噂は割と的を射ていると思う。

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 その警官の100m先が迂回路入口でした

 気を取り直して先へと進む。相当規模の大きなヴィクトリア湖畔にいるのだし平坦な道が続くのかと思ったら真反対で、川超えてから30kmくらい上り坂と下り坂のみで構成された疲れるばかりの道を走ることになろうとは。

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 景色は良かったり

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 森林の中走れたりで楽しいんだけどさ

 そういえばケニアからウガンダに入り、草いきれの匂いを感じることが増えたのは印象的な点だ。サトウキビ畑だけでなく、水田が広がっていたりと緑色の景色にも様々なバリエーションが増えて自然の豊かさを実感できる。

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 ウガンダのイメージ皆無だったから

 自転車で旅行するということはそれすなわち「その土地を感じる」ということだと私は思っていて、その国がどんな気候でどういう景色が広がっているのか、どんな人たちがどういった物を食べているのか。そういうことをゆっくりと自分の中に吸収させていってるのかなと。

 もちろんそれだけが目的というワケではないが、こうして良いことも悪いことも相対しながら自転車走らせることでこの国を知っていくことができたら嬉しいなと。

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 そんな風に思ってる

 お昼休憩した後から一気に天気が崩れる午後。もう完全に雨季入ってしまったし、1日中雨が降るのでなければ「これくらいは許容範囲」と思うことにしている節がある。ウガンダに限らずこの周辺地域は5月いっぱいまで雨季続く国が多いのだけど、大丈夫かな私は?

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 ちょいちょい雨に降られつつ

 ガソスタとかの建物軒下に逃げ込んで小休憩を挟みつつ首都のカンパラへ。大都市が近かったので雨宿り場所には不自由しなかったのであり、珍しく都市部への突入に際し「田舎じゃなくて助かった」という気持ちがあったな。

 20台以上のバイクが全て赤信号を完全無視して通過していく様は圧巻というか、むしろ律儀に停車してる私の方が間違っているのか?と思わせるカンパラ交通事情。別に私は深夜交通量皆無の交差点でも絶対赤信号は停止すべきだ!とかいうほど交通ルール遵守すべきとは思わないけどさ。昼間っから首都の交通量多い交差点にノンブレーキで突っ込むような真似すんなよとは言いたくなる。

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 背中の防犯

 そんな感じでダウンタウンよりやや北部に位置するホステルへ無事投宿。ジンジャのホステルと同じく対象客を欧米人系にしてるみたいで、ウガンダ宿相場より若干高いけど設備がしっかりしてるこのお宿。昨夜ドイツ人と話してる時にオススメされたので来てみたのだ。

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 とりあえず見晴らしすごく良い場所

 近くのモールにてお買い物しに来たのだが、まさかケニアより立派で品揃え良いとは思わなんだ。客層も見るからに裕福層と異国人で2分されており、ここにくる客はまぁそういう立場の人たちなんだろな。

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 嬉しいことに小型のフレンチプレスが売ってた

 これで明日から別味のコーヒーが飲めるとウキウキしつつ宿に戻り夕食に。ウガンダ入って豚肉の入手が容易になったこともあり生姜焼きとしたのだが、肉が柔らかくて非常に美味であったのが印象深い。

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 スーパーも近いし暫くここに滞在だな

 唯一失敗したのがドミトリー部屋のベッドで私が選んだベッドのみ蚊帳がなかったこと。お陰様で夜寝ようとしても蚊の羽音が気になるし、ちょいちょい刺されて目を覚ますし、果てはマラリアの不安も広がるし。何で最初にチェックしなかった私。

 2020年3月15日(日) 走行距離86km 累計111634km
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 ウガンダ2日目 スクルの町〜カンパラから東に約70km ジンジャの町

 ベッド一式をどうやって運び込んだのか?と不思議に思うほど狭い部屋だったが、まぁ眠れりゃ特に問題はない。朝になってもまだまだイライラは続いてる感じで、こういう時はとにかく走るに限る。

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 ここ最近で1番早くに出発した

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 でも写真じゃそれは分からないよね

 土曜日の朝にも関わらず割と制服着た子供たちを見かけるのだが、ウガンダでは週休2日制は未だ適応されてないのだろうか?ちなみにアフリカは小学生くらいの年頃の子供でも学生服があるようで、良いとこのお坊ちゃん・お嬢ちゃんだな!と思うことがままある。

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 かなり頻繁にポンプを見かける

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 ウガンダは海のない内陸国だもんな

 標高は1200m前後で安定してきたのだが、それはアップダウンが無くなったというコトではなくて細かな上り下りが頻発していることを指す。まだ午前中は怒りが冷めやらず、力任せにペダル踏んで走って他のだがこれは意外と好都合だったのかもしれん。

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 猿が出るポイントって大体決まってるイメージ

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 ウガンダの道路ポストも近くの大都市までを示すケニア方式

 時間とともにどんどん暑くなるものの、風が正面から吹いてくるので案外涼しくはある。でもまぁ向かい風ってことなので、思うように進まないしやたらと疲れて総合的には大分マイナスなんだけどさ。

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 「部切り」に「神社」とウガンダは日本語でも読みやすい地名が多い

 ケニアからウガンダへ来たことで最も大きな違いを感じるのは周囲の緑が増えたこと。それほど木々が生えてない場所でもウガンダでは水田が広がってたりして、目にも優しい緑色が続いている。

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 これはなかなか気持ち良い景色

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 ピンポイント豪雨

 お昼休みの時点で90km地点にある当初終了予定であったイガンガの町を通り過ぎており、もう今日はどこまで走るのか自分でも予測つかないな・・・とかそんな勢い。

 こういう時にスコールで強制的に走行を一時中断されるというのは、頭も身体もクールダウンになって結構ありがたかったりする。雨宿りさせてもらった建物のウガンダ人は親切だったし。

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 結局130km超走ってジンジャの町に

 一応ウガンダにおける第2の人口を誇る大都市らしいが、ダウンタウンを離れてしまえば閑静な住宅と宿泊施設ばかりが立ち並ぶ静かで住みやすそうな町であった。

 特に下調べしてなかったのだが、ヴィクトリア湖畔に隣接してるホステルへチェックイン。この宿の良い点がレストラン&バーがヴィクトリア湖から流れ出るナイル川の源流ポイント目の前に鎮座しているという所。

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 エジプトのカイロから追いかけてきたナイル川もここが終点となる

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 エチオピアのタナ湖と合わせてナイル川2つの源流は両方とも到達

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 っていうかバーの一部が水没してるのツッコんだ方が良いのだろうか?

 思いもかけず激走してしまったが、ようやく私の気分も晴れた感じで楽しくビールが飲めるというもの。ちなみに昨夜はイライラが酷すぎて飲み物どころか食事すら摂らずに寝てしまったので、ウガンダでの夕食は今日が初。

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 ビール4本も空けてもうた

 良い気持ちでフラフラと宿に戻り、鈴虫だかの鳴き声を聞きながらの夜。ようやく私のウガンダ旅行が色付き始めたと感じる。

 2020年3月14日(土) 走行距離136km 累計111548km
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 2020年2月21日~3月13日 2023年2月27日~3月8日
 走行日数32日間
 累計走行距離1944km(1回目1432km・2回目512km)
(109952km~111384km・126923km~127435km)

◎道路
 北部・南部で大分様相異なるが全体的に路面状況は良いし、主要道路を選ぶ限りはアスファルトが続く程度にはしっかり道が作られている。なんと日本と同じく左側走行なのは歴史的にイギリスの植民地だったからなんだろな。
 北部は側道がほとんど無かったりあっても砂利道でとてもじゃないが走れない場所が多いけど、そもそも交通量がほとんどないので問題にならない。これがイシオロの町を超えた辺りから交通量が増え始めるのに合わせて側道の路面状態が良くなり走るのに問題ないポイントが増えてくる。上手くできてるよ本当に。
 ただこの側道を渋滞時等に無理矢理走るアホドライバーがいるようで、そうした車両対策に一定間隔で側道だけ段差が作られてる道が結構ある。この段差がかなり大きくて普通に走ると乗り越えるの難しかったりするため、段差を避ける度にメイン道路へエスケープすることになって非常に危険だったりする。ナイロビが近づくと道路も片側2車線以上の大きな道となるのでむしろ安全になるのであり、中途半端な距離にある交通量が多くて1車線の道路が最も危険だと言える。これとは別に町の出入口にも坂道の途中にも道路上にはかなり大きめの段差が敷かれており、ケニアではこの段差に対してかなりストレスを感じていた。
 南部はかなりの山岳地帯で場所によっては3000mを超える標高まで登らされる。高い標高で安定してるということは少なく起伏に富んだ地形となっているものの、坂の作りは基本非常に緩やかで距離をかけて登らせる道が多いためそれほど困窮することは少ない。同じ東アフリカの山岳国家であるエチオピアと比較すると坂の規模が大きなエチオピア、数が多いケニアみたいなイメージかもしれない。それほど変わらん気もするが。

◎治安
 かなり悪い。エチオピアまでは一切見られなかった小売店で鉄格子を挟んでの売買が増えたが、このスタイル他の国では治安の悪い中米諸国でしか見たことないんだけど。
 ただ北部のエチオピアに続く道路は数年前まで少数民族同士の対立から争いがあったり、通行中のバスを襲ったりと非常に危険視されてた地域だが、現在では警察の検問及び巡回の成果でこのルートに関してはほとんど問題なく走れるようになった。ただし北西部トゥルカナ湖沿いを通るマニアックなルートとかは現在でも治安的に自走が不可能レベルの場所があるらしい。
 大型の商業施設では入場時に警備員が金属探知機みたいな棒で危険物チェックするのは当たり前だし、銀行系の建物では常に複数人のガードマンが待機して(暇そうにスマホを弄って)いた。警察の腐敗が問題になってる国なので、自分の身は自分で守るという考え方なのかもしれないが、それにしても仰々しいし不安に駆られる。
 町の規模が大きくなると治安的な危険度も大きくなるのはどこも同じだが、東アフリカで経済を引っ張る立場にあるケニアはそれ故に貧富の格差が非常に激しく、それが犯罪を引き起こす温床になっているとされている。少なくともナイロビにおける格差のコントラストは今まで訪れたどのアフリカの町より激しく見えた。
 あとナイロビといえば日本人が集まるニューケニアロッジが宿として有名だが、この宿はダウンタウンバス乗り場目の前というナイロビ内でも最も治安が悪い一角に位置してるので利用するのは要注意。私は夜に隣の商店まで飲み物買いに外出たのだが、娼婦が軒下にずらっと並んでるの見て「こりゃ夜中に異国人が歩く場所じゃない」と実感した。スラムは近づかないことで自衛ができるが、ダウンタウンはそうもいってらんない場所なので。
 割と田舎でも金品目当ての強盗殺人が発生することあるという話も聞いたのであり、南部の人が多い地域では野宿をするの躊躇われるところがあった。田舎の雰囲気はそんな悪くないし防犯レベルも都市部と比べて随分低いと思うけど、流石に夜中ウロつこうとは思わなかったし田舎で夜に歩いてる人はほとんどいない。

◎ビザ・出入国
 ビザが必要な国だが国境にてアライバルビザが取れるため、そこまで手間や面倒があるわけではない。なおケニアビザの料金は50USドルだが、ケニア・ウガンダ・ルワンダの3ヶ国を一まとめにした東アフリカビザというのがあり、上記3ヶ国全てを訪れるなら単独で取得するより20ドルほど安価でビザが入手できる。
 入国時に両指の指紋を全てデータに取られるのは国によってままあるが、ケニアは出国時にも同じようにデータを取られたのが印象的。やっぱ犯罪率が高いからの処置なんだろうか?

 追記:なんと2023年時点でアライバルビザ制度が廃止されてしまい、入国にはeビザの取得が必要になってしまった。ネットさえあれば何時でもビザ取得できるし、わざわざUSドルでの支払いしなくて便利・・・というのは表面的な話であり、実際には内容の記入例にフライトスケジュールやれ宿泊先の情報というのも面倒だが、自転車旅行車がハッキリした入国日時なんて分かるワケなかろう。偶然ケニアに飛行機inというパターンで入国したのでこの辺のグダグダがなく済んだけど、その代わり飛行機情報は利用する座席番号まで指示してくる無駄っぷり。適当に書いても分からないだろうに意味のない情報記入事項が多すぎるんだよ馬鹿らしい。
 しかも2023年2月現在はeビザの他にMoH Travelers QR code retrievalというケニアの保健省に必要データを記入、それとは別にGlobal Havenというサイトでワクチンの摂取証明書をアップロードしなくてはならなかった。これらの書類が揃ってないとケニア行きの飛行機に乗せてくれないらしいし、私は飛行機チェックインの際にしっかり書類確認があった。
 ということで入国するのがクソほど面倒くさくな理、ルール改悪された状況が現在のケニアとなります。電子化するなとは言わないが、通常の大使館やアライバルビザを発給する方法を残しておけよ!と私は声を大にして言いたい。

◎交通事情
 他の東アフリカ諸国とそう変わりはしない自分勝手な運転をする国だけど、ケニアは車両の総数が他のへっぽこアフリカと比べて非常に多い関係か、走ってて危険と感じる事が非常に多かった。特にトラック車の身勝手さが酷くて本気で轢き殺そうとしてるんじゃないかと思わせる運転をするアホが結構いる。
 基本的に「並んで待つ」という行為をしようとせず、渋滞してようが何だろうが隙あれば側道や反対車線に入って抜いていこうとする傾向が強く、それを対向車がいようがいまいが行うので性質が悪い。どちらかというとナイロビ市内はマトモな方で、その周辺にある衛星都市とかがより運転マナー悪かったと思う。
 交通量の多さが如実に結果として現れてる感じなので、イシオロ以北の田舎道では全然怖いと感じるような運転する車両を見た覚えがない。やっぱ数が増えると馬鹿な運転するドライバーも増えるというのは仕方ないところで、ただアフリカは全体的にそういうドライバーの割合が高いという事なのだと思ってる。

◎特徴
 環境保護の一環として入国の際にビニール袋を持っていると没収されるという制度がある。もちろんケニア国内で商品を包むのにビニール袋は使われておらず、荷物が多い場合はレジ奥に積まれている段ボール箱を利用するとか有料のバッグを購入することになる。
 制度も考え方も理解できるし先進的だなとも思うんだけど、ケニア人の意識が全然追いついていないのが惜しい点で、彼らのゴミをそこら辺の道端に平気で投げ捨てる常識の方を矯正させないと、いくらルールを改正しても町中に放置されてるゴミ自体は全然減ってないのではと思うんだけど。
 ちなみに私は入国時にビニール袋を衣類入れてるスタッフサックの奥底に押し込んで「没収されたら仕方ない」くらいの気持ちで望んだが、そこまでしっかり荷物チェックを受けることなくスルーされた人。

◎気候
 北部は標高が低いので無茶苦茶暑い上に雨があまり降らず乾燥している。ケニアで山岳地帯が始まり涼しくなるのは私の走行ルートだとイシオロの町以降であった。ただしイシオロ以降のポイントでは同時に雨もよく降る地域になる。なおケニアは3~5月が雨季のシーズンとなっており、短時間に大量の雨を降らせるスコールが多い。なお北部は雨が降らないため水が非常に貴重な土地の上、上水道が整備されておらず食堂等で出される水差しの水も鉱物を含んだ物で不味いし身体にも良くないらしい。んなもん普通に出すなよ。
 イメージ的には午前中の方が天気安定しており、午後の遅い時間になると空が雨雲で覆われることが多かったと思うけど、まぁイメージでしかないです。なお雲は基本東から西へと流れる。
 2500mを超えると天気次第ではかなり冷え込む場所もあるが、雨にさえ降られなければ夏スタイルの格好でも特に問題はない。アースキャンプ場なんかは寝るときシュラフを使う程度には寒かった。1番暖かい時期が2~3月と言われたので、時期によってはもうちょい寒さに対応できる服装が必要だと思われる。

◎言語
 アフリカで使われてる言語で最もイメージしやすいスワヒリ語が公用語。だけど無茶苦茶英語の通用度が高くて「ジャンボ」という挨拶以外1単語も覚えていない。この国では地方食堂のオバちゃんが普通に英語を理解してくれたりするので意思疎通における苦労はほとんど覚えがない。そもそも英語での意思疎通が怪しいという問題はあるけどさ、お互い英語ヘタクソだと簡単な単語や文法に終始するからむしろ分かりやすいんだよ多分な。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 北部の本当に小さな集落は別として、基本的に規模の小さい町でも宿があるのが有難いケニア。田舎なら500~1000円くらいが相場で、町の規模が大きくなるに比例して宿の値段も上がる傾向がある。1000円くらい出すと朝食サービス付いてたイメージかな。Wi-Fiは田舎で値段が安くなるほど設置率が落ちるけど、それでも3日以上ネットに接続できないことはケニアでなかった気がする程度には優秀。
 人がほとんどいない北部はともかくやっぱりケニアは少々治安が悪い感じするのと田舎でもそれなり程度に殺人事件とかあると聞いたのであり、値段も安いし後半は野宿をする気は全くなかった。リスクの割にリターンで得られるものが少なすぎる。
 標高が低い宿では大概ベッドに蚊帳が付いており、しかし冷房はもちろん扇風機すらないのが普通である。このため比較的暑い場所では蚊帳が廃熱を遮断して結構寝苦しい。でもマラリア危険地域でもあるため蚊帳外して寝るのは怖いし。あと田舎ではシャワー室はあっても水が引かれてなかったりして、バケツの水汲んで体洗うパターンが結構あったな。
 東アフリカで先進的な国というのを最も感じたのはそのネット普及率の高さと速度で、中規模程度の町ならWi-Fi使える宿を見つけるのはそこまで難しくないし、どこのWi-Fiも動画見る事ができるくらいの速度を誇っていた。これがあったのでケニアではsimカード購入しなくても良いやと判断してたりする。

◎動物
 あちこちに国立公園あるしサファリツアーも豊富で野生動物王国の一角を担う国であるケニアだが、普通に幹線道路を移動してる限りはそれほど大型動物に出会ったりすることはない。特に肉食獣に関しては基本「狙って会いに」行かないと遭遇できるものではなく、その可能性がある土地はそもそも自転車での立ち入りが許可されていないのが普通。
 私が走ったルートではセレオリッピ~アーチーズ間が象の生息域だったのと、ナイヴァシャ湖畔西部の区間でシマウマ・インパラ・イノシシ・キリンと遭遇する事ができた。後者に関しては狙って向かった結果であり、ここは自転車で走ることを許された野生動物と相対できる数少ないポイントである。
 ちなみに家畜動物という意味で牛やヤギに羊といった輩なら何処でも見る事ができます。犬は総じて大人しく危険に思うことはない。

◎自転車店
 首都のナイロビにはいくつか先進的なショップがあると聞いたが、治安悪いのと教えてもらった店がショッピングモール内に店舗があるという関係で訪問することはしなかった。地方都市のショップはスポーツ自転車の部品を取り扱ってるような雰囲気皆無の店しか見ておらず、多分実際そういった店はないのだろうと考える。
 一応ナイヴァシャ湖畔で見たレンタサイクルはMTBタイプだったし、イテンの町では自転車トレーニングしてる人を見たのであるところにはそうした需要に応えたショップがあるのかもしれない。

◎物価・食事
 ケニア入って食事関係1番嬉しかったのが米食文化が入ったこと。歴史的な関係でイギリス文化の影響が強いためか、朝食のメニューはミルクティーとチャパティというパン1種類しかない事が多かったが、お昼は炒飯によく似たピラウというのを好んで食べていた。
 肉は牛や鳥の他にヤギが多い印象で、豚肉はほとんど扱いがない。やたらスジ肉を好んで使うため、歯の隙間に肉が挟まって取れないという事が多かった気がするケニア。海の近くは知らんけど、大きな湖や川沿いでは大抵魚もメニューに記載されている。
 ナイロビは種類も豊富だがやはり物価が高く全体的に1.5倍くらいの料金となってた印象あるかな。ケニアは大都市の場合、料金の値上げが割と激しかった。
 南部に入るとアフリカ特有のウガリが米に変わって主食となることも多かったが、あまり味に特徴がなく量だけは多いというのが私の感想である。イメージは紅白饅頭から中身を抜いて食べてる感じか。
 肉や魚の入ってないメニューなら1食50~100円程度だし、肉が入ってても250円すれば高い方で非常にお安く食事ができる反面、ビールはロング缶1本が200円前後と食事に比べて割高であると思う。なおアルコールは一般商店では販売できないようで、酒店だったり大型スーパーのアルコールコーナーで別会計での購入、もしくはバーに行って飲むというのが基本。
 なお飲み物を冷やさないという慣習があるらしく、小さな町だとジュースもビールも全く冷やしておらず選択肢が常温の飲み物しかないという事がままある。これがバー等でも同様だったりして、その脇に設置してる冷蔵庫は飾りかよ!と思わず文句の1つも言いたくなるのは私だけか。なお北部の村では単純に電気が通じておらず飲み物がヌルいという事が2回ほどあった。

◎総括
 気候や土地の特徴、人の良し悪しとどれを取っても一筋縄ではいかない国だけど、私はケニアを割と楽しく走れたと思っている。その最大の要因となるのが、インフラレベルの高さと高いネットの普及率によるのは自転車旅行者としてやや情けなくも感じるけれど。
 ともあれ東アフリカを走行するにおいて中間地点となるケニアが過ごしやすくてレベルも高く、オマケに米ドルも降ろせるというのは非常に重要な点だし私個人としても有難かったといえる。特にトラブル会うことも無くてラッキーだったのもケニアの印象を良くしてるとは思うけど。
 北部の半砂漠気候に対して南部の山岳地帯と、1つの国である程度の期間ハッキリ異なる環境を走ったのは珍しい。他に思い出せるところでボリビアくらいじゃなかろうか。とりあえずケニアという国の奥深い一端を味わえたのだと思っておきたい。
 割と直線的に南下してすぐタンザニアへ行ってしまうサイクリストが多いらしいが、個人的にケニアで面白かった区域はナイロビ以降に走った南西部だったのであり、多少回り道になろうとこちらのルートをオススメしたいかな。
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 ケニア22日目&ウガンダ1日目 ウェブイェの町〜カンパラから東北東に約180km スクルの町

 思ってたよりずっとレベル高かったケニアでの滞在も今日が最後。またキチンと動いてくれるWi-Fi求めて無駄に走り回るアフリカの国へ戻るのかと思うと少し凹む。この大陸へ何しに来てるのだと思わないではないが、やっぱ色々ストレス受けるからねアフリカ。ときどきで良いから発散できる環境が欲しくなるのです。

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 ケニアで1番の朝食となった最終日

 やや雲が多いものの、天気も良い感じに晴れてケニアのラストランである。進行方向的には西へと進んでおり、隣国ウガンダもまた赤道直下の国。にも関わらず全体的な標高は1000mそこそこらしく、最近涼しい環境で楽できてた私に耐えられるのかと早くも不安。

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 アフリカでも頭の上に物載せてるのそこそこ見かける

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 ちょいちょい上り坂入るけど基本は下り

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 集落の中心にこんな感じで木があるの良いよね

 当初ケニアで最後の宿泊地に予定してたブンゴーマの町を抜けて、更に30kmほど進むと国境の町であるマラバに到着である。ここまで休まず一気に走り抜けたけど結構楽勝だったことからも、ウェブイェでの滞在は悪くない選択だったのだと思う。

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 マラバの町 

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 トラックが長い列を作ってるの国境あるある

 このタイミングで食堂とスーパーでケニアシリングの小銭を綺麗に使い切るよう調節してのお買い物。本当なら手持ちの現金全て使ってしまうよう調節して走るのだが、今回は2000シリング(約2050円)ほど余らせてのフィニッシュ。ウガンダで両替だな。

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 ということでイミグレーションへ

 多少は予想していたが、ここケニア〜ウガンダ間の国境でもコロナウイルスによる対応通達が出ているようで、建物入る前にまず検温検査で異常がないことを証明してから出ないと手続きができなかった。

 それはまぁ仕方ないと思うけどさ、列に並んでる途中で私だけぶっこぬかれ別室連行されて個別尋問というのはちょっと扱い酷くないか?中国人と間違えるのは分かるけどさ、とりあえず相手の国名くらい確認しようよ。

 無事解放されそのままイミグレーションで手続きをば。ちょっと珍しかったのが、ウガンダ方面に向かう旅行者は国境を越えた先のウガンダ側イミグレでケニア出国審査、ウガンダ入国審査をやる仕組みだったこと。逆方向に向かう場合はケニア側で一挙に行う。

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 旅行者の立場では2度もイミグレ入らなくて済むので良い制度だ

 何はともあれ無事ウガンダへと入国である。今日はここから10kmちょい先にあるトロロの町で終了しビールとか色々物価調査でもしようかと思っていたのだが。

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 まさか最悪な展開が待っていようとは

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 トロロを象徴する丘とのこと

 とりあえず宿は簡単に見つかり料金25000シリング(約700円)で50000シリング札を支払うもお釣りがないから後で返すとのこと。お釣りを用意してないのはアフリカあるあるなので特に気にすることもなく自転車を置いてから町を歩いて回る。

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 蚊取り線香売ってたよウガンダ・・・

 いくつか買い物したことでお金崩れたため宿に戻って「お金ぴったり用意できたからさっきの5万返して」と料金渡すのだが、そのお金受け取っておきながら「いや宿泊費は3万だ」とか突然別のこと言い出すとは。

 突然の5000シリング値上げは金額にしてみれば150円弱と大したことないが、そういう態度取る宿は信用ならないのであり「それならここの宿には泊まらない。別の宿利用するから返金してくれ」と返したのが始まりだったか。

 でもお前はこの部屋を利用したから1時間の利用料で2万シリング貰うとか言い始めるオバハン。そっちが嘘ついたのにそんな理屈が通るわけないだろ!とブチ切れつつ応対する私。

 結局警察を呼ぶことになり、それでもラチがあかず警察署まで移動してこの馬鹿な話し合いが続くのだが。このオバサン警察との対応中にもスマホの画面弄りながら適当に対応してるしさ、私に言った1番意味不明な言葉が「ここはウガンダだ」というね。アフリカなら、ウガンダなら全て適当でも許されると思ってやがる。

 英語での会話で全ての流れを把握してるわけじゃないけれど、結局このオバサンは最初から私に返金する気なぞなかったのは明白で、何故なら警察に言われて私に出した手持ちのお金が、支払ったお金よりキッチリ2万シリング少なかったから。

 「これしかお金がない」ってフザケンナ!このドグサレ外道が。

 お金置いたらそのまま勝手に警察署出て帰ってしまう傍若無人っぷりだし、ウガンダ初日の印象もう最悪も良いとこなんですけど。

 対応してくれた警官は「アイツが嘘つきなのは分かってる」と言ってくれたがそれで終わり。腹が立って仕方ないし、もうこんな町には1秒でもいたくないのであり日も沈みかけてるけど先に進むことに。

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 こんなに腹立てたのエチオピア以来・・・って割と最近だな

 腹立てたまま右も左も分からず無茶苦茶に走りまくっていたのだが、完全に暗くなったタイミングで道路脇にレストラン兼宿が出てきたのは幸運だったと思う。

 もう冷水でも全く問題なくなったシャワー浴びて多少は落ち着きを取り戻したけどさ。今はもうサッサとトロロの町から離れたい。それだけ。

 2020年3月13日(金) 走行距離91km 累計111412km
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 ケニア21日目 ウェブイェの町

 ケニア出国前に残金調整及び体力回復のための休息日。当初はもうちょい先にあるブンゴーマという町で休養取ろうと考えたんだけど、このウェブイェで休むことになった。

 何だかんだ言って丸1日休息取るならある程度規模大きな町の方が色々見て回れるし、消耗品等も簡単に買い足すことができるため便が良い。アフリカじゃ小さな町だとネット環境無い宿がほとんどで時間持て余すこともありそうだし。

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 ウェブイェは「かなり小さいけどまぁ良いかな」という規模の町

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 ちなみに部屋に自転車が入らずドアの前に置かせてもらうことに

 アフリカの個室宿で自室に自転車置けないのここが始めてだったけど、私もアフリカで盗難にはナーバスな気持ちがあったのでフレームバッグも含め荷物は全て取り外して自室に運び込み、自転車本体はリアボックスとワイヤーで接続し持ち運べないようする程度には気を使った。

 一応お高めの宿なので出入口は施錠された門があるし、敷地内の宿泊棟も1番奥まった場所に位置する部屋なんだけどさ。目の届かない場所に自転車保管するなら最低このくらいは対処したい。

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 本来はアフリカに限らずなんだけど

 そうはいっても私だって国や地域によって盗難対策はギチギチにやる時と、そうでもない時がある。ここら辺の感覚を研ぎ澄ましてくことが「経験豊富な旅行者」というのかと思ってるのだけど。

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 どうなんだろ?

 とりあえずアフリカでは物が豊富なケニアに滞在してる今のうちに「渦巻き蚊取り線香」を調達しておきたい。少なくともエジプト・スーダン・エチオピアの3カ国では一切姿を見せることのなかったアイテムであり、この先アフリカ南部の国で入手できる保証がない品物なので。

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 流石に南アフリカにはあるだろうけど

 利用してる宿は町の外れに位置しており、片道2kmほどの距離を歩いて中心部まで。標高下がって暑い中、しかしウェブイェの規模だと大型スーパーという施設は存在しておらずかなり苦労してスーパーマーケットを発見。だから休息日は大きな町で取るべきなんだよ。

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 どうなることかと思ったが

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 無事購入できたし良しとする

 本日唯一のタスクをこなしたので、帰り際にビール購入してのお気楽気分。酒屋はあっても常温保存のみという店が多くて4〜5店探し回ったのは昨夜の良い思い出だ。ちゃんと今日は昨日の経験を生かして冷えたビールを迷うことなく購入している。

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 それを他の買い物でもやろうよ・・・

 夕食で食堂入ってる最中にバケツをひっくり返したようなスコールが降ってきたが、私を含め周囲の人たちも誰1人として動じていないというか「まぁどうにでもなるでしょ」みたいなゆったり感溢れる空気だったのが印象的。

 アフリカでの滞在も100日を超え、私も彼等のように少しは物事に対して落ち着きを持てるようになってきたのかと思うと誇らしい。無意味にポジティブだとか何も考えてない・・・のではなく、目の前に起きた出来事をそれまでの経験によって冷静に対処するなんて出来る男っぽくて格好良いじゃないか。

 そんな感じで余裕ぶちかましていたのだが、意外と雨降り止むまで時間かかってしまい真っ暗になってしまった夜道を恐々宿まで進む帰り道。格好良さが聞いて呆れる。

 2020年3月12日(木) 走行距離0km 累計111321km
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 ケニア20日目 イテンの町〜ナイロビから北西に約310km ウェブイェの町

 ケニアの田舎インフラ事情では停電もあるし、ちょっとしたことで断水だって発生するのは当たり前。昨夜もそうしたトラブルが発生しているのだが、イテンの情報を調べていると「そうした大変な出来事もあるが、それでもランナーにとっては理想的な環境」みたいな論調で歌われていた。

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 あぁ、そうか

 水が出ないとか電気が通じないというのはアフリカの田舎じゃ当たり前のこと過ぎて感覚麻痺してるけど「大変なこと」に該当する出来事なんだよな。シャワー設備あると言われて実際には水の入ったバケツ渡されるのが当たり前の世界だし、それが基準ラインになってると自家発電の設備まで完備してるこの宿は天国みたいな場所なんだけど。

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 その感覚はズレているのだな

 便宜図ってくれたマネージャーにお礼言って出発する。ちなみにここからのルートだが、イテンの町からさらに先へ進むとグレートリフトバレーという大地溝帯の一部である大渓谷を走った挙句にナクルの町へと戻ってしまう。今にして思えばこのルート抜けてくるの最高に面白そうだと感じるが知らなかったので仕方ない。多分お友達の沖野君あたりが走ってくれると思うのでそのレポート読むことにしよう。

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  ありがとイテン

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 道中あっという間で

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 エルドレットまで逆戻り

 往路がほぼ上り坂だったので今回は速い速い。東からの追い風というのもあって、エルドレットに到着した所要時間は行きの半分強であった。合間に朝食休憩が入ってて、である。

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 そのままエルドレットをスルーして先に進む

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 この辺から自転車タクシーがちらほら目に付くように

 後半は標高も高くて涼しい場所が多かったケニアだが、エルドレットを過ぎても下り基調の道は続きそれは標高がどんどん下がっていくことを意味している。楽だけど周囲の気温がどんどん上がっていくのを実感できるのであり、心境的には複雑。

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 アフリカの市場は地面にゴザ敷いて販売してることも多い

 ケニアの良い点の1つが食堂メニューの値段を「見える化」してる店舗が割合多いことで、ある程度滞在すれば食事の値段はある程度把握できるけど、それでも黒人じゃないと見るやいきなり料金2倍3倍ふっかけてくるケニア人相手に文句いう必要がないのはありがたい。

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 そういう輩がそれなりにいる

 あんまり調子よく走れるもんだから、ウガンダ国境まで3日行程で考えてた道を2日で走りきってしまおうと思う。自転車旅行者は平気で予定を変更するが、それは時間的な制限が無いのを良いことに「遅れる」ことがほとんどであり、こうして「早める」のは珍しい。

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 そんくらいかっ飛ばしてた

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 今日は路上市場をよく見るな

 当初予定になかったウェブイェという町まで走り、この2日間の予定変更したことで余り気味となったケニアシリングもあることだしと、割と良さげな宿に2泊することにした。合わせてビールもガンガン飲んでやるぜ!

 夕食2軒はしごしその後にバー、それでも飽き足らずフライドポテトとジュースを買って部屋でまだ飲み食いする程度には暴飲暴食の限りを尽くす。これだけ好き勝手してるけど1500円にもならないのだから、ケニアの物価は安いよね。

 2020年3月11日(水) 走行距離112km 累計111321km
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