カラコルムハイウェイは全行程を走破したわけではないのだが、それでもパキスタン側における走行可能地域は大体走りきったので情報をまとめてみた。ヒマラヤ山脈周辺には自転車旅行者が憧れる3大道路というのが存在しており、その一角を担う道だし記録を残しておきたかったというのもある。なお残りの2つはラダック及びパミール高原というのが一般的な指標。
なおこのまとめでは主に私が走行したパキスタン側における情報を取りまとめているので悪しからず。
◎カラコルムハイウェイ
【基本情報】
パキスタンの首都イスラマバード若しくはその北部に位置するアボッターバードの町から中国新彊ウイグル自治区のカシュガルまでを繋ぐ総計約1300kmの国際道路。国際道路として世界最高所にあることが有名な道だが日記にも書いたとおり真偽のほどは不明。
名前の通りカラコルム山脈に属するエリアを抜けていく場面が多く、そのカラコルム山脈は7000mを超える高山を誇る世界でも屈指の高山エリア。ヒマラヤ山系ともぶつかっている関係で周辺道を通ってK2やナンガ・パルバットといった8000m峰の姿を望んだり拠点とされる町までアクセスできる。
またインドとの領土問題を抱えている地域であり、数年前まではインドのようにNOCと呼ばれる入域許可証を取得しないと走行不可能な地域が存在した。現在では自転車においてこのNOC制度は廃止されているものの、依然として警察による護衛と称した車両での貼り付き、若しくはトラック等に乗せられてのピックアップを余儀なくされる区間があるし、そうでない地域においても道路上に多数の検問が設置されており事細かなチェックを実施されるといった点がある。パスポートとビザのコピーが大量に必要だという話を聞いてたので各5枚ほど準備して行ったが、実際にはパスポートを見せるだけの検問が多く、私が提出したのはビザのコピー用紙1枚のみであった。ただしこれは自転車で通行した場合の話で、復路の移動ではバス乗車前にパスポートのコピーを計5枚提出させられた上に道中でビザのコピーも1枚提出した。ビザに関しては事前連絡もなく突然の請求だったので運良く予備を保持してたから良かったものの、持ってなかったらどうなることかと肝を冷やす出来事だった。
【治安・警察車両のピックアップ】
パキスタン全土はともかくフンザを中心とした北部地域における治安は問題ないように感じられるのだが、チラスから西・南に延びる道路には道中で山賊が現れるらしく強盗の被害が報告されているらしい。警察はこの情報を教えてくれなかったものの、自転車による走行禁止区域がまさに同じエリアであることからトラックによるピックアップは山賊対策である可能性が高い。
具体的な警察が介入を示してくる区間としては
1、アボッターバード〜チラス カラコルムハイウェイ
2、ナラン〜チラス カガン渓谷及びバブサール峠
3、チラス〜ギルギット カラコルムハイウェイ
といった場所が挙げられる。警察の介入にも強弱があり、2のエリアに関しては有無を言わさず車両にピックアップされてしまったが、1に関しては走行可能区間もあればピックアップを余儀なくされた区間もあるとのこと。3のエリアでも再三「車に乗っていけ」と言われたが、自走したいと突っぱねたら許可された。しかしこの区間で出会った他のサイクリストはずっと警察のバイクに張り付かれいたのを目撃しており運次第で状況が変わると思っていた方が良い。
一応帰り道でアボッターバード〜チラス間の道も通過しているが、車内から見た限りでも「確かにここの道は個人で通してくれなさそう・・・」と感じる程に検問の数が多く厳重な雰囲気を感じたのであり、実走された方がいたら是非その辺の話を聞いてみたい。
◎カラコルムハイウェイの状況
【道路】
世界の最も高い場所を通る「舗装道路」というのが謳い文句なだけあって、一応は全線完全舗装のアスファルト道である。私はイスラマバードから正規のカラコルムハイウェイじゃない東部山越えのショートカットルートを走ったため、この区間は結構な未舗装路や路面の悪さに苦労することがあった。
なお路面状態にあってはそれほど良好ではない。これはカラコルムハイウェイの大部分が急峻な崖下等にへばりつく形で造られているため致し方ないのだが、落石や土砂崩れによる崩落でダメージを受けてる箇所が無数に存在している。こうした崩落でガードレールや電柱も巻き込まれて鉄屑となったまま放置されている感じであり、路面の整備にまで手が回らないのも「まぁそうだよね・・・」と思ってしまうところ。
恐ろしいのが現在でも頻繁に落石や土砂崩れによって道路が塞がれてしまう事態にある点で、私がこの地域を訪問している間だけでも最低3回、カラコルムハイウェイ上で土砂崩れにより道路が通行不能となってしまった情報を受け取った。相当規模が大きなものでない限りは半日〜1日程度の期間で開通工事完了していたが、日程的な余裕がなかった後半はこうした状況に一喜一憂していた。
なお単純に道の特徴としては標高1000m程度のエリアをアップダウン繰り返しながら進んでいくことが多い。そして標高低いエリアの方が坂の斜度もキツくて走るの大変だったりと間違いなくカラコルムハイウェイにおいて大変なのは前半戦。私の場合はパキスタンの滞在期間が30日間しかなかったこともあって前半戦では休息日を入れずに走り続けたのだけど、後半は疲れすぎて限界ギリギリまで追い込まれる程だった。
何となく全体的に標高の高い土地を貫くイメージがある道だけど、実際カラコルムハイウェイ正規ルートを走ると標高3000mを超えるのは最北ソストの町を抜けてクンジュラブ峠に先かかるエリアからだ。パキスタンの夏場は1000m前後の標高だと簡単に30度超える暑さとなるため真夏の走行に適した地域とは言いづらかったというのが私の感想。
【宿泊・野営地点】
宿泊施設の値段が非常に安い国であり、尚且つパキスタン他の地域と違って宿で外国人の宿泊拒否が(1箇所除いて)発生しなかったのでほとんどキャンプをしていない。なお宿泊拒否事案が発生したのは前述の警察によってピックアップ余儀なくされたエリア。詳しくは日記で書いたが、この時は夜中にトラックでピックアップされてチラスの町まで強制移動させられた。
基本的に2〜30kmも移動すれば何かしら宿泊施設が出てくるため、1日の走行距離をしっかり決めずに見切り発車しても宿が見つからずに困窮するという可能性は低い。宿のグレードで全然違うが私は1泊2000ルピー(約1000円)以下の宿で全行程を走り切っている。特徴としてチラスやカリマバードといった町は全体的に宿の値段が高い傾向にある。
値段の割に綺麗で広々とした部屋を備えたコストパフォーマンスに優れた宿が多い反面、この地域全体的に電気設備や通信設備は非常に貧弱。特にフンザ地域まで入り込むと町全体が停電することも多々あり、施設の電気給電状況はその宿が発電機を持っているか?持っていたとして何時間動かしてくれるのか?といった点に左右される。特に対策してない安宿の場合、運次第だが1日の半分近くは停電してると考えた方が良い。
【補給】
これに関しては全く問題ない。そもそもカラコルムハイウェイがパキスタン〜中国における物流道路として造られた背景もあるし、歴史的にもシルクロードとして(一部)使われていた道である。定期的に集落が出てくるし、そうでなくとも大型トラック等の車両が休憩しやすい広い駐車場を備えた食堂とかが沢山ある。唯一ソストの町から北上するとクンジュラブ峠までの80km間には補給できるような場所が存在しない。
なかなかの僻地にある土地だが大きな町だと物価は都市部と変わらないし、小さな集落とかでも物の値段は10%くらい上乗せされる程度。この道を走ってきた者からすれば随分良心的な値上げ幅に感じられはした。そもそもパキスタンの物価は現在世界全体で見ても最安値レベルであり、多少の値上げがあったところで「そもそも無茶苦茶安いしなぁ」という感じではある。値段よりも田舎すぎると食事の種類が限られてしまうことや早々に店仕舞いされてしまいタイミング逃すと食いっぱぐれることの方がよっぽど厄介。
フンザ地域まで入ると中国文化の影響が強くなり、所々で中華レストランが出てきたのがパキスタン料理に飽きていた私みたいな人にはとてもありがたい。なおフンザではその辺を流れる水が白濁し濁った色合いをしており通称「フンザウォーター」などと呼ばれたりするが、これの原因は氷河からの雪解け水が川に混ざり合うことで起きるものらしい。地元民が利用するような食堂とかいくと普通に飲み水でこのフンザウォーターが出てくるが私は平気でガブガブ飲んでたな。
余談だがイスラム教の戒律が緩いフンザ地域では地元民がワイン等のアルコールを作って飲んでいるらしく、これの名前も「フンザウォーター」というらしい。私もぜひ体験してみたくカリマバードで探し回ったのだが、一介の旅行者が見て回る程度で簡単に見つけられる代物ではないらしい。高級なホテルで裏注文をするとか自家栽培してる人を教えてもらい相談するとかしないと難しいとのこと。
◎カラコルムハイウェイの環境
【通信】
パキスタン国内では複数の会社が通信事業を運営しているが、北部の特にフンザ地方となると山中でインフラ設置するコストに対して人口が少なすぎるのがネックとなるのか使える会社が非常に少ないと聞いた。実際にはある程度の規模の町なら「町中に限れば」ネットが通じるという状況であり、ある程度郊外まで離れても通信環境が残るという意味での通信会社は確かに少ないというのが実情。
そんでフンザ地域にも強いとされるTelenorという会社のsimカードを購入しようと目論んでいたのだが、2024年8月時点で「2ヶ月前にルールが変わって外国人にはsimカードの販売をしなくなった」と店員から言われた。この話が真かどうか怪しいと私は思っているのだが実際にsimカードは買えなかったのであり、それなら何処の会社使ってもそんな違いはないのかな・・・?というのが正直なところ。他のサイクリストでZongという最大手のsimを使っている人がいたし、それで問題ない気もする。
というかパキスタンはガチ山中の集落とかでもなければ結構Wi-Fiが設置されてる宿が多い国であり、速度と不安定さに目を瞑れば定期的にネット接続できるため問題となることは少なかったりする。
【気温】
8月・9月前半の下ラコルムハイウェイは全体としてかなり暑い。これは思ったよりも全体的な標高が低く、標高による気温低下の恩恵を受けられないことが影響しているからと思われる。
内陸の奥地でありながら湿度も割と高い場所が多く、5月をピークとするパキスタンの気候は暑さも和らぎ始める8月であっても尚しんどい30℃超えてくる日も多発したため、この道を自転車で走るシーズンはもう少し涼しい時期である春秋が適していると思う。
本格的に山奥に入ってしまうと涼しいどころか天気次第で寒いとすら感じる気温となるのが厄介な土地だが、カラコルムハイウェイ以南のルートはもっと灼熱の気温であったことを鑑みると「道中ほとんど暑いが山奥が快適な気温」か「道中大体快適だが山奥では非常に寒い」といった二者択一となるのがカラコルムハイウェイを走る者の宿命となるのかもしれない。ちなみに私は選べるのならば断然後者の環境で走りたいタイプ。
【風・雨】
インドのラダックと隣接した土地であるため7・8月のモンスーン時期でも雨は少なく年間雨量も大したことないだろう・・・と思っていたのだが。この地域ではそこそこ雨降るのが常だそうで、何より怖いのが雨量が少なくてもそれが土砂崩れを引き起こすきっかけとなり道が寸断されてしまう可能性が高い点。なんだかんだパキスタンでは雨停滞することも多かった気がする。
これに対し風にあっては夏場だと常に南か西から風が吹くカラコルムハイウェイ。イスラマバードからのスタートだとほとんどの区間で追い風を受けることになるため楽ができる。基本的にカラコルムハイウェイは唯一の峠であるクンジュラブ峠を目指して登っていく道とも表現できるため、北上ルートなら登り+追い風に、逆の南下ルートでは下り坂+向かい風と図式になりやすくバランスが良い。なお標高3000mを超えてくる土地だと夜間は強烈な風が吹き付けるためテント泊だと注意を要するが、そもそもこの道で3000m以上の場所にステイすることが滅多にない。
【標高】
ヒマラヤ山系に属する標高が高い道という話からさぞや高所を走るものだと思っていたが、実はカラコルムハイウェイは全体的にみると標高2500m以下の場所がほとんどで、半分以上は1000m前後の高さにある。
亜流ルートのバンジャブ峠を使った場合は別にして、本道であるカラコルムハイウェイは全体としてクンジュラブ峠をピークとした1つの大きな山をアップダウンを繰り返しながら登っていくタイプの道であり、高原地帯を走るというより「裾野がデカい1本の山を遠くから登っていく」といったイメージが近いといえる。
気温の項でも書いたがこうした点が原因で、標高による温度低下の恩恵を受けられるのはギルギットの町くらいからであり、それ以前のエリアは南部地域ほどではないにしても全体的に暑く真夏の時期に走行するとアップダウンの多さもあって熱中症の危険も大きい。そういう意味で寒くなってくる4000m超えの一部エリアの方を「冬用の対策をしておくポイント」と捉えて、むしろ他の部分に照準を合わせカラコルムハイウェイを走る場合は春や秋といったシーズンの方が全体的に快適な気候を楽しめる。
一応クンジュラブ峠の標高は4692m、バンジャブ峠は4177mの高さがあるのだが、バンジャブ峠は途中で自走ができなくなるエリアのため割愛。クンジュラブ峠に関しては流石に冬用のウェアを着て臨んだが9月前半の時期では天気よければ山頂でも10℃近い気温であり割と過ごしやすい程度。真冬になるとー40℃とかの猛烈な寒さになるとのことだが、そもそもこの道を冬季に自転車通してくれるのかは分からない。一応ソストの町までは真冬でも行けるらしいが。
◎クンジュラブ峠への道
【クンジュラブ峠】
カラコルムハイウェイにおける最高所となるポイントに位置する山であり、パキスタンと中国との国境にもなっている場所。一応世界の国際道路において世界最高標高の道とのことだが、日記内でも書いた通り私はこの言葉に懐疑的である。なお道路における最高標高は国境地点の4692m。
パキスタン側しか走ってないので中国側は伝聞となるが、急峻な山々が連なるパキスタン領と違って中国領では高原地帯といった土地が緩やかに続いている全く景色の異なる様相らしい。
【スタート地点までのアクセス】
最寄りの町は山頂から約80km強位置にあるソストだが、ソストから30kmちょっとの場所にクンジュラブ国立公園の入場ゲート及び事務所があり、自転車における実質的なヒルクライムスタートポイントはここであると言って良い。
というのもこの国立公園内ではキャンプ行為が禁止されており厳しく取り締まりが行われているため。なので山頂から中国側に(自転車でそのまま中国入国できるのかは怪しいが)入国するという人でない限り同日中に国立公園ゲート入口まで往復する必要があり、その距離・獲得標高を考えるとソストの町からの往復は相当厳しいことが伺える。
この国立公園における一般人の入場料は2024年現在40ドル又は相当するパキスタンルピーなのだが、どうやら自転車においては特別料金が適応されているようで半額の20ドルであった。看板とかの表記にも40ドルと書かれており、あくまで人力旅行者に対する配慮らしいので40ドルが正規なのだがこの辺を勘違いした旅行者が入場料金が違うとレビューでボコボコに書いてあったので悪しからず。
入場料ゲートの奥にある警察検問エリアでキャンプしても構わないらしく、私は前日にここまで移動し翌日の朝7時から走行開始している。本来国立公園の開園時間は8時かららしいが自転車の移動速度では同日中に戻ってくるの大変なことは向こうも承知してるようで、お願いすれば時間前でも手続きを受け付けてくれる(こともある)。
なおソストの町の標高は約2780mで公園ゲートが約3350mほどである。
【行程】
山頂までは公園ゲートから片道52kmで多少の下り返しを加味すると合計約1500mの上りとなる。要するに1500mアップする104kmの道を戻ってこなくてはならない。一応閉園時間は17時らしいが16時までに戻ってこいとか18時までにゲート戻れば大丈夫とか色々聞いたので、この辺は流動的というか「日が落ちるまでに出ればOK」という緩さなのかもしれない。
前半の30kmは全体的に緩やかな斜度の坂が続く道で、それまでの谷底を登っていく道と同じような雰囲気だ。道中に検問のための小さな小屋が点在しているが、これは時間が遅くなると「これ以上先に進んじゃ駄目」とゲートを下ろすタイムリミットラインみたいなもので関係ない。フンザ川が二股に別れてる35kmちょいの北へカーブするポイントからつづら折れの道が出てきて斜度も厳しくなる。大体ここの10km区間が全体的に斜度の厳しいエリアが続き、そこを越えると谷の脇を通っていた道が山の上へと抜けて空が広がり別の景色が見られるようになる。
国境となっている山頂には当然両国のイミグレーションがあるのだが、パキスタン側のイミグレはソストの町に正規事務所があるらしく、ここのイミグレは警察や軍隊の詰所といった方が正しい感じ。なので特に手続きとかをしなくても建物を通過して中国との国境線上に立つことが可能。というかその脇に駐車場があってパキスタン側の人がこぞってやって来る観光地となっている。なお中国側のイミグレは有刺鉄線と物々しい鉄格子で区画されており、写真を撮ることは可能だがとても気軽に声かけるような雰囲気ではなかった。
一応山頂にはカフェやATMといった施設も存在するが下界とくらベて5倍くらいする物価であまり利用する気にはなれない。ここまでフルパッキンで登る自信がなく空身でヒルクライムだったので食料持っておらず、とにかくエネルギー補給したい!・・・みたいな要望には応えてくれることでしょう。
◎まとめ
ラダックやパミールと異なりカラコルムハイウェイは物流道路として造られた道であるため、広大な土地を自分の好きなようにルート組んで走り回るタイプではなくスタートとゴール地点がハッキリ決められているため「踏破する」ことを目標にしやすい道だといえる。実際寄り道となるような大きな他のルートがスカルドゥへと向かうルート以外、小粒であるか完全にカラコルムハイウェイを外れた別の道に大別されてしまうため「カラコルムハイウェイを走りたい」という動機でこの道に訪れるとバンジャブ峠を通るか素直にアボッターバードの町からスタートするかの実質2通りになるワケだ。
ここまでは全然悪いことで無いのだが、これに加えて中国のビザが非常に取得しづらい(2020年以降、中国では日本人のノービザ入国ができなくなっている)ためクンジュラブ峠以降のルートで実質同じ道を逆走するしかない点が弱点か。もうちょいパキスタン側が個人で自由に走行させてくれたり宿を絵らべるよう譲歩してくれれば嬉しいのだけど、ここに関しては今年(2024年8月)パキスタン政府はビザの発給条件を容易にしたり滞在可能期間も90日へと増やしたりとルール改定し歩み寄る姿勢を見せているため今後に注目したいところ。少なくとも90日間の滞在が可能であれば、私はこの道とその周辺にある土地をもっと色々回ってみたいと思っていたしそれだけの魅力がある土地であった。
他の2大ヒマラヤロードと違って1国に留まらず国境を越えてガラッと景色が変わってもなお続く道というのが最大の特徴だと思っているのであり、中国側さんの入国・入域条件の緩和及び走行不可とされる土地の解消を頑張って頂きたいけれど、正直こちらは望み薄いかなぁと思ってる。新疆ウイグル自治区だし。
カラコルムハイウェイを走る外国人サイクリストは最終的に20人近く出会ったけれど、その中で中国方面へ抜ける(抜けてきた)の人は半分以下で、それも全員中国ノービザが解禁された西欧国籍の人ばかり。多くの人がパキスタン領のみを走って終わりとしていたのは勿体ないと感じるし、私自身が「行けるのならば行ってみたいけど・・・」という気持ちだ。ここを抜ければそのままタジキスタンへと自走することで「一夏の間に3大ヒマラヤロード全走破」という楽しみ方もできるので。
カラコルムハイウェイを走る外国人サイクリストは最終的に20人近く出会ったけれど、その中で中国方面へ抜ける(抜けてきた)の人は半分以下で、それも全員中国ノービザが解禁された西欧国籍の人ばかり。多くの人がパキスタン領のみを走って終わりとしていたのは勿体ないと感じるし、私自身が「行けるのならば行ってみたいけど・・・」という気持ちだ。ここを抜ければそのままタジキスタンへと自走することで「一夏の間に3大ヒマラヤロード全走破」という楽しみ方もできるので。
ともかくパキスタン側のみなら1000kmに満たない距離であり、割と短期間で走破できる点から長期旅行者だけでなく短期でチャレンジングな走行をしたい人にも魅力的な道だと考える。体力に自信がなければクンジュラブ側から、ヒルクライム好きな坂バカ系はイスラマバードから。いずれもフンザの美しい景色と親切な人々に囲まれて素晴らしい走行経験になると思う。ただし土砂崩れ等で道路閉鎖の可能性があるため旅行予定には常に余裕を持ってお楽しみください。