自転車ときどき世界1周

カテゴリ:アフリカ > エチオピア

 エチオピア2日目 shehibiの町〜アディスアベバから北北西に437km地点 学校校舎

 目を覚ましても全身疲労でなかなかベッドから起き上がることの出来ない朝のひととき。本気で今日1日休息日にして休もうか1時間近く悩んだけれど、結局走ることにした。割と自分自身を褒めてやりたい。

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 エチオピアベッドは蚊帳あるのがデフォなのかな?

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 中庭も広いし敷地内にバーがある良い宿なんだここ

 何だかんだ現在の標高が700mほど。スーダン後半からジワジワと登ってきてたのだが、まだフロントギアをアウターから落とすほどではない緩やかな坂だった。そんな気軽な道も今日から一変して厳しいアップダウンが繰り広げられるのかと思うとゲンナリする。

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 景色的には楽しみなんだけどさ

 短い距離で定期的に集落が出てくるのだが、そこに住まうエチオピアの子供は凄まじいの一言。どんだけ暇なのか知らないが、私の姿を見るや否や全力で道路に飛び出してきて「ユーユーユーユー」とひたすら連呼。スーダンまで一切このユーユーという呼び方無かったのだが、エチオピア独自の文化なのか?

 そんでこの子供たちに返事すると2言目には「マニー」と返ってくるし、無視すると石を投げてきたり自転車をひっつかんできたりとやりたい放題。そこまで悪さをしてくるクソガキは全体の2〜3%とかそんなもんだけど、1つの村を走り抜ける1〜2kmでも100人近くの子供が声かけてくるので一々対応してらんない。

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 ただでさえ暑くてしんどいというのに

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 ちょっと休憩しようものならすぐ囲まれる

 悪ガキだなぁとは思うけど、まぁ元気でパワーあるのは嫌いじゃないしコイツら目の輝きスゴイんだよね。私は悪意持って自転車に悪さしたら容赦無く拳骨食らわすタイプだけど、悪さする子供はキッチリ逃げてしまうし、怒鳴ったところでめげる様な奴は1人もいない。まぁ「自分の子供時代はこんなアホガキだったよな・・・」とか思ってしまうので、これ以上悪くは言えない気持ちもある。

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 なんかですね、今日は国民の祝日でお祭りなのだそう

 平日の午前中から大の男がバーでビール飲んでるの見て「エチオピアはどうしようもねーな」とか思っていたが、祝日なら仕方ない。私もその輪に混ざってビール飲みたいけれど、そうもいかずコーラというのは物悲しい。

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 エチオピアの食事といったらこれ、インジェラ

 この2日で分かったのは、エチオピアでは大概の料理の下にこのインジェラが敷かれて出てくるということ。基本的に味付けがやや酸っぱいのだが、どうやらお店によって割と味に違いが出るようだ。

 そんでここのインジェラは猛烈に不味くて勘弁してほしいレベルだった。こんな食事が続くようではエチオピア滞在中に私はやっていけるのだろうか?と心配になってしまうのだけど。

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 村ごとにお祭りやってて通り抜けるの一苦労

 道もガツンと登りが続いて一気に標高上げるのではなく、アップダウンを繰り返しながら徐々に高さを増してく感じ。1300mラインで10km以上永遠とアップダウンばかりが続いた時には「これ一生続くんじゃないの?」とめげそうになる。

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 あの谷にある村から一気に登るようで

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 もちろんその村を抜ける最中もこんな感じ

 この時点で17時過ぎてたので水の補給とボトルにビールを詰めてもらい準備万端で出発する私。目の前が上り坂と分かっているのに3Kgも増量するのはどうかと思うけど、ビールはともかく水に関しては仕方ない。

 ヘロヘロになって坂を登るのだが、村からずっと追いかけてきた子供たちが自転車を押してくれる。おお、この子らは何ていい子なんだ!とか感動してたのだが、途中から「マネー」と要求が始まってしまい、無視して登ってたら最後にゃ自転車押すフリしてゴミを荷物に挟んで逃げて行きおった。エチオピアめ。

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 上り坂だと逃げられない 

 谷にあった村からずっと厳しい斜度の上り坂が続いたが、日没迫ってきたタイミングで集落が出てきたので何処かテント張らせてもらえないかとお願いしたら学校校舎の中で良いぞと案内してくれた。やっぱ基本的には良い人たちなんだろな。

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 2日分の食材全部詰め込んだ夕食

 とにかく強烈な印象のエチオピア。良くも悪くも私がアフリカという大陸に抱いてたイメージに最も近い国かもしれないとは思うけど。

 2020年1月20日(月) 走行距離88km 累計108185km
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 エチオピア3日目 学校校舎〜アディスアベバから北北西に約430km アイケルの町

 泊めてもらう事になった学校教室の1部屋だが、何故か銃を持った兵士だか警察の人も同じ教室にて泊まる事に。まぁ向こうからしてみれば私は怪しい外国人の不審者だし、仕方ないのかもしれんけどさ。早朝から散々大音量で音楽流しまくりで私にしてみりゃ迷惑なだけの存在だった。

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 学校始まる前に撤収しなくては

 ちなみに出発前にその警官だかに挨拶したら「金よこせ」とか言われたんだけどさ、学校関係者に一宿のお礼とかならまだしも貴方は何も関係ない人だよね?野宿でお金請求されたのも始めてだけど、その相手が警察というのもエチオピアのレベルを感じさせる。

 上り坂の途中にあった村なのでスタートから早速ヒルクライム。まだ時刻も8時過ぎなので気温が高くなる前に2000mの大台を超えてしまい暑さの凌ぎ易い標高に到着してしまうことが目標。

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 40分走ってまだ村の姿が見える

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 ようやくキツいポイントが終わった

 600mアップで標高2200m強まで。一応ゴンダールへと向かう道ではここが最高地点となるようだし、まぁこれなら何とか町まで到着できるだろうと思いつつ、アイケルの町で早めの昼食休憩とすることに。

 ここのレストランマネージャーが英語堪能で色々教えてくれたのだが、やはり昨日のお祭りは年に1度の大イベントらしく、今日までの2日間に渡って開催されるのだそう。

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 どうりで今日も人が多いワケだ

 そしてこの町を抜ける直前で気付いたのだが、本日ゴール予定のゴンダールは一大観光地である。しかも土日から続く連休の最終日ときた。これって宿探しで無茶苦茶苦労するパターンじゃないか?

 思い出すのはグアテマラのアンティグアに到着した日。あの時もセマナ・サンタというイベントを知らず町に到着したは良いものの、どの宿も満員御礼で投宿できず日本人宿に無理言って屋上にテント張らせてもらったことがある。

 今の疲労状態や残りの距離・獲得標高を鑑みても、ゴンダールの町に到着するのかなり遅い時間となるのは間違いない。その状況で宿を探し回るのはリスクが高いと判断し、そのままUターンしてアイケルの町にあるホテルに投宿した。気づけた危機は、早めに回避。

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 ということでお祭り見学しようかな

 普通に見学者ラインに陣取りカメラを構えていたのだが、何故か係員みたいな人に「お前はこっち来い」と出演者が練り歩くパレードのど真ん中へと連れていかれる。想像だがこんな小さな町のパレードに外国人こないだろうからニュースのネタになると判断されたのだと思われる。

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 なので一緒に撮影も多々求められた

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 私にとっても有難い話

 もの凄い爆音で耳が痛くなる中、練り歩いてる人たちが時おり盛り上がってジャンプしたり輪を作って回り始めたり。そんな統一感とかレベルの高いダンス部隊がいるワケではなく、割と自由に騒いで楽しんでる雰囲気のパレード。とにかく誰も彼も良い笑顔してるのが印象的だ。

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 エネルギーすごい

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 もうこの時点で耳がキーンとなってた


 折角なので動画も

 暑さとエネルギーに当てられてフラフラになりながら宿に戻り中庭のバーでビール。エチオピアでは次点に甘んじてる様だが、恐らく人気No.1のダシェンビールより私は断然ハベシャビール派だ。

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 絵柄はダサいけど

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 呑んで元気が出たらまた見学に行ったり

 午睡を取って部屋を出てみれば、まだ大通りに熱気は残っているもののいつの間にかお祭りも終了したらしい。大勢の人たちがコスチューム姿のままでビールやワイン片手に歓談してるので、私もその中に混じりつつ今日何本目のビールだっけか?

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 大盛況である

 このクソ田舎に間違いな4階建ての客室数だけやたら多いホテルだが、夜にはほぼ全ての部屋に灯りが付いてたことからやっぱり今日は宿泊施設の空きは厳しかったのだと思う。例えそうじゃなかったとしても、そう思ってる方が幸せじゃないですか。

 2020年1月21日(火) 走行距離20km 累計108205km
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 エチオピア4日目 アイケルの町〜アディスアベバから北北西に約420km ゴンダールの町

 流石に標高2000mを超えてきたので朝方は涼しかった。1週間前はスーダンの地獄みたいな暑さに喘いでたことを思うとこの環境の変化には自分でも驚きを覚えるな。

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 安かったけど十分満足な宿でした

 昨夜も利用した食堂のパスタは本当に茹でたスパゲティが出てくるだけで、唐辛子みたいな付け合わせを自分で混ぜ合わせて食べるという仕様。こんな内容でもまぁ通ってしまう辺り、エチオピア食事レベルの低さを分かっていただければ幸いだ。

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 昨日の喧騒もなくなり自転車びより

 今まで大汗かいて登ってきた山だけど、ここで一旦500mの大下りを挟んで再び登り返した先にあるのが目的地ことゴンダールの町。山岳地帯を走るってのはこういうことだと分かっちゃいるが、気持ちとしては遣る瀬ない。

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 でも景色は素晴らしい

 最下点の川を渡った所から再び上り坂を最軽のギア比でヨタヨタと登っていく。地図では道中に全く町は無いかと思われたが意外に集落多くてさ、これがまぁ最高に問題になろうとは。

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 川が怖い 

 というのも上り坂の途中に村があったりするため、フルパッキンの自転車は必然的に歩いてる人と変わらない速度で村内を抜けることも多くなるのでして。何が言いたいかというとエチオピアキッズにとって格好の標的となってしまうということだ。

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 これは休憩した時の1枚だけど

 自転車の速度が遅いとこうして1度注目を集めたが最後。子供達が永遠と後を付いてくることになる。微笑ましい光景というのは側から見た話であって、周囲に群がる子供は永遠と「ユーユーユーユー」「マニーマニー」と連呼して、自転車にちょっかい出してくるわ石を投げてくるわと悪行の限り。

 向こうも悪ガキなので私が移動を止めると「反撃される」と蜘蛛の子散らす様に逃げ出すし、走行中も手の届く範囲に入り込んできたりはしない。要するに悪い意味で対応を心得ている。

 腹立てて「こっち来んな!」とか怒鳴ったりすると、その反応が面白い様で「コッチクンナー」とかオウムの様に連呼される。

 一応近くの大人が諌めようとするのだが、その子供のしつけ方が「悪さするガキに石を投げる」という行為だったりするんだよね。エチオピアの子供が外国人に石を投げるという行為の根本的な原因は大人にあると思う。

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 ストレスが凄い

 子供が「ウザい」というのは私的にそれほど問題とは感じないんだけどさ、直接的な悪さをしてくるとなればもうそりゃ笑って済ますことが出来るサイクリストなんていないだろう。ここでハッキリ断言しておくが、エチオピアの子供はクソである。その原因を作ってるのは間違いなくエチオピア人だ。

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 今日だけで20回以上は石を投げられた

 忿懣に駆られつつも昼過ぎにはゴンダールへと向かう三叉路へ辿り着く。ここから10kmほどはもう都市圏になると思われるが、それを実感したのがこのポイントから子供から声をかけられる割合が1%にまで減少したこと。別の国に来たのかと思うくらい人が緩やかになったんだけど。

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 道路は整備中でガタガタだったけども

 そうすると田舎のガキに対する教育が如何に遅れているのかという思いがある。エチオピアチルドレンの外国人見た反応は「人間の皮を被った動物の行動に近い」というのが私の感想で、要するにあの子供たちは猴と同程度なのだ。そうでも思わないとやってらんない。

 ゴンダールバックパッカーと直球な名前の安宿は、しかし旅行者が欲してる設備を一通り持ち合わせているむしろアフリカでは貴重な宿では?とも思う。まぁドミトリーでアイケルの宿代より3倍お高い値段ではあったけど。アイケルは1泊100ブル(約340円)だったもんな。

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 町の郊外にあって景色が良い

 強いイライラを鎮めるために本意ではないがビールを飲むことに。これは冗談ではなくて割と真剣に「アルコールは楽しい気持ちで飲むための物である」と思ってるので、ストレス発散で酒を飲みたくないのです私。

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 ビール!美味い!最高だ!

 楽しい気持ちでした。なんか申し訳ないとか思いつつゴンダールには少々滞在する予定。

 2020年1月22日(水) 走行距離60km 累計108265km
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 エチオピア5日目 ゴンダールの町

 目を覚まして動き出したの10時過ぎ。10日近く走り続けてたワケだし流石に疲れが溜まっていたのだと思いきや、昨日ネットのやり過ぎで寝たのが3時過ぎだったというのが原因だと思う。

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 寝ようとしたら突如Wi-Fiの速度上がったからつい

 とりあえず過去にはエチオピアの首都でもあったゴンダールの町中を観光しつつスーダンで切らしてしまったコーヒー豆を購入したい。ハルツームでかなり真剣に探したのだが見つけることのできなかったコーヒー豆だが、エチオピアといえばコーヒー発祥の土地。期待しております。

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 と、出発する前にトゥークリップを外す

 確かアメリカで新しく交換した物だが、前々から亀裂が入って余命幾ばくかという状態であった。気持ちとしては遂にご臨終か・・・という感じだが、問題なのはここがアフリカということなんだよね。下手すりゃこの大陸越えるまで新しいクリップ入手出来ないかもしれない。

 実はイスラエルで新しいクランクに交換した時、クランク長が170mmと以前使ってたのより長くなった関係でちょっと自転車を倒すだけでもトゥークリップが地面と干渉するようになってしまい「こりゃそのうち壊れるかも・・・」という予感はあったのだ。予感だけで対策何もしなかった結果が今であり、それを人は無能という。

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 とにかくゴンダール行きましょう

 町の中心部まで約5kmとそこそこの距離あるため自転車で向かったのだが、ゴンダールが坂で構成された町だということをこの時知った私であり、フルパッキンで町中まで入らず本当に良かった・・・と胸をなでおろす。

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 なんか世界遺産らしい

 周辺国にイスラム教が多い中、キリスト教が主体のエチオピアは正式名称をエチオピア正教会というらしい。ヨーロッパでみたそれとはやや異なる佇まいを感じさせる建物だと感じるが、そんなのよりコーヒー豆だっつの。

 いくつかの商店やカフェを訪ねてみるも生豆の販売はあれど焙煎されたブツが見つからない。ちょっと諦めかけてお城の周りをウロついてたら土産物屋で発見した。そんなところに売っていたとは。

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 やや高いが良しとする

 ちなみに最初のお店で600ブル(約2070円)だった豆は、3軒隣の店で350ブル(約1200円)だった。この手の土産物屋って本当にエゲツない商売してるな。

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 簡単に町中を一回りして

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 自転車置いとくの怖いし結局お城の見学はせず

 スーパーや市場で食材買い物したのだが、アボカドが1つ5ブル(約20円)と言われて6つも7つも買い込んでしもうた。こんだけ安いのならもうエチオピアの朝食ずっとアボカド丼で良いかもしれん。

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 宿が町の1番高い場所にある

 昼食済まして宿に戻り、ビール飲みつつダラダラ過ごす。本当は今日にでも自転車整備やろうと思っていたのだが、トゥークリップ外しただけで気分的に満足してしまったという。

 久しぶりにキッチン使って自炊しようと思っていたが、こちらも手抜きの炊き込みご飯で終了に。結局何するでもなく遊んでいたのだが、まぁ休息日ってのは案外そういうモノかもしれん。そう思わないとやってらんない。

 2020年1月23日(木) 走行距離16km 累計108281km
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 エチオピア6日目 ゴンダールの町〜アディスアベバから北北西に約380km エンフェラズの町

 もうちょい滞在しても良かったのだが、2日ほど走った先にあるバハルダールという町も観光地として栄えているらしく、そこにも安宿あるみたいだし・・・という理由で出発することにした。こういう適当な理由でも気軽に出発できるのは自転車旅行の利点だと思う。あとゴンダールは宿泊費が高いってのもある。

 昨日購入したコーヒー豆で早速一杯飲んでみたのだが、エチオピアコーヒーは苦味が強くても飲みやすく流石の旨さだと思う。土産物屋の適当に管理されたコーヒー豆でこのお味、エチオピアのコーヒーは期待できそうだ。

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 地味に2度ほどカフェでコーヒー飲んでるけど

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 6kmほどこのガタガタ道を走る

 一昨日左へと曲がったT字路まで戻り、今度は首都のアディスアベバへと向かう南方向の道へと自転車を進める。この道を素直に700kmほど走れば自動的にアディスアベバへ到着だ。

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 とか思ってたんだけど

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 ときどき大木が出てくるの良いと思います

 特に疑問も持たず道なりに走り続ける私。標高も2000mを超えたことでアップダウンも落ち着いたようで、流石に永遠と登り続けたり厳しい斜度を有する坂は出てこなくなった。気温も快適さを感じる範疇だし景色はすこぶる良い。

 相変わらず子供が石を投げてくるという最悪な一面はあるものの、1日休みを入れて体力・精神的にも回復してるので2日前みたく「エチオピア国民を全員肥溜めに蹴り落としたい」とかそういう気持ちまでにはならない。

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 せいぜい「そこらの馬糞を投げつけてやりたい」程度

 そんな感じで快調に走っていたが11時を過ぎた段階で次の町で食事したいし・・・と地図にて現在地を確認したところ、想定した道と全然違う場所に自分がいようとは。

 単純に道を間違えたのだけれども、エチオピアの田舎じゃ本来の道路へ戻るためには同じ道を引き返すしか方法がない。間違えた交差点まで20km以上あるのだけど、このルート全部逆走しなくちゃいかんのか・・・

 無理やり先へ進んで行き止まりの湖をフェリーに乗って進む方法もあったけど、ここエチオピアだし変に揉めてこれ以上ストレス抱えるのが嫌で素直に戻ることにした。フルマラソン1本分より長い距離無駄に走ってしまったというのは体力よりも精神的に来るものがある。

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 12時過ぎにようやく交差点まで戻る

 もうこのままゴンダールの町に戻ってビール飲んで全てを忘れたい気持ちはあるが、悔しいことにここから頑張ればギリギリ2日でバハルダールに到着できるという距離でもある。「余裕を持って2日」が「ガッツリ走って2日」に切り替わったということであり、エチオピアで楽なんか望んではならぬという天の声なのか。

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 インジェラじゃない食事は気軽で良いよね

 気を取り直して先へと進むのだが、私が前向きな気持ちでいてもそれをボコボコにへし折ろうとしてくるのがエチオピアチルドレン。コイツら本当に異様なほど目敏いというか、外国人見つけるとどんな遠くからでもワラワラと駆け寄ってくる性質がありまして。

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 大声で「マネー」と叫びながら

 なるべく関わり合いたくないので走行ペースを上げて逃げようとするのだが、接触できないと見るや石を投げてくるのがエチオピアキッズ。かといって相手をすると調子に乗って金をせがむ奴らだし、どう対応すれば良いのか分からない。

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 今日も10回以上は投石受けた

 このうち1度は投げた石が自転車にぶち当たっており、まかり間違えば私が大怪我する可能性もあるし自転車の破損だって起こりかねん。「ユーユー」とか「マネー」と喚いてるうちは面倒臭いなぁ・・・といった感想で済むけどさ、こちらに実害があるアクション起こされて笑ってられるほど私はできた人じゃないぞ。

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 なまじ走ってて楽しい国だけにさ

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 国民のクズっぷりさえどうにかなればと思ってしまう

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 コロンビアのペニョール岩みたいなのが

 独自性が強いのも特徴的だというのも結構だけどさ「初対面の人間に危害を加える」という行為は文化や考え方の違いでなく人としてあるべき最低限の基準を破ってると思うんだよね。そんな行為を何度も受けた身としちゃ「エチオピア人は平和主義者なんだ」とか笑わせんじゃねーよ。

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 本日終盤に小さな登り

 それでもこの坂道の途中でトラックが停車して「大変だな、この先まで自転車乗せて行ってやろうか?」みたいな逆ヒッチハイクを受けたりもするワケで。

 こういう親切を受ける度に「なんのかんのいってもエチオピア人みんなが悪いワケじゃない。こういう親切な人もたくさんいる(ハズ)のに盲目的にエチオピア人を全員敵視するのは間違ってるじゃないか」とか思ってしまう。

 案外私は「人を信じたい」タイプなんじゃないかと思い始めたぞ。割と性善説寄りの考え方を持ってるのだとしたら、それはこの旅行で多くの人が私を助けてくれたからに他ならないのであり、エチオピア1国でこの気持ちを覆そうなど言語道断。騙されやすいタイプという自覚はある。

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 パッと見じゃ分からん本日の宿

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 小さな町でもビリヤードあるのが特徴か

 とりあえずエチオピアで最も褒められる点は「どこ行ってもキンキンに冷やしたビールが安価で売られてる」ということだと思う。これに関しては感服するほど徹底されてるようで、この熱心さを僅かでも子供の情操教育に向けられたなら・・・と殊勝なことを思いながら今日もビールが美味い。

 2020年1月24日(金) 走行距離105km 累計108386km
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 エチオピア7日目 エンフェラズの町〜アディスアベバから北北西に約330km バハルダールの町

 コンセントが無い宿というのは稀にあるが、シャワーも水桶もない宿というのは珍しい。思い出せる範囲でボリビア入国初日の宿がそうだった記憶あるが、そういえばあの宿も料金300円代の格安宿だったな。

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 室内の蚊は全て叩き潰したので快眠でした

 従業員がやたら親切で昨日に続いて今朝も「食事は食べたか?」と気にかけてくれる。これに限らずエチオピア人は商売人こそ金に汚く嘘つきな印象があるものの、非常に親切で気の良い人が多い。子供は石投げてくるクソなのに。

 というかですねエチオピアって国は基本的に都市だとか町の方が人が緩やか・・という非常に珍しい国だと思うのです私は。旅行者が訪れないような田舎町って現地人も人スレしておらず親切というパターン多いのに。

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 スタートから楽な斜度だけど上り坂

 これが全部で400mほどのアップらしく、ちょっと気合を入れて進もうかペダルに力入れたら前輪タイヤがみるみる凹んでいく謎の仕様・・・じゃなくてパンクかよ、おいおい。

 これがスーダンで修理した部分がパッチごと裂けてしまうという症状で、パッチの二重張り嫌だし何とかならんモノかとイジってたら取り返しつかない大穴開けてしまいチューブ自体がご臨終してしまうという。トドメ刺してどうすんだよ。

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 早くも予備チューブが尽きた

 今後のアフリカ走行に不安を覚えつつ、とにかく今は目の前の坂道に集中しよう。ただでさえ上り坂では速度が遅くて自転車に子供がワラワラ集まりちょっかい出される危険性が増すのだから。

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 というか一休みの時点でこの有様

 何のかんのあれど坂道ヨタヨタ登っていくのだが、カーブを曲がったところで山側の方から拳大の石が降ってきたのには心底恐怖を感じた。

 というのもエチオピアの投石する悪ガキには2パターンいるようで、自転車が離れていく際に後方から石を投げる子供の他に、自転車を見かけたら自分の姿が見えない場所へ隠れて石を投げてくるという奴がいる。今回みたく崖の上から石落とされたりするともう怪我じゃ済まないレベルの事故にだって成り得るのだけどさ、ガキだから「取り返しのつかない行動」の分別がつかないんだろな。

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 いつかエチオピアでは旅行者の重大事故が起きると思う

 私にしたってこんなことするガキを放って進みたくはないのだけれど、荷物満載の自転車を置いて子供を追い回すリスクは極力裂けたい。付近の大人はすぐ集まってくるけど言葉が通じないため揉めるのは火を見るより明らかだし、下手すりゃ警察事案になるだろうし。

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 そういうのがエチオピアを増長させてる要因だわな

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 ミャンマーだったら頂上にお寺建ててた

 坂道下った先の町にてお昼休憩したのだが、ここでまさかの昨日逆ヒッチハイク誘ってくれたドライバーと再会する。割と規模の大きな町でレストランも20件はあったのにすげー偶然だ。

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 縁があったか

 ここで一緒に食事したのだがエチオピアでは牛肉を生で食べる習慣があるそうで、ちょっと不安を覚えつつも私も食べさせてもらうことに。まぁ日本だってユッケとかあるのだし大丈夫だと思いたい。ユッケは食中毒の問題とか色々あったハズだけど。

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 結構美味い

 肉パワーで後半戦は多少盛り返したというか、投石を受ける回数が減ったので単純に気持ちが多少落ち着いて走れただけなのか。それでも女の子から石投げられたり、まだ5歳やそこらの子供が私を見かけるなり瞬間で「マネー」と叫ぶの見てるとエチオピアの度し難い問題を感じずにはいられない。

 愚痴ばっかりなのも何なので1つ発見したことを語ると、この周辺では子供たちが私に要求する単語が「マネー」一本ではなく「ウォーター」「ペン」「バナナ」と多岐に渡るようになった。「バナナ!バナナ!」と叫びながら走ってくる子供は割と笑える。

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 1度だけ「ダシェン」と叫ぶのがいた

 ちなみにこのダシェンってエチオピアのビール商品名なんだよね。これを子供が言ったのだとしたら問題案件だし、子供に紛れて大人がビール要求したのだとしたらそれはそれで問題だろう。エチオピアなんて今のところ問題点しかないけどさ。

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 やっとの思いでバハルダールに

 途端に大人しくなった子供を横目に中心部にほど近いバックパッカー宿を目指す。この僅か2日間で何回怒りを爆発させたか分からんくらい腹立てているのであり、兎にも角にも私にゃ休養が必要だ。

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 あとビール

 もうちょっとエチオピアの知らないアレコレを見たり感じてみたいのに、怒りで周囲が見えなくなってるよなぁとは自分でも思うところ。ある意味自転車旅行における最高難易度の国じゃないかとすら思ってる。

 2020年1月25日(土) 走行距離121km 累計108507km
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 エチオピア8日目 バハルダールの町

 現在利用してる宿はゴンダールで利用したバックパッカー宿とオーナーが同じ姉妹店である。にも関わらずバハルダールの宿は料金半額の150ブル(約510円)でありながら、設備も雰囲気も素晴らしいときたもんだ。立地の良さも含めてのんびり過ごすなら断然バハルダールだと思う。

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 Googleマップだと別名のホステルが出る不思議

 午前中はダラダラとネットして遊び、お昼を前にして中庭で自転車整備の作業に取り掛かる。ここも標高2000mくらいある高地なので朝方は肌寒く外での作業を躊躇した末の行動なのだが、日中の強い日差しの下で作業する方が過酷だったと後になって気付く。

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 時すでに遅しというか作業始めちゃった

 半月前にハルツームでかなり徹底的に掃除したつもりだったのに、思わず目を背けたくなるほどの汚れっぷりを見せるロシナンテ号。基本ずっとアスファルトの上を走ってきたとはいえ、スーダン・エチオピアの土地はすぐに自転車汚れる程度にゃ過酷な道だったか。

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 ここで前後輪とも予備タイヤと交換

 パンクベルトが露出する限界ギリギリまで使い込むのも悪くないが、強いと有名なマラソンプラスでも継続使用による劣化でパンクの発生率は大きく変わる。予備のチューブを使い切った今、無理して古いタイヤを使い続けるよりパンク発生確率が低い新タイヤに履き替えた方がメリットが大きいと判断した。南アフリカまで移動すればマラソンプラスの販売店あるらしいし、多分そこまで15000kmも走らないだろうという算段もある。

 作業前と見違えるほど綺麗になったロシナンテ号を見ると私も嬉しい。更に言うと自転車の整備って見た目の綺麗さもそうだけど、整備後の乗り味が明らかに良くなるのでやり甲斐のある作業だと思うのだ。

 ただ暑い中で水分も取らずやってたからか頭が痛くなってきた。熱中症の初期症状かもしれんと思い、町歩きしつつ適当なお店でアイス食べたりジュース飲んでみたのだが。

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 このアボカドジュース

 無茶苦茶濃厚で「飲む」と言うより「食べる」と言うのが正しいジュース。これがクリーミーだし抜群に美味くて100円そこらの値段なのであり、ちょっと感動してしまったぞ。エチオピアの食関係は日を追うごとに評価上がってる気がするな。

 生ビールも15ブル(約50円)で格安なのに、ちゃんとグラスも冷やして提供してる辺り「エチオピア分かってんな!」と私は声を大にして評価したい。結局バハルダール滞在中は毎日アボカドジュースと生ビールを楽しむことになる。いや日記なので明日以降の確証ないけどこれは間違いない。

 子供も色々声を掛けてきたりするけどさ、田舎ほどしつこくも無ければ石を投げたりするような輩もいない。そもそもエチオピア人は国境付近を除いて私が困ったりしていると、向こうから声を掛けてきて助けてくれたりと親切な人が非常に多いのだ。

 一部クソガキのせいでエチオピア人は最悪の国民みたいな書き方しちゃってるけどさ、私は都市部の滞在はむしろ楽しく文化的にも興味深い感じだったりする。まして宿の居心地も良かったりすると「自転車で走りたくねぇなぁ」とかそんな気持ちが強くなる程には居心地が良い。

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 果たしてバハルダールに何日滞在するのだろうか?

 2020年1月26日(日) 走行距離0km 累計108507km
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 エチオピア9・10日目 バハルダールの町

 昨日で自転車整備を終えたこともあり、ロシナンテ号調子の確認も含めてバハルダール町中を走ってみることにした。一応主目的は自転車ショップでチューブを購入することである。

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 その前に洗濯物一式洗って干しとく

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 今日もアボカドジュース

 エチオピアにおける第3位の都市らしいが中心部の一角を除くと牧歌的な景色が広がるバハルダール。隣接してる湖はナイル川河口へと続く湖で色々観光的な名所もあるそうなのだが、そんな場所に自転車ショップはないだろうしと私が向かうは商業エリア。

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 かなり大きなスタジアムがあった

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 どこかしらショップはあるだろう

 そう思って探してみた結果、3つほど自転車ショップを見つけることは出来たのだが取り扱ってる部品がスポーツバイク用でないショップばかり。今回の場合はチューブの入手なのだが、日本で言うところのママチャリに使用されてるタイプのチューブ(英式バルブ)しか取り扱いがなかった。

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 一応1本買ったけど

 これはエチオピアに限らずだが、アフリカというのはとにかく物の種類が少ないと思う。市場に行っても同じ商品が陳列されてる店が何件も並んでいるだけでラインナップに違いはないし、自転車みたいな趣味・スポーツ関連用品なんてほとんど選ぶこともない。

 結局趣味関連の道具ってのは金銭的な余裕があるから需要も出るわけで、サッカーボールの代わりにペットボトルを使って遊んでる子供を見るようなエチオピアでは、スポーツ用の自転車用品は意味のない道具なんだろな。仕事にも使う車両関係部品店や修理店は多数見かけるだけに余計そう思う。

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 首都のアディスアベバで見つかりゃラッキーくらいに考えとくか

 あと不思議なのがこれだけビールがどの食堂でも扱われてる環境なのに「ビールを持ち帰って飲む」という行為に関しては全くと言っていいほど考慮されてないんだよね。簡単に言えば商店にはビールが売られていない。

 1つ原因として扱われるビールが瓶タイプか生ビールしかないため、外に持ち出すと回収コストが発生するから・・・というのがあると思う。この点、南米では瓶自体に料金を設定し来店時に空き瓶を持ち込むことで瓶の料金分を割引くとか工夫してたのだけど。ともかく宿内でビール飲むことが難しいこともあり自炊する気力がなかなか起きないという問題が。

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 外食安いしコレで良いやと思ってしまう


 翌日。一応チューブも購入したし体力気力もバッチリ回復したと思うけど、折角なのでもう1泊くらいしていこうかと思うバハルダール。特に何をするでもなくのんびり滞在というのは2日も続くと嫌になる私だが、1日くらいだと結構楽しい。

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 昨日スルーしたタナ湖に来てみたり

 スーダンのハルツームで2本に分かれるナイル川のうち、青ナイルと呼ばれてる川はここタナ湖の水より続いてるらしい。河口から4000kmとか遡ってきたこのポイントでもまだ水が汚いのはある意味すごいな。アマゾン川だって似たようなモンだったけど。

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 とりあえずアボカド

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 2日前に来たライダーはお昼前に出発していった

 時間もあるしキッチン使えるからと自炊でもして遊ぼうかと思ったのだが、天ぷら作ってる途中で小麦粉が足りないことが判明する。しかし大型のスーパーでも行かないことには小麦粉すら売ってないのがエチオピアなのであり、面倒になってしまいそのまま無理矢理揚げてしまった。

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 かき揚げがくっ付かない

 とにかくお腹さえ膨らめばいいや!という食事となってしまい少々残念ではある。ちなみにこの後ビールを飲みに外のバーへ外出してたりする。これが嫌だから自炊したくなかったのだが仕方ない。

 2020年1月27日(月) 走行距離11km 累計108518km
 2020年1月28日(火) 走行距離 0km 累計108518km
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 エチオピア11日目 バハルダールの町〜アディスアベバから北西に約330km ダングラの町

 楽しく過ごせたバハルダールだがそろそろ出発することにした。気持ちとしては「もうちょいここに滞在しても良いな」くらいの後ろ髪ひかれる気持ちを持ちつつ移動していくのがベストだと思ってる。満足しきってしまうとそこにもう一度再訪しようとは思わないだろうし。

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 オススメの宿ですよ

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 信号で停まったのいつ以来だっけ?

 都市圏内ですらそれほど交通量が多くない道であり、緊張せずとも余裕を持って走行できるのはエチオピアの良いところ。むしろ緊張というか集中力は周辺の子供が石投げてこないか・・・という点に集約されてる向きがある。

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 1馬力って相当なパワーだよね

 しかし町を抜けきって完全に田舎区域へ突入しても以前までと違い子供からの「マニー」連呼攻撃がない。いや正確には「ユーユー」も「マニー」にしても言われてるんだけど、その回数が圧倒的に落ち着いたと言うべきか。

 1時間に50回くらい叫ばれてたのが丸1日の合計で50回とかになった感じでさ、余りにも大人しい子供が増えたので別の国へと来たみたいに思ってしまう。

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 謎だ

 もちろん時間帯が良いだとかここの周辺のみ安定してるという可能性もあるので気は抜けないが、石を投げられないエチオピアの走行って本当に文句の付けようが無いくらい気持ちの良い土地なんだよね。もしかすると今日初めてエチオピアの走行が楽しいと感じているかもしれない。

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 バイアナットというメニュー

 やっぱりインジェラ系料理ではあるが、単品メニューでこれだけ多種類の品が並ぶ料理というのは海外じゃまずお目にかかれない。これで30ブル(約100円)とかエチオピア料理は安くて美味い凄い国だと最近は思うようになった。

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 野焼きか?

 多少のアップダウンはあれど全体的には緩やかに登っている道。まぁ登り基調とはいっても路面状況良いこともあり、エチオピアでは一旦2000mの高原地帯入ってしまえば1日で100km走るのはそれ程難しいことではないと思う。

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 気温も低いし

 ただバハルダールまでの道のりで「体力的に消耗してる状態だとエチオピアの子供に対してストレスが激しい」というのがよく分かった。たとえ「マニー」とねだられようともこちらが手を上げて何か声をかけ返すことで、石を投げられる確率はグッと低くなる。

 基本的に元気な状態ならお金をせがまれてもそこまでイライラしないものだけど、これが疲れた状態だとやたら神経に触る。そうするとぞんざいな対応になってしまい、結果として投石受ける確率が上がることに。

 そうして何度も石を投げられてると更に精神的に消耗し「こんなクソ国民とは目を合わすのも嫌だ」という気持ちになる。かくして「もうやってられん」と子供を完全無視して走るのだが、その結果益々激しく石を投げられる・・・という悪循環に陥ってしまう。

 こうした点からも時間や体力が余裕あるうちに走行を切り上げてしまうのがこの国では正解でないかと思い始めた。色々と試行錯誤してるつもりなんです個人的には。

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 早めに終了してもビール飲んでちゃ世話ないが

 兎にも角にも本日のエチオピア走行は実に楽しく走ることができた。やっぱ文句を並べるよりも色々考えて対処していくほうが健全だし気分も良い。良いことづくめではないですか。


 ・・・とまぁ、良い話風にしてるけど、私はそんなできた人間ではないのでして。「マニー」とせがんで来た子供に対して「このクソガキ!頭沸いてるんじゃないのか?蹴り飛ばされたくなけりゃサッサと失せろ!」みたいな罵詈雑言を日本語で並べ立てて言い返しているだけ。子供に対し本気で口喧嘩する35歳の姿は情けない。

 2020年1月29日(水) 走行距離82km 累計108600km
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 エチオピア12日目 ダングラの町〜アディスアベバから北西に約250km フェノーテセラムの町

 スーダンで全くネット環境無かったことを反省し、エチオピアでは入国3日目の時点でSIMカードを購入しネット接続できる体制を整えている。下手に何処でもネットできると自分を制御できるか怪しいので、SIM使うのは極力避けていたのだがアフリカではまぁ仕方ないか。

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 安くても十分すぎるほど快適でした

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 何より平屋で自転車そのまま部屋に運べるのが良い

 牧畜が盛んなエチオピアだが「これぞ牧場」という景色ばかりではなく、木々が生い茂った場所だったり急峻な山が姿を見せたりと景色の変化もバラエティに富んでおり旅行者を飽きさせない。

 こうした景色には思わず溜息の1つでも吐きたくなってしまうものだが、とにかくどんな僻地に行こうと人が闊歩してるのがこの国における別の面。5分も1人で居られることは稀なのであり、頼むからもうちょい静かに旅行させてくれないかな?

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 写真だけだと人居ないように見えるけど

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 基本的に車両や人が写り込まないよう撮ってるから

 ただ町と町との間隔が短いというのは非常に助かる点だと思ってる。宿泊施設ある規模の町が精々30kmも走れば出てくるというのは、走行プランに何かしら問題が発生してもまずリカバリできることを意味しており、しかもエチオピアは宿代が無茶苦茶安い。

 ちなみに昨日の宿は1泊70ブル(約240円)だったのであり、この値段でトイレシャワー付きの高い個室だったという凄さ。何処にでも人が出てくることもあり、エチオピアでは野宿する気が起きないな。

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 お昼の後にアボカド補給中

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 アフリカ縦断中

 アフリカ諸国もそんな道の数多くないし、こうしてサイクリスト同士が路上で出会う確率は低くないと思っているが、このジョージの場合は私が昼食休憩中に目の前を走り去ってしまい「ニアミスしたか・・・」と思った直後、町の郊外で休憩してた彼に追いついたという流れがある。縁があったということか。

 同じ方向に走ってるので本日ゴールまでペアランして走ることになったのだが、私よりずいぶん年上だというに無茶苦茶ペースが速くてビックリした。フルパッキンなのに下り坂をTTスタイルで漕ぎまくる人初めて見たぞ。

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 登りなら何とか追いつける

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 なんかイベントやってた

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 エチオピア正教関係なのは教えてもらったけど

 だから今日は教会の前とかでやたら信者の人がお布施くれって連呼してたのね。白装束の人たちが何故かカラフルな傘を広げて「ここにお金入れてくれ」ってやってるんだけど、そのお願い内容がエチオピアキッズの異国人見つけるなり「マネー」を連呼するのと同じなので、最初は「この地域は大人でもみんな乞食行為してるのか・・・」くらいに思ってた。

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 お互いもう少し考えた方が良い

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 下りだとあっという間に置いてかれる

 しかしジョージはもう何年も自転車旅行してる経験豊富なサイクリストで、ペアランといえど下手にペースを遅い方に合わせたりはしない。それやられると両方が自己分のペース乱して余計に疲れるしストレス溜まる結果になるため、お互いのペースを知らない場合は適度に放って走ってくれる方が気楽で良いのだ。

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 それはペアランと言うのだろうか?

 午前中で稼いだ標高を後半40kmで全放出し、そのまま下りきった場所の町にて走行終了。つまり明日はほぼ確実に上り坂からスタートだろうけど、まぁ明日のことは明日考えることにしてビール飲むか。

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 エチオピアはこのワリアビールがお気に入り

 前々から気になってた土地の治安状況とか色々な話が聞けてすごく有難い。エチオピアの感想で「子供が石投げてくるよね」と一言目にこの話題出たことがなんかすごく嬉しかった。アイツらに腹を立ててるのはみんな一緒だという事実が。

 ジョージのペースが速すぎるので今後再開できるか分からないが、割と似たようなアフリカルートをプランニングしてるしまた会えたら良いなと思いつつ。明日も5時から走り出すそうで、多分見送ることもできなそうな私である。

 2020年1月30日(木) 走行距離101km 累計108701km
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