自転車ときどき世界1周

2017年07月

 コロンビア26日目 メルガルの町〜ボゴタから南西に約160km ナタガイマの町

 山岳地帯の場合、どれほど大変かを豪語したくてつい現在標高を何度も書きまくってしまうのであり、別にそんな情報誰も望んでいないのは分かるけれども、忘備録的にも書かずにはいられない。

 しかし今日から暫くはコロンビア平坦区域の走行なのであり、標高差ほぼ0である。標高なんて知りたくもねーよという方にも優しい低地での走行は、しかしひたすらに暑さとの戦いだとも言える。

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 Wi-Fi速いし宿から出たくねーな

 キッチン使わせてもらえたので、すごく久しぶりに朝からコーヒー淹れて楽しむワケだが1杯飲んだだけで既にTシャツ汗まみれ。これはこの後の展開に不吉な予感を感じさせる。

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 中央部の平野は川が多い

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 ここの交差点

 ボゴタから南西方面に向かって走ってきたのだが、ここで南へと進路を変える。当初は西へと向かって再び峠越えするつもりだったのだが、ちょっと南下して砂漠でも見に行こうと心変わりしたもので。

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 とりあえずネイバの町がチェックポイント的な

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 楽器は打楽器が1番好き

 左右を山脈に囲まれているからか、道路がひたすら直線的に延びている。こういう果てしないまっすぐ系の道って地平線まで見渡せるとテンション上がるんだけど、中途半端に植林されてたりで障害物があるとツマラナイ道の筆頭になりやすい。というかツマラナイ。

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 写真は開けた風景ばかり撮るけどさ

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 案外風光明媚なポイントは少ないんだよこれが

 でもまぁそれは悪いことばかりではなくて、木々が植えられていることで厳しい太陽の日差しを遮ってくれるという大きな利点があることも然り。文句ばかり言ってちゃダメだよね、それによって得られることをキチンと感謝しなくては。

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 まぁ今日は曇りだったので全く感謝していない

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 時折通り過ぎるデカブツが楽しい

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 こういう景色はちと勘弁してほしいぞ

 地図アプリには道1本しか描かれてなかったナタガイマの町へ向かう。そろそろコロンビアでの滞在も1月近くになってきたのであり、何というか地図的な情報からでも「こんな町だけど実は大きい!」的な謎の感覚がある。

 実際ナタガイマはホテルも5〜6件あるし中央広場でFreeWi-Fiが飛んでいるような割としっかりした町だった。適当な勘ではなく、その国の(主に田舎を)渡り歩いた経験から来る予感を私は割と信頼している。そんでときどき酷い目にあう。

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 コロンビアはレベル高いよね

 明日は予定変更した要因となる砂漠へ。自転車で走ってればそれで楽しい私であるが、思ってたよりコロンビアでは観光することが多くて自分でもびっくりしている。

 2017年7月22日(土) 走行距離106km 累計64776km
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 コロンビア25日目 ボゴタの町〜ボゴタから南西に約80km メルガルの町

 そろそろ自転車乗りたくなってきたのでボゴタの町を出発しようと思う。この1年ほとんどを暑い日で過ごしてきたこともあって、かなり涼しいボゴタを出立してしまうのは少々悲しいところもあるのだが、この先も涼しい場所はたくさんあるさ!峠を登り切れば。

 なおこの宿は朝食が付いてくるのだが、あまりにも量が少ないため昨日のうちに食材の残り物で炊き込みごはんを準備しておいた。ちゃんと走る日にはしっかりエネルギーを補給しておきたい。

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 なお作りすぎた模様

 お腹も膨れたのでボゴタ脱出の始まりである。一応、昨夜のうちに町を脱出するルートは組んでいるが、実際に走ってみるとそう簡単にいかないことが多い。大方の原因は酷すぎる交通マナーのせいなのだが。

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 排気ガスも酷い

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 この自転車道がすぐ途切れるんだわ

 20kmほど走ってようやく交通量も落ち着き、いよいよここから溜まりに溜まった2500m分の高度貯金を解放すべく下り坂に備えるでござるよ。

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 と思ったら登るんかい!

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 地味に200mも登らされた

 気を取り直してダウンヒルのスタートである。現在走っている道は国道40号線なのだが、この道がすこぶるよろしく下り坂が楽しいのなんの。

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 片道2車線+側道有りの道だから

 基本的に峠って山を削って作っている関係上か道路幅に余裕がない道が多いのであり、特に標高2000mを越えてくるこれほど立派な道路というのは日本とかじゃありえない。

 そんな長距離ダウンヒルの邪魔者がエンジンブレーキ効かせてノロノロ進む大型トラックなのだが、1車線だとトラックを抜くのが難しくて渋滞の原因となってしまう。

 んで重量級自転車ってのはその重さからブレーキかなり強く握る必要があるため、いつまでもゆっくり降ろされると両手の握力無くなったりして非常に危ないのだ。単純にフラストレーションも溜まる。

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 しかしこの道なら全く問題ない

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 牛さんもニッコリだよ

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 合計10台以上はぶち抜いてやった

 1450mで一旦下り坂が落ち着いた後、100mほど登り返して再びダウンヒル。この前のメデジン→ボゴタの下り坂と違い、登り返しも僅かだし緩やかに下りていく坂道は距離も稼げて気持ちいい。これは最高の気分である。

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 ずーっと緩やかな下り

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 しかし気持ちいい景色が続きますね

 標高500mまで一気に降りてきたのであり、思うことはただ1つ「なにこの暑さ?」ということ。いやいやこんな環境じゃ私自転車で走れないよ。

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 植生が徐々に変化していくのを見るのは楽しい

 ほとんどペダル回さなかったからか昼食摂ることもなくメルガルの町でゴールとする。全然知らなかったのだが、やたらリゾートの町であるようで安宿探すのにすごく苦労したぞ。

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 しかしとんでもない暑さだな

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 夜の方が人が多い 

 とりあえず冷えたビールが美味い下界の地。ここから暫くは標高低い場所が続くのであり、早くも山に戻りたい・・・って、何だかちょっと前にも似たようなこと言ってた気がするな?

 2017年7月21日(金) 走行距離113km 累計64670km
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 コロンビア24日目 ボゴタの町

 朝になってから知ったのだが、7月20日はコロンビアにおける国民の祝日であった。平たく言えば「ほとんどのお店が閉まっている日」ということで、新市街までバーナー買いに行こうと1日余計な滞在を鑑みていた私の目論見は早くも崩れ去ったことを意味している。

 正直体の疲れは取れたので準備して走り始めても良いのだが、もう気持ちが「1日休み」モードに成っているのを立て直す気力は私にはなかった。ということでボゴタ延長戦は果てしなく無駄な1日を過ごすことになる。

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 午後は町中ぶらついたりもしたけど

 折角なのでメデジンでも度々見かけたぷくぷく芸術家であるボテロ氏の美術館へと足を向ける。私は芸術的な教養はまったく持ち合わせていない人だが、黄金とかエメラルドの博物館よりは見た目に面白いものが見たい。入場料無料だし。

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 ということで美術館へ

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 ボテロ氏の作品が半分強くらい

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 やたらとフルーツの作品が多かった印象

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 太ましい 

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 史上最高に可愛くない猫だわ

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 人物画はみんな揃って目が怖いんだよ

 かなりの作品数が展示されているし、写真の撮影も自由で随分サービスが良いと思わせる美術館。まぁ博物館的なのはそこそこ行ったけど、絵画を主とする美術館ってどういうのが一般的なルールなのか知らないのでこれが普通か分からないのだけど。

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 もう半数くらいはボテロ氏の所有していた絵画(等)の寄贈品

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 ピカソすげーなと思ったのが、この作品だけ雰囲気が違ったこと

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 額縁が立派だったからか?

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 個人的に1番好みだった作品

 思ってたよりも満足でした。帰り道でちょっと歩いていける距離にある登山用品店にも行ってみたけど案の定シャッター降りてたし。もう今日はミュージアムで芸術性を高める日だったということにしておきたい。

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 こういう路上パフォーマンス的な絵の方も良いと思っちゃうのだけど

 感受性高まってる気分なので、夕暮れになったところでボゴタの夜景を堪能しようとケーブルカー乗り場へ。これをボゴタ滞在のハイライトとするつもりでテンション上げて行ったのだが、祝日は5時半で運行終了であった。夜景見れないじゃん!

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 持って行き場を失った芸術的気分

 それどころかレストランからスーパーまであらゆるお店が早い時間で閉まってしまい、まさかの食糧難に陥る羽目に。

 結局どうにか開いてたパン屋でドーナツ買ってビール飲みつつ迎えたボゴタ最終日。合わないことすると痛い目を見る・・・というヤツでしょうか?

 2017年7月20日(木) 走行距離0km 累計64557km
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 結構長い期間を旅行して回っているのだが、当然ながら出立当初とは考え方が違ったり、旅行に対する思いも変わってきたりする。そうした変化は新しい刺激を受けることで培われた感情やれ知識なのであるが、これを成長と呼べるのかどうかは難しいところだと思っている。

 「旅は人を成長させる」というのは何処かで聞いた気がする言葉だが、私はそうは思っていない。別に人様のことを上から語れるような立派さを持ち合わせてはいないが、それでも旅行中に溜息つきたくなるような人にも出会ったし、そもそも成長というのは長い時間をかけて「他人が」見定めるものだ。

 私にとってこの自転車旅行は初めての海外だったのだが、やはり本やネットといった情報と自身が実際に見て体験し味わう経験とでは、その経験は大きく異なる。見聞を広げるという意味では間違いなく世界が広がったと思う。

 そうした意味で海外旅行は特別な経験だと言えるかもしれないが、その体験をすることが成長につながるとは限らない。

 何故なら人が育つためには経験で得たことを汲み取り、それを自分の糧にしなければ意味がないからだ。

 だから海外を旅行することで成長できる人もいるだろうし、全く成長しないで終わる人もいる・・・というのが正しい表現だと私は思う。

 そしてそれは旅行なんぞしない日常生活でも同様であり、成長する人というのは眼前の出来事を経験することで、学び・考え・対応していく。

 つまりいくら外的刺激に溢れた旅行をしてようとも自ら学び取ろうと思ってない者は、たとえ世界1周しようが「海外すごかった!」で終わってしまう。それは旅行という遊びとして間違っているとは思わないけど。

 だから私は旅行に出ることを「特別なこと」として語るのが嫌いだ。確かに旅行、それも年単位で海外に出たりすることは多大な労力と行動力が必要ではあるが、それが仕事や日常を続けている人に対して優れていることではない。言うなれば、楽しいこと・・・だわな。


 そんな私は確かに旅行をして色々と思うこともあるし考え方が変わったところもあると思う。でもそれは仮に仕事を辞めずに続けていた私にも何かしら得るものがあったろうし、そうした環境から受けて現れる違いというのは「成長」ではなく「変化」だと思うのだ。

 なので、せっかく知らない世界を自転車で回るという面白おかしい体験をしている自分が、この経験を糧にして成長できるようありたいと思っている。海外旅行は遊びだけど、遊びだからこそ本気で真剣にやるべきだし、遊びで成長しちゃいけない道理はない。


 ただ、これだけ語っときながら海外に出たことで1つ明確に思うことがある。

 それは「人に優しくなりたい」と思うようになったこと。

 本当に見ず知らずの人たちから途方もなく親切にしてもらうことを数多く経験してきた。彼らのほとんどは恐らく2度と会うことのない人たちであり、ただ私という1人の旅行者に対して良くしてくれたのだ。

 そうした気持ちというのは伝わる、そして私も伝えたくなる。だからきっと旅行は人を優しくさせる。

 多分私は海外旅行に出たことで、出る前より少し優しくなれた。
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 コロンビア22・23日目 ボゴタの町

 さてダラダラするぜのボゴタの町。自転車旅行ってのは目的地に行く「まで」を楽しむ旅行スタイルなので、都市部に行くことを嫌う人や行っても何するわけでない人が多い。

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 やる気なし 

 私も例に漏れずというか、都会では精力的に動いてガンガン観光して回ろうという意欲が薄い。自転車乗るにもストレス満載なボゴタの町では使いたくないのであり、必然的に宿での時間が増える。そもそも自転車置かせてもらっている場所が3階の廊下なので、下階に運び出すの面倒臭い。

 そんなワケで午前中はひたすら自転車の掃除に精を出していた。屋上テラスにスペースがあるため持ち運ぶ必要がなかったからという理由ではない。

 ドミトリーだけど1人なので気楽

 部屋でダラけるのにも飽きたところでちょっと町中を散歩する。ボゴタの安宿街は観光スポットの直近に位置しているため、徒歩で博物館とか中央広場とかに行ける絶好の立地らしい。

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 でもまぁ適当にフラつく

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 発見して興奮したのが古書店街

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 もちろん全てスペイン語の本だけれども

 コロンビアに限らず超先進国でもない限りは本屋という存在は、かなり希少なのだということに気づいたのは海外旅行を始めてからである。

 だがたとえ読めなくとも私は本屋という雰囲気が好きなのだ。古本屋とかだともう最高である。不思議なのは図書館ではそういう雰囲気を全く感じないこと。なので現状図書館は充電とWi-Fi利用するためにある施設の域を出ていない。

 ちなみにボゴタの旧市街を歩いて分かったのだが、この町は各区画に何かしらの専門店が固まっている傾向がある。とりあえず自転車店・電子機器・メガネ屋・スポーツショップと4種類の専門店街は確認した。本当に何やってるんだろね、私は。

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 なお夜はカレーライス


 翌日。午前中は昨日に引き続きダラけて過ごし、午後になってから行動開始である。

 というのも昨日で貴重なカレー箱を使ってしまったワケだが、それはボゴタで日本食材を売っている店があるからなのだ。これは是非とも行かねばなるまい。

 そういうお店は北部に位置する新市街の方にあるようで、トランスミレニオと呼ばれる町中を走る専用レーンを持つ市内バスにて移動する。自転車は下階に降ろすのが面倒なのでお留守番だ。

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 やたらと長いバスである

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 10kmくらい移動した末にようやく到着

 このHIPERMARというお店は日本食材屋ではなくアジア系の食材も扱う海鮮系のスーパーらしい。なるほど店内は冷凍された鮮魚が多数陳列されており、そんなお店だが私が探してるのはカレーだとか乾麺とかなのでして。

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 まさか納豆が入手できるとは思わなんだ

 ホクホク顔で帰路につき、宿のスタッフから近くにキャンプ用品を扱っているお店を教えてもらう。MSRのバーナー欲しいのだけど、発見できたらラッキーくらいの気持ちでして。

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 駄目だ〜

 全然大したもの扱ってないでござる。悔しくなってしまったので、新市街にある登山用品店を幾つか見て回ろうかとお悩み中。しかし本当に全く観光しない2日間だったな。明日くらいは色々見て回るべきか、買い物を優先させるべきだろうか?

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 現時点でまだ迷ってます

 2017年7月18日(火) 走行距離0km 累計64557km
 2017年7月19日(水) 走行距離0km 累計64557km
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 コロンビア21日目 サービスエリア〜コロンビアの首都 ボゴタの町

 もう無茶苦茶に体がダルい。流石に休みなしで連日アップダウンの道を走っていては疲労で疲れ切ってしまうようだ。RPGとかだと宿に1泊するだけで主人公たちの体力は全回復するのが常なのだけれど、現実はそんなに甘くない。

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 むしろ居心地いいこの宿もう1泊したい

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 レストラン以外何もない場所だけど

 何もない場所で食料ほとんど携行してないため、朝食は当然レストランとなる。昨日たくさんお菓子をくれたオバちゃんが「朝食はサービスしてあげるわよ!」と言ってくれたので遠慮なく頂きに参りました。

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 コロンビアは朝からしっかり出る様子

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 出発前にはコーヒーも頂きました

 こんだけ良くされたとあっちゃ、弱音吐いてボゴタ着けませんでした・・・なんてのは許されない。多分オバちゃんはそんなの気にもしてないだろうけど、私が気にするので今日は本気だ。ボゴタへのラストラン、参りましょうか。

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 スタート地点が2000mだから暑くはない

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 2時間登って13km 上り坂なんてそんなもんです

 なお太陽が出ている状況であれば標高2000m程度じゃ寒いとは思わない。実際にロシナンテ号で上り坂走っていれば、この程度では普通に汗が噴き出してくる。2500mを超えると流石にほとんど汗かかなくなるけどまだTシャツ1枚で活動している。3000mだと下り坂では上着羽織るかな?という感じ。

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 今回は2650mでフィニッシュ

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 そこから大平原地帯が続く

 ずっと坂道登り続け、そこからいきなり大平原という光景は不思議な開放感があった。登れば登るほど平野は小さくなるのが常だから、感覚的なギャップなんだろうけどそういう理屈抜きに「山を登った先にある平原」は気持ちが高揚するものだ。

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 ただし天気は下り坂

 昼食休憩の最中に雨に降られたのは運が良かったのか悪いのか。雨が止んだ間隙を縫って急いでボゴタの町へと走ろうと思いきや・・・

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 パンク!しかも珍しく前輪が!

 ということで開き直ってまったり進むことにした。町に近づいて交通量増えたし、もう今日中のゴールは確実だろうし。

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 さぁ大都市のクソみたいな道を抜けて宿へ向かうか

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 通り沿いに50店くらい自転車店が

 しかしボゴタ走りづらい。メデジンも大都市だったと思うけれど、ボゴタは町の規模が違いすぎる。まだ宿に到着もしてないのに、もうボゴタの町へ来たことを後悔し始める程には交通状況が悪いといえよう。

 イライラしながら走っていたのだが、ふと立ち並ぶビル郡に囲まれた場所にあったのは・・・

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 オクソオォォオォオォ!!

 何でメキシコのオクソコンビニがこんなところに!?いやもう古い友人に偶然出会ったような驚きを感じたよ私。スケール小さく語るなら、北海道で圧倒的シェア率を誇るコンビニのセイコーマートを茨城県で偶然見つけた時の気持ちに近い。「何でお前がこんなところに?」っていうヤツだ。

 それはともかくやっとの思いでホステル到着。とりあえずボゴタは治安悪そうだったし疲れてるしでまったり過ごそうかと思います。

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 夕食は自炊する方向で

 2017年7月17日(月) 走行距離67km 累計64557km
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 コロンビア20日目 グアドゥアスの町〜ボゴタから北西に52km地点 サービスエリア

 ボゴタへの峠道、2日目。というかアップダウン含んでいるとはいえ丸1日以上も坂道走り続けるというのは広大な南米ならではの貴重な経験ではなかろうか?とか思い始めてきた。そんな苦しい経験したくないけど。

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 朝起きる瞬間が1番しんどい

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 中庭が面白いホテルでした

 なお町を出たと同時にもう上り坂。こういうのって多少のウォーミングアップ的なモノとかあるのが優しさなのではなかろうか?スタートして1kmも走らないうちに、最軽のギアに合わせてヨタヨタ登っていくのはどうなんでしょう?

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 標高1000くらいあるのでそこそこ涼しい

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 今日はコロンビアで何かイベントの日なのだろうか?

 ひたすら登って1800m地点の頂上へ。一気に展望が開けて実に気持ち良い。気持ち良いのだが、何故だか先へと続く道が遥か下方ん延びているのですが、やっぱりこれから下り坂ですか。

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 アンデスは甘くない

 稼いだ高度貯金をすべて使い果たすどころか出発地点より下がるという、朝の私が登った苦労を返せと文句言いたくなるよ。ボゴタへ向かっているはずなのに、標高さがって遠のいている気がする不思議。

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 食堂のおばさま方からみかん4つも頂く

 みかんパワーで気を取り直し、今度こそボゴタへ向けてのヒルクライムだ。現時点で標高が850mなので、2500mに位置するボゴタへは距離的に見てもこれが最後の上り坂だろうし。てか、そうでなかったらヤバすぎる。

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 何もかも忘れて泳ぎたい

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 この家族から炭酸水頂く

 しかし毎日のようにコロンビアの人たちから親切にしてもらっている事実。写真撮り忘れたけど昨日も雨宿り中にお菓子を奢ってもらったりしてる私で、こうした人たちに会えただけでもコロンビアを走ってて良かったと思えるよ。

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 標高高い場所では地味に竹が多い

 途中で教えてもらった料金所近くのサービスエリアまで走ろうと思っていたのだが、最後の200mくらい登るのが本当にキツかった。所謂「足が売り切れた」状態に近くなっていて、やっぱり休みも取らずの疲弊した足で1日2000も登るのは大変だ。

 それでも何とか走りきれたことを思うと、私の自転車登坂能力はコロンビアで結構鍛えられたのでないかと感じる。このアンデスで鍛えた足腰で、帰国したらローディ共をブチ抜いてやるか!フル積載の自転車だけど。

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 やや曇りがちになってきたところでゴール

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 宿の受付のおばちゃんがジュースの他にもコーラやらお菓子やらプレゼントしてくれる

 思ったけど今日はやたらオバちゃんから親切にしてもらったな。コロンビアで話しかけてくる人は今まで圧倒的にオッちゃんが多かったのだけど、今日に関してはオバちゃんとばかり話してた。

 だから何だ?って感じだが、私に新たな魅力が出てきたのだとしたら、それはすごく楽しいくて良いことではないか。

 2017年7月16日(日) 走行距離57km 累計64490km
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 コロンビア19日目 ラ ドラダの町〜ボゴタから北西に約80km グアドゥアスの町

 ボゴタへの道、山登り編が今日から始まる。正直メデジンからの下り坂ですら凄まじいキツさだったというのに、ここから先は上り坂ときたもんだ。ワクワクするけど勘弁してほしくもある、そんな気持ち。

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 それじゃ行きますか

 とりあえずラ ドラダの町から30kmほどは川沿いを走る平坦基調の道が続く。実は昨日の忘れ物さえなければ平坦路が終了する場所にあるHONDAという町でゴール予定だった私。

 スペイン語はH発音をしないので町の名前こそ「オンダ」なのだが、エンジン付きの2輪車も好きな私としてはHONDAの町でHONDAバイクを撮影するという、崇高で低俗な遊びをしたかったのだ。残念である。

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 吉村バイクは見つけた

 峠道に入る前にオンダの町で早めの昼食。ヒルクライム中に何が怖いって途中でエネルギー切れ起こして動けなくなることが1番怖い。ちょっと無理してでも目一杯お腹に食べ物詰めておこうと思います。どうせ2時間もすればお腹すいてくるし。

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 なおHONDAバイクを見かけない町でした

 ちなみにコロンビアではもっぱらテレビでツールドフランスの中継が放映されている。キンタナ選手というヒーローが出たこともあってか、コロンビアではサッカーに次ぐ人気を博しているらしい自転車競技。日本にいた時よりよっぽどツールの映像見てますわ。

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 スポーツ中継は言葉分からなくても分かるのが良い

 それでは私も山岳ステージへと突入だ。彼らのスピードの半分も出すことはできないけれど、こちとらフルパッキンで60kgくらいハンデ背負ってるのだと思えば労力的にはどっこいなんじゃね?

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 今日は280mからのスタート

 あまり厳しくない坂ではあるが、厳しのは道じゃなくて天気であった。未だ走行途中で雨に降られたことのなかったコロンビアではあるが、山中でずっといい天気が続いてきたのは相当運が良かったのだと思う。

 ついにその均衡が破られたというか、むしろ雨雲の中に自ら突っ込んでいったという表現が正しい気もするが雨に降られて途中休憩。

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 それほど真っ黒な雲じゃないから大丈夫でしょ

 実際1時間もかからずに天気は回復したのであり、本当に助かった。レインウェア着ながら坂上るとか暑さ2乗で体がオーバーヒートすること必至だよ。

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 今日は何処まで上れば良いのんか〜?

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 1300mでフィニッシュ!

 このフィニッシュというのは峠が終わりというワケもなく、1つ目の峠を越えて下りに入るポイントという意味。こうやって幾つかの峠を越えながらボゴタへ前進するのは分かるけど、必死に登った坂道下ろされてしまうと何やってるのかと不安になるよ。

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 前に進んでいるハズなんだけど

 疲れ切ってるけども、時間も早いしホテルにチェックした後は町中散歩する。コロンビアではこうした時間に適当なカフェとかでエンパナーダ(じゃがいも+ひき肉の見た目揚げ餃子)とコーヒーを頂くのが楽しみなので。

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 100円くらいだし

 標高上がると低地で私の体を刺しまくっていた謎の羽虫がいなくなるのが嬉しい。こいつが蚊よりも小さい割になかなか強力な痒さを引き起こし、もう両足ボコボコにされていたのだがグアドゥアスの町に到着してその症状はピタリと止んだ。

 やはり高い場所なんだよね。涼しいし虫もいないし最高だよ!ただ水シャワーはちょっと寒いので、これだけどうにかして欲しいです本当に。

 2017年7月15日(土) 走行距離67km 累計64433km
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 コロンビア18日目 ドラダルの町〜ボゴタから北北西に約120km ラ ドラダの町

 いやいや、標高低い下界はすげー暑さで心折られそうですわ。寒いのはかなり我慢が効くのだけれど、暑いともう何もかもがやってられんと投げやりな気持ちになってしまう。とにかく朝の気温低いうちに出発しなくては・・・と眠い目をこすりつつ出発準備。

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 やたら大きな部屋だった

 焦っていたのか疲れてたのか。出発して10kmちょい走ったところで忘れ物に気づくマヌケ。慌ててUターンしてドラダルの町へと逆走開始である。

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 スペイン人なので南米旅行は楽そう

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 無事に看板置きっぱなしを確認

 この時点で本日の走行計画変更を余儀なくされたワケであるが、そんなの大した問題じゃない。問題なのは何だか後輪に違和感があるということの方でして。

 恐る恐る確認してみたら、パンクじゃなくてスポークが折れていた。しかもスプロケットという部品を取り外ししないと交換できない側のスポークが折れており、要するに自転車ショップへ行かなくては修理不可能ということだ。

 まぁスポーク1本折れたくらいでは問題なく自走できるので、とりあえずそのまま先へと進む。

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 この川が山脈を分ける最低標高地点

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 まだボゴタまで距離あるな

 ここから暫くは川沿いのスーパーフラットな道が続く。後輪が明らかにフレているわ、2回ほど怪しげな音が鳴ったのだが、確認するのも怖いし猛烈な炎天下で日陰の1つもないこの道でストップとか自殺行為だし。

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 動物だって根をあげるよ

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 左には次の山々が見えてるんだよね

 やや大きめの町であるラ ドラダに到着して自転車ショップの場所を聞きつつ探す。コロンビアって国の良いところで、恐らく人口数万人程度のラ ドラダにもちゃんとプロショップがある点を挙げたい。

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 んで、修理してもらった結果

 まさかのスポーク5本も折れてた。むしろ心の方がよっぽど丈夫だったのだと今になって思うほど。幸いにして予備スポークは20本くらいあるけれど、これは今後が不安になる壊れ方ですな。

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 すごく親切にしてもらった上に、工賃無料にしてくれた

 そのまま店員さんに安宿を紹介してもらい投宿する。ここもまた暑さ満開の部屋な上に、コンセントが接続悪くて充電できないときた。まぁ1泊500円とかで贅沢は言いませんが。

 明日から2度目のヒルクライム予定。疲れることよりも、とにかく標高高い場所へと逃げれることの方が嬉しいと思う、そんな北緯5度の赤道付近はコロンビアである。

 2017年7月14日(金) 走行距離96km 累計64366km
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 コロンビア17日目 マリニリャの町〜ボゴタから北北西に約160km ドラダルの町

 1日観光してお疲れモードだけれど大丈夫。というのも、このマリニリャの町から先は1度山を降ることになるからだ。その後にもう1度2000mとか上ることになるのは確実だけど、とりあえず今日は下り基調の楽勝な行程・・・のハズだったのさ。

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 嫌だね、オチが見えてる話ってのは

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 朝は上着が欲しくなるほどの涼しさで出発

 別に完全お気楽モードになるほどアンデスの山々を甘く見ていたワケではない。恐らくは多少の上り坂とかも混ざりつつ進むことになるのだろうと、そう思うほどには私だって現実が見えていたさ。

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 綺麗な景色も見えていたさ

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 クライミングなんてそこらで出来そうな気がするけど

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 写真撮るのは良いけど住みたくはない家

 本格的に下り坂入る前にバシバシ写真撮影していたら「お前はどこから来たんだ?」とか呼び止める人が出てくるのがコロンビア。そのままコーラを奢ってもらうのは普通じゃない出来事だと思うんだけど、そうした人と頻繁に出会うのもまたコロンビア。

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 それも1本じゃなくて4本

 別に遠慮する気は全くないけど、何かをしてもらったり頂いたりすることが当たり前だなんて思っちゃいない。そこら辺の気持ちってのは、こうした親切な人と沢山出会うほど強くなるというか、しっかりしておくべきなのだと感じる。

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 しかしダウンヒルはそれなりに大変なんだぜ

 上り坂で必要とする力が体力と根性であるならば、下りは技術と集中力の世界。コロンビアの道路はそこそこ路面にギャップがあったりするのであり、時速60kmとかで下手に突っ込んだら良くて大クラッシュに怪我のオマケ付き。下り坂は精神力を使うのです。

 とはいえ楽チンなことは間違いない下り坂。標高750mで川を渡ったところで登り返しとなってしまったが、まぁちょっと走れば再びダウンヒルだぜ!とか思ってました。

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 ターニングポイントの川 

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 まさか500m近く上らされるとは・・・

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 リス

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 アリクイ

 1200mで再び下るのだが、何故か750mになるとそれより下りることができずに上り坂になってしまう。というかこれじゃあ普通にアップダウンの険しい道だよ!今日は楽して進める日じゃなかったんかい!

 3度目の正直で750ラインを打ち破ったと思いきや、今度は450で登り返す。はいはい分かったよ、もう覚悟を決めました私は。どこまで登ればいいのですか?

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 まさかの1000m越えでした

 標高低くなって気温上がる中でこの坂道はキツい。でももっとキツいのが、450ラインも2度目の下り坂で跳ね返されてしまったこと。やっぱ三顧の礼で礼節整えて向かわないと坂道も下らせてもらえない様子。

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 看板動物シリーズとか作れそうな

 完全に舐めてたわ。大下りという言葉に間違いはなかったけれど、その合間に合計1000m以上も上りをぶち込んでくるとか流石アンデス。巨大ハンマーで平らに叩き潰してやりたい。

 あっという間に灼熱気候へ逆戻り。宿のシャワーが水しかなくなった低地の宿ではあるが、その分ビールが最高に美味いのでまぁ悪いことばかりではない。早くも山に戻りたいと思ったけれど。

 2017年7月13日(木) 走行距離125km 累計64270km
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