自転車ときどき世界1周

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 2016年6月26日~2017年6月27日

 訪問国数    10カ国と1地域

 走行日数    366日間

 累計走行距離  22147km 


 北中米各国のまとめはこちらから

 アラスカカナダアメリカメキシコベリーズグアテマラエルサルバドルホンジュラスニカラグアコスタリカパナマ


 他地域と同じく私が走行してきた各国において、独断と偏見で点数評価してみた。



道路交通物価食事宿治安総合
アラスカ10101111033
カナダ北部8101111031
カナダ南部109232935
アメリカ109532635
メキシコ83888641
ベリーズ76773838
グアテマラ25859534
エルサルバドル76895136
ホンジュラス66855535
ニカラグア94958237
コスタリカ58254630
パナマ74364226
日本693921039
  ※最低1点、最高10点 物価は安いほど点数高い

 自転車乗りとしての視点から感じる国の特徴であり、別に国の善し悪しについては全く意識していない。物価が高い国は宿も高くなる傾向があるし、点数が高ければ良い国という意味では勿論ない。あくまで1旅行者が感じた感想である。というか「宿」って項目が微妙だなと今更ながら思ったり(安くて設備が良いと点数高いのだが、そもそも泊まってない地域も多い)。あとアラスカの極端っぷりが大好きです。


<食>
 アメリカ以北とメキシコ以南で大きく変わる。アメリカまではレストラン料金が高いのに加えてチップ制度が存在する国のため、基本的には自炊することで済ませていた。これがメキシコに入ってからは外食中心のスタイルに変わったは良いが、田舎におけるメキシコや中米諸国の食事は超ワンパターンですぐに飽きた。そういう意味でまだメキシコはレパートリーが豊富で食が豊かな国だったが、それでも後半はタコス食べるのは他に選択肢がなくてどうしようもない場合に限られていた。

 アラスカ・カナダ北部の食品に対する高値は異常ともいえるレベルだが、カナダ南部、アメリカと南下するにつれて物価は下がってくる。スーパーの食事値段だけで見れば、アメリカのそれは先進国にしては非常に安価であるため自炊を続ければ費用はかなり安く抑えられる。ビールもロング缶で1ドル以下の物あるし。

 メキシコからはタコスの皮にも使われるトルティージャ文化が入ってきて、これはニカラグアまで形を変えつつ続く。個人的にはトルティージャの生地は薄い方が好みであり、メキシコ・ホンジュラスなどの国では比較的美味しく食べることができた。でもトルティージャ料理で私が最も好きなのはエルサルバドルで食べたププサである。
 これと煮豆を煮込んだフリーフォレスという美味くも不味くもない豆が、中米における食事で最も記憶に残っている2大食である。

 北米ではそれぞれシカゴ・スプリングフィールド・ロサンゼルス・メキシコシティと各所に日本(アジア)食材屋があったので、そうしたポイントで日本食を補充できたのが有難かった。これに対して中米では日本食材を補充できたのがパナマシティ1箇所のみであり、道中の食事ではかなりの頻度で中華食堂へ避難していた。なお中米の中華食堂はベリーズを除き、だいたい普通の食費2倍弱くらいで食べることができる。


<宿・キャンプ場>
 アラスカナダではアラスカ初日しか宿で泊まってないんだなこれが。アメリカ本土においては超大都市でもないとホステルのような宿泊施設は存在せず、その代わりを担うのが町郊外にあるモーテルの存在である。こうした宿泊施設は1泊が30とか40ドル取ってくる一方で、キャンプ場であればその費用はかなり安価に抑えることが可能。
 アメリカナダであれば相当数のキャンプ場があり、その設備も非常にレベルが高いことが多い。オセアニアのキャンプ場と同じく大型キャンピングカーの利用を前提にしているキャンプ場がある一方で、キッチンやWi-Fiが利用できることもある。反面、国が管理してるようなキャンプ場の場合は料金を安く、設備は最低限となっている。カナダ北部なんかでは1泊50ドルとか「アホか」と思う値段のサイトもあったりしたが、平均的には10~20ドルくらいで施設利用できると思う。まぁこれもアラスカ除くと無料の場所以外ではグランドキャニオンキャンプ場しか利用してないけれども。

 メキシコからは物価が安くなった関係で、かなりの頻度で宿泊施設を利用するようになった。というかメキシコ以南は治安的な関係で野宿を繰り返すのは危険だと感じたのも大きい。
 2017年現在において安宿でもWi-Fiがない宿はかなり少ない。でもシャワーは標高高くて寒い場所でもない限り冷水シャワーが基本。外国人を主要客にしているホステルに関しては100%Wi-Fiの設備があると思って良い。
 時おり冷房使える宿もあったが基本的に最安値で利用するような宿では期待しないほうが良い。エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグアの3カ国では1度もエアコンある宿に当たらなかった。なお中米の安宿は運が悪いとダニに刺される危険あり。私が1度、沖野君に会っては4~5回ほどダニの脅威にさらされている。

 コスタリカ・パナマの2カ国では物価が上がる関係で宿の料金も上がる。この区間を2人で走った私たちは料金折半できたのでそれほど痛手にならなかったが、この2カ国もかなり治安悪いと感じたので多少高い金額支払ってでも無理な野宿は避ける方が賢明だと思われる。


<気候>
 2016年は寒くて2017年は暑いのが続いたと思っている北中米。アラスカinしたのが6月26日なのだが、これはアラスカから南下するサイクリストとしてはかなり遅い出発である。私の場合はこれに加えてダルトンハイウェイ走ったり、ユーコン川下りしたりルート66走るために2000kmくらい寄り道したために、アメリカ本土に入る時点で10月を迎えてしまい毎日寒い思いをすることとなった。
 最も冷え込んだのはグランドキャニオン近郊のサンフィデルの町で、夜間に-20度・日中でも氷点下という気候であった。

 カナダにおいては8~9月でも気温が日中1桁となることは珍しくない。風にはそれほど辛い思いをしなかったが、一旦雨が降ると冷たい風とのコンボで洒落にならないほど寒くなるため要注意。
 アメリカではロッキー山脈周辺が標高2000mくらいとなるため寒さが厳しい。緯度的には日本の本州辺りとなるため、11~12月の高山地帯の気温を想像してもらえれば分かりやすいと思う。私が走った時期は雪に降られたのが2度で済んだため助かったが、これがもう少し時期がずれ込んだりするとより厳しい環境になったであろうことは想像に難くない。

 メキシコ南下を始めてからは一転して暑さと沿岸部での高湿度に悩まされる日が続いた。メキシコ・グアテマラに置いては中央部の高山地帯は涼しく湿度も低めで過ごしやすいのだが、こうした場所から標高低い場所へと移動すると体が急激な環境変化についていけなくて必要以上に疲れてしまうことが多かった。

 更に中米諸国は雨季の時期が5月からの国がほとんどで、アンティグアで雨季の時期を迎えて以後は走行中にスコールと遭遇してびしょ濡れにされる回数が飛躍的に増加した。特に1日の午後にはかなりの確率で雨が降るため、上手くスコールを軒下等で避けたとしても濡れた路面を走ることで自転車が汚れることは避けられない。
 ただし、丸1日に渡って雨が降り続けることはほとんどなかった。聞くところでは雨季の前半シーズンでは雨は降っても散発的だが、後半になると1日中降り続けることも多いらしい。
 

<注意点>
 走行における心配が少ない反面、アメリカ以降は治安的に心配な地域が続く。アメリカに関しては治安が極端に良し悪し分かれており、事前情報を取得することで危険地域に近づかないなど対応できるがメキシコ以降は田舎を除いて全体的に危険度合いが増す。
 はっきり変わったと実感したのが、銀行施設などにショットガンを構えた警備員が配置されるようになったり、一般家庭の窓が格子窓に、門周りには有刺鉄線が張られるようになったこと。中米において気楽に野宿ができるほど治安良いと感じたのはベリーズの田舎くらい。
 面白い点でメキシコに入って以降、田舎のオッさんが剥き身の鉈を持ち歩いているのを見るようになったこと。これが文化なのかもしれないが、もしこうしたオッさんが出来心で突然鉈を構えて「金を出せ」とか言ってきたらどうするべ・・・とか思わずにはいられない。恐ろしいのがこれが笑い話でもなんでもなく、実際そういう目にあった自転車乗りがいたという事実。

 ベリーズ以降の中米諸国ではコスタリカに入るまでまともなサイクルショップがほとんど存在しない。おそらくは首都クラスの大都市にはそうした先進的な自転車店もあるのだろうが、中米の首都はことごとく治安悪くて訪れるのにリスクがある町ばかり。
 アメリカ大陸南下するサイクリストであればマラソンプラスのタイヤであればアメリカ国内、自転車のパーツであればメキシコ国内にいるうちに取り揃えておかないと、これ以後の中米諸国でトラブルやパーツ交換で非常に苦労する。特にマラソンプラスは南米での入手事例が極端に少ないのであり、このタイヤにこだわりを持つサイクリストは南米を走り抜けるために大抵予備タイヤを積載している印象(これは日本人サイクリストに限った話)。

 メキシコ以南の国は運転マナーが悪いので要注意。特にチキンバスと呼ばれるアメリカのスクールバスを払い下げたバスは無茶な運転上等で危なっかしい。自転車の存在をハエくらいにしか思ってないため、平気で煽ってきたりする。
 特に中米諸国は町中でも信号の数が少なくて、交差点でも鼻先つっこんだほうが勝ち!みたいな運転がまかり通っていることもあるため注意するに越したことはない。
 私もメキシコで事故って数日寝込んでいる人なのだが、小さな町だったこともあり病院での検査はX線診察しか行われなかったし、スペイン語を訳してくれる人なんか皆無で大変な思いをした。面倒ごとに巻き込まれないためにもなるたけ安全運転を心がけたい。


<道>
 全体的にレベルが高い。メキシコ北部やコスタリカでは側道がない地域を走らさせれ続けることもあったが、自転車が走るという点における危険度合いはかなり低いと思う。
 厳しかった道は圧倒的にグアテマラ。この国の山岳地帯だけ厳しすぎる斜度の坂道が連発したのであり、挙句に自転車のキャリアを折られたりと酷い目にあいましたとも。

 他にカナダ北部では長距離の無補給地帯があるのだが、緯度が高い関係で水分携行量が少なくても大丈夫なのが幸い。そこら中に小川があるのだが、ビーバーのオシッコが原因で引き起こされる「ビーバーフィーバー」という病気があるそうなので、上流部でない場合は煮沸するなり濾過させるなりの対処をした方が良い。

 補給という意味では中米諸国の方が圧倒的に簡単。そもそも国土の小さい国が多いので町と町との距離が短いし、道中にも小さな個人商店がたくさんある。ただし中米でもコスタリカ・パナマは少々毛色が違っており、この2カ国では商店の数は減って、代わりにレストランの数が増えた。
 なおカナダ北部は別として、カナダ南部やアメリカ本土ではそれほど脅威的な無補給区間はほとんどない。少なくとも人がほとんどいないような国立公園エリアとかでもない限り、100km走って集落の1つも出てこない場所なんてほとんどない。路面状態が完璧な事もあって平均走行距離も上がるし、国土の割に走行するのは簡単ですよアメリカナダ。

 ちなメキシコは北米2カ国と中米諸国が混ざり合った印象。北部地域は町が少なく補給も大変、何より道路幅が狭くて交通量が多くて「なんて国だ!」とか思っていたが、中央部に入ると道が良くなるのに加えて町と町との距離が短縮され楽になる。

 補足として補給ポイントとして優秀なコンビニは北米3カ国にしか存在しない。中米諸国では個人商店がこの代わりをすることになるが、多くのお店が鉄格子を挟んで口頭で注文をお願いするスタイルであるため、スペイン語で商品名をある程度知っておかないとジュース1本買うのにも一苦労である。


<総括>
 メキシコに入る所で物価・環境共に大きく変化する北中米。区分としてはメキシコまでが北米になるのだけれども。自然派にとってアラスカ・カナダ北部はただ走っているだけで天国のような景色が広がる素晴らしい土地。対してメキシコ以南はラテン文化が織りなす「人」に対しての印象が強かった。アメリカはどちらも混ざり合ってる印象。
 全体的に道は良くて、食は飽きる。2017年現在で事前にビザを入手しなくてもすべての国で入国が可能というのは旅行しやすくありがたい。

 結局北中米を走り終えるのに丸1年を要しており、東南アジアの8ヶ月・オセアニア9ヶ月半と順調に走行期間が延びてしまっているのだが、果たして南米はどうなるのかと心配しつつ。
 1つ言えることは、北米で私が見てみたかったポイントは(特にアメリカ)まだまだたくさんあるのであり、じっくり楽しもうと思ったら1年なんて期間じゃ全く足りないということ。楽しませてもらいました本当に。 

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 2017年6月10日~6月27日
 走行日数 18日間
 累計走行距離658km(62659km~63317km)

◎道路
 整備状況も良いし路肩も広くて素晴らしいのだが、パナマシティが近づくにつれて一部走りにくいポイントが出てきたりもした。ダビッドの町にたどり着くまでの50kmにおいても側道がほとんどなく「パナマ大丈夫かいな?」とか思っていたこともあり、手放しでベタ褒めできるワケではない。なお中米は全て右側走行。
 この国に関しては国道1号線の状況を説明することで道路全体の8割を説明したことになると思われるが、一応コスタリカ北部側からカリブ海沿いを走れる道や南部リゾート地へと延びる主要道もあるのでこの限りではない。
 その上で中央部において標高400m以上まで登るポイントもあるし、その周辺はアップダウンの連続となっており、甘く見てると意外に大変だと思うこともある。なお東のコロンビアとは道路こそ通じていないが、パナマシティから約300km先、コロンビア国境約50km手前のヤビサという町までは普通に道が延びている。

◎治安
 中米においてパナマは治安良い方だと思っていたのだが、それは大間違い。個人的にはエルサルバドルに次いで治安の悪さを感じた国となったパナマ。
 スラム地域と新市街が隣接している環境であるため、貧富の差がはっきりと感じられるのはどう考えても犯罪を助長する要因になると思うし、パナマシティを始めとしてそうした都市が多いと思う。だから安全な場所はすごく安全なのですよ。それ故に危険な場所の雰囲気が際立つというか。
 実際私にトラブルが起きてはいないが、目の前で流血沙汰の事件が起きたり食堂のおばちゃんが「昨日強盗に入られちゃってねぇ」とか会話に出てくる土地が安全だとは思えない。
 ちょっとカメラが欲しくて巨大フリーゾーンのあるコロンの町まで行こうかとも思ってたのだが、コロンは「ものすごく危険だぞ!」とパナマ人が注意してきたこともあり自重した。下手に行ったりしなくて良かったと思っている。

◎ビザ・出入国
 パナマの入国は非常に面倒らしく、現金500ドルか銀行の残高証明証&出国のフライトチケットが必要であると聞いていた。実際にはこれらのどちらも確認されることなく簡単に入国することが出来たのだが、まぁ係員の裁量次第かもしれず真偽の程は定かでない。とりあえず2人とも審査に関してはザルだった。
 なおコスタリカ側国境付近でとりあえず現金だけでも降ろしておこうと銀行ATMでキャッシングトライしたのだが、コスタリカで「1日における引き出し限度額を超えています」というメッセージが出て引き出すことができなかった裏事情がある。
 補足としてヨットクルーズを利用していると、キャプテンが乗客全員のパスポートを持って出国手続きをやってくれるため、パナマの出国に関しては何処のイミグレーションを使ったのかすら分からない。てきとー

◎交通事情
 なぜかパナマを横断する国道1号線には大きな交差点でも信号機が作られてないことが多い。にも関わらずパナマ人ドライバーは非常にマナーが悪いし運転も荒い。バス運転手のみならず、トラックもかなり無茶な走行してるし渋滞があると平気で自転車が走ってる側道でも御構い無しに入ってきてぶち抜こうとするし。
 クラックションも結構鳴らすし私はパナマドライバーのイメージがすこぶる悪い。結構自転車に「先行きな」という感じで譲ってくれる車両もあったのだが、アホドライバーの無茶苦茶運転が多くてそうした良いイメージを完全に覆している感じ。

◎特徴
 1、エルサルバドルのように通貨は米ドルが使われているのだが、1ドル以下の小銭に関しては独自のバルボアという通貨が使用されている。理由は分からないが、アメリカのセントコインで支払おうとしたら拒否されたことが2~3度あるので最初はアメリカセントは使えないのかと思ったりもした。使えるみたいだけど。
 2、道路的な問題で陸路でコロンビアへと通過することができないというか、通じる道が存在しない。このため旅行者の多くがパナマシティから船なり飛行機なりを使ってコロンビアへと移動する。これに関してはこちらでまとめている。

◎気候
 やはりというかジャングル地帯における高温多湿で不快感強い気候である。1日の午後になるとバケツの水をひっくり返したような猛烈な雨が降ることもままある。割と内陸方面に道が延びてることもあり、エルサルバドルやコスタリカより多少は暑さが凌ぎやすいと思うのだけども。

◎言語
 スペイン語を基本としつつも大都市ではそこそこ英語が通じる。あと華僑パワーが非常に強いのでその人たちがよく中国語を話していた印象が強い。
 とりあえずホステル系の宿では英語ができない受付の人はいなかった。これを安心といえるかどうかはともかく、中米諸国全体で見ればかなり英語の通用度合いは高い方だと思う。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 コスタリカとどっこい程度。よほどの田舎でなければ町に1つくらいは宿があったと思う。1泊は13~15ドルくらいで泊まれたが、これは2人で割った結果の料金でありベッド2つの部屋がないと言われて床にマット敷いたりして寝た宿なんかもある。マット敷いてたのは沖野君だが。
 お金出して泊まった宿には全てWi-Fiがあったし速度も高速でストレスなかった。パナマシティのホステルなんかは宿泊客が多く、そうした宿では大概Wi-Fi速度が遅くなってるの常なのだがそうした問題も一切なし。
 パナマシティにおいては町中の至る場所にFreeWi-Fiスポットがあり、バス停なんかでも使えたりとかレベルの高さを感じられる。
 それなりのカフェとかでも大抵Wi-Fi使えるとシール張られてたし、ファストフード系のお店はきっとイケるのでしょう。宿に泊まっているとそうしたポイントでWi-Fi使おうとしないため、あんま利用しなかったけど。

◎犬
 割と凶暴。いい感じで数百mに渡って追いかけてくるアホ犬が一定数いる。ただパナマは平坦路が多かったためか、走行中に追いつかれる危ない場面となったことはなかった。沖野君はあった。

◎自転車店
 レベル高いショップが多いし、それなりの規模の町なら数店舗くらい簡単に見つけられる。グアテマラからずっと探してきた26×1.75というサイズのチューブがようやくパナマで発見できたことからも、中米において最もパーツが揃っていると言っても良いのでなかろうか(コスタリカはMTB関連のパーツばかりが多いので)?
 もしかしたら・・・と期待したが、パナマにおいてマラソン系の強いタイヤを扱っている店は見つからなかった。

◎物価・食事
 コスタリカと比べると比較的安いが中米全体で見れば相当に高い。普通の店で食事すると3~5ドルくらいが相場。中華食堂だとこの倍くらい取られるのだが、結構パナマでは中華食堂行ってたな。
 他の中米諸国と違いカウンターに調理済の食材が並んでおり、欲しい物を選んでそのままレジにて清算するスタイルが多い。なおどこの食堂に行ってもキンキンに凍らせた水をセルフで好きなだけ飲めるのが有り難い。
 ビールは国産の物が主要4種類ほどで、350ml缶の場合は1本60円ほど。パナマ通貨でもあるバルボアを始めとして暑い地域にしては味がしっかりしたビールが多かった印象である。

◎総括
 アラスカから南下してきたサイクリストの場合、パナマシティがとりあえずのゴール地点としてあるためか脇目も振らず一直線という印象が強い。実際、観光的に呼べるポイントも面白そうな寄り道ルートもあんまりないのだけども。
 とりあえずパナマシティに到着すると、その巨大なビル群に圧倒される気持ちにはなる。物が壊れてしまうと新たに買い直すことが難しい中米諸国において、パナマシティならばかなりの物品を整えることができる(アウトドア用品除く)というだけでも価値が高い。実際、最新の防水カメラがここで買えるとは思っていなかったし。
 とりあえずパナマのイメージを一言で表すならば「やっと着いた」という感じである。
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 2017年5月29日~6月10日
 走行日数13日間
 累計走行距離674km(61985km~62659km)

◎道路
 いったいどうしたことなのか、コスタリカの道路は一部の主要道路や高速道を除いて側道がほぼ存在しない。しかも道路幅も狭いため、車両の追い抜き危険が一気に跳ね上がる結果となった。それほど交通量はないとはいえ、トラック同士がすれ違う場合などには生きた心地がしないほどスレスレを通過されるのでシャレにならん。私が走った道では国道34号線ではどうにか側道が続いていたが、それ以外の道においては全く考慮されていない道であった。
 さらにニカラグアから入って坂道が圧倒的に増えたしアップダウンの斜度も厳しいものが多い。幸いにしてかなり小さめの道路でも未舗装になることは少なく、路面状況も良いので走る分には何とかなるが。
 あとホンジュラス・ニカラグアで見なかった邪魔者のトーペがちょこちょこと姿を表すようになった。数はそれほど多くないとはいえ、坂が急角度なのでかなりおっかない存在であることに変わりはない。ナンテコッタ。

◎治安
 これは難しい。北部に位置する3カ国より明らかに町の雰囲気は良くなったように感じるのだが、町中における家々の防犯レベルは以前高いままである。経済レベルが上がったから、「夜に出歩く」とか「腕時計を身につける」みたいな行為を多くの人がしているのを見たし、そうした行動がまぁ許されるレベルになってきたと感じる一方で、この国では割と多くの人からトラブルにあった話を聞いた。
 防犯レベルが高いのに加え、貧富の差が激しい方が治安は悪化する傾向にあるため、物価が高くともコスタリカではテント泊をするのは控えて無難に宿に泊まっていた。
 実は日本人の海外サイクリストは結構コスタリカの国で犯罪被害に遭っているのだが、その遠因に一見すると治安が良いよう見えることと物価が高いことからテント泊をしてしまうことがあると私は考える。

◎ビザ・出入国
 問題なし。入国ではなく出国時に8ドルが必要となるのだが、この手続きが私の訪れたパソ カノアス国境では道路対面にある別の建物にて行われており、かなり探し回ることとなった。あと出国時にツーリストカードに内容記入を求められたのだけど、もう出て行くのにその国のツーリストカードを記入させる理由が分からないのですが。
 なおニカラグアから入ると、まずこのイミグレーションの立派さでコスタリカという国のレベル高さを実感することになると思う。

◎交通事情
 とりあえずクラックションを鳴らされることがほぼなくなった。だが町中での運転はかなり自分勝手な走り方をする人が目立った印象もある。特に小さな道でもスピードを落とさないで走る車が多いので要注意。
 道路に側道がないというハード面の問題が大きい気もするが、自転車を追い抜きする際に大きく避ける車両が減ったと思われる。特にトラックはスレスレを抜けてくることも多くて胆を冷やす場面が何度かあった。
 反面、バスの運転が非常に紳士的になったのが印象深い。だいたいどの国でもバスは最低な運転マナーをするのだが、彼らの運転マナーが良かった国は総じて先進諸国でった。このことからコスタリカという国が非常に高いレベルを誇っていることが伺えると思っている。

◎特徴
 かつて中米の楽園と呼ばれた国。この背景には安定した治安や豊かな経済、軍隊を持たない国といった特徴から言われているとのこと。
 ことの真偽はさておき、確かに軍隊は存在しないがその点警察組織が非常に強い権力を持っているようで、普通に軍事キャンプみたいな場所で重火器の訓練っぽいことしていたりと、きれいごとでは済まされない部分がちらほら見え隠れする。
 治安に関しては別項で歌ったので置いといて、経済においても隆盛を誇っていたのは3~40年前だったというのがこの国に住んでる人の弁である。当時は1ドル=5コロンくらいで現在の100倍くらい貨幣が強かったのだそう。
 ということで、個人的にはコスタリカは楽園というほどではないかと思う。良いところもそうでないところもある普通の国でした。

◎気候
 かなりの頻度で雨が降る。この雨も短時間に一気に降るスコール的な場合もあれば、半日近くに渡ってしとしと降り続ける梅雨みたいな雨もあったりして、読み間違えると悲惨な目にあう。
 一応午前中の時間帯は雨が降らないことが多いので、雨季のコスタリカを走るのであれば朝早くの走行を心がけることが重要ではないかと。
 国中央部は山岳地帯で標高高い場所が多く、それほど暑さは気にならない。反面、沿岸部で海抜0mが近いポイントで峠を登らされた時にはあまりの暑さで熱中症になるのでないかと不安を覚えるほどに暑すぎる。特に山を降りてきて気候が一気に変わると体へのダメージも大きいと思われるので注意した方が良い。

◎言語
 スペイン語なのだが、他の中米諸国と比べると英語を話せる人の割合がかなり高い。聞いたところではコスタリカ政府は教育に関して力を入れているらしく、教育費に対しての費用がかからないとのこと。このためコスタリカは中米で識字率も抜群に高い数字を残しているし、こうした点に英語を話せる人が多い理由があると考える。
 またコスタリカの観光地限定ではあるが、アメリカからの移民が結構な割合で移り住んでいるようで「売り地」等の看板にも英語が使われていたのが印象的である。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 食料の高さから比較するとまだ良心的とも言えるか。特に我々はペアで走っていたので1部屋2ベッドの料金で宿泊することで宿代を多少は抑えることができたのだと思っている。なお1泊は12~15ドルくらい。コロン払いだと若干割安になることが多かったので、その場合はコロンで支払うとかセコセコ遣り繰りしていた。
 部屋自体は小さくなったり2階部分まで自転車を運んだりといった面倒ごとが増えた気がするが、ただ寝るだけのベッドが置かれたのみという部屋から、アメニティグッズが支給されたりとサービスが良くなった。特にどんな安宿でもシーツが綺麗にされているためノミとかダニの危険を考慮しなくても平気なのは有難い。
 とりあえず全ての宿にWi-Fiがあったし、その速度は明らかに他の中米諸国より速くなった。この手のインフラレベルに対してはコスタリカで不満に思うことはほとんどない。特にFreeWi-Fiもバスターミナルを始めとして、ちょこちょこショッピングモールや大きな町中で使えるのを確認できたし。

◎犬
 特に問題ない。というか野良犬の数が激減したのでそれほど気にすることが少なかった。1度か2度ほど吠えられた記憶があるけど問題にならないと思う。

◎自転車店
 いきなり先進的なショップが多数出てきて驚いた人です私は。特に人口数が少ないと思われる町でもレベルの高いショップがあるわ、扱ってるパーツも最高級グレードから大衆レベルのものまで多種多様。金額的には日本で買うより割高だけど、部品補充に関してはコスタリカであれば大抵のものが調達できると思います。自転車旅行に関するアイテムということになるとかなり難しいとは思うけども。
 とりあえずグアテマラ以降で自転車に問題があった場合、コスタリカにまで辿り着ければ何とかなる!と私はここで言い切ってしまうね。

◎物価・食事
 もう無茶苦茶高い!中米諸国という点で見れば異常なレベルで高すぎる。一部の商品に関しては日本よりも高値が付くレベル。ニカラグアから国境を超えた瞬間に全ての商品が2倍以上に跳ね上がる衝撃はちょっと言葉にならないというか。
 食堂で1食が5~600円くらいするのだが、内容的には他の中米諸国と大差ない。治安的に野宿をするのは不安が大きかったのでホテル泊をしていたのだが、1日の使用金額がビール飲まないでも2500円とか達することも多く、コスタリカには長居できないと思わせるに十分である。ただしこの国では水道水を直接飲むことができるため、水に関してはお金をかけずに済ますことが可能。食事でも無料で水が付いてくることが増えたし、そうでなくともそこら辺に水道の蛇口があるので水分補給には困らない。まぁ暑すぎてコーラ買うことも多かったけど。

◎総括
 北部から南下してくるとニカラグアとコスタリカの国境を境として、大きく環境が変化することになる。道も町も人も雰囲気もガラッと変化するのだが、暑さだけは全く変わらないというのが私のコスタリカに入っての実感だった。
 簡単に語れば先進国的になるのだが、物価に関しても同様に先進国の値段を示すため中米諸国の物価に慣れている身としてかなりしんどかった。反面、自転車における旅行という行為を楽しい遊びとして認識してくれる人が多く、実に多くの人たちからお世話になった国でもある。そんなワケで私にとって中米で最も印象深い国となったコスタリカでした。
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 2017年5月23日~5月29日
 走行日数7日間
 累計走行距離378km(61607km~61985km)

◎道路
 これがビックリするほどレベル高い。中米でも最貧国のニカラグアだしと過度な期待はしてなかったのだが、こと路面状況においては中米No.1だと思う。恐らくは日本を含めた様々な国が橋や道路整備に対して支援してるのだろうが、それにしてもこの充実っぷりには舌をまく。
 側道も広くて快適だし厳しいアップダウンもない。主要道路を外れてしまうと途端にレベルが落ちるわ未舗装路はドロぐちゃだわといった事実はあるものの、こんな道を走らせてくれるなら文句ない。
 唯一の不満が家畜動物の糞が路上に大量に落ちている点。気にしなければ良いといえばそうなのかもだが、そりゃ気になるのが人ってもんだ。ウンコ踏まないように右へ左へフラフラ避けながら運転するすることを余儀なくされる場面が多々あり、後続車両に十分な注意が必要である。

◎治安
 私の感じたところではエルサルバドルよりは良いが、ホンジュラスよりは悪い・・・といった感じ。観光地においては観光客が首から一眼レフぶら下げて歩いてたのもあるし、あんまり問題はないと感じる。
 だがニカラグアでも小さな村で雰囲気悪いと感じた所もあり、田舎といえども気を抜けない雰囲気が漂っているのは事実。
 あとニカラグア湖の南西部は自転車旅行者を狙う強盗が多発していると聞いたのであり、地元住民も「大量の荷物を抱えてあそこを通るなら十分注意しなさいよ」というあまり嬉しくない忠告を頂いた。でもニカラグア湖畔の道は選べるほどルートがないため、ほとんどのサイクリストがこの道を通るという事実。だから被害報告が多いのかもしれないが。

◎ビザ・入国
 高い。入国税で12ドルというのは中米で最高クラスの税金なのだが、これに加えてコスタリカ側のイミグレーションでは建物に入るための「入場料金」が必要になるとかフザケンな。こんなふざけた料金取っておいて、出国税にも2ドルが必要となり、計3ドル。つまりニカラグアを通過するだけで15ドルの税金をちょいちょいセコイ真似して取ってくるのには閉口するというか、イメージが非常に悪い。
 なお出入国ともにチェックはザル。沖野君と2人組なので自転車盗難防止で手続きは1人ずつ行っているのだが、入国の際「手続きの後に自転車の荷物チェックするから別室に来て」と言われたりして、面倒臭いなぁとか思っていたのだが、手続き終えて出発しようとした時には係員など存在していなかった。そのくらい適当。

◎交通事情
 他の中米諸国と比べてやや運転が荒いと感じたニカラグア。田舎では大して違いはないのだが、町中における車両の運転で「歩行者を気にしてないレベル」が1段階上だといえる。バスも乗用車もコレクティーボも完全車両優先だと思って突っ込んでくるため、町歩きをする際には十分注意が必要。

◎特徴
 日記でも歌ったが、ニカラグア湖畔は自転車旅行を狙う強盗が出没する地域があるとのことで要注意。特にニカラグアの東部地域は道路の数が少なく走行するにおいて道を選んだりとかできない状況であるため、私たちはせめてこの地域を走る際には午前中の間に余裕持って通り抜けれるようにしていた。

◎気候
 中米では特に雨が多い国らしい。実際出発しようとしたら雨降りのため滞在延期もしたわけだが、地味に雨で出発日を延ばしたのはここ数年なかった出来事でもある。1日中曇り空で雨が降ってきそうな天気という、日本でいう梅雨みたいな天気も中米ではニカラグアで初めて体験した。
 あと基本は蒸し暑いです。でも完全な海沿いを走ることがなかったからか、耐えられないほどの厳しい暑さだと思いはしなかった。早朝や夜なんかは心地いい程度にまで気温も下がり、まだ過ごしやすい気候だったと思う。

◎言語
 中南米でずっと続くスペイン語圏の国の1つ。スペイン語にも地域差とか方言とか色々あると思うのだが、そう言った違いがわかるレベルまで習熟してないのであり、私が言えるのは1つ。スペイン語以外じゃまず会話通じねぇ。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 安いし質も良い。我々はペアランしていたので1部屋2ベッドの部屋を利用することが多かったが、それでも12~15ドルくらいが相場。観光地のホステルでドミトリーならば6ドルから泊まれる。なおこの価格帯では冷房ある部屋に泊まることは極めて難しい模様。
 私が訪れた全ての宿で現地通貨コルトバ以外に米ドルでも支払いが可能であった。なお観光地でない峠の山頂にあったホテルでは1泊740コルトバ(約25ドル)とか取られたので、宿の需要が少ない地域では値段が跳ね上がる傾向があるかもしれない。

◎犬
 特に追いかけられるようなこともなかったのだが、同行していた沖野君が1度しつこい犬に対してベアースプレーを使うほどの事態に陥ってるので油断はできない。私が思うに低地の暑い場所では犬はぐったりして動かないのだが、峠越えなどの最中で気温が下がると犬に追いかけられる危険も飛躍的に上がるのではないかと。

◎自転車店
 大きな町でもスポーツバイク系のショップを見つけるのはかなり難しい。レオンの町を散策してる際に自転車店街があったので覗いてみたが、まともなパーツの販売はされていないどころかチューブも一般自転車用の1規格のみしか扱っていない始末。
 要するにニカラグアで自転車の修理をするのは止めたほうが良いということ。治安危険のリスクを冒してマナグアに行くくらいならば、隣国コスタリカまで移動してしまうことを私はオススメする。

◎物価・食事
 これは安い。でも細かく語るならば、食事が安いのに対して飲み物は若干高めだと感じた。1食は250円とかそんな程度で食べれるのだが、メニューに対してはワンパターンな内容が続く。
 ビールは主要な銘柄がビクトリアとトーニャの2種類が存在する。ロング缶で1本120円くらいだが、スーパーやそれなりの規模の観光地でないと缶で販売されていないことも多い。
 大きな町のスーパー等に行けば品物の揃いっぷりは良くなったし、レオンの町ではショッピングモールもあった。だが、基本的にお金持ちの人のための施設という感じであり、そうした場所で購入するそれなりのブランド物は安いどころか割高である。

◎総括
 なんか中米で似たような国が3カ国続いたような感じであるが、個人的にはニカラグアが最も印象に薄い国である。飯が美味くて暑かったエルサルバドル、道が両極端で人が良かったホンジュラスに対し、ニカラグアはというと「道路が立派で物価が安い」という感じだろうか?
 でもジャングル続きで走ってる最中に風光明媚な景色を見る機会が少ない中米諸国において、ニカラグアは遠くまで続く平原やそびえ立つ山に広がる湖といった、気持ちの良い風景をたくさん提供してくれた国でもある。少なくとも中米3カ国では最も他の旅行者の姿を見かけたし、観光需要が高い国であるためそれに対応した旅行者向けの安宿も多い。そういう意味で安い予算で自然系を楽しむ旅行が中米で味わいたいならニカラグアはオススメだと思う。そんな需要はほとんどないのだろうけれど。
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 2017年5月21日~5月23日
 走行日数3日間
 累計走行距離135km(61472km~61607km)

◎道路
 ほぼ国道1号線を走ってばかりだったが、チョルテカの町を境に一気に路面状況が悪くなった印象。厳しいアップダウンはなかったし、側道もきっちり確保されていて良いイメージを持っていたホンジュラスだが、後半戦の穴ボッコボコの道路を走らされてガッカリした。持ち上げて落とすとは分かっていらっしゃる。
 チョルテカより西側の道路もあちこちで道路工事が行われていたことを鑑みると、今が新しい道路へと移行する変革期なのかもしれない。1~2年後にここを走るサイクリストならばその恩恵を受けられるかもしれないと思ったり。なおトーペは町中に邪魔にならない程度には存在する。

◎治安
 「中米では」という注釈付けた上でだが、かなり良いと思う。殺人率が世界で最も高いとのことで大層ビビっていた私だが、少なくとも私が走ったルート上において治安的な不安を感じさせることはなかったと言える。
 当のホンジュラスに住んでる人曰く「首都や北部地域は確かに危ないけれど、この辺(南部)は平気だよ」とのことだ。実際に出会った人たちも実に気さくで朗らかな印象であり、何より笑顔が良かった。
 私がエルサルバドルに必要以上に不安を感じたことで「険しい顔をしている人が多かった」という点があるのだが、この国の人たちは大人も子供もおねーさんも、こちらまで嬉しくなるような笑顔を向けてくれた。
 もうちょい事実関係について述べておくと、チョルテカの繁華街は道が大きく光も溢れ人通りも多いといった感じ。まぁ合計で3日しか滞在してない者の意見だが、そもこの国の南部を移動する自転車旅行者は2~3日程度の滞在がほとんどだろうし仕方なかろう。

◎ビザ・入国
 入国税として3USドルの支払いが必要である。あとイミグレーションが出入国の列を一纏めにしているため、思いの外並ばされた。これに関してはバス団体の直後とかのタイミングであるとかそういうのが関係してると思われるが。
 地味に両指の計10本全て指紋のデータ取られたのであり、そんなに私は悪いことしそうに見えますか?私はホンジュラスの人たちが(治安的に)悪いことすると散々聞かされているのですが・・・とか色々思ったり。
 なお中米4ヶ国協定の関係でスタンプは押印されないとばかり思っていたのだが、ホンジュラスの出入国ではしっかりスタンプ押印された。
 
◎交通事情
 他の中米諸国とあんまり変わらない。ただ路面状況が悪い道では穴を避けるために対向車が反対車線に大きく出てくる・・・ということが頻発するため注意が必要。
 バスが乗車するためのお客を見つけると大音響のクラックションを連発するのだが、これが自転車に対して「邪魔だ」と主張しているクラックションなのか区別がつきにくい。バス以外の車はそこまでクラックション鳴らさないのだが、この常日頃からクラックション鳴らしまくってるバスという存在のせいで、他の車両が鳴らすそれまで「ま~た鳴らしてるよ・・・」と勘違いしそうになる。まったく自転車にとってバスは害悪である。
 あと自転車乗りは道路を逆走している人がかなり多い。自国だったら怒鳴りつけてやるのだが、異国を走る際は私はあくまで部外者であるため、彼らのルール無視に対してどういう言うことはない・・・けど危ないと思うことはある。

◎特徴
 特に何もねぇなぁ~。個人的なことだが滞在期間が非常に短いと分かっていたので、ATMにおけるキャッシング方式でなく両替商や銀行にてUSドルをホンジュラスレンピーラに交換してもらっていた。これで銀行に入る際にガードマンから金属探知機で全身チェックされたり、行内でスマホの操作が禁止されていたのは治安の悪い中米ならではだと思ったり。

◎気候
 偶然かもしれないが、ホンジュラスは暑さがやや凌ぎやすいと感じた。実際には道路上に日陰の数は少ないし、他の中米諸国よりも商店の間隔もやや長くなっているのだが。
 雨季でどこかのタイミングでスコールに降られたのは他の中米諸国と一緒。まぁ運良く走行中に降られることがなかったので事なきを得た形となったが、ヒヤヒヤした瞬間もあった。

◎言語
 引き続きスペイン語が主流の国。でもチョルテカの宿のおばちゃんは英語話せたりもしたので、この国の観光事業が強い地域では英語の認識率はそれなりにあるのかもしれない。
 あと田舎のちびっこが自転車見かけて声をかけてくる単語がホンジュラスでは「ハロー」であった。他の中米諸国では「オラ」が多い。だからどうということはないけれど。

◎宿・Wi-Fi
 調査数が少なすぎて何ともであるが、チョルテカの宿は冷房・ウォーターサーバー完備の素晴らしい設備であった。反面、国境沿いの宿はトイレやシャワーの水が出てこないレベルの素敵設備でレベル差が激しい印象。
 Wi-Fiは速さを求めなければ十分だと思う。それほど使う機会がなかったこともありネット接続したのはチョルテカの宿のみであったけれど。

◎犬
 温厚でした。自転車見かけると自ら道を開けて逃げていくようなヤツばかり。

◎自転車店
 この国ではマジで見ていない。見かけたけど入らなかったとかでなく、お店の1つも見つけることなく終了してしまったという意味で「見ていない」のだ。故に特別語れることもなく。

◎物価・食事
 まぁまぁ安いのだと思う。少なくともトルティーヤに感じてはメキシコ以来となる薄型タイプが戻ってきたのであり、これはホンジュラスにトルティーヤプレス機が広く普及してるということを示していると思う。その他立ち並ぶ家々を見えても、中米諸国において割合裕福な国ではないかと思ったり。
 それなりの規模の町では中華料理屋があったりアメリカ系ファストフードも幅を利かせている。安い地元系の店なら2~300円で1食ありつける。中華系だと500円とかかな。
 ビールが1本で100円越えと少々お高いのがネックと言えるが、1回しか飲む機会がなかったのであまりビールについて自信がない。とりあえず国産ビールは3種類が楽しめた。

◎総括
 3日(走行にあっては実質2日)しか滞在してないため、ほとんど何も知らないというのが正しいホンジュラス。北部はとにかく治安の悪さでスルー推奨される国だけど、私が走った南部地域は雰囲気良くて楽しい国であった。
 そんなわけで治安の悪さのみを見てこの国をスルーしてしまうのはちと勿体無いと思うのも事実。まぁこればかりは走りたい気持ちと安全とを天秤にかける必要があるため個々の判断で意見も分かれるところだが。
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 2017年5月16日~5月21日
 走行日数6日間
 累計走行距離356km(61116km~61472km)

◎道路
 中米諸国の中では抜群に良い。というのも主要道路には広い側道がキッチリ作られているため、自転車走行における危険度合いが少ないことが挙げられる。確かに道はボコボコの場所も多いが、メキシコから散々邪魔されてきたトーペガこの国ではほとんど存在しないこともあり、私的印象はすこぶるよろしい。
 私が走ったルートではほとんど海岸線となっており、このルートであれば一部区間を覗いてアップダウンは僅かしかない。斜度も緩やかであるため走行自体で厳しいと思える点は少ない。
 ただ側道は段差で分けられているため、駐車車両を避ける時や橋の通過で道路が狭まる時などに乗り越える恐怖心があるのはグアテマラと同じ。

◎治安
 これは悪いと思う。治安に不安がある国なので最初から大きな町には行く予定はなかったのだが、人口5万以下の中小規模の町ですら時間が遅くなると、なんとも言えない嫌な雰囲気を感じた。これがエルサルバドルにおける町中の通常運行なのか知らないが、異国から来た私の身には全ての家が窓の内扉をぴったり閉めて、光を全く外に出さない光景を見ると「安全である」とは思えない。
 これが町を抜けてしまうと不穏な空気は全く感じず、同じ国なのかと驚きを覚えるほど。
 とりあえず宿の主人から「町中で腕時計をつけて歩いちゃ駄目だぜ」と言われた国は、エルサルバドルが始めてである。言われなくても付けませんが。

◎入国・出国
 問題なし。荷物チェックも出入国のお金も必要なくすぐ終わる。お決まりの滞在期間や初日の滞在する町を聞かれたりするのだが、係員が完全に英語を解さないため基本となるスペイン語を覚えてないとやや大変かもしらん。
 あと中米4ヶ国協定の関係なのか陸路でグアテマラから入り、ホンジュラスへと抜けた私にはエルサルバドルのスタンプが押されることがなかった。

◎交通事情
 あんまり良くはないのだが、道路状況が良いのと車の数自体が少ないためにそれほど危険を感じることもなかった。町中ではクラックション鳴らしまくりの大迷惑バスとか山ほどみるが、郊外では自転車に対して大きく裂けてくれることが多いし無茶な入り込みとかする輩は少ない。
 個人的にはこの国ではバスにさえ気を配っていれば、それほど危険はないかと思う。言い換えるとバスは無茶苦茶危ない。

◎特徴
 割とアメリカの影響力が強い国。そんでもってエルサルバドルには自国通貨が存在せずに、国内にてUSドルが使われている。何故かアメリカ本国では使われていない1ドル硬貨がふんだんに使用されており、個人的に1ドル札は財布が嵩張って大嫌いだったので嬉しい。
 他にアメリカの影響って何があるのよ?と問われれば、町中にやたら「アメリカン〇〇」とか「ニューヨーク〇〇」の店があったり、食事の量がかなり多めに設定されていたりとか。実際に走ってみると、アメリカの影響あるなぁと思う点はいろいろあると思うです。

◎気候
 地獄の暑さ。エルサルバドルを語るとその大半が「暑かった」という感想に終始しそうになるほど厳しい暑さの気候である。私が走った季節は雨季であるが、雨が1日降り続けるようなことはない。多くの場合はお昼過ぎから夜にかけて1~2時間の短時間にスコールとなる。進行方向に雨雲が見えたた場合は無理しないよう走らないと、一旦雨になったが最後、一気に天気が急変して大雨を降らせてくる。
 それ以外は大抵クソ暑い。内陸側の山岳地帯ではまた違うと思われるが、沿岸部ではひたすら高温多湿の環境が続き不快指数は常に100%である。そしてこの国で移動途中にエアコンにおける涼をとれる可能性は極めて少ない。
 熱がたまりやすいのだろうか、宿を取っても部屋の換気が悪く夜間になっても大汗をかきながらの就寝という場合が多い。窓も鉄格子はあっても網戸がない宿も多いため、下手に電気をつけてると虫ムシパラダイスとなってしまう面倒さもあったりで、夜は夜で大変だった。
 ちょっとアップダウンが続くと下手すれば熱中症になってしまう環境であるため、せめて水の十分なストックを心がけたい。大抵の場合は小さな商店が立ち並んでいる国であるが、ときどき3~40kmに渡って無補給地帯が続くこともある。
 この暑さを回避するため山岳地帯を走行するというのは大いに意味ある選択肢だと思う。坂道を取るか暑さを取るかの選択肢となるわけだが、グアテマラで散々坂道登らされた身としては上り坂でない道を走りたかったという気持ちがあるのだ。

◎言語
 スペイン語。割と聞き取りやすい発音だと思う。私が通ったルートでは英語を解するような人とはほぼ出会わなかったのであり、いよいよスペイン語の重要性を強く感じた国でもあった。

◎宿・Wi-Fi
 宿自体のレベルはかなり低め。というか部屋内が汚い宿も多いし、ダニっぽい虫に当たった宿もあったのでかなり印象が悪い。まぁ宿泊数が少ないため、ある程度の傾向でしか示せないとは思うが。
 小さな規模の町でも1~2店はホテルがあるし、町と町との間でも割とオートホテルが建っている。設備で冷房が付いてたのは最後に宿泊した宿のみで、そこも追加料金払わないとエアコンが使えないという素敵っぷり。
 Wi-Fiに関してはかなり優秀。速度も満足できるものだったし、それなりに良い感じのお店ならWi-Fi使えるしファストフードのチェーン店も割と見かけたので恐らく使えるのでしょう。

◎犬
 エルサルバドルの犬は自転車に対して追いかけてこない模様。少なくとも私は1度も犬が追いかけてきたことはなかった。暑くて犬もダレてるのではないかと思ってる。

◎自転車店
 これがプロショップは1店舗も見つけることはできなかった。土・日の午前中なんかはバリバリのロードに乗ったサイクリストをかなりの数見かけたので、需要に対する供給でそうしたお店もあるとは思うのだが。
 なお子供用とか作業に使うような自転車を扱っている店はそれなりにある。特に道路脇で自転車の部品を吊り下げた屋台のような形態の店がわりかし多い。私の勝手な想像でそういう人は技術あると思っているので、何かしらトラブルあった際にはお願いするのもやぶさかではないと考えていた。
 普通に考えればエルサルバドルでトラブルにあったならば、首都のサンサルバドルでも行かないと満足いく解決は難しいのではないかと思う。

◎物価・食事
 安い。食事が1食で2~3ドルのイメージ。ビールは国産の物が3種類存在し、大ビン1本で約1.5~2ドル。グアテマラのビールがあんまり好きじゃなかったのだが、エルサルバドルのビールはどれもすこぶる美味い。
 メキシコから続くトルティーヤ文化だが、南下するにつれて生地が徐々に厚くなってきたと思われる。正直、トルティーヤは生地が厚くなるほど不味くなるため好んで食べたいとは思わなかったのだが、エルサルバドルではタコスに変わってトルティーヤ生地に肉を練り込むという方式で食べるププサというのが主流。これがピザやお好み焼きを食べてる感触に近くて私好みであった。これだけでエルサルバドルにおける食事の印象はすこぶるよろしい。なお1つ0.5ドルくらい。
 気候の関係で水分も大量に消費したが、普通の水なら1ガロン0.7ドルほど。普通のジュースなら2.5ℓで1.5ドル、コーラは他の飲料より若干高めに設定されている。

◎総括
 本当に暑かったという印象が強い国。中米の国々は面積の小さい国が多い関係で、短いスパンで出入国を繰り返すことになると思われるのだが、エルサルバドルにはもうちょっと滞在してても良いなと思ったりもした。その最大の理由が食事が美味かったという点であり、暑さと治安の悪さがなければなぁと思わないでもない。
 ちなみに今までの国で圧倒的に外国人旅行者を見かけなかった国でもある。まぁ有名な観光資源がない国だし治安も悪いので訪れる人は少ないのだろうが、その分田舎地域の人たちのスレてない親切さを数多く感じた国であると思う。じゃあもう1度着たいか?と問われたら「涼しくなったらね」と答えそうだが。
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 2017年4月5日~5月16日
 走行日数42日間
 累計走行距離646km(60470km~61116km)

◎道路
 主要道路を外れるとかなりの割合で未舗装路が出てくるため注意が必要。グアテマラは人口集中している地域が軒並み高山地帯にあるのだが、そうした地域で下手に迂回路通ろうとすると未舗装&急斜面のコンボで無茶苦茶苦労する。私の場合はランキンの町へのアプローチで標高1000mアップ&60kmの距離を自転車乗って進めないレベルの未舗装路にハマってしまい酷い目にあった。
 また、坂それ自体においてもかなり厳しい斜度が頻発するため、自転車押しての移動を余儀なくされることが多い。これに加え、必死で坂を登り終えても同じ標高で安定することは少なくて、下手すると川1つ渡るために一気に500m近く下がった後、再び同じ高さまで登り返すといった鬼畜な道が出てくることもままある。
 そのため北米から南下してきた人であれば、この国の山岳地帯からは1日の走行距離を6~8掛けして算出するのが体力的に無理のないスケジュールになると思われる。
 舗装されている道路に関してだが、側道がある場合は微妙な段差で分けられていることが多く、この道路幅が狭まると段差を乗り越えるのに横滑りしないかと若干躊躇する。そしてグアテマラはやたらと橋とか工事とかで道路幅が狭まる機会が多い為、町中で邪魔しまくるトーペと合わせて自転車2大邪魔くさい障害物として鬱陶しく思っていた。
 あとアンティグアの町中は全面石畳となっており、自転車で走るのには最低な町であるということを付け加えておく。

◎治安
 町における住民の防犯レベルは北米から南下してきた身として1段階上がったように感じる。1人で町中歩くことに不安を感じたりすることはなかったが、やっぱり夜中に出歩くのは極力避けたほうが無難だと思う。治安の良いアンティグアに長期滞在してたから勘違いしそうになるが、そのアンティグアですら中心部から外れた町の周辺ではあまりよろしくない雰囲気。
 バスで一瞬通過しただけだが、首都のグアテマラシティは明らかに難ある感じ。グアテマラ人が「グアテマラシティは危険だから行かないようにしてる」と言ってたので、マジで危険度が高いんだと思う。でも北部から南下してアンティグアに行こうとすると、グアテマラシティを通らないルートはもれなく未舗装路&激しいアップダウンを走らされるんだこれが。
 治安良いとされるアンティグアでも結構な数の浮浪者とかを見かけるのだが、7年前にはそういった人がこの町にはいなかったと教えられたこともあり、どっちかというと治安不安の方向に進んでいる印象を受ける。

◎ビザ・入国
 ザル。何も調べることなく10秒でスタンプ押されて終了するお気楽国境である。ただし、ここグアテマラより東部に位置しているエルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグアの中米4カ国で滞在日数が合計90日分を許可されるという少々変わった方式を採用しているため、あんまりグアテマラで長期滞在するとこの先を抜ける日数が厳しくなるため注意が必要。一応、首都のグアテマラシティで90日分の延長手続きができるらしい。

◎交通事情
 バス関係は危険な抜き方するドライバーも多いものの、田舎道はまぁまぁマナーの良い運転といえる。しかし国道1号線のような主要道路は交通量が多く、ドライバーのマナーも悪いため走行には割とストレスが溜まる。でも細い道を走ると急斜面&未舗装路のコンボを食らったりするので悩ましい。
 町中においてはオート3輪のコレクティーボが所構わず走りまくっており割と危険。バスが通れずにストップしている場合とかでも脇をすり抜けて走ってきたりすることもあるため、狭い場所でも注意を切らさないことが重要かと。
 あと急斜面を登っているトラックなんかが対向車が来た関係で停車すると、その場で再発進することができずにそのままバックしてきたりする。これが思った以上に危なっかしくて怖い思いをした。

◎特徴
 1、全国的にスペイン語学校の料金が安く、ある程度の規模の町ではホステルなどで学校と提携して割引キャンペーンを行っていることが多い。日本人的には日本人宿があるアンティグアとシェラに滞在して勉強する人の割合が多いが、それ以外の町でも無数のスペイン語学校が存在している。
 どこかの町である程度学校に通い、そこから移動した先の町にて再び勉強する・・・といった学び方をしてる人も多く、これならば1箇所に長逗留しすぎてダレてしまう問題を解消できるという利点がある。私は荷物の受け取りをするため動くことができなかったのだけれども。
 2、地方における少数民族の衣装が煌びやかで地域ごとに特色があり非常に面白い。なおそうした田舎グアテマラの子供は好奇心旺盛で自転車旅行者を見かけるとやたらと叫び声あげて追いかけてきたりするのだが、彼らは「写真を撮られると魂が抜ける」と教えられている人たちが多く、無用なトラブルを避ける為にも写真撮影のお願いをしない方が吉である。別に全く気にしてない人もいたけれど。
 3、2017年現在でグアテマラ郵政は活動していない。スペイン語の勉強で長期滞在する人にとって、日本から荷物を受け取るのにいい塩梅であるためこれは割と大きな問題点だといえる。
 代案手段としてヤマト便に代表される国際宅急便が利用できるのだが、住所と電話番号必須の上に手続きがかなり面倒くさいため、事前にしっかりとした調査をした方が吉。私の場合はヤマト便で荷物到着までに13日、送料5350円(5kgまで)、これに物品の関税約55%(銀行にて支払い)を必要とした。

◎気候
 ちょうど乾季から雨季へと変わる時期であったため、アンティグア滞在中盤からは17時頃になるとスコールのような雨が降ることが増えた。でも基本的に1日中雨が降り続けるようなことはない。なお天気予報は当てにならない。
 山岳地帯なので標高高い場所では日が落ちると涼しいのだが、北部や沿岸部といった標高低い場所ではかなりの暑さとなる。まぁ主要都市が集まる国の中央部分はほとんど高地に位置しているため、全体的な印象として中米では過ごしやすい国であった。

◎言語
 スペイン語。観光地で且つ外国人相手の商売をしている人は英語も話せるが、一般人で英語のコミュニケーションは期待しないほうがいい。日々外国人を相手にしているホームステイ先のオバちゃんですらスペイン語以外の言語はほとんど話せなかったのであり、推して知るべし。
 グアテマラはスペイン語学校が安いことで有名な国で、今後の中南米諸国のためにと3週間ほど学校に通ったワケだがこうした学校でも英語を介さない先生は多い。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 メキシコとの比較で安くてキレイな宿が使えるため非常に満足感が高い。特に田舎の宿では50ケツァール(750円)でもトイレ・シャワー付きの広々とした個室だったりするため、あんまりテント泊しようとは思わなんだ。ただし田舎の安ホテルではWi-Fiがない場合も多い。
 都会にはホステルがあるのだが、こちらは宿ほどにはコスパ良くない。ただほぼ全てのホステルが旅行会社と併設してたりでカウンターにてツアーやバスの申し込みができたのであり、こうした点は利点なんだろうなぁ・・・自転車旅行者でなければ。
 国土がそれほど大きくないこともあり、3~4日走り続けてもホステルがないということは稀であるため前述のWi-Fi問題はそれほど深刻ではない。小さい町でもオサレカフェ行けばWi-Fi使えることが多いし。

◎犬
 グアテマラの犬はおとなしい。自転車を見つけても吠えかかってこられた記憶がとんとない。ただし野良犬の数それ自体はかなりのものである。メキシコと国境を隣接してるとは思えないほど犬の気性が違うことからも、私は犬には国民性というものが存在してると信じて疑わない人である。

◎自転車店
 金物屋と兼業して自転車用品を扱っている店は多い。ちゃんとしたスポーツ自転車を扱っているショップとなると大都市でなければ見つけるのは難しいと思われる。
 私はアンティグアで数店舗のショップを利用したが、品揃えが悪かったり日本の3倍の値段を付けてたりですこぶる印象が悪い。なお扱われてる自転車は圧倒的にMTBタイプが主流。
 店員の腕も未熟であり、リアギアの取り付け方向を間違えたりタイヤの振れ取りができなかったりとかその程度であるため、グアテマラ国内で自転車の修理や部品の調達は極力避けた方が賢明というのが私の感想だ。
 その割に小さな道の路面状況が最悪なので、トラブルが発生しやすい国だとも思う。ルート選択は慎重に。

◎物価・食事
 こちらはメキシコ比較で高いし選択肢も少ないしで残念な印象。国内どこでも鶏肉を扱ってるポジョ・カンペーロというチェーン店やれチキン屋台があるため、KFCが好きなタイプなら楽しめると思う。そのKFCだが、これらの店の人気が高すぎてグアテマラにはほとんどお店が存在しないとかなにそれスゴイ。なお1食の料金は観光地じゃなければ300円しない程度。
 メキシコと同様に食事にトルティーヤが付いてくることが多いが、グアテマラのトルティーヤは小さくて厚みを増した形をしておりこれがすこぶる不味い。もっとメキシコを見習えと本気で憤慨したぞ私は。
 主要ビールが3種類あるのだが、料金が一律でないため1番安いブラバばかり好んで飲んでいた。なお人気のガロはロング缶で150円ほどに対してブラバは90円、田舎であれば60円とかその程度。物価の安い中米では侮れない値段差だといえる。
 あとこの国では煮沸した水でもお腹壊したのであり、なるたけミネラルウォーターを飲むよう心掛けていた。最も大抵の宿にてミネラルウォーターは補給できるので、購入機会はそれほど多くなかったが。

◎総括
 とにかく坂道&未舗装路で走るのが大変な国。自転車での走行にも「大変さ」は色々な種類があるので一概には言えないが、私が訪れた国の中でトップクラスに苦労したことに偽りはない。
 思い起こすと自転車押して坂道登っていたか、クソ暑い環境下にゆでダコ状態で大汗かいていた記憶ばかりが思い出されるのであり、一言で語るとグアテマラは「自転車走行に適してない」国である。
 もっとも中米の国々ってのは大体そんな環境ばかりだし、自転車で走ることが難しいことはその国を走らない理由にはならないもんだ。道中自転車ぶっ壊れたりもしたが、それでも私はグアテマラを走ることができて良かったし面白かったというのもまた正直な気持ちだ。
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 2017年4月1日~4月5日

 走行日数5日間

 累計走行距離296km(60174km~60470km)


◎道路

 都市間をつなぐ主要道路はキチンと舗装されている。だが道路幅が狭く、ラインは引かれてないのがデフォルトであるので交通量の多い場所はやや怖い。

 メキシコと同じく町中では車両を減速させるための突起が存在しており非常に邪魔。もっともこの国には高い標高の場所がほぼ存在しないので、スピード出すぎて大クラッシュの引き金になるということは少ないだろうが。

 路面状況それほどよろしくない場所が多く、丸1日走り続けるとガタガタで両手がやや痛くなる程度。路面もいい場所は非常によろしいため落差が激しい印象。なお右側走行。


◎治安

 ベリーズシティを除けば至って良好。他の中米の国々で見るような各家庭における鉄格子とか鉄条網とかの防犯対策もなされておらず、見た目にも実に緩やか。それだけにベリーズシティにおける治安の落差が激しく感じる。実はベリーズシティで1日くらい観光に当てようと思っていたのだが、この町の雰囲気の悪さから滞在することなく移動したという裏がある。


◎ビザ・入国

 2014年の12月に日本人は観光ビザを発給する必要がなくなったため、30日以内であれば無料で入国することが可能。普通にツーリストカードに内容記載するだけの簡単な入国で、特に荷物のチェックとか面倒な質問とかは存在しなかった。

 なお出国においては出国税として40ベリーズドルが必要となる。


◎交通事情

 車両が追い越しをかける時に自分の存在をアピールするためクラックションを鳴らすことはよくあるが、それ以外は静かで大変よろしい。無茶な運転する車両も少ない印象だし、そも町の規模が小さいために危険が増す町中においてどうこうということが少ない。


◎特徴

 1、アメリカ米ドルとの完全固定相場となっており、「1USドル=2ベリーズドル」である。なお通常の金銭やりとりにおいても米ドルを使うことが可能。ただし表記されている金額は(一部観光地を除き)ベリーズドルなので、間違えないよう注意。地味に道路ポストもマイル表示だし、飲み物もオンスで算出されているものが多い。

 2、台湾を国家として承認している国であり、その関係か台湾系華僑の人が非常に多い。特に小売店のお店は半分近くが中国系の人が営業している。このため中華関係の食材は入手しやすい。個人的には腫瘍の町には必ず中華レストランがあったことが有り難かった。


◎気候

 この時期にベリーズを走ると高温多湿で散々な思いをすること請け合い。走行ルートも選ぶほどに選択肢がなく、そうしたラインがほぼ低地に位置しているため、何処に行っても暑さから逃れられない苦しさ。

 日差しの強さによるところが大きいので、日没後はかなりしのぎやすくなりはしたが。常に何処かしらベタついていたように感じてならない。


◎言語

 中米において唯一の英語が主言語である国。イギリスの植民地となっていた歴史からの結果であるらしい。とはいえスペイン語の表記もチラホラ見かけるし、周辺国みんなスペイン語の国だからか話せる人もわりかし多い。あと華僑の人が多い関係で中国語は結構飛び交っていた印象。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 主要都市にはゲストハウスなりホステルなりの安宿が存在するのだが、そもそも宿の値段が高いベリーズという国。ベリーズシティとかでも最安値で1500円とか取ってくるため、ここで連泊するくらいならサッサと他の中米諸国に移動してしまおうと感じる人が多いと思う。なおコスパは悪いが設備が悪いわけではない。私が泊まったのはサンイグナシオの宿のみだが、ここだけ町の他ホステルと比較して半額近い料金だったにも関わらず旅行者が必要と思えるものは一通り揃っていた。こういう掘り出し宿もあることはあるのでしょう、知らんけど。

 なおWi-Fiに関してだが、少なくともオレンジウォークとサンイグナシオの町では町の中央公園にFreeWi-Fiが飛んでいる。と、いうことは他の町でも何かしら無料でネットに接続できる機会はあるのではないかと思われる。注意点として、この国ではマックに代表されるアメリカ系ファストフード店が全く存在しておらず、そうしたお店のWi-Fiを頼ることができない。


◎犬

 1度だけ吠えられて追いかけられた。でもベリーズにおける犬の脅威はごく小さいものと感じる。そもそも暑すぎて犬もへばっているのがほとんどで、自転車見かけたくらいで本気で迫ってくるような元気な犬が少ないのではないかと思うのだが。まぁ吠えてくるヤツは吠えてくるので関係ないとも思うが。


◎自転車店

 そもそも万を超える町の数が少ないベリーズだが、私が泊まった町には一応全て自転車を扱っているお店があった。だがスポーツ車専門店のお店は発見できなかったのであり、販売されてるパーツもそれなり程度。

 最もベリーズが小さな国なので、重大な修理等を実施するのであればメキシコなりグアテマラなりに移動する人が多いのではないかと考える。そういう意味では別段不足は感じない。

 でもベリーズでは割とロード乗りを見かけたので、そうした専門のショップがあるのかもしらん。ベリーズシティで見つけたショップは日曜休日で中を確認してないし。


◎物価・食事

 周辺国と比べるとかなり高い。国産ビールはどこの商店でも1本2.5ドルと固定されており、容量も275mlの統一規格であった。コーラ1本(500ml)も1.5ドル(約80円)とメキシコに比べてお高くなって気軽に飲めなくなったのだが、暑すぎるのでそうも言ってられないんだなコレが。結果として飲料水だけでもどんどん出費がかさむ印象である。なおこれらの飲み物は瓶をお店に返したキャッシュバック後の料金。1瓶はどうやら一律で0.25ドルの模様。

 飲み物に比べるとレストランにおける食事は他の物価に比べて良心的だ。7~8ドルも出せば自転車旅行者でも満足できる程度にお腹を満たしてくれる量も出してくれる。最も基本的な料理は豆御飯と鶏肉、コールスローみたいなサラダのセット。都市には中華系の食堂が充実しているため、そちらの食堂に入ることの方が多かった。


◎総括

 スペイン語圏の国に囲まれた中において英語が通用するという意味でホッとした印象のある国。ブルーホールを代表として海沿いには観光客が集まるアクティビティが豊富らしいのだが、内陸部にもマヤ遺跡関連や洞窟探検、川のラフティングなどがある。

 だがまぁ総じて物価高いこともあり、この国で遊ぶのならばメキシコやグアテマラで同様の遊びをするよ?と私は思ってしまう。この国ならではのブルーホールに寄らない時点で、ベリーズは早期に走り抜けることが決まっていたということだ。

 治安良し、英語、物価高いと他の中米諸国における特徴のことごとく逆を行くベリーズ。そういう意味で中米における旅行の出発地点として、治安悪い近隣諸国に慣れるという点でも良い国かもしれない。

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 2016年12月29日~2017年4月1日

 走行日数94日間

 累計走行距離5967km(54207km~60174km)


◎道路

 まぁそこそこ良いのだが、アメリカの後だから余計に悪く思う節があるけども。基本的には中央部へと近づくほど予算が潤沢になるのか側道が広くなる傾向にある。ただし大都市においては側道が存在せず、交通量の多さと相まって走りにくいことこの上ない。そうした都市には自転車道路もある場合が多いので事前によくルートを練っていく方が吉。地域によってかなりバラツキがあるが、一般道路は割とボコボコの場所が多いし、マンホールの蓋が外れていたりとかで気が抜けない。なお右側走行。

 高速道路は自転車走行禁止の場所がほとんどなのだが、地元民も平気で走ってるし警察も全く注意していない曖昧模糊な存在となっている。特に北部地域では一般道路が危険極まりないこともあり、ルートの多くで高速を使っていた。一般道路に比べて補給箇所が少ないのが難点だが、それを補って余りあるほど側道が広いという利点が強い。メキシコで安心して走れるのは圧倒的に高速道路なのである。

 中央部地帯は最大で標高3000mを超えてくるが、斜度が厳しく登るのに難儀するような箇所は少ない。私が走ったルートではオアハカ周辺の山岳地帯が最もキツかったのだが、これは坂や道そのものよりも標高を急激に下げたことによる暑さによるファクターも大きかった。

 町中にはトーペと呼ばれる速度を落とすための突起が存在する。これがキツい段差であることも多く、自転車でも10km/h以下まで減速しないと色々と危険。たいていの場合は手前や脇に看板が表示されているが、時おり全く表示のないトーペもあり、知らずに突っ込むと洒落にならない。


◎治安

 メキシコというと、そんじょそこらでギャングがドンパチやってるイメージを持っていたが、もちろんそんなことはない。確かに貧富の差が激しく大都市の周辺にはスラム街が立ち並び、そういった場所では明らかに危険な雰囲気を醸し出しているところもありはする。

 だがまぁ想像していたよりはメキシコの治安は悪くないかと今となっては思う。そりゃあ公園での野宿とかはできないけれど(浮浪者たくさんいるので)、夜の街中を歩けないこともないし、荷物を盗まれた旅行者はいても身体的な危険に晒された旅行者の話は聞かなかった。

 町の治安の良し悪しは雰囲気からもなんとなく分かるが「一般住宅ではなく商店も全て鉄格子」「普通の小売店でもガードマンがいる」「住宅地域で異様に空き家が多い」「警察官がやたら重装備」辺りが該当する地域だと危険度合いが高いと思われる。観光客が来ないようなレベルの田舎では何の問題もない。

 事件に巻き込まれる系の危険という意味では麻薬関係のマフィアやギャングとなるわけだが、こうした組織が精力的に活動している地域というのは数年単位で移り変わっているのだそうで、要するに現地の人たちから「あの地域は危ない」と聞くのが最も精度が高いと思われる。まぁこれに関しては、自転車で旅行している程度ではそうした危険を感じるようなことはなかった。

 一応日が落ちきる前には必ず走行終了し、野営なり宿に入るなりを徹底するようにしていたが、これは治安的な不安よりも交通事故の危険性が高いと判断していたからである。


◎ビザ・入国

 日本人ならば入国時にツーリストカードを記入し入国税を支払うことで180日までの滞在が可能。このツーリストカードは記入をしなくても入国・短期滞在ができてしまうため、忘れず手続きしないと後で泣きを見る。

 というのもメキシコボーダーでは基本、カードの記入から入国金の支払いまで別々の場所にて自らで処理しなくてはならない方式となっており、あんまり別セクションの説明をしてくれない。

 ちなみに私はアメリカ出国時に提出するIー94というカードを提出しなければならないことを知らず、カード持ったままメキシコ入国してしまい、後でわざわざアメリカ本国に郵送するとか無駄なことをしている。全くアメリカという国は入国厳しいクセに、出国に関してはスタンプすら押さないとかふざけてると思う。

 なお入国時の料金はメキシコペソ・アメリカドルどちらでも支払いが可能だが、メキシコペソの方が若干割が良い。私はその時点でペソ持ってなかったので米ドルで支払ったけども。ちな金額は20ドル。

 一応荷物を調べられたのだが、ザルというほかない適当っぷり。1つ目のバッグをチラと確認した後は「もういいよ、ゲートあっちだから」と言われてしまい、こんなに適当ならもういっそ調べなくてもいいじゃないか!とか思ったり。


◎交通事情

 結構クラックションを鳴らす国だった。それでも中国やベトナムの1/10程度であるが。アホだなと思うのが、交差点などで前の車両が詰まって進めない時でも後続の車両が平気でクラクション連発している点。みりゃ分かるだろうに、他の車両に合わせて「自分も鳴らしちゃれ」と連鎖的にクラクション鳴らす車両が増える。合唱でもやりたいのかコイツ等は?

 だが都市部の町中を除けば彼らの運転マナーは決して悪くない。郊外の道ならば追い越す場合も大きく避けてくれることがほとんどだし、歩行者や自転車に対して「先に通りな!」と停車し待っててくれる車両も多い。まぁそうでないドライバーの方が断然多いので、歩行者優先だと思って行動してはいけない。

 大都市になると無茶苦茶な運転するバスの数が多くなるのが最大の危険。大体どこの国でもバスの運転は「最悪」の一言に尽きるのだが、メキシコも然り。特にこの国はハイエースタイプの中型バスもあるためか、異様にバスの数が多い。右側通行している自転車をまくって歩道脇に即急停車とか、殺しに来てるとしか思えない運転をしてくるため細心の注意が必要となる。

 実際、現在のメキシコ政府はマフィアの掃討や治安改善よりも対処に力を入れてる問題が「交通事故の減少」なのだと話を聞いた。私もこの国で1度事故を経験したし、慎重になりすぎるということはないと思われる。


◎特徴

 1、大まかに平仮名の「し」の形をしている国だが、南部の山岳地帯は東西2つの山脈に分かれている。これは1度2000m以上まで上った山を一旦海面ギリギリまで下った後に、再び上り返すことを意味しており自転車乗りを殺しに来てるとしか思えない。

 一応、ユカタン半島へと迂回するルートならば2度目のヒルクライムは回避できるのだが、どちらにしてもベリーズからグアテマラへと入る周辺で山登りになることは避けられない。諸行無常である。

 2、紙幣の種類が20・50・100・200・500・1000とあるのだが、500ペソ以上のお札だと小さな店ではお釣りがないために受け取ってくれないことが多い。下手すると200ペソでもお釣りを用意してなくて、近くのお店の人たちに両替を頼む姿を見ることになる。

 でも困ったことにATMから出てくるのは500ペソ札が基本。なので大型スーパー等に入った際は、積極的に大きな金額のお札を崩すことを心がけていないと小さな村で「お金はあるのに買い物できない」という罠にはまる可能性がある。

 3、メキシコの主要ビールには(多分)7種類が存在するのだが、ビール会社と小売店の流通パワーバランスとかそういう関係で、コンビニでは販売しているビールの系統が限られている。否、ビールの系統が分かれているというのが適切だと思う。

 具体的には「TEKATE・INDIO・XX・SOL」を販売している店と「CORONA・VICTORIA・MODELO」を販売している店とに分かれる。メキシコ最大手のコンビニであるOXXO(オクソ)や規模の小さい町でも存在するコンビニのSIXが共に前者グループのビールしか販売していないため、メキシコといえば!のコロナビール系はそうしたビールを販売している酒屋で購入することが多くなる。その手の酒屋は大体の場合青い屋根看板に「CORONA」とか表示されており、ジョッキの絵が描かれているのですぐわかる。サークルKやEXTRAというコンビニ、大型スーパーならばどちらのグループのビールも扱っており安心だ。

 なおメキシコは日曜日の午後5時以降で酒類の販売を禁止してしまうため注意が必要。


◎気候

 私が走行した時期は乾季だったためほとんど雨に降られることはなかった。ごくたまに雨が降っても短い時間で降り止み問題とはならない。だがメキシコの道路は排水設備が貧弱なため、1度雨が降ると多くの場所で道路冠水してしまうので注意が必要。

 中部地帯では緯度も20度前後となってくるため真冬でもまったく寒くない・・・というかクソ暑い。特に海沿いでは強い直射日光にプラスして高い湿度のダブルパンチで不快指数がものすごく高い。

 幸いなことに山岳地帯は標高が2000m前後である場所が多く、日中以外の時間帯はやや寒いほど。私は大体Tシャツにハーフパンツ&サンダルのスタイルで行動していたが、寒さが苦手な人には少々きついかと思われる。実際に多くのメキシコ人は長袖・長ズボンのスタイルで活動をしていた。私と同じような真夏スタイルの格好してるのは大抵欧米人旅行者である。


◎言語

 これはもうスペイン語なのであり、田舎へ行けば行くほど英語は通用しなくなる。大都市や観光地ならば宿その他ツーリスト向けのお店での英語認識率は50%を超えると思うが、田舎ではその1/10も通用しないといえる。

 そんなワケで中南米を南下する旅行者は、メキシコ以南の国がほとんどスペイン語であるためメキシコや他に料金の安いグアテマラでスペイン語を勉強する人が多い。私も例に漏れずグアテマラにてスペイン語を勉強するつもりではあるが、究極は数字と各種あいさつを覚えておけば宿と食事はどうにかなる。

 私はフロントバッグに重要単語を書いたノートを乗せて、走行中にチラチラ見ながら覚えたりしていた。なおスペイン語は読み方がローマ字読みで大体正解であるため、発音に関しては苦労しない。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 宿はホテル系が200~350ペソ(1200~2100円)、ドミトリーのホステル系だと150~250ペソ(900~1500円)くらいが相場。観光地とかならホテルはもうちょい安い宿もある。400ペソ出す気があれば、どんな町でも費用的にはまず大丈夫。お値段高いホテルだと朝食が付いてくる場合もあり、他にも都会のホステルならば大抵は朝食が出てきた。

 ある程度のランクならば受付部屋とかに水タンクが置かれており、宿泊客は好きに使って良い。生水が宜しくないメキシコにおいて、私は出発する前のタイミングで水筒に水をフルチャージするのが日課であった。

 ちなみにユカタン半島より手前で泊まったホテル・ホステルでエアコンが付いてた部屋がほとんど記憶にない。幸いにして夜間の気温の下がり具合が大きいため暑さで寝苦しいような苦労はなかったが、これが夏の時期だとどうなるか分からない。


 周辺のホテルと比べて余りにも値段安いホテルでもなければWi-Fiは大体完備している。速度も速いのだが、部屋まで電波が届かないというパターンは割と多い。かゆいところに手が届かない印象のメキシコ。

 その他にアメリカ系列のファストフード店でもWi-Fi使えることが多いが、お店で商品を購入して店員にパスワードを聞くとかそういうパターンであるためお店の利用が大前提。そうでなくてもアメリカでこの手の店は行き飽きてるのであんまり使用しなかった。

 あとそれなりの規模の町だとセントロの公園でFreeWi-Fiを飛ばしていることが多い。


◎犬

 かなり好戦的。特に北部地域では建物敷地を柵や鉄線で囲っていない家も多く、そこそこ追い回されたりもした。

 だがメキシコでは狂犬病対策にかなり力を入れているらしく、かなり管理は徹底されているとのこと。実際、ここ4年間での狂犬病による発症数は0らしい。

 とはいえ町中なんて野良犬だらけだし、病気の危険性が少なくともバッグを食い破られたりする危険性もある。追いかけまわしてくる犬には容赦なく犬叩き棒をぶち込んでやってた。


◎自転車店

 大型のショップというのは少なくて、町の中に小さなお店が並んでいる「自転車店街」があることが多い。このためグーグルマップ等のネットによるチェックがやや困難であり、自らの足で探しまわる必要に駆られることも。

 なお品揃えは1つの店で見るとあまり宜しくない。が、必要なパーツを決め打ちして幾つもお店を回る根気があれば、グレードはともかく自転車部品であればほとんど入手可能。大きな町になるとスペシャライズドやトレックの系列店とかあったりして、やたら良いパーツとか売ってたりする。ディスクブレーキの修理もなんのそのって感じだった。

 私もそんなに知識ある方でないため断言できるわけではないが、日本ではあんまり見かけないメーカーのパーツをやたらと見た。面白いくらい値段が安い物もあるため買ってみるのも悪くはなかろうが、自己責任で願いたい。安心と信頼のSHIMANOパーツはメキシコでも多く流通している。

 なお何度か言われたのが「中米の国々では自転車部品の品揃え悪くなるから注意しろよ!」といったセリフ。この言葉を裏付ける点として、メキシコのスポーツ自転車はかなり人気のようで、土日などはロードで走っている人や実業団っぽいチームをよく見かけた。


◎物価・食事

 イメージの通りタコス(というかトルティーヤ)の国。小さい集落であってもレストランで食事を頼むとほぼ必ずトルティーヤが一緒に付いてくる。というかトルティーヤが出てこない食事の方がレア。値段は地域によって開きが大きいが、タコス1つで30~80円くらい。なおビールはロング缶でも100円いかないため飲み放題である。下手すりゃペットボトルの水より安いし。

 タコス系は大きさや挟む具材の種類によってその名称が異なるが、どちらにしろ食べ続けるとかなり飽きてくる。特に田舎地域ほどタコス系以外の選択肢が少ないため、少々うんざりしていたのも事実。

 タコス以外の基本食は米とフォレストというペースト状にした豆に鶏肉を載せた皿、これにトルティーヤが合わせて出されるというモノ。これはメキシコ全域どこに行ってもあった。やはり飽きが来ていたので、大きな町だと中華料理屋に行ったりとかすることが多かった。

 その他「水屋」という存在があり、ここで手持ちの水筒に水を入れてもらう形をとれば10円以下で満タンにしてもらえる。AGUA(水)と看板等に書かれており、北部地域では立ち寄ることも多かった。

 バハ・カリフォルニア北部の砂漠地域とカンクン周辺に近づくと物価が上がると思っておけば大体正解。食事や飲料もそうだが宿泊費が50~100ペソくらい変動するため案外馬鹿にならないレベル。観光地ならばホステルがあるため問題とならないが、嫌でも田舎町を訪れる自転車旅行者には死活問題。

 でもクソ暑いこともあって、とてもじゃないが連日野宿を続けるのは大変すぎる環境でもある。消防署通いが増えたのも無理なかろうて。


◎総括

 まさかのカナダ・アメリカを上回る日数滞在したワケだが、面積比較してみればメキシコも日本の約5倍と広大な土地を持つ国。土地の形状的にその大部分を走行しなくては次の国へと抜けられないため、この結果は必然だといえる。

 北から南下してくる場合はメキシコから一気に物価が下がる一方、気軽に町中で野宿することが難しくなるためそれまでの走行スタイルが変化する人が多いと思われる。文化も言葉もこのラインで大きく変化するため、メキシコから別のステージに入ったと感じた。

 観光・自然・物価と程よいバランスで揃っているため、長期間滞在しても色々と楽しませてくれる懐の深い国。日本人宿も多くてついつい長逗留するのが多かったからか、アメリカよりも滞在期間長い割に走行距離は短くなった。今年の私は一味違う。

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 2016年10月4日~12月29日

 走行日数87日間

 累計走行距離6410km(47797km~54207km)


◎道路

 州を跨ぐと道路にもかなり変化が出たりするものの、全体を通して語れば非常によろしい。都市部が近づくと路肩がなくなり交通量が増える傾向にあるが、田舎においてはほぼ全ての車両がインターステート(州間高速道路)を利用するため、下道は車の交通量が少なく非常に快適なことが多い。このインターステートは人口希薄州に限って自転車での走行が許可されており、そうしたポイントには入り口に自転車通行可の看板が設置されている。されてないこともあるが。

 基本的に日本と同じく「車のために作られた車に都合の良い道」であり、時に自転車だと異様な回り道を余儀なくされたりすることもあるものの、日本よかよっぽど自転車に対して理解がある国でもあり、多くの自転車専用道やれ非常に広い側道が存在してたりするのでそんなに文句はない。むしろこのレベルで文句言ってたら他の国まともに走れない。

 国が広大なためか、主要道路では山を登っても厳しい斜度の坂というものが出てこない。ひたすら長い距離を緩やかに登らされるパターンがほとんどで、アメリカ本土において自転車を押して進ませるようなことはしなかった。荷物満載の重量自転車にとっては大いに助かる。


◎治安

 基本的に良い。というか治安を一言で表すことに無理があるなぁと強く感じたアメリカ。訪れる前は割と銃社会の国というイメージを持っていたのだが、そも自転車で旅行している限りは銃の存在を意識する瞬間はほとんどない。

 私が訪れた町ではセントルイスを代表とする治安に不安が残る町も幾つかあり、確かにそういった場所では一部明らかに危険な雰囲気が漂っていたわけだが、まぁどこの国でも大都市には程度の差こそあれスラムや治安の悪い地区があるものだ。その点アメリカは情報豊富なので、事前に下調べしとくことで対策が取れる分よろしいのでないかと思う。

 滞在中5度も警察官に職質されたりしたわけだが、彼らは野宿を咎めるとかでなく「ここは危険だから別の場所でテントを張りなさい」だとか「今夜だけ特別だぞ」といった実に理解のある対応をしてくれた。そういう意味で私はアメリカ警察に対する印象はすこぶる良い。

 そんなワケできちんとルールを守って行動してる限りではそんなにトラブルに巻き込まれることはないんじゃないかと思う。私が荷物盗まれた場所も、後で調べてみたらあんまり治安のよろしくない場所だったようで。下調べって大切だよねぇ・・と思った次第。


◎ビザ・入国

 6月にアラスカ(正しくはLA空港)から入国して以来2度目となるアメリカ入国。噂に聞いてた通り本土への再入国は実に面倒くさかった。とりあえずアメリカのノービザ再入国として、

1、事前にESTAという電子認証登録をしておけば最大90日間の滞在が可能

2、この場合、1度アメリカを出国しても隣国となるカナダやメキシコ、カリブ海の国々に滞在してる場合は出国した扱いとならずに滞在日数が減っていく

 という基本ルールが存在し、アラスカから南下する自転車旅行者を悩ませる種となっている。これの対処方法は大まかに2パターンがあり

①アメリカ本土再入国の際、滞在日数は残っているが入国管理官にこれをリセットして再度90日の滞在許可をくれるよう交渉する

②カナダの走行中に90日の滞在期間を全て消費し、アメリカ再入国時に改めて90日間の滞在許可を申請する

 ・・・という具合だ。私の場合は後者を選択したことになる。なおアラスカからアメリカ本土を縦断し、メキシコまでを90日以内で走りきるというプランはあまり現実的でないため除外とした。

 ①の選択というのは「ルールはそうだけど、それだと自転車での旅行は無理でしょ?だからよろしく頼むよ」的ないわばルールを曲げて管理官にお願いする方法であり、最悪の場合は日数リセットが効かない可能性が残る。まぁ私の観測範囲でダメだったサイクリストはいないけれども。

 これに対して②の選択は「アメリカ国外で滞在期間の90日を超えた形になっただけで、もう1度入国するから滞在期間90日よろしく」という理屈となる。もちろん管理官が拒否すれば駄目なのだが、一応ルールに則った形であるためこちらの方が理解は得られやすいというか、理由を説明しやすいと思うのだが如何なものか?

 そもそもこの90日ルールだが、アメリカにおける違法な就労を防ぐという目的が強いため、自転車で旅行するだけで働く意思はない・・・ということを示せるかが重要であると思う。

 実際私は事情聴取にて銀行預金の残高確認を求められた(旅行するだけの資金があるかの確認だと思われる)し、アメリカ国内で働けない旨を知ってるか質問もされた。

 その他にも「第3国へのフライトチケットを見せろ」だとか「何でビザを取らなかったんだ」等々、割と無茶な質問もあったのだが、ここら辺は自転車旅行として陸路でアメリカを走り抜けていくことを繰り返し説明したら特に問題とはならなかった。下手にダミーチケットとか作ると話の接合性合わせるの大変なので、どうするべきか難しいところだと思う。

 なお完全にアメリカ出国してからの再入国ということでか、入国税として6USドルを徴収された。①のパターンならば免除されるのか気になるところ。とりあえずこんな大変な思いは2度としたくない。


◎交通事情

 非常に素晴らしい。追い越しをかけてくる車両は多くが反対車線まではみ出る形で距離を取ってくれるし、道路横断する際にはわざわざ停止してくれる車両が多かった。幅寄せしてくるようなクソとか見たことない。

 カナダと同じく信号での右折(日本でいうところの左折)は赤信号でも通過して良いというルールがあるので中止されたし。でもそれでクラックション鳴らしてくるような輩はほぼいないが。

 ちょっとビックリしたのがオートバイに乗っている人の多くがヘルメットを被っていない点。オートバイですらそうなので、自転車で律儀にヘルメット付けてるのは完全にスポーツ自転車に乗っている人くらい。事故した時のことを思うと怖くないのか?とか思うわけだが、怖くないんだろうなぁ。

 各州ごとに最高速度等のルールが異なっており、人口が少ない州ほどガンガン速度出しても良い傾向にある。側道の幅が広かったり交通量が少ない場所が多いので、隣でスピード出されてもわりかし平気だが。ただしガードレールみたいな物体は田舎道には存在しないため、疲れてフラついたりするとそのまま道路脇の坂を転がり落ちてしまう危険あり。あと車道と側道の合間に(車に気づかせるための)凸凹があるのだが、これが側道寄りに進出してきて走るのに邪魔な区間があった。特にアリゾナ州。なおご存知の通り右側通行である。


◎特徴

 1、日本人的に使用頻度の少ない単位が使われまくり。長さはマイルとフィート、重さはポンド、気温は華氏温度、体積はオンス・ガロンでの表示が一般的であり、見慣れた単位に変換しないとピンとこない。

 特に面倒なのが華氏→摂氏への変換で、最初は公式に当てはめて計算しようとしてたのだが、自転車漕ぎながら計算するのが大変すぎてやめた。仕方ないので変換した大体の数字を覚えてしまい、今の気温は大体○度だよな!というアバウトさで対応していた。

 嫌らしいのがグーグルで距離や気温を調べると、わざわざアメリカに即した単位で数字が示されるという点。そういう余計なことしなくて良いと思うのだが。アメリカに来て初めてオプションから単位を固定できることを知ったよ私は。

 2、カードでの支払いが一般化している国であるためか、高額紙幣を見る機会が極端に少ない。というかアラスカも含めるとほぼ4ヶ月も滞在してたのに50・100ドル札をついに見ることがなかった。

 南米一部の国で、現金入手の際にアメリカドルの方が割が良くなる関係上、幾らかまとまった現金を隠し持っておこうと考えていたのだが、少なくともこの国で一般的なATMから排出される現金は20ドル紙幣となっている。


◎気候

 秋から冬にかけての走行となったのだが、装備を整えてりゃどうにか大丈夫かな?という印象。もちろん国が広大なので12月のミネソタ州やシカゴ周辺は相当に厳しい状況であったろうことが予想されるため、あくまでも私が走った地域と時期において・・・の話ではあるが。

 1番しんどかったのがロッキー山脈周辺のアルバカーキ付近で、緯度的には東京よりも南に位置しているものの、標高2000mを超える場所まで登らされることからの低気温がキツい。丁度私が走っていた時期にかなり強い寒波が訪れていたとのことで、最高気温が氷点下となる日が2日ほどあった。

 太陽光が強烈なため日中はそれほど苦労しないが、夜間における気温の下がり方がえげつない。それなりの装備がないのであれば、テント泊しても夜間中震え続けて安眠できないと思う。と、メッシュテントの人が申しておりますよ。参考までに私が体験した最低温度はー18℃ほどであった。

 なおカナダと違って風の規則性はあまり感じない。ものすごい向かい風で苦労するなぁと思ったら、午後には逆方向の風が吹いてる日とかもあったりで、先が読めない分覚悟のしようもない。そうはいってもネット使ってある程度情報入手してましたが。一応西海岸へと出るにつれ、東からの風が強烈に吹く日はなくなっていった。

 なお中央部では時おり竜巻なりが発生する地域とのことで、テント泊中に1度だけ台風か!?と思うような強さの風に襲われたことがあり。きっかり30分で一気に収束したが、これ以降は平地のど真ん中にテントを張ることを躊躇うようになった。


◎言語

 そりゃ英語なんだが、メキシコに隣接するテキサス・ニューメキシコ・アリゾナ・カリフォルニアあたりでは結構スペイン語も飛び交っている。

 どの州でも皆さん聞き取りやすくて助かります。英語には日本で言うところの方言的な地域差とかないんかね?とか思ったりもしたが、TVが発達した現代はそうした影響少なくなってると聞くし、何言ってるか全く分からん!ということはない。単に英会話に慣れてきただけかもしれんが。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 使ってないからよう知らん。宿看板には時おり最安値30ドル!とか表示されていたが、それでも高すぎるだろ常考。基本的に人口50万クラスの大都市でもないと内陸部においてバックパッカー系の宿は存在しないため、モーテル泊が基本になると思われる。なおキャンプ場はRVカー(キャンピング車)を対象とした施設がほとんどで、テントサイトが別に料金表示されているか否かが重要な分岐点。そのテントサイトでも25ドルとか平気でするけど。

 Wi-Fiに関しては何も心配する必要ない。あらゆるファストフード店でFreeWi-Fiが使えるし、図書館もあれば一部のガソスタですら使用可能。なんだかんだで人口過疎地域でも1日1回くらいはネットに接続できることがほとんどで、この国でsimカードを利用してまでネットに躍起になる必要はほとんどないんじゃないかと。

 あと大抵の回線が高速かつ安定しているというのは地味ながら素晴らしい点。そこらのへっぽこ途上国とは雲泥の差である。


◎自転車店

 人口にして5万人を超える町なら自転車を扱うようなスポーツショップがあると思って良い。なおルート66自転車マップには通過する町に自転車ショップの有無が記されているので非常に有用。

 アメリカだけあってスラム(アメリカの自転車部品会社)系のパーツが多いのだがSIMANO系も豊富に取り揃えているので問題ない。長距離サイクリスト御用達のマラソンシリーズもちょいちょい見かけたものの、取り揃えている種類やサイズが非常に少なくて意外と狙ったタイヤを入手するのは難しい。というかスポーツバイクばかりでツーリングに対する品揃えはそんなに良くないんだよな。オルトリーブバッグとかほとんど見かけなかったし。

 西海岸を南下するサイクリストであれば、マラソンシリーズの入手は素直にサンディエゴ北部にあるサイクルクエストへ行った方が良いと思う。

 なおショップがなくても最悪ウォルマートへ行けば自転車関連のコーナーがあるため、タイヤやチューブとか基本的な商品は取り揃えることが可能。というかウォルマートは独特の製品をもの凄い安価で扱ってたりするので、上手く活用すればかなり優秀な店であると思う。


◎物価・食事

 先進国にしては相当頑張っていると思う。アメリカはスーパー食材の値段が安く、400gの肉とか300円以下で買えたりするレベルで大変よろしい。ビールはその種類によって価格差があるものの、最安値だと約500mlサイズ(16OZ)の缶で80円とかある。ただし4本とか6本セットの販売が一般的なので「仕方なく」毎日4本とかビール飲んでしまう羽目に。

 テキサス州より西に入った時点で特にビールの値段が上がったことをよく覚えている。聞いた話では東西の大都市に近くなるほど物価は上がる傾向にあるのだそうで、確かに私もアメリカ中央部にいた時が最も物価安いと感じていた。

 なお素晴らしいと感じたのが、僻地であっても法外な料金を付けない点であり、近郊の大都市から100kmとか離れているガソリンスタンドとかでも食料品が町と変わらぬ値段で販売されているのには感動した。カナダが酷かっただけにそれはもう。

 チップが必要となるようなレストランにはついに自分1人で入ることはなかった。でも何度か奢ってもらった際にチェックしたところでは、中華レストランとかは10ドル以下で大抵のものが食べれたし、量も満足できる程度にあった。

 お高い店はそりゃあ高いのだが、そんなのどこの国でも一緒であり自転車旅行者には縁遠い世界ですので。ちなみにマックだとチーズバーガー2個、ポテトとフリードリンクのセットが(安い地域で)約5ドル。ファストフード最強説。

 食材ばかりでアレだが、宿泊関係は先に述べた通り酷い料金設定なので。唯一料金支払ったキャンプ場がグランドキャニオンでの自転車サイトで6ドル。ここがアラスカ地域含めてアメリカにおける圧倒的最安値のキャンプ場だったなんて皮肉としか言いようがない。


◎総括

 割と滞在期限ギリギリまで走り回ったアメリカであるが、それでも行きたいと思っていた場所の半分程度しか回れないほどに広大な国である。人口200を下回るような僻地でもない限り、小さな町でも充実の設備が広がっているため多少のトラブルでもリカバリ効きやすいありがたい環境だった。

 実際アメリカでは色んな部品が消耗し破損してしまったワケだが、これが他国であったら部品を見つけることもままならない状況であった可能性が高いのであり、たくさんの親切な人と同じくして大いに助けられた。

 食や物の品質の高さ、言語、道路状況と適度な間隔で出てくる町。これらを考慮するとアメリカという国は自転車で旅行するのが非常に容易でありつつも走り甲斐のある国だと私は考える。あとは入国の厳しさと滞在期限さえ延ばしてくれればなぁ全く。

 なお犬は割と好戦的。大抵の場合は敷地内から出られず吠えてくるだけなのだが、田舎で放し飼いしているタイプの犬とかに永遠追いかけ回されたことが2度ほどある。いずれも小さい犬であり「弱い犬ほど良く吠える」というのは真理なのかと思ったり。

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