自転車ときどき世界1周

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 2019年4月25日~2019年11月6日(第1回)
 2022年7月 9日〜2022年10月5日(第2回)
 2023年1月28日〜2023年2月26日(第3回)
 2023年7月11日〜2023年12月6日(第4回)

 訪問国数    39カ国
 走行日数    463日間(第1回195日間・第2回89日間・第3回30日間・第4回149日間)
 累計走行距離  29429km (第1回11832km・第2回6519km・第3回2342km・第4回8736km)


 ヨーロッパ各国のまとめはこちらから(総括作成順)

 他地域と同じく私が走行してきた各国において、独断と偏見で点数評価してみた。


道路交通物価食事宿治安総合
イギリス77342629
デンマーク10102521039
アイスランド891411033
スウェーデン910352938
ノルウェー581611031
フィンランド910252935
エストニア98677845
ラトビア67676840
リトアニア88678845
ウクライナ76899544
モルドバ56878539
ルーマニア66788540
ブルガリア77788744
ルクセンブルグ910252937
オランダ1010342837
ベルギー1010372840
スイス10101511037
フランス673102533
ポルトガル57564633
スペイン98695744
イタリア88291735
ドイツ109654842
ポーランド87787744
チェコ87766741
オーストリア992521037
スロバキア98766842
ハンガリー78765740
スロベニア88666741
セルビア76777741
ボスニア76777741
クロアチア55474732
モンテネグロ86868642
コソボ53869536
北マケドニア65769639
アルバニア67869743
ギリシャ97567438
日本893921038
 
 ※最低1点、最高10点 物価は安いほど点数高い

 自転車乗りとしての視点から感じる国の特徴であり、国の善し悪しについては意識していない。物価が高い国は宿も高くなる傾向があるし、点数が高ければ良い国という意味では勿論ない。あくまで1旅行者が感じた感想である。
 なお各点数は私が訪問した当時の状況を元に評点している。2019年と2023年現在ではインフレや円安の影響で同じ国でも大きく物価が違っていたりするのだが、そこら辺の推移を細かく規定しても仕方ないからさ。そういう意味で日本の点数は2014年当時と比べ、今付け直したら大分点数上がりそう。

<大陸の分類>
 全体的な区分としては「西欧」「北欧」「東欧」として分けることが多く、実際に旅行してもこの3地域で全体的な印象が違っていたように感じる。細かく分けると「南欧」や「中央ヨーロッパ」とかでも区分けされることがあるけれど。

 全体的に高物化で人口希薄地帯が多い北欧、自転車人気が高くアルプスを始めとする様々な山岳地帯を抱える西欧、物価が安く正教会系の宗教が多い東欧・・・というのが大まかなイメージ。
 バルト海より北に位置する国が北欧かと思いきや、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国やデンマーク・イギリスといった国も北欧というカテゴリに属するらしい。

 人種もゲルマン系とかスラブ系など色々違いがあるそうだが、なんとなくの特徴が変わったな・・・と感じることはあっても、私にはとても把握しきれないというのが正直な点。まぁ大都市になればなるほど多種多様な民族が入り混じってるし、旅行者として感じる感想であって学術的な観点でみてるワケじゃないので。

<食>
 全体的に小麦を主としたパン食文化が浸透しており、安くて美味しいバリエーション豊富なパンが食べられる。特に本場のフランスパンは常に焼き立てを常備している徹底っぷりで大変驚いた。
 また乳製品に対する熱の入れ具合は相当なもので、日本とは比較にならないほど多種多様なチーズが取り扱いされてるし、多くのサイクリストがパンとチーズを活用した昼食を摂っていたのが印象深い。また東欧ではヨーグルトの人気も高く、甘みのないヨーグルトをサラダやスープといった様々な食材に合わせて投入し味付けすることが多い。

 ヨーロッパ全域でコーヒーがとても高い人気を誇っており、地域によってその挿れ方にも特徴が出る。イタリアを中心とした南部の地域ではマキネッタと呼ばれる小型のコーヒー沸かし器でエスプレッソを主とした量が少なく濃いコーヒーが主流。これにたっぷり砂糖を入れて一息に飲み干すのが正しい飲み方だぜ!と教わったな。北の方に行くほどドリップ式の淹れ方が増えて行ったように思う。
 物価の高い国が多かったため西・北欧ではほとんど外食を経験してないのだが、地産地消というか国内や地元で収穫した物に価値を置き、健康に留意した食事メニューを見ると流石の先進国だよなぁという気持ちに。例えばヨーロッパではどの国にも「bio」という農薬や化学肥料を使わず栽培されたオーガニック食品のコーナーがスーパーの一角を占めていたりする。

 地中海の周辺ではオリーブが大量生産されていたり、降雨量の多い土地だと葡萄畑が広がるワイン農園を見かけることも多く、そういった土地だと地元の特産品として安価でオリーブオイルやワインが購入できることも多いため、各国の特産品を大まかに把握しておくと食に対して楽しみが増える印象。全ての物価が高いノルウェーでも、自国で輸出している鮭関連(ツナ缶とか)の料金は比較的安かったりする。

 EUにおける関税撤廃の関係で割とどの国でも似たようなビールが販売されてる一方で、その種類の豊富さも料金も全然違ってくるのが面白い。チェコやドイツといったビールに力入れてる国であれば滞在期間中、毎日どのビールを飲もうか迷ってしまうこと請け合いだ。しかも無茶苦茶値段安くてビール好きにはたまらない。特に東欧の国では大型ペットボトルにビールを詰めた販売方式が多く、2ℓ容器で200円とか凄まじい安価でビールを楽しめる。ノルウェーみたく日本以上にビール代金高い国もままあるが、基本的に酒好きの人間はヨーロッパ旅行中は幸せな気持ちになれると思う。

<宿・キャンプ場>
 ユースホステル発祥の地であるドイツがある土地であり、そうでなくとも自転車旅行を含めて様々な旅行者が行き交う土地であり、需要に応える形で宿泊費が安いタイプの宿も都市部や観光地を中心に数多く存在する。
 ただし安宿とは言ってもその国の物価レベルに即した値段での「安宿」であるためスイスやノルウェー、アイスランドといったそもそもの物価が高すぎる国ではドミトリー形式だろうが何だろうが関係なくバカ高い。アイスランドでちょっと値段調べてみたらユースホステルで最安6000円とか出て来てビックリした記憶がある。

 ただ旅行のスタイルが豊富という事はキャンピングカーを使っての旅行者が多いことも示しており、そのため設備の整ったキャンプ場が豊富に揃っている。宿よりは料金も良心的な範囲であることが多く、北欧や西欧ではちょいちょい利用していた。
 特に自転車大国であるオランダやデンマークといった国のキャンプ場はサイクリスト料金が別個に存在してるケースが多く、このタイプは1泊1000円かそこらで設備整った(キッチン有り・Wi-Fi爆速・レジャー&リラックスルーム有等)施設が利用できて大変素晴らしい。逆にイタリアみたいな国では大型キャンピングカーも自転車も一律同じ料金で、酷い場所だと1泊50€(約7800円)とか言われたこともある。

 総じて北欧の国ほどキャンプ場を活用する機会が増え、東欧の国では安宿使った方が割が良くなる傾向にあると言える。西欧も宿泊は高いのでキャンプ場の割合が高かったけど、なかなか条件の良いキャンプ場が出てこなくて苦労した記憶もあるかな。北欧でもバルト三国は物価が抑え目で首都では安宿を利用したりと色々やってたけれども。

 全体を通して宿・キャンプ場の施設レベルは高く、特に問題となるような宿に当たる確率は少ないのだが、東欧では個人宅をそのまま宿として貸し出してるタイプの宿も多く、そうした宿では家主の性格で大きく差が出る。でもまぁ重要なポイントであるWi-Fiの普及率・速度に関しては他地域を経験したことある者にとっては何の問題もなしと断ずることが出来るレベル。正直言ってしまえばカフェや図書館みたいな施設を利用続けて充電問題に対処できればヨーロッパ全域で全く宿を利用しなくてもそれはそれで何とかなったりする。実際私の西・北欧における宿の利用率はほぼ0%だし、野宿が難しくない土地なので節約派にも優しい地域だ。そんなことより問題は宿泊施設を活用しないと他の点で時間が取られてしまうことで、滞在期限がシビアなヨーロッパではむしろこの点で宿泊施設の活用をすることにメリットがあるとも言える。

<気候>
 多くの地域が北緯40度を超える高緯度地域に属しており、最北端のノールカップやその周辺は北極圏に位置する土地である。メキシコ海流の影響で緯度の割に気温はそこまで低くならないものの、冬場は単純に日照時間も短くなるし北欧の人口希薄地帯で積雪があると除雪までにどれだけ時間がかかるか分からない。そうした諸々の点から冬季における走行はかなり難易度が高い。1番南部に位置するギリシャですら11月末の時点で峠の頂上がアイスバーンとなっており、危うく通過不能になりかけたほどだ。

 これに対して夏は湿度が低く、特に地中海周辺は降雨量も少ないため非常に快適な環境だとして旅行するにも喜ばれる季節。むしろスペインやイタリアといった南欧に位置する国は気温が上がり過ぎて大変だとされるため、涼しく日照時間も長い北欧を自転車で旅行する人が爆発的に増える。このためノールカップを目指すサイクリストはその多くが5〜9月くらいの期間に集中してるのだが、残念なことに北欧はそもそも雨が多い土地であり、雨天走行を避けると全体的なペースはそこまで上がらないことも多い。ということで北欧を走るにはしっかり期間を取った方が安心できるのだけど、そうすると滞在期限が迫ってくるというジレンマが。

 滞在期限をかわして尚且つ夏の時期に北欧を走行したいとなると、飛行機や乗り物使って南へ逃げるか秋から冬にかけての東欧を走行するという2択になってしまう可能性が高い。2023年現在でシェンゲン協定外のセルビアやボスニアといった国は、冬の時期には各地で積雪が観測されるし気温も−20度とかまで下がるらしい。近隣国においてもバルカン半島の国々は全体的に山岳国が多いため寒気を避けるという意味ではかなり難しいのが現状だろう。ヨーロッパを走るという事は、この辺の迫りくる冬将軍を如何にして避けるかという点が重要になってくる。私の場合はトルコまで逃げたのが2度、モロッコへ渡ったのが1度、アフリカへフライトしたのが1度という具合。

<注意点>
 日記本文で何度も何度も文句言ってるが、シェンゲン協定という滞在期間の縛りが存在するためシェンゲン加盟国において、あらゆる180日間の間で合計90日までしか滞在をする事ができない。要するに90日間滞在したらインターバルで90日間はシェンゲン加盟国に入国する事ができないということ。本当はもうちょい複雑なのだが、その辺はシェンゲン協定の滞在日数を計算するサイトとかで計算してもらえばいい。

 ここで重要なのはヨーロッパ全土を自転車で走行しようとした場合、このシェンゲン協定における滞在日数を常に計算しながらルートプランニングする必要があるという点だ。単純な土地の広さで見る限り、例えばポルトガルのロカ岬(最西端)やノルウェーのノールカップ(最北端)からシェンゲン協定外の国まで陸路を走り続けてしまう事は日数的に難しくはない。ただこれは「単純に走り抜けるなら」という意味で、実際には様々な町や観光地へ赴いたりアルプスを始めとする魅力的だがペースが落ちる上に体力を要する峠に臨むと必要となる日数はどんどん増加する。こういった土地をどれだけ取捨選択するかが難しい。

 更に気候の項で触れた通りヨーロッパは南部の土地を除き、緯度が高く真冬に走行するのがかなり厳しい環境でもある。このため自転車走行におけるシーズンが春〜秋までの3シーズンに限定されてしまうのだが、仮にシェンゲン協定ギリギリの90日滞在をすると次に入国できるのは更に90日が過ぎてから。例えば5月にヨーロッパ走行した場合、5〜7月いっぱいを走行出来ても8〜10月は入国できず、次の入国時期は最速で11月からのスケジュールを組むことになる。南部地域はともかく北欧を11月や12月に走るのはかなり上級者向けでオススメはしない。
 私もこうした滞在期限の問題に対処するためこの土地には計4度の出入りを繰り返したこととなり、それでも毎回のように後半は滞在期限が迫って大変な思いをした。

 とりあえずヨーロッパ周遊で色々考えている人はシェンゲン協定の枠外となる隣接国を調べておき、そういった国で90日以上の滞在を踏まえてシェンゲン協定国に戻る等の計画が重要になってくると思う。こうしたシェンゲンリセットによく利用される国はスペイン→モロッコやイタリア→チュニジア、一昔前はウクライナも良い候補地だったが現在は現実的でないためボスニアやセルビアといった国が候補に上がるか。イギリスやアイルランドも選択肢としてあるのだが、島国で狭い割に物価が高くて90日間ほとんど走らず滞在続けるのはちとキツい。いずれにしてもシェンゲン協定をどうやってやりくりするかがヨーロッパ走行における最大の課題となると私は思う。

<道>
 自転車に対して先進的な国が多く、大陸・地域別で見ると自転車道の割合が最も多い土地なのは間違い無いでしょう。特にオランダ・デンマーク・ドイツ・オーストリアの充実っぷりは素晴らしく、基本的に何処へ向かうにも自転車道を辿っていくことでたどり着けるといえるレベル。
 他国に関しても一部走り辛いだけの駄目ロードが出てきたりするものの、概ね快適に走れる道ばかりで私も大変嬉しい。そして忘れちゃいけないヨーロッパ全域に広がる自転車道ことユーロヴェロが存在感を放っており、そのルートは非常に壮大あり尚且つ自転車が走りやすくて安全な道を結んでいる。総距離は14万kmを超えるとか聞いたような気がするが、つまり私の海外で走った総走行距離とほぼ同じだけの道が延びていることになる。全部走ると7年くらいかかる計算というワケだ。
 斜度が緩やかで一定距離以内に補給できる場所があるとか宿泊施設が存在するといったレギュレーションもあるため自転車旅行の経験が浅い人でも無理なく快適に走行できる指標になるしとても素晴らしいと思う。ヨーロッパが自転車旅行にオススメされる理由はいくつかあるが、ユーロヴェロの存在は間違いなくその内の1つになっているかと。

 ただ全ての道で楽できるかというとそうではなくて、特に北欧を始めとした人口希薄地帯での走行はかなりチャレンジングなルートが出てくることもまた事実。流石に数百kmに渡って無補給が続くという道は無いため道中野垂れ死ぬといった可能性は限りなく低いが、その代わりというべきか無数の山岳地帯にも様々な道が通っており、それがまた面白いんだよ全くもって。
 特にスイスを中心としたアルプス山系はグランツールでも出てきた有名な山々に多くのサイクリストが挑戦しており、その中の1人としてヒルクライムできる喜びは非常に大きい。車の1台も通りゃしない峠で孤高のヒルクライムも悪く無いが、大勢のサイクリストと一緒に登るアルプスの山もまた良いと思うのです。アルプスに限らず風光明美で美しい山々は多々あるため、多くの国で素晴らしい景色を見ることができるのだけど、オーストリアだけは斜度が強烈に厳しいフルパッキンだと難易度激高の峠が登場するので要注意。

 自転車旅行者的には最北端のノールカップ、最西端のロカ岬といった大陸の先端にアクセスしやすい土地であることも魅力だ。特にロカ岬はユーラシア大陸横断サイクリストのスタートorゴール地点として数多くの自転車旅行者が訪問する岬。でもたどり着いた時の最果て感はノールカップが断然素晴らしいのであり、個人的にはノールカップサイクリングをオススメするかな。なお先のユーロヴェロ1号線はこのノールカップからロカ岬までを繋いだルートである。本当分かってるよねヨーロッパ。

 どんなルートを選んでも自転車の需要があるためトラブル発生した際に「国内(近隣)にマトモな自転車ショップが1つもない」という車両ワープ必死の状態に追い詰められる可能性が限りなく低いのは安心感がある。全体的には旧ユーゴスラビア諸国の辺りが少々自転車関連弱いと感じたが、それでもリムのクラックという特大トラブルをボスニアでリカバリ出来たあたりに全体的なレベルの高さを感じる。流石にどこぞのメーカーか不明な謎リムを何万kmも使い続けるのは怖いし、リアが駄目になったという事はフロントリムも限界ギリギリと考えられるので、信頼できるショップで新しいリム注文しましたが。

<総括>
 なんだかんだ訪問回数のみならず滞在日数でもアフリカを上回ったヨーロッパ。洗練されてて自転車で走りやすい国が多く、道にも観光にも無数のウリがあるという懐の広さが魅力的な土地だった。その一方でどうしても滞在期限に追われるようなスケジュールとなってしまう弊害があるし、道や山々のスケールならアメリカ大陸に、食事のバリエーション豊富さと安さではアジアに、遺跡などの荘厳さはエジプトやヨルダンに一歩及ばないといったイメージはある。総じて自転車で旅行するのに各方面で非常に優秀ではあるけれど、突出したヨーロッパでしか体験できないという圧倒的なポイントというのはあまり出てこないかもしれない。

 だがまぁ七癖八癖あるアフリカや中東といった土地を近隣に構え、こうしたヨーロッパという自転車に優しい地域がある事自体が素晴らしい価値だと思うのだ。何度も出入りした土地だけど、ヨーロッパを走るとその快適さに心が洗われるというか「楽しんで道を走る」という自転車旅行の原点を実感できる。走って達成感のある土地も良いけれど、厳しい土地で疲弊してしまった気持ちや身体をリフレッシュできるような土地というのもまた大切なのだと思う。

 そうした点においてのみ、シェンゲン協定というルールに縛られ何度もヨーロッパを訪問することになったことは、自転車旅行におけるメリハリを付けるという意味でも良かったと思ってる。でもまぁ素直に好きに自転車旅行させてよ!・・・と思わずにはいられないが。そんな文句を垂れつつもヨーロッパへ入る時の私がいつもニコニコしていた事は間違いない。
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 2023年11月26日〜12月6日
 走行日数11日間
 累計走行距離627km(143747km〜144374km)

◎道路
 もしかすると道路上における走りやすさという点でヨーロッパNo.1を誇れるかもしれないレベル。ほとんどの道に広くて走りやすい側道が整備されており、車両を気にせず走行できる点が素晴らしい。かなりの山岳国だが急峻で登りきれないような斜度の坂は出てこず、一定の無理がない斜度で登り続けられる峠となっており、自転車的には1度リズムを作ってしまえばむしろ楽して走れる国だとすらいえる。ただし12月だと標高の高い山は場所によって冠雪&凍結しており、危うく滞在期限をオーバーするどころか動けなく危険もあったので要注意。なお車両は右側走行。
 私の走った範囲では都市部であっても自転車道路が整備されてたりとインフラ具合も良好な反面、山の斜面に町があることが多くて市内の移動が大変だった。アテネに関しては平地に造られた町だけど、余りにも人口&交通量が多すぎて自転車で走るのに適した町とはいえない。まぁ首都ってのはどこも似たような傾向があるので仕方ないっちゃ仕方ないか。

◎治安
 これは良くない。少なくともヨーロッパ圏においてピンポイントでギリシャより治安の悪そうな町はあっても、全体的な雰囲気ではギリシャ以上に治安が悪かった国の記憶がない程度には。
 観光地はそんな感じないのだが、普通の地方都市とか行くと次から次に私の姿を見て子供が「金くれ」と寄ってくるし、貧困に依るものか浮浪者の姿をみる機会も一気に増えた。
 こういうの見てるとやはり経済破綻した影響が大きく残っているのかと思うし、ギリシャでよろしくないのはその一方で裕福な人たちの数も東欧諸国では群を抜いて多いという点にあると思う。目の前で見える格差は治安の悪化を招く・・・というのは様々な国で見てきた現象だが、ギリシャもそういった傾向にある国だよな。
 首都のアテネは中心街まで入ってしまえばツーリスティックで嫌な感じは受けないものの、その周辺部分は非常に嫌な雰囲気を醸し出してる場所も多かったため、中心地から10〜20km圏くらいの範囲は充分に注意した方がいいと思う。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定に属する国であるため基本的にはノーチェックで移動できることになる。なのだが地図で見るとすぐ分かるように、ギリシャは陸路で隣接してる国がシェンゲン協定の非加入国ばかりであるため実質的にシェンゲン協定のメリットが無い。海路で繋がってるイタリアみたいな国ならワンチャンあるかもしれないが、基本的に国際フェリーは乗船する際にパスポートの掲示があるものだ。
 ということでヨーロッパを走るサイクリストにしてみれば、必死で滞在期限内にシェンゲン協定の国から抜けたと思いきや、シェンゲン飛び地のギリシャがあることで余計な計算が必要になるわギリシャを走りたければ事前の走行スケジュール調整が必要になるわとロクな事がない。むしろ多くのサイクリストはギリシャを走ってみたくとも滞在期限が迫っているため入国スルーしてしまう弊害となっている始末。私も1度目のヨーロッパではギリシャに入国せずブルガリアからトルコへと移動した人。
 今回は最初からギリシャの走行を念頭に入れてヨーロッパ走行スケジュールを組んでいたのだが、最初はギリシャの滞在日数を「30日くらい欲しいな」とか思っており、それがどんどん短くなって最終的に残日数11日間となって入国した。こんな感じで全く余裕のないスケジュールとなることも珍しくないと思うので、ギリシャのシェンゲン協定なんて辞めてしまえ!というのが私の正直な意見。出入国の話ほぼしてねぇ。

◎交通事情
 基本的にマナーを守るしクラックションも慣らさない行儀の良い国なので特に文句はない。特徴として他の東欧諸国に比べオートバイの数が非常に多い事が挙げられる。それも途上国で見るような小型バイクじゃなくて大型ツーリングバイクの割合が高い。
 そんなのが2〜30台とか列をなしてツーリングしているのはまだしも、結構なバイクが凄まじいスピード違反で道路目一杯に使った余裕のない走り方してるため、ちょっとカーブの先とかにいると大クラッシュ引き起こしそうな不安があった。私がエンジン音でバイクが近づいて来るのは分かるけど、向こうは自転車の存在に気づいてないだろうからさ。
 他だとアテネの市内で後方確認もせず自転車いるのにバックしてきた車がいたり、交通量が増えるとヤバめの車両も増える。それは仕方ないけどアテネの車両は全体的に危険な運転手の割合が高いと思ったぞ。

◎特徴
 西欧文明の起源となる古代ギリシャ文明発祥の地・・・という由緒正しく歴史のある国だけど、旅行者的には国家が債務不履行により財政破綻したことの方が影響を感じる。似たようなことはアルゼンチンやスリランカでもあったけど、西欧諸国の一国として観光的にも人気の高いギリシャのデフォルトはインパクトが強かった。
 現在においては国全体が貧しいというより、貧富の格差が大きく治安の悪化に繋がっている遠因となっている印象を受ける。アテネは首都なのでともかくとして、それほど大きくない地方都市でも子供や物乞いが旅行者見かけると積極的に寄ってきたりと良い雰囲気とは思えない。なまじ観光人気が高い事が弊害になっているのだと考える。

◎気候
 前半の峠を越えるまでは日中の気温が10度に届かないほどの寒さもあった一方で、カランバカ(メテオラ)の辺りからは明らかに気温が上昇し気温も20度越えることが多かった。一応警戒して朝はフリース着て走り出すのだが、間もなく暑くなってしまいTシャツ1枚となるほどには。
 珍しくアイスバーンの道路を進むことになった一幕があったが、標高でいえば1600mを越えるくらいで路面の冠雪&凍結が見られた感じで、その翌日も雨まじりの雪が1日続いたにも関わらず路面は通常の状態に戻っていたため、私が訪れる数日前に強烈な寒気が襲った末の凍結であり、通常ならば11月や12月頭で道路が凍結することは稀だと考える。この時期に似たような緯度・標高を走る方がいたら「運が悪いと路面凍結に出会うかも・・・」くらいの心構えは必要かと思うが。
 全体的に北や西からの風が吹いていたが、コリントス湾が近づいてからは南風に吹かれる事が多かった。風の温度が明らかに違うためハッキリ認識できるのが面白いところ。

◎言語
 由緒正しき歴史あるギリシャ語。基本的に看板の文字は全く読めないのだが、英語で併記されてることが多いため何とか対処できる。一部でやたら好まれ使用されてるイメージのギリシャ文字だが、文字はともかくギリシャ数字をこの国で見ることは遂に1度もなかった。ゲームのナンバリングといえばギリシャ数字が使われてる印象なんだけどな。
 英語の通用率はかなり高いが、田舎だと普通に全く英語話せない人も多い。ただギリシャの人は他国と比べて自転車旅行者に話しかけて来る割合が低く、あんまりこの国の人と会話をした数が多くないためサンプル数的にちと怪しいところはある。1日で1〜2組くらいしか会話してない印象かな。むしろギリシャは他の旅行者と話すことの方がよっぽど多かった。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 物価が完全に西欧料金の割に安宿の値段は良心的だと思う。首都のアテネには10€以下の激安系もあったし、超絶観光都市のカランバカでもホステルは1泊16€であった。西欧の国ではそもそも宿を利用してないので料金把握してないが、例えばクロアチアなんかは1泊25€で宿泊したことを考えるとギリシャは宿代かなり頑張ってると思うし、その割に設備レベルは非常に高い。アテネのホステルではキッチン設備がない宿を引いてしまったけど、宿自体の設備は悪くなかった。
 町と町の間は山岳地帯か広大な農地となっているパターンが多く、前者なら野宿は簡単だが後者だと身を隠す良い場所がなかなか出てこず以外に苦労するかもしれない。ただギリシャはやたらと廃墟が多い国だったので、そうした建物をお借りしてやり過ごすことは難しくない。キャンプ場は観光地の周辺にだけやたら沢山揃っているが、利用しなかったので何とも言えない。
 助かったのがWi-Fiの設置レベルも西欧レベルに返り咲いた点で、適当なチェーン店系のスーパーやガソスタに行けば簡単にFreeWi-Fiが使える環境に。何故か1日だけ全くWi-Fiが見つからずという日もあったけど、基本的にネット環境で苦労することはない国だと言える。

◎動物
 動物はかなり姿を見なくなった印象だ。かなり山奥ならば羊の放牧行っているのを何度か目撃したが、他の家畜はほとんど姿を見ていない。山の途中で謎の野良牛と出くわしたりとかしてるけど。
 地味に大型犬の割合が増えて吠えて襲いかかって来る恐怖感が段違いに。特にギリシャは山で生活してる人が犬を多頭飼いしており、その内1匹が反応すると他の犬まで反応し徒党を組んで襲いかかって来るのが頂けない。それが全部デカイ犬だから尚のこと。
 それと細かいところで12月だというのにギリシャでは蚊に刺される事が複数回あり、久しぶりに蚊取り線香が活躍した。冬の時期でこの結果ということは、夏季における自転車旅行は相当かに悩まされる事が想像できるかな。

◎自転車店
 結構ショップの数は多いし専門パーツを備えた店もある一方で、全体的な取り扱い部品のグレードは低かったし店員も不親切で印象がそれほど良くないというのも事実。長期自転車旅行者としては低グレードの部品ある方がありがたいのでむしろメリットなのだけど、その割に26インチのタイヤを見ることは1度もなかった辺りが不満といえば不満。
 アテネの中心部に何店か自転車ショップが軒を連ねた自転車街もあり、マラソンプラスが取り扱われたりと良質な品揃えだったため、ギリシャで何かしらの部品を取り揃えたいならアテネはオススメできる。
 季節的なものかもしれないが、ギリシャでは地元のサイクリストと出会うことも少なくて、むしろ自転車旅行者とすれ違った回数の方が多いかもしれない。もっと自転車人気ある国だと思ってたんだけどな。

◎物価・食事
 バッチリ西欧価格でとても高い。特にそれまで値段の抑えられてた東欧諸国からやって来た身としては、あまりの価格差に頭がクラクラしてしまう。
 ある程度冷静になってくると、実は西欧諸国でもどちらかといえば値段が安い方に分類できる感じであり、少なくともイタリアやオーストリアみたいな物価よりは大分マシ。ドイツと比べるとやや高いな・・・位の感覚だといえば分かる人には分かるだろう。
 値段も安いが質も悪かった東欧の国々とは違い、生鮮食品の管理もしっかりしてるしやはりギリシャは西欧の国なんだなと細々したポイントで感じる事が多い。ドイツ系スーパーのLidlも全国展開していた(旧ユーゴスラビア諸国やアルバニアでは無かった)し。
 ペットボトルタイプのビールは姿を消して通常のビール缶が販売されるようになったのはやや残念。1番安いロング缶でも75セント(約120円)くらいしたのでアルコールに関してはやや値段高いイメージがある。多くのビールで1€超えてたし、種類も少なくちょっと残念だった。
 総じて値段が上がった関係でとてもじゃないがレストラン等は利用できなかったけど、先進国になったことで割引商品を利用する事で安く切り抜ける・・・みたいな先進国での買い物スタイルが再び通用するようになったため、全体的にはそこまでお金使わずに済んだかな。少なくとも初日に降ろしたユーロ紙幣が200€も手元に残る程度には。

◎総括
 見所は多いし非常に走りやすい道で構成されてて自転車旅行にオススメの国である一方、ヨーロッパにしては治安が悪いし、シェンゲン協定の飛び地という土地であるため滞在日数の制限がキツい。オマケに西欧の土地を夏の時期に合わせてヨーロッパ全土を走ろうとするとギリシャに到着するのが秋から冬の時期になりやすく、地中海性気候とのコンボで雨に翻弄されやすかったりする。
 要するにギリシャ単独で旅行するならともかく、ヨーロッパ全体で考えるとギリシャを含む東欧地域をメインとするか西欧地域を主眼に据えるかで走行計画から季節まで大きく変わってくるワケですが。その際にギリシャのポジションは割と厳しいと言いますか。
 ここら辺の考え方は色々あるが、欧州全体として南に位置してるギリシャは多少寒くなってもまだ耐えられそう、西欧の国々は宿泊施設が高いためテント泊が厳しい環境でも宿に泊まるスタイルに移行しやすい・・・といった理由から自転車旅行においてギリシャはルート選択の際、注視されにくいどころか、最悪スルーされてしまう国の筆頭だと思う。せめてシェンゲン協定の縛りがなければ。
 ただそこできっぱり「ならばギリシャには行かない!」という選択ができればどれほど楽か。この国はそれだけのマイナス点を抱えてもなお訪問して良かったと思える魅力を持ってる国だった。
 ということで長期自転車旅行者にとって訪問する事が非常に悩ましい存在であるギリシャ。ヨーロッパ4度目の訪問でようやくこの国に訪れる事が出来たワケだが、それでもギリシャを心ゆくまで堪能するには全然時間が足りなかったのであり、どう転んでも扱いの難しい国になってしまうのであった。
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 2023年11月13日〜11月26日
 走行日数14日間
 累計走行距離486km(143261km〜143747km)

◎道路
 すごく良かった。結構路面が悪い道もあるけど全体的に側道を取ってくれてる割合が多いため不安なく走れるという点が大きい。その一方でちょっとローカル道走ろうものなら酷い未舗装路となってしまうのも事実であり、アルバニアにおいてはヨーロッパよりも少々途上国での道路選択方をセオリーとする(基本的にルートは幹線道路をメインに考える等)のが正解だと思う。なお車両は右側走行。
 地形的にかなりアップダウンのある国で、内陸部を走ったり国内を東西に横断しようとすると山登りは避けられないし、ベラト以南の土地は内陸部だとほとんど舗装路が通ってないレベル。ただし山の高さはそこまで凶悪な程ではなく大体1000mをマックスだと考えておけば良いと思う。斜度に関してもかなり緩やかに造ってくれてる場所が多いため、難しいというほどではない。
 楽なルートとしては海岸線に沿った道も延びており、こちらならば多くの場所を平坦路で走ることも可能だったりとなかなか懐の深い国という印象だ。

◎治安
 入国早々にトーチカの残骸目にして物々しい雰囲気なのか・・・?とビビったが、実際のところアルバニアの雰囲気は非常に緩やかで治安に不安を感じることは少ない。というか首都のティラナ町中ですら住民が家のドアを開けっぱなしにしていたりするし、私が泊まったホステルも同様なので盗人が入ったりしないかとドキドキしたぞ。
 そんな感じで牧歌的な国だなと思ったし、田舎に関しては全然気にするような危うさはなかったけれど、ゴミを漁ってる人を日常的に見かける等の貧困さは所々で感じるため油断しすぎるのは禁物か。

◎ビザ・出入国
 少なくとも陸路国境の出入国に際しては、スタンプを押さないという謎の制度を取っているっぽい。確かに隣国の出国スタンプ日時を確認すればある意味アルバニアのスタンプは必要ないかもしれないが、よく分からんことやってると感じたし単純に不安なのでやめてほしい。
 審査自体は無茶苦茶適当であるため特別気にするようなことはなかったかな。

◎交通事情
 この国に来て車両がクラックション鳴らす割合が大きく減り非常に好印象。民族的な点からコソボ と似たような感じと想像していたが良い意味で裏切られた。
 そもそもの交通量が少ないということもあってか、自転車を追い抜く際にも反対車線まで大きく距離を取ってくれる運転手が多いし、逆走や信号無視といった蛮行を行う輩を見なかったことも素晴らしい。
 褒めばかりだが凄まじい速度で一般道を爆走するヤンチャな車両もいるし、狭い道路で自転車の脇ギリギリを追い越す無茶をするトラックにも遭遇した。まぁ全体的な傾向としては非常に素晴らしいという感じ。

◎特徴
 これほど特徴の多い国も珍しいと言えるほど尖った国のアルバニア。1990年という近年まで鎖国政策を実施しており「ヨーロッパの秘境」なんて呼ばれ方していた。これにより国境付近には外敵から身を守るための無数トーチカが建設され、1度も使われることのないまま現在でも残り続けている。
 他にも国家無神論政策という国内にはいかなる宗教団体も存在しないと国が宣言した(現在どうなってるのかイマイチ分からん)りと、なかなか強烈な舵取りをしていたホッジャ首相の独裁政権が終わり、鎖国政策が解かれたと思ったら今度は国民の3分の2以上がネズミ講に参加してしまい、というかむしろ政府がこのネズミ講に加入するよう推奨していた始末。
 当然程なくしてネズミ講は破綻してしまい、多くの国民が文無しとなり暴徒化。そのまま紛争状態に突入してしまい、近隣国の助けを得ながら治安回復した後も現在ヨーロッパ最貧国として知られている・・・という近代史だけでも波乱万丈すぎる。
 でもその割にアルバニア国民は自国の国旗プリントされたグッズとか大好きだし、その手の土産物屋も数多いんだよね。そんな唯一無二の独自性を持ってる国なので、面白いかと問われればそれはもう無茶苦茶面白い国ですよ。

◎気候
 地中海性気候にあたる国のため、この時期は雨が多いということに途中で気づいた。実際この時期のアルバニアは最長で3日間しか晴れた日が続いたことがなく、結構な割合で雨を降らせてしまうためルートを考える際に困りがち。
 風は全体的に北から吹いてた印象で、このため南下している私には基本追い風となって助けてくれることが多く楽ができた。その代わり吹き付ける風は非常に冷たいもので、いよいよアルバニアからは服装もラフな夏服から冬服に切り替わった感じがある。なおテント泊すると朝にはペットボトルの水が凍ってたりしたので気温も氷点下まで落ちていただろうし、日中もティラナを散策してる時には24度まで気温上がったことがある一方で、それ以後は最高気温も15度前後で推移していたため丁度季節の変わり目であったのかと想像する。

◎言語
 アルバニア語である。区分としてはルーマニア語やブルガリア語と近しい言語らしい。地理的にイタリアと近いためか、割とちょいちょいイタリア語で会話している人を見たのが印象深い。
 英語の通用率は5割といったところだろうか。学生くらいの年嵩の子がよく英語で声かけてくれることが多かったイメージで、学校における英語教育に力を入れているのかもしれない。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 主要都市や観光地ならホステル系の安宿で1泊10€の予算を見繕っておけば大丈夫かな?という感じ。何処も設備は一応整ってた・・・っていうレベルなのだけど、バラトで利用したホステルは完全に1段上といった印象。ここだけ朝食サービスも付いてたしね。
 意外と小さな集落が点在していて人がいないエリアというのは少ないのだが、野宿もほぼ気にすることなく出来る雰囲気だし何なら宿泊地を提供してもらうこともあった。都市間の距離が微妙に遠いので、普通の町にある宿泊施設を利用しない場合は安宿のみを繋ぐのちと厳しいため割とテント泊も多かった気がする。それとジロカストラでは体調崩して宿の方々に大変お世話になりました。
 なお町中におけるFreeWi-Fiの設置率はかなり低い。なんだかんだガソスタで2度Wi-Fiをゲットしてるのだけど、基本的にアルバニアではFreeのWi-Fiを当てにするより素直にカフェみたいな施設を活用した方が良いと思う。飲食関係のお店は料金安いので懐もそれほど痛まないし。

◎動物
 いつもの家畜シリーズでヤギや羊、馬を見ることが多かった反面、牛や豚の姿は目にした記憶がない。基本的にはイスラム色の強い国だから豚は分かるが牛に関しては忘れてるだけかも?
 寒くなってきたので蚊を始めとする小さな虫に困らされることが減ったことが有難い。またアルバニアでは隣国と比較して割と犬の攻撃性が低く、また敷地内の柵がしっかりしてるため余り犬に追いかけられることが無かった点も好印象。でも1〜2回くらい追いかけられたが。

◎自転車店
 意外だった点でアルバニアは首都ティラナを中心に割と自転車需要の高い国であること。きたマケドニアよりは少ないものの、しっかりしたスポーツバイクに乗ってるローディを複数回見たしティラナ の町中に自転車商店街があったことも驚いた。ここでマラソンプラス取り扱ってるショップもあったし、思ってるよりアルバニアは自転車関連の部品が充実してるのかもしれない。
 なおティラナを離れるとロード乗りも自転車ショップも見かけることは無くなったので、この国でトラブル発生した場合はとにかく首都へ向かうのが間違いない対処法だと思う。

◎物価・食事
 最初ティラナで買い物した時は「アルバニア無茶苦茶物価高いじゃねーか!なんだこの国!?」とか驚いたが、基本的にティラナの物価が非常に高いこととアルバニアは商品によって値段の上下幅が異様に大きいため、物を選んで買い物するということが大切だと段々分かってきた。
 例えば肉類は普通に購入すると日本より高いことが多い一方で、冷凍されてる肉ならば非常に安く購入することができる。
 ちなみにビールは相当値段が上がり、1.5ℓタイプのペットボトルで200レク(約320円)というのが多分最安。バルカン半島の国で1番お高いのではないかと思われる。
 面白いのが対人関係の食堂やレストランといったお店はむしろヨーロッパでも最安値に近い料金で楽しめる点で、私はお昼によくファストフードのケバブ屋とか利用してたが安けりゃ1食120レク(約190円)とかの料金で楽しめる。
 ということでアルバニアでは自炊による金銭的なメリットが薄いため、もうちょい積極的に食堂とか利用しても良かったかな?という気持ちもある。ティラナの中央広場すぐ側のレストランですら生ビール100レク(約160円)とかで飲めたので、アルバニアにおける飲食関係の人件費が気になってしまうレベルだ。

◎総括
 いや面白い国だったなアルバニア。情報だけ調べるとその特徴的な歴史や政策にばかり目が行くが、この国の素晴らしさは人たちのフランクさと親切心にあるというのが私の感想で、(他地域と比較して)あまり旅行者に対して積極的に話しかけてこないヨーロッパとは思えぬアグレッシブさ。田舎町で見知らぬ子供に声かけられたり挨拶されたかと思えば、そんな彼らが私を指してギャハハと笑ってる(おそらくは中国人だと嘲笑っている)そんな光景がこの土地で見れるとは。
 そういう意味でアルバニアはこちらが特別アクションを起こさずとも向こうからイベントが押し寄せて来る系の国といえ、悲喜こもごも良い経験をさせてもらいました。
 自転車で走るには内陸部ほど未舗装割合が増えて難しくなる一方で、海岸線ベタ付けルートならそうした問題からは解消されると両極端。私はちょうどその中間くらいをルートプランニングした印象。
 ヨーロッパでは他国とちょいと異なるテイストが味わえる国だと思うので、ある程度欧州回ってから訪れてみるとより楽しめるのではないかと思います。
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 北マケドニア
 2023年11月5日〜11月13日
 走行日数9日間
 累計走行距離324km(142937km〜143261km)

◎道路
 バルカン半島南下するほど道路が良くなっていくというのは私の想像と真逆の現象で驚いている。路面状況も良好だし、狭いながらも側道のある道が増えたことで自転車的にはかなり安心できるようになった。いくつか峠も越えたけど、アルバニア国境沿いにあった坂を除いて10%を超えるような厳しい斜度はなく、緩やかに登っていくことができる自転車にも優しいタイプのものばかり。オマケに登坂車線がしっかりあるので車両のオーバーテイクに怯えることもない。なお車両は右側走行。
 強いて挙げるならちょいちょい出てくる自転車道が整備されてなかったり、突然未舗装路へと切り替わる「町の周辺だけしか配置してないよ」系のため、こうした道を利用するより素直に道路を走る方が良い。というか酷い目にあった。
 スコピエ周辺だけは交通量も多いので怖い思いすることあるかもだけど、基本的にそれ以外でストレス感じることは稀で非常に優秀な国でした。

◎治安
 基本的には問題ないが、スコピエの周辺は貧困を感じさせる場所が多くそうした人が住むスラムっぽい地区だったり不法投棄されたゴミの山があったりと治安的に不安を感じさせる場所もチラホラと。
 町中の落書きはともかく放置されたゴミの量は一気に増えた感じで、あまり良い感じはしないというのが正直なところ。
 大きな町の周辺には似たような感じでボロボロの家屋だったりプレハブ小屋みたいな家が立ち並ぶ地区があるみたいなので、あんまり町の近くでテント張るのは躊躇われる感じがある。ビトラでの野宿も完全に日が暮れてしまったので止むを得ず・・・というところがあり、あんまり気軽にテント張りたくはないかな。

◎ビザ・出入国
 パスポート渡して特に質問があるワケでもない簡単なタイプの国境でした。その割に北マケドニアのイミグレーションには車両が長蛇の列をなしており、コソボ側のイミグレーションとあまりの違いに「北マケドニアって審査厳しい国なのか?」とか不安になったし。アッサリ通過できたのは日本人だからかもしれないが真偽の程は不明。

◎交通事情
 これがすごく良くなった。無理な追い越しも無くなったし、アホみたいにクラックションを鳴らしてくるクソドライバーの割合も劇的に減り、側道が配備されてる道が多い事もあって非常に安心して走れることが多く自転車旅行に向いてる国だったなと感じる。
 ただ全く問題が無いわけじゃなくて、スコピエを中心として一般自転車が道路の左側(車両は右側通行)を逆走してる割合がとんでもなく高いと思う。ここまで逆走多いのザンビア以来だぞ。
 あとマナーは向上したけど運転技術に難あるドライバーも多い感じで、自転車をオーバーテイクした直後に急ブレーキかますとか、右折してあわや巻き込み事故になりそうな場面があって、要するに自転車に対する危険予測なんざちっとも出来て無いのが現状であるため、こちらが集中して危険回避しないとならず、安心できる環境とはいえ気は抜けない。

◎特徴
 元々は「マケドニア共和国」という国名だったのだが、歴史的にマケドニアという土地はギリシャとの国境に跨って存在するエリアであり、むしろ面積的な点ではギリシャの国内にマケドニアと呼ばれた土地は多くを占めていたりする。正確にはマケドニアが約4割、ギリシャが約5割、ブルガリアが約1割と言った塩梅。
 そもそも古代マケドニア王国はギリシャ系の言語を使っていたとされる人々で、北マケドニアの多数を占める南スラブ系とはそもそも直径の子孫か怪しいとされている。
 そんなワケで旧ユーゴスラビアから独立後にマケドニアと国名を名乗った際にギリシャから「なに勝手にマケドニアを名乗っているんだ!」と物言いが付き、紆余曲折あった末2019年に北マケドニアという国名に変更することで決着がついた。
 国際的には一応の解決がついたものの、この国の人は自国のことを「マケドニア」と呼ぶし、ギリシャの人は北マケドニアのことを「スコピエ」とか別の名称で呼ぶらしい。

◎気候
 スコピエ周辺は年間通して晴天に恵まれている土地とのことだったけど、私が訪れる前日は雨だったし数日後の天気予報も雨となってた関係で早々に移動している。なので個人的には天気の良いスコピエという評判には懐疑的。
 ちなみに他の場所でも散々雨に悩まされた北マケドニアで、特にオフリド周辺では度重なる雨によってなかなか移動ができず難儀した。バルカン半島入ってから雨の割合が増えて難儀すること多かったけど、ここまで足止めを食ったのは北マケドニアが始めてである。でもこれは地形的なものというよりこの季節が比較的雨の多い時期で、私はそのタイミングに嵌ってしまったのだと予想する。この時期周辺諸国の天気も軒並み悪かったので。
 ちなみに天気が良ければ平地を走る分にはまだTシャツ1枚でも走行可能なギリギリの気温。私は比較的寒さに強いタイプなのでそんな服装だったけど、多くの人はそれでは厳しい気温だと思うし、実際地元民の服装はコート羽織っている人までいたので参考程度に。

◎言語
 マケドニア語が公用語らしい。旧ユーゴスラビアの国らしくセルビア・ボスニア語と似ているらしいので、つまりクロアチア語やモンテネグロ語とも近しい言語なのだろうと推測できる。
 でも言語的に近いのはブルガリア語だそうで、この2つに関しては方言程度の違いしかないとのこと。ここら辺は北マケドニアが歴史的にブルガリアの領土だったりとかが影響してるのだろうな。さっきから不確定な言い方ばかりで申し訳ない。
 とりあえず英語の通用度はそれほど高くない。スコピエとかオフリドではほとんどの人が英語話せた感じだけど、田舎町だと基本的に英語は通じないと考えておくのが無難。使用文字もキリル文字なので読むことができず、食堂のメニューが読めないけど質問しようにも英語が通じず適当に勘で注文!・・・というパターンを久しぶりに体験した。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 安宿なら10€前後で宿泊ができる印象。スコピエの町には多くのホステルあったので色々回ってみたが結構な割合で潰れている施設が多く、コロナ以前の宿情報は当てにならないと思った方が良い。
 設備もしっかりしてたし利用した2つの宿には両方とも寝室にエアコンが配備されていたのは好印象。時期が時期だから使ってないけど夏は相当厳しい環境だろうし。
 宿のWi-Fiは速度も速くて問題となることはなかったが、スコピエ・ビトラ・オフリドの3都市以外でFreeWi-Fiを掴むことは最後まで出来なかったため、田舎におけるWi-Fi普及率は決してよくない。ガソスタによく「FreeWi-Fi」といった表記が出ていたが、1度も本当の意味で自由に利用できるWi-Fiは出てこなかったし。なおあくまでFreeWi-Fiでの話であり、普通にカフェとかレストランといった施設を活用してネット利用するのなら全く問題ではない。

◎動物
 そんな大型動物見なかったな。いつもの家畜で牛・馬・羊にヤギあたりはちょいちょい出てくるものの、野生動物を見た記憶がない。多分というかコソボのベアサンクチュアリでは北マケドニアとの境界線上で捕獲した熊も云々とかあったので、間違いなく熊はいるのだろうけど。
 ボスニア以南は完全に犬が襲ってくる国のエリアとなったようで、ここでも多数の犬がテリトリーに入ると狂ったように吠えて追いかけてくる場合がある。特に北マケドニアでは犬の数を多く見かけたし、今回ヨーロッパに入って犬叩き棒が火を吹いた初の事例がここ北マケドニアだ。

◎自転車店
 コソボからやって来るとスポーツ自転車の利用者割合が一気に増えたことに驚く。その需要を反映してか、スコピエには先進的なショップもあると聞いたのだが、実際訪れたワケではないのでレベルとかラインナップは分からない。
 オフリドの町でも市場の近くで2店舗ほど自転車ショップを見かけたが、こちらはお世辞にもしっかりしたショップではなく取り扱ってるパーツもほとんど種類がなくグレードも低かった。レンタサイクルの商売を主としてるタイプのショップだったので仕方ないかもしれないが。
 とりあえず地方都市にはそれほどしっかりしたショップがある雰囲気ではないため、基本的にはスコピエのショップでアレコレ対応するのが正解だと考える。国土の小さい国だしそれで問題ないんじゃないかな。

◎物価・食事
 コソボとほぼ変わらず物価は安い。普通にスーパーや市場を活用してれば食費は1日1000円もしないレベル。私はこの国で初日に50€(約8100円)を両替してるが、これで食費に関しては丸7日間イケた。あんだけビール飲みまくってだ。
 そのビールにおいてもコソボよりは値段も下がり、お求めやすくなってはいる。東欧全体で見るとやや料金高めという印象ではあるが。
 食堂に関してはケバブ屋みたいなファストフードは何度か利用した。値段は最低300円から・・・というイメージで大体合ってると思うけど、店員が割り引いてくれたり奢ってくれたりが多くて正確な料金が日記に残ってないんだよね。本当にありがたい限りです。
 食事の内容に関しては相変わらず変化の薄い感じになってるけれど、北マケドニアではまだ酒と言ったらラキアの国らしく、ここでもラキアを頂けたのが嬉しかった。

◎総括
 歴史を調べてみた結果、旧ユーゴスラビアを構成していた国は全て訪問してみたい・・・と思っていたので、この北マケドニアを無事に走り切れたことは私の中で一区切り感がある。
 個人的な感想としてこれらの国々は近しいところもある一方で、どの国も独自の特色があり違いを感じさせることが多かったため、ユーゴという国が7つの国へ別れてしまったのは仕方ないと思えてならない。紛争を肯定してるワケではないのであしからず。
 そんな国々の中でも特に独自色の強かった北マケドニアだが、人は優しく親切だったし自転車で走るのに適した平地と山岳の割合に加え、適度な距離に置かれる安宿を配した観光地。物価も安く地理的な要因も相まって、自転車旅行してて非常に楽しかった国である。
 陸路旅行者は最初に旧ユーゴスラビアを構成していた国として訪れる人も多いと想像するが、北マケドニアでの滞在経験でその後のユーゴ諸国も良い意味で期待を持たせてくれる国になると思う。
 なお最後なのでユーゴスラビアという国を表す有名な言葉を残しておく。

「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ、1つの国家」
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 2023年10月30日〜11月5日
 走行日数7日間
 累計走行距離160km(142777km〜142937km)

◎道路
 割と自転車道やれ歩道をお出ししたりと車両以外にも気を使ってるのを感じられて印象が良い。少なくとも私が走行した国内を横断するルートでは平坦な地形が続いたこともあって自転車における走行はかなり優しい部類に入ると思う。国土が狭いので自転車でも各主要都市には1日あればたどり着ける距離というのも有難い。私は天候と節約の関係で途中で野宿するスタイル取ったけどさ。
 基本的に交通量の多い主要道路にはちゃんと側道が敷かれている関係で、ドライバーの運転が荒いことを鑑みると中途半端な大きさの道を走るより、主要幹線道路を選んで移動する方が危険が少ない国。側道が無くなるポイントもあるっちゃあるが、そういうのは交通量の少ないエリアだったりするワケで、コソボもちゃんと考えてるなと思う。なお車両は右側走行。

◎治安
 どうしても紛争のイメージが強くて治安に不安を覚える国だけど、実際滞在してみて治安的な不安はほとんど感じないどころか安心感のある治安良い国という印象だ。
 首都のプリシュティナですら町歩いてて嫌な雰囲気を感じることはなかったので、旅行者が適当に歩き回ったくらいじゃ、スラムや雰囲気悪い場所があったとしても迷い込むような心配はしなくて良いと思う。
 田舎の人々も自転車見かけると笑顔で手を振ってくれる朗らかな雰囲気で、テントを張ることに気を遣うような感じは無かったかな。セルビア国境近くの北部に行くと、セルビア系とモンテネグロ系が混ざり合う一触即発な雰囲気を抱える場所もあると聞くが、私が通ったルートにおいては実に良い感じでした。

◎ビザ・出入国
 セルビアを経由しないなら特に気にする要素はない。この点についてはセルビア総括で触れたので省略する。審査自体はざるも良いところで、やたら厳しかったセルビアとはこういう所でも反りが合わないのかと思ってしまうコソボ。旅行者的には適当な対応で入国させてくれるコソボが好きです。
 理由は知らんが入国時のスタンプ押さない国なので、その事実を知っておかないと不安が募って精神的によろしくない。なお出国時には普通にスタンプ押されたため、国としての主義とかデータ管理のみで対応するみたいな理由ではないっぽいが。 

◎交通事情
 酷い。それまでのバルカン半島諸国におけるドライバーが可愛く思えてしまうレベルで運転が荒くなったし自分勝手な運転する輩の割合が激増した。クラックションを鳴らせば自転車は蹴散らせる存在だと思い込んでるクソが一定数おり、狭くて逃げ場もない道で後ろから永遠とクラックション鳴らされ続けた時はドライバー張り倒してやろうかと思うた。
 途上国によくあるバスやトラックといった大型車両の方が無茶な運転をしてくる割合が高い国で、自転車の脇スレスレを速度落とさず抜いていくヤツも多い。モンテネグロから入国してペーヤの中心部にたどり着く前には「コソボのドライバー最悪だな!」とか思ってたので、東欧における運転マナーの境界線を引くとすればここになると思う。
 個人的には側道ないけど交通量がそこそこ多い中途半端な道で1番怖い思いをしたので、道路の項でも書いたがコソボを走る場合は幹線道路か思い切りローカル道かの両極端でルート組むのが良いと思う。

◎特徴
 コソボ紛争を経て2008年に独立したヨーロッパにおける1番新しい国である。ちなみに全世界では南スーダンに続いて2番目。ユーゴスラビア解体に伴う紛争でボスニア紛争がボスニア・クロアチア・セルビアの民族による対立だとすれば、コソボ紛争はアルバニア人とセルビア人との対立という見方ができる。
 しかしコソボという国はセルビアにとって歴史的に重要な土地である関係上、当時国のセルビアはコソボの独立を認めていない。この辺はコソボ独立までの経緯と国によって様々な見解があるらしく、コソボを承認してる国は世界で110カ国と半数ちょい(世界の国数を196とすると)である。
 余談だが、このブログは基本的に日本が承認している国は私も同様の扱いとして書いてるためコソボの総括はセルビアと分けた。アラスカを単独で総括したり小さな国は他国と合わせたりと、この辺そんなキッチリ区分けしてないんだけどね。

◎気候
 秋のコソボは天気次第。晴れると日中はTシャツ1枚でも過ごせるほどに気温上がったが、太陽出てないと日中でも気温一桁まで落ち込むこともある。やたら雨の日が多かった印象だけど、調べてみるとそんな特筆して雨が多いというワケではないようなので、単に運が悪かったか。
 風の印象は薄く、全体的に南から吹いてた気がするな〜という程度。平野が続く走行だったので、風の影響受けたらもっと大変な走行となったことが予想されるためこちらに関しては運が良かったのかもしれない。

◎言語
 アルバニア語である。そもそもコソボの人種は大部分がアルバニア人であり、これまで訪れたバルカン半島のスラブ人とは大元から異なっている。それでユーゴスラビアを構成していたのだから、そりゃ一旦解体が始まればコソボも独立したがるのは無理もなかろうて。
 英語の話者はあまり多くないものの、学校教育が影響してるのか10代の若い子とかが結構英語で話しかけてくるんだよね。体感としては田舎で半分弱くらいの割合で英語通じる印象かな。ペーヤやプリシュティナといった町ならもっと割合高いだろうし、それほど問題になることないと思われる。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 国土が小さい関係で町を抜けても完全に人家が途切れる場所は少なくポツポツと家なり商業施設なりが点在してる印象。そうした場所の隙間を縫うようにテント張るのはもちろん出来るが、他のヨーロッパ諸国と比べて少々難易度上がったかな?
 都市間の移動が1日かからない距離なので、そうした町にある安宿を経由すればテント泊を考えることなく国内大部分に自転車で移動できる。安宿の相場は最安で10€(約1600円)からと考えておけば良いかな。
 なお利用した2軒の宿は共にコソボ人がオーナーではなく外国人経営の宿だった。内1軒に関ししてはバルカン半島の国でよく見られるトルコ人経営の宿であり、利用客もやたらトルコ人が多いタイプ。設備でオーブンが壊れてるのに放置されてる謎の共通点がある不思議。
 基本的なサービスが悪いとは思わなかったが、どちらの宿でも同室のお客がマナー悪くて寝ているところ起こされたりしてるので少々印象が悪い。

◎動物
 プリシュティナの近くに位置するベアサンクチュアリだが、ここに生息してる熊は元々コソボや近隣国の熊が捕獲されて連れて来られた経緯があるため、つまりは山中においてヒグマが生息している地域ということである。
 個体数が少ないからわざわざ保護していることからそんなに出くわす確率高いと思わないが、洒落にならない身体のデカさと迫力あるので「出会う可能性がある」ということがリスクとは思う。あんまり山深い場所でテント張ろうと思わなくなるってこと。
 その他に牛とヤギの姿はちょいちょい見かけた程度で他の野生動物の印象は薄い。なお犬はここでもテリトリーに入ると無茶苦茶に吠えまくって追いかけてくるので例え町中だったとしても要注意。

◎自転車店
 ペーヤの町に修理店が1件あったがワイヤー1本に10€(約1600円)取ってくるボッタクリ店だったので利用していない。プリシュティナには同じような修理店でワイヤー1本3€だったし、取り扱ってる各種パーツも普通の料金だったので、コソボで自転車トラブルあった場合は首都まで移動してしまうのが正解だと思う。
 他のお店も覗いてみたが、自転車本体の販売のみ行ってるショップだったのでコソボは本体販売と整備や修理との専門店とで棲み分けされてるのが普通なのかもしれない。そもそもショップの数自体も少ないし。
 あと郊外で中古の自転車が大量に並んでいる中古ショップを何度か見かけたので、こういうお店が地方の自転車需要を支えているのかもしれないけど、スタッフは修理や整備できるのかな?

◎物価・食事
 非常にお安く買い物できる国である。全体的にチェーン系の全国展開してるような大型店舗が減って個人系の小型商店の数がグッと増えた。軒先に生成食品を出してる八百屋みたいなお店もよく見かけるように。面白かったのがスーパーの商品は値段の隣に国旗等で生産国の表記がなされており、商品を眺めてるだけでどこの国の商品かが分かるようなっている。
 レストランでもファストフードは300円しないで楽しめるタイプが出始めて、長期旅行者でも自炊じゃない外食を楽しんで懐が気にならないコソボは本当に有難い。
 ただしイスラム教が強い国だからか周辺諸国と比べて酒類の値段がかなり高い。モンテネグロのテンションでビール買ったら料金1.5倍くらいになってて驚いた一幕もある。それでも日本と比較すると大変お安い価格なんだけどさ。2ℓのボトルで2€ちょい(350円くらい)のイメージかな。
 何気に1€ショップの品揃えが良くて、ペーヤの町で駄目になってた消耗品を買い揃えたりしてる。私があまり大都市での散策をしないからかもしれないが、バルカン半島の国で1€ショップを見つけたのはコソボが始めて。探せばあるんだろうけどこの国ではペーヤとプリシュティナとの2回偶然ショップを見つけてるので、そうしたお店がやや多い可能性がある。

◎総括
 旧ユーゴスラビアを構成していた国は(歴史的に興味あるので)全部回ると決めてたので、コソボを走ることも必然ではあったのだけど、その中でも独特の雰囲気を持ち合わせた国であったと感じる。
 正直セルビアとは全く異なる雰囲気を持つコソボという国が独立をしたのは自然な成り行きの気がするし、でもそんなこと言い始めると旧ユーゴを構成する国々はどの国もそれぞれ違った良さと特徴を兼ね備えていた気がするのであり、国を1つにまとめるというのは本当に難しいことなのだろう。
 とりあえず荷物満載の自転車を見かけると朗らかに挨拶してくれ、ぐいぐいコミュニケーションとってくるコソボの人たちを私は好きだし、この国を旅行した結果そうしたイメージができたことを嬉しく思っている。コソボという国のイメージが近年まで続いてた紛争しかなかった人だったので。
 そうしてコソボという国を好きになると、個人的にも独立を宣言してるの国でありながら承認してない国も多い・・・という立場のコソボを応援したくなってしまうが、セルビアを訪問してかの国でも良い思い出がたくさんある身としては、なかなか意見表明が難しいとも思ってしまう。1つだけ言えるのは、どちらの国民にも旅行者に対して親切な人が居て、私は彼らと出会えたことがとても嬉しいということだ。
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 2023年10月23日〜10月30日
 走行日数8日間
 累計走行距離404km(142373km〜142777km)

◎道路
 クロアチアやボスニアといった国よりずっと良いし、割と最近まで同一の国であったセルビアと比較しても道路状況に関してはモンテネグロに軍配が上がる。
 これは道路幅がやや広くなったことと、多少なりとも側道のある道が増えたことの2点が大きい気がするかな。国名の通り国土の多くを山で占めている国のため、海岸線以外のルートを走ろうとすれば必ず峠越えを要するのだが、モンテネグロの山脈は道路の最高地点が大体1000〜1500mで構成されており、それを乗り越えるとある程度の町が出てくるため案外無理なく走れる印象。
 凄いなと思ったのが旧道であっても路面がとても綺麗に整備されていて、郊外を走行してて怖い思いをすることが少ない点。山岳国ということはダウンヒルの機会も多いため、下り坂で怖い思いせずに走れることは重要だ。もっとも東部の国境に近づくほど路面のレベルは下がっていったため、基本的に海沿いや首都近郊といった需要ありそうな道から離れるほど怪しい。なお車両は右側走行。
 そもそも国内における道路の数が少ないため、この国を走る旅行者はある程度似たルートとなるかと思われるが、山好きならば内陸部そうでないなら海岸線と大きく区分けできる感じ。

◎治安
 悪いとは全然感じなかったけど、それはそれとして首都のポドゴリツァでは物乞いからの金くれアクションがあったり貧困を感じさせる地区も見かけた(町の南東部地域)ので注意した方がいいかもしれない。
 基本的に海沿いのエリアは観光地化されてて旅行者も多く町並みも洗練されてる感じだが、山中に入ると都市部以外は人が住んでる場所も少なく、その数少ない家屋も廃墟となっていることが多い。最も「人がいない」という意味でむしろ安全と評することができるのだけど。

◎ビザ・出入国
 出入国の審査は特に何も聞かれず問題なかったが、出国時は手続き処理のみでスタンプは押されないためこのルールを知らないとやや焦る。
 私はコソボへと抜けるルートで出国したのだが、地図で見る限りコソボへ抜ける道は2本あるものの南側を貫くルートは恐らくイミグレーションが存在しない道であるため出入国できるか怪しい。この国境もガッツリ峠越えした果てに出てくる場所にあるため「とりあえず行って確認してみようかな」とはならなかった。

◎交通事情
 周辺国と比べて抜群に運転マナーが良い国という印象。なんと横断歩道で待ってると車両が停車して道を譲ってくれる国である。
 郊外での走行ではそもそも車両の数が少ないため危険を感じる状況に遭遇し辛いというのもあるが、首都のポドゴリツァとか走ってても「無茶な運転するなぁ・・・」といった印象を覚える車を見ていないので、モンテネグロのドライバーは全体的に安全運転に対する意識が高いと考えるべきだろう。クラックションも「後ろから抜くよ」という意味で短く軽く鳴らす人は多いが、「どけ邪魔だ!」と馬鹿みたいな鳴らし方して無茶なオーバーテイクする輩は見た記憶がない。旧ユーゴスラビア諸国において運転マナー優等生の国といって差し支えないでしょう。

◎特徴
 この国もユーゴスラビア解体の流れを受けて、2006年にセルビアから独立した比較的新しい国。セルビア=モンテネグロという国名に聞き覚えがある人も多いのではなかろうか?
 旧ユーゴスラビア諸国の独立は激しい紛争が繰り広げられた国が多い中で、幸いなことに血が流れることなく比較的平和的に独立できた貴重な国。
 私が相対した人たちはセルビアに対する印象が悪いようには見えなかったし、そもそも宗教がセルビア正教メインであるため見た目にはセルビアと近しい国であるように感じられる。

◎気候
 山がちの土地であるため天気予報が当てにならない。滞在中かなり天気悪い予報が続いてたのだが、降水確率90%の状態が1日続くような天気でも実際にはほとんど雨が降らなかったり下手すりゃ青空が見えることもしばしば。
 海沿いと内陸部とでは標高差が大きい国なので、必然的に気温の差も激しい。今シーズン初のテント泊でフライシートが凍りついたのはモンテネグロの山中にて野営をしていた時だったワケだが、その一方で日中に海沿いを走ってた時は気温25度の夏日となることもあった。特にこの時期は1日における寒暖差も大きいことが予想されるため、細かなレイアリングが重要になると思う。

◎言語
 モンテネグロ語らしいがセルビア語との違いがあるのかすら微妙とのこと。そもそも2006年に独立するまでセルビア・モンテネグロという1つの国だったこともあり、感覚的には国の独立に伴って言語も独立しただけ・・・という印象だ。
 ということでクロアチア語・ボスニア語ともほぼ同じ言語である。なお使用文字はどちらかといえばラテン文字(アルファベット)がメインで使われていた感じで、キリル文字を使うセルビアとの関係性がちょいちょい気になる。
 なお英語の通用度合いは低いものの、学校教育で英語に触れる機会があるのか若い人ほど英語が話せた印象だ。なお私が利用した2つの宿ではどちらもオーナーは英語が話せず翻訳ソフト使ったり、子供に通訳して貰ったりしていた。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 両方とも利用した宿は個人宅を宿泊施設に流用した宿だったけど、下手にガチガチの旅行者が集うホステルより個人的にはずっと過ごしやすかった。こうした宿の特徴としてホステルと違いゲストが快適に過ごせる細々としたサービスが足りていない(コンセントの数が少ないとか食事用のテーブルが小さい等etc)ことが多いものの、利用客の数が少なくオーナーも色々融通を聞いてくれるパターンが多く「自転車を安心して止めておける場所があるか?」という問題を常に抱えるサイクリストとしてはこうしたタイプの宿はありがたかった。
 値段は1泊12€とかだったので2000円くらいとセルビア・ボスニア辺りと比べて僅かに下がったかな。クロアチアと比較すると半額くらいとなるので、アドリア海沿いのルートで走る場合はモンテネグロとの国境が物価の転換点になると思う。
 宿のWi-Fiは速度も早くて快適だったが、移動の最中におけるFreeWi-Fiの普及度合いは非常に厳しいものとなり、それまで使っていたスーパーやガソスタでのWi-Fiが大きく数を減らしたことが原因。コトルの旧市街みたいな観光地では普通にFreeWi-Fi飛んでいたが、そうした場所以外でネット利用するのは無料だと少々難しい。なお何処かの銀行がWi-Fi飛ばしてたのは覚えているけど肝心の名前忘れてしもうた。
 ということでWi-Fi使いたいのなら、そこら中にあるカフェを利用する方が下手にFreeWi-Fiを探し回るより正解だと思う。国土が大きな国ではないためそんなに何度も利用することも無いだろうし、物価も安い国なので、探し回るコストの方が無駄が大きいかと。

◎動物
 山中でやたら痩せてる牛を見ることが多かったかな。他の家畜では羊の割合が高かったと思う。
 その他に特別注意するような野生動物は遭遇することなかったが、犬はかなり凶悪で自転車追い回してくるので十分注意が必要だ。
 あと何気に猫好きな国っぽくて、特にコトルの町は猫をウリの1つにしてることもあり旧市街の散策では幸せな気持ちになれると思う。

◎自転車店
 意外と地元のサイクリストでローディもMTB乗りも複数回見かけたし、自転車人気が低いということは無いと思う。でもこの国で特に自転車トラブルも無かったし、町中を適当に走ってる最中に自転車ショップを見かけることがないまま出国したことから、そこまでショップの数が豊富にあるとは思えない。インタースポーツみたいな総合スポーツ店の中に自転車コーナーとかはあったんだけどね。そこで扱われてるバイクとは違う、もうちょいちゃんとした自転車扱ってるショップがあるのはこの国のサイクリストが乗ってた自転車から間違いないと思う。

◎物価・食事
 北部のバルカン諸国と比べてこれは明らかに安くなった。海岸線に位置するリゾート地区の町はガッツリ観光地値段だけど、ちょっと町から離れるなり内陸に入れば物価が明らかに下がったことを実感できて大変よろしい。
 特にビールの値段は非常に安く、2ℓの大型ボトルが200円そこそこで販売されてたりすることもある。基本的にモンテネグロは自炊で乗り切った国だけど、簡単なファストフード系のお店とかは長期旅行者でも手が届く料金まで物価下がったため、一応5€あればサイクリストでも満腹になるとは思う。
 そんなモンテネグロ特有の食事って見た覚えが無くて、肉だとチェバピ、酒ならラキアと他の旧ユーゴスラビア国と似たようなものが目についた感じ。まぁ全体的に物価が下がったことで予算的には助かってるので特に困ることはありません。

◎総括
 国内における多くの場所が山岳地帯で構成されてる自転車乗りにはややハードな国だけど、道・交通状況・物価・景色と多くのポイントが非常に高いレベルでまとまっており、走ること自体が楽しい国。シェンゲン協定の国と異なり、滞在日数気にしなくても問題ないこともあって精神的にも余裕があり素晴らしかった。
 海沿いの町も悪くないけれど、国名の通りに山を体験するとこの国の素晴らしさをより感じられると思うので、モンテネグロのルートを考えているなら是非内陸部へと足を伸ばしてみることをオススメする。ちなみにモンテ=山、ネグロ=黒だけど、この国の山色はむしろ白が目立ったというのが私の感想。かといって名前をモンブラン(カ)にすると、アルプス方面から文句が出てきそうなので致し方ないか。
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 2023年9月22日〜9月27日  10月23日
 走行日数7日間
 累計走行距離455km(1回目406Km・2回目49km)
         (140576km〜140981km・142324km〜142373km)

◎道路
 これはガクッとレベル落ちた。道路幅が狭まったのに加えて海岸線はキツめの斜度でアップダウンのオンパレード。崖を削って造ってるような道なので、ガードレールの外にエスケープできるような余裕のある場所も少ないし、そもそもガードレールが無くて落ちたら数十メートル真っ逆さまというエリアも多数存在する。アドリア海沿いを走る国道8号線の北部は大体そんな状況なので、走行には最新の注意を払う必要がある。なお車両は右側通行。
 だがこの道が悪いかと言われると「景色の良さ」という点において他所の海岸線道路の追付いを許さないほど素晴らしい景色が拝める絶景の連続であることは間違いない。むしろガードレールなんかあったらこの景色の邪魔になる!という感じだし、坂道の多さも美しい海と島々を様々な角度から眺められるスパイスとして機能する。日記本文でも書いたが「景色の良さ」という1点突破で魅力となっている道なので、そういうものだと思って走る方が良いと思う。
 ちなみに海岸線に沿う形で南北に山脈が連なっているため「ちょっとだけ海沿い走り、後は交通量少ない内陸部に行こう!」とかそういうルート組みもやや難しい。きっちり内陸まで入ってしまうと割と平坦貴重な道も多くて楽できたな。

◎治安
 田舎はともかく都会の治安は1枚落ちた印象を受けた。リオンの町外れなんかはゴミも多かったし落書きが明らかに増えたりと少々嫌な雰囲気を感じたし。よくあるけどツーリスティックな町だとダウンタウンの方がずっと治安的に安心できる雰囲気だったりするんだよね。
 内陸部に入ると相当な割合で廃墟が見受けられるのだが、そんな家の壁面には弾痕が見られたりとかする割に治安的な不安はむしろ少ないよう思う。というか内陸部は人が少なすぎて治安も何もあったもんじゃない系の国だわクロアチア。調べてみたら人口450万弱しかいないみたいだし。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定の加盟国なので北部スロベニアから入国する場合は審査なしでスルーとなる。一方でボスニア側との国境では普通に出入国審査が必要となり、オマケに人気観光地であるドゥブロブニグはクロアチアの飛び地となる形で国境線が引かれているため、本土側からそちらへ移動する場合はフェリー利用しないなら必ずボスニアとの出入国を繰り返すことになる。シェンゲン協定における日数カウントを間違える原因になりやすいため注意が必要かな。

◎交通事情
 あまり良いとは思わないかな。結構自転車に対してクラックション鳴らしてくるドライバーがいる一方で、もの凄い気を遣って追い越ししてくれるドライバーも多かったのだが、ナンバープレート見ると前者はクロアチアなのに対し、後者はドイツを中心とした他国の車両だったので、クロアチア人ドライバーの運転マナーは割と残念寄りなイメージがある。
 とはいえ町中の走行において無茶な運転してる印象はなく、あくまで郊外における走行でやんちゃ運転が増えるという感じか。そもそも海沿いの道路は国道8号線の他に車両用に高速道路が並行して延びており、長距離を移動する車両はほとんどそちらに入るため幹線道路の割に交通量が多くないのだ。ザグレブ近辺は不明瞭だがその他の内陸部は全体的に過疎っているため問題にならないし。
 なのでクロアチアは思い返してみると車両に対して腹を立てたり危険を感じたことが実はほとんどない国だったりする。全くないとは言ってない。

◎特徴
 今年(2023年)からシェンゲン協定の枠に組み込まれ、自転車旅行的には困る要因が増えた国。ちなみに通貨に関してもそれまで使用されていたクロアチアクーナは廃止され、ユーロに統一されている。聞くところではこの影響で国内半分以上の両替所が閉鎖になったらしい。
 私が訪問した時点でまだこの影響が随所に残っていると感じさせられたし、商品の値段にはユーロ表記と併せてクーナの表記がなされており、通過変更に伴う試行錯誤というか周知徹底が図れている最中なのだと感じさせられた。
 こうした関係で北部スロベニア等の国境ではフリーパスとなったものの、イミグレーションや免税店といった建物が残されており、そのどちらも閉鎖されて使い道を決めあぐねている様子が窺えた。
 とりあえず2022年以前の情報ではクロアチアでの通貨はクーナ表記とされているが、基本的に現在ではユーロしか使えないため古い情報の場合は勘違いしないよう。

◎気候
 雨続きのタイミングで入国したのは運が悪かっただけで、この時期そこまで雨ばかりの天気ということは無いと思う。だけど風に関しては季節か地形か両方か、アドリア海の海沿いでは結構な頻度で強風が吹き付けてくる。そんで多くの場合、クロアチアを走るサイクリストはアドリア海に沿ったルートを選択するため風の影響をモロに受けることとなる。
 2023年以前だったらあまりに強風の場合、無理せず日を跨いだ方が無難だと言えたワケだけど今年(2023年)からクロアチアはシェンゲン協定加盟国となってしまい、自転車旅行だと時間的な余裕が無い可能性が非常に高い。
 無理して走るのは良くないが、とりあえず私が言えることとして「下手に諸島巡りしようと船使って島に入ると強風で船が運休して島から脱出できなくなる」という可能性を考慮に入れておいた方が良いと思う。一応車両を積載するカーフェリーはよっぽど危険な風でもないと運休はしないらしい。

◎言語
 クロアチア語。旧ユーゴスラビア構成国にはキリル文字(スラブ文字)を使う国が多いのだが、クロアチア語はラテン文字(アルファベット)が使われているため読む分には多少楽。なお読めるとは言ってない。ちなみにボスニア語・セルビア語とはほぼ同一の言語らしい。
 英語の通用率が高いので人との意思疎通ではそれほど困窮することはなかったし、観光人気の国らしくある程度の規模がある町なら情報看板やれインフォメーションセンターやれが英語表記で記されていたりする。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 ガッツリ高い。私は西欧で宿を利用してないからハッキリした事言えないが、クロアチアの宿泊費用は東欧諸国より西欧に近いレベルだと思う。地域最安値のホステルで1泊4000円というのは円安&物価高の影響を考えても相当な値段でしょう。その代わりというべきか設備はしっかりしており、自炊するにも問題なく利用できる綺麗なキッチンとエアコンの効いた寝室は有難かった。
 まぁ長期自転車旅行者的には大雨でも無い限りはテント張るかな。人口少ない国なので比較的人が多くスペース見つけにくい海岸線ルートでも野宿が難しく無いのは助かる。ただし海沿いだと規模の小さな川は少ないし、主要河川もガチガチにコンクリ舗装されて町の中を通っているパターンが多いため川沿いにテントを張るのは難しい。かといって海で泳ぐと身体が塩でベトベトになってしまう事請け合いで、割とこの点クロアチアでは苦労した。
 なおWi-Fiに関してはスーパーよりガソスタのFreeWi-Fiメインに利用していたかな。大きな町のショッピングモールやデパートでも良いんだけど、適度に出てくるチェーン系のスーパーはWi-Fiサービス行っていないため、今までのヨーロッパ圏みたいな感じでネット探すと見つけにくいかもしれん。とはいえ1日複数回はFreeWi-Fi見つかっていたため、そんな困窮することはまず無いと言える。

◎動物
 何か海洋生物とか見れるかな?なんて思っていたけど特別面白い生物は目撃することもなく。海沿い&崖の多い地形であるためか家畜を見る機会も少なかったし、犬にもほとんど遭遇せず。一応内陸部を走った時にちょいちょい目にしたかな。なお猫の姿を割りとよく見かけた気がする。
 それとクロアチアはやたら猪注意の看板を見かけることが多く、実際に目撃したことはなかったものの、看板表記を信じるならば海沿い内陸部関係なく国内全域に猪が生息していることになるため、野営時の食料保存には注意をした方が良いと思う。

◎自転車店
 スロベニアから入って感じたのが、明らかに地元のサイクリストが減ったなということ。アドリア海に面するルートは自転車旅行的に人気が高く、荷物を大量に積載した自転車旅行者の姿は結構な比率で見かけるのだが、クロアチア自体の自転車人気は低いことが窺える。多分地元のサイクリストより自転車旅行者の方が多く見たぞ。
 そんな国なのでショップの数も一気に減って、大都市に行かねばマトモな自転車ショップが出てこなくなった。そういうレベルの都市にはデカトロンがあるため、細かな部品の購入とかだとそっちを利用してたので地味にクロアチアで自転車ショップはほとんど見ていない。偶然出てきたショップも悪天候での走行で中を見学する余裕がなかったので仕方ない。

◎物価・食事
 東欧の国として比較すると明らかに高い。観光で人気の国だから仕方ない面のかもしれないが、ツーリスティックなエリアにおける物価上昇率は凄まじく、特にドゥブロブニクに関してはここだけ別の国状態で鬼の物価高だ。そもそもレストラン使ってない私が言うな!と言われるかもしれないけどさ。
 3食自炊スタイルなら1日の食費が2000円を超えるようなことはまず無いが、それでもクロアチアではフェリー代とかの出費が嵩むことも多く、想定以上にお金を使ってしまった国といえる。ビールとか1本100円以下の商品も複数あったりと、1つ1つの商品比べるとそこまで大きな差が出てくるわけでは無いんだけどさ。
 総じて高いのは宿泊関係だったり移動(フェリーとか)や観光に関する点なので、実は自転車旅行で自炊&野宿のスタイルをしてる限りそこまで高くつくこともない。ただそれを徹底するのが難しめの国であるとは思うかな。

◎総括
 自転車旅行者としてはシェンゲン協定に加盟したことで間違いなく魅力を減らした国だといえる。アドリア海を沿って進む国道8号線のルートは、世界中様々な海岸線の道がある中でもトップクラスに素晴らしい景色を見せてくれたと思うのだが、強風や悪天候に相対する割合も多くじっくりと時間をかけて走行するのが望ましい環境であり、滞在期間に追われるヨーロピアン以外のサイクリストには非常に相性の悪い土地となってしまった。
 私もそうだが今後ヨーロッパを走行する自転車旅行者は、クロアチアを広く縦断するより幾つか面白そうなポイントのみを抑えて短期間で走り抜ける形で抜けていくスタイルが増えると予想する。それはあまり有名でない都市や観光地を通って楽しみを見つける自転車旅行とは相性が悪い。
 なまじ自転車旅行でも抜群の人気を誇る国だけに、実質的に滞在日数の短縮が行われたことは残念で仕方ない。なお自転車や徒歩での旅行でもなければこの点大した問題とならないため、多くの旅行者にとってこの点がクローズアップされることはないのだろう。無念である。
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 2023年9月27日〜10月5日  10月12日〜10月23日
 走行日数21日間
 累計走行距離830km(1回目455km・2回目375km)
         (140981km〜141436km・141949km〜142324km)

◎道路
 側道がある道はほぼ出てこないのだが、都市部周辺以外の道は交通量が非常に少ないので問題なし。山岳国らしくアップダウンの連続である一方で、山間部における渓谷の道を伝うようにルートを組めばそれほど坂道を登ることなく快適な走行ができるのは魅力的。実際私はサラエボから後のルートは回り道だけどアップダウンの少ないルートで走行しており楽ができた。
 なお峠自体は1000mそこそこの標高が多く、斜度も緩やかに作っているし特に北部は急カーブやつづら折れが出てくることのない道でダウンヒルも安心感がある道で「ボスニア偉いぞ!」とか思ってた。南部では「ボスニアしっかりしろ!」って思ってたけど。
 サラエボを代表とする(南部の)町の多くが山間に作られている構成のため、狭い土地で道路も片側1車線だったり車両は川を挟んで反対側まで迂回しなくてはならない造りとなっていたり走りにくいことが多かった。サラエボに関しては市内観光で自転車を使わない方がいいと思う。逆にバニャ・ルカや北部の町だと自転車使わなければ全然回りきれないのだが。

◎治安
 四半世紀前まで激しい紛争をしていたイメージからか、どうしても治安に対して不安を持ってしまう向きがあるが実際にはボスニアにおいて治安的な危険を感じることはほぼない。
 確かに廃墟の数は多いしサラエボの町中とか至る所に落書きが書かれてたりもするし、ジプシーが物乞いしてたりもするため声を大にして「安全な国だよ!」とは言いづらいところもあるのだが、正直ボスニアで何らかのトラブルに巻き込まれるビジョンが見えないくらいにはこの国の雰囲気は良かった。ただしサラエボ周辺はこの限りではないし、ジプシーっぽい子供からお金をせがまれたりとよくない雰囲気の場所もチラホラあった。
 ちなみに現地の人に「ボスニアって治安どうなの?」と質問したら「安全な国だけどすべての場所で問題ないというわけではないから、特に都市部では気を抜かないで注意してね」・・・という国の内情を知らない外国人に対して100点満点の回答されたことが印象に残ってる。私が外国人から日本の治安に対して質問されたらこのような返答をするだろうし、これは治安の良い国だからこそできる返答でもあると思うし。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定のエリアを抜けたため陸路移動でも通常の出入国審査が実施されるようになった。とはいえ私が通った国境は地元も車両が日常的に通過するような土地にあるイミグレーションで、建物内に入って手続きをするとかそういうこともなく、高速道路の料金所みたいな感じのボックス内にいる職員にパスポート渡してアッサリスタンプ押され終了した。行き先どころか滞在日数すら何も聞かれなかったのであり、非常に気軽な国境越え。シェンゲンなんて必要ないのでヨーロッパ各国はこんな感じで頼みますと自転車乗りとしてはお願いしたい。

◎交通事情
 最初は非常に良いじゃん!とか思ってたけど、それは北西部のほとんど交通量がない道を走っていたからで、特にサラエボ近郊からアドリア海へと抜ける辺りは谷底で道路が狭いのに交通の要所としてあるため車両の数が多い。
 そんでボスニア人も自転車のことなんて気にもせずすぐ隣をぶち抜いてくる危険ドライバーやクラックション鳴らせば全て解決すると勘違いしてるヤバいドライバーの割合が結構高い。サラエボの町では私が走ってる道の真正面から普通に突っ込んできた車両があって、危うく正面衝突になりかけた一幕があったのだが、あのドライバーは完全によそ見というか車両以外を気にしてない運転してたりと運転技術が未熟な姿も目立つ。
 田舎は本当に車両を気にせず気軽に走れる一方で、危険な道は心底注意してかからないといけないボスニアという国は、全体的な評価をすればセルビアより悪い。ルートを選ぶ際は慎重に。

◎特徴
 日記中に何度か述べているがボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国という2つの主体から構成されてる連邦国家である。これは主に民族にて分かれており、ボスニアは「ボシュニャク人」スルプスカは「セルビア人」がメインで構成されている。これに加えて隣国のクロアチア人も多く3つの民族が混在している国というワケだ。なおクロアチア系の人々は彼らの人口比率が高い南部地域にクロアチア系の主体を作るべきだという主張をしているらしい。
 ボシュニャク人の多くがイスラム教であるのに対して他2民族はキリスト教を信仰しており、ボスニア国内の都市ではモスクと教会がそれぞれ立ち並んでいる姿をみることも珍しくない。
 使用言語であるボスニア語・セルビア語・クロアチア語はほとんど同じ言語でありながら、使用文字がスラブ語とラテン語で分かれていたり、何かと対立の原因になりそうな点が旅行者の視点でも感じるほど。
 2カ国の境界線も非常に複雑な形で引かれている上、町や首都のサラエボの中を通る形で通っていることもある。ボスニアでは民族問題かなりデリケートな扱いだとも聞いてたので、安易に「あなたは何処の民族なの?」とは聞かないよう努めていた。

◎気候
 山岳地帯が多く標高による気温差がかなり大きい。また10月になると夜中に霧が発生して午前中はずっとガスってる状態となることも多く、サラエボの町で滞在中は晴れてると午前中は毎日霧で覆われていた。気温は下がるし湿度も凄くてテント泊してるとびしょ濡れにされるしかなり大変。
 アドリア海から発生した雲が流れてくるためか、海側の天気が安定しないことが多く天気予報で向こう1週間に渡り悪天候が続いたりするようで、割と天気が安定してる間隙を縫う形で走行プランニングすることも多かった。なお山岳地帯であるためか、雨予報90%でも全然降ってこないパターンもあったりと旅行者泣かせな面があるように思う。

◎言語
 ボスニア語。隣国クロアチア語・セルビア語・モンテネグロ語とは非常に近しい言語であり、本人たち曰く「違いなんてないよ」とか「アクセントがちょっと違うくらい」とのこと。特徴の項でも書いたが、その割に使用する文字は異なっているためなかなか実感しづらいところがあるけども。
 英語の通用率はかなり低く、田舎だと英語話者は5割もいないと感じる。バニャ・ルカやサラエボといった都会ならそうした問題に直面することは少ないが、意思疎通は結構苦労する国ではあった。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 クロアチアの直後だったから宿代も安いと感じてたけど、正直周辺の国と比較すると若干高い程だった気もする。最安値でも1泊10€(都市部はユーロ換算の方が多い)で泊まれる宿見つけるのはかなり難しい印象。サービスは良し悪しあったが、キッチンの設備が割と貧弱であったことが共通してるの面白い。逆にWi-Fiに関してはどの宿でも全くストレスを感じることがなかった。
 なおボスニアから民家を一部改装して宿泊施設にしたタイプが出始めた印象で、こうした宿はホステルより値段が安くてサービスも良い傾向にある反面、やや町の郊外に位置してる場合が多くアクセスが大変。つまり自転車旅行者にとって非常に都合の良い施設となっており、バニャ・ルカの町で利用した宿とかがこれに該当する。
 野宿も気軽に実施できる国だし規模の大きなガソスタには大体FreeWi-Fiが飛んでる印象であるため、都市部を避ければ全行程野宿というのはしょど難しく無い国だと思う。私の場合は道中で雨となる日が多かったためかなり宿を利用したが。他にBingoという大型スーパーではよくFreeWi-Fiがありこれを利用することも多かった。

◎動物
 特別大型動物や悩まされた奴はいなかったけど、ボスニアには野生の熊どころか狼すら生息しているらしい。狼との邂逅は相当レアだと言われたが、熊に対しては割と現実的な脅威として対策しておく必要があるかもしれない。なにせ山だらけの土地なので。他にサラエボ以降の道では路上に轢かれた蛇の姿をよく見かけたのだが、大きい個体だと長さ1mとかあるヤツもいて下手に草地へズンズン入り込むのは躊躇われる。
 あとボスニア入ってからいよいよ犬が凶暴化した。野良犬の数も増えたし飼い犬だったとしても敷地内で繋がれておらず、テリトリーに入ると猛烈に吠えまくり追いかけてくる凶暴さを発揮し始めたのであり、十分な注意が必要だと言える。犬叩き棒が本格始動する日も近いかと思われる。

◎自転車店
 自転車人気がガクッと落ちて大都市やその近郊でもないと自転車を利用してる人の姿をめっきり見なくなったボスニアは、当然ながら自転車店の数も減ったしそのラインナップも貧弱になった。
 基本的にちゃんとしたショップは首都かそれに準ずる大都市でもないと出てこないし、そうしたショップも完成品のバイクを取り扱っている割合が多く、部品や周辺道具の種類はあまり充実していない。というかスキーのショップと一体になってる店が多く、自転車1本で営業してる店自体が少ない。
 今回ボスニアで後輪リムにクラックが入り交換を余儀なくされたのだけど、モスタルという国内最大級の観光都市であり訪問したショップもボスニアで最も大きな店であったため、26インチのリム在庫が出てきたが、多分これは相当運が良かったと思われる。謎メーカーのリムだったとかそいういうのはバルカン半島の国じゃ仕方ない。
 その一方で結構な割合で取り扱いタイヤでマラソンプラスの姿を見かけたりと、案外自転車旅行者の欲しい商品が置かれていることも多くて侮れない。滞在期限的にシェンゲン協定内の国で自転車部品を探すのであれば、旧ユーゴスラビアの国ではクロアチア・ボスニア・セルビア辺りが良いのかなと思われる。

◎物価・食事
 クロアチアから入国したので最初は「安いじゃん!」と喜んだものだが、冷静になってくると他の東欧諸国とそれほど変わらないどころか若干高いかもしれない。セルビアとは流通している商品がほぼ同じだったが1日の収支を比較すると大体ボスニアの方がちょっとだけ高くついてるイメージかな。
 自転車的には両隣の国にデカトロンが展開されてるのにボスニアで店舗がないのも痛い。このため消耗品を安価で取り添える際の選択肢が減っており(Bingoという大型スーパーで多少の自転車パーツが販売されてる)、そうした点からも金銭的な面で僅かに落ちるかな。肉も高いし。
 ビールはロング缶で1マルク(約80円)を下回る商品が1〜2種類くらいある印象だが、私はボスニアではペットボトルビールばかり飲んでいた。2マルクがほぼ1ユーロなので金額換算が楽な一方、数字上ではユーロの2倍に見えてしまうため心理的に物価が高いと感じてしまうところがある気もする。

◎総括
 とにかく人の優しさが印象に残った国。それは直接的に泊めて貰ったり何か頂いたりといったのみでなく、自転車で道を走っているだけで多くの人が私に対して笑顔で手を振り挨拶してくれることがとても多かったからだと思ってる。
 思いもかけずボスニア長居してしまったのは悪天候や自転車のトラブルが重なったためだけど、そうして滞在した国が親切な人が多く居心地の良いボスニアという国であったことは素直に幸運だと感じるな。
 走ってる最中は「山ばっかりだなこの国」とか言ってたけれど、ちゃんとルート選べばそこまでアップダウンが頻発するワケでもないし、その割に見応えのある巨大な渓谷を走れたりと地形的にも魅力溢れる国だった。クロアチア国境に挟まれた海岸線沿い10kmしか走らないとか滅茶苦茶勿体ないので是非とも内陸部を色々回ってみてほしい・・・と余計なお節介を言いたくなる程には楽しい国でした。
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 2023年10月5日〜10月12日
 走行日数8日間
 累計走行距離513km(141436km〜141949km)

◎道路
 自転車に理解があるよう振る舞ってるけど、基本車両優先で自転車が走りやすい道などベオグラードの極一部にしか出てこなかった。側道がない道路だけどボスニアと比較して交通量が多いので走ってる際のストレス値が高くなる傾向にある。
 アップダウンは国南部のボスニアとの国境付近に集中しているようで、他の場所でも数百mの小さな丘を登らされることはあっても峠越えと呼べる程の山には出会っていない。最もセルビアはあんまり国内走行してないのでこの意見にもそれほど自信はないが。
 その他セルビアの地方都市はかなり広範囲に石畳を敷いてる向きがあり、自転車的には迷惑この上ない。通り1本ズラすと解消されたりするので上手いこと走りやすい道を選ぶと助かる。
 平坦な土地では直線的に道路を引くタイプの国なので、風向き次第でやたらと走行距離が増える反面、風上に向かって進むと地獄。なお車両は右側走行。
 地図で見るとE-○○と表記された、如何にも自転車の走れない高速道路みたいな名前の道があったりするが、これ普通の一般道路だったり本当に自転車が走れない道もあったりと実際行ってみるまで確認できないことが多いため要注意。Googleマップ等で徒歩モードにした際、明らかにそのルートを避ける形で行き先が示された場合は車両専用道である可能性を考慮した方が無難。

◎治安
 特に問題無いと思う。ベオグラードに限らず規模の大きな町だと落書き多かったり廃墟が無数にあったりするけど、そこまで嫌な感じは受けないかな。でも浮浪者の姿をちょいちょい見かけるようになったし、大型のショッピングモールとかに長時間自転車放置するのは躊躇われる感じがあった。宿のスタッフも自転車敷地内に置かせてもらう際「外に置きっぱなしじゃ盗まれるからな!」という言い方したので、それなりに盗難事案が起きていることを思わせる。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定加盟国ではないとはいえ、ヨーロッパの国だし楽勝でしょ!とか思ってたけどセルビアは出入国共に結構しっかり質問してくる面倒くさい系の国だった。
 聞いたところではセルビアは滞在登録が必要な国らしく、本来は宿泊施設に泊まった際に宿側がそうした手続きを代行したりしてるらしい。
 ということは野宿しまくってた私は色々と不味いのでは?とか思ったし、そもそも宿泊した宿でも滞在証明書を渡されておらず、セルビア滞在中の予定は向こうにしてみれば完全にブラックボックスという怪しさ満点の旅行者だったわけだが別にいくつか質問受けたのみで普通に出国スタンプ押された。もっと言えばそのシステムを知ったのはセルビアを出国した後だったくらいで、そもそも滞在中に不安に思うこともなかったというね。
 とりあえず後になってから色々調べてみたが、特にこの点でトラブルとなったというレポートを見つけることもなく、おそらくは形骸化したルールとなっているのであろうことが想像できる。注意点としては入国審査の質問で馬鹿正直に「野宿する予定だ」とか言わない方が良いということかな。

◎交通事情
 基本的に危ない運転をするワケではないが、セルビアドライバーのイメージはかなり悪い。その理由を一言でいうと彼らは「待てない」人の割合がやたら多いからだ。
 セルビアの田舎はトラクターや大量の荷物を積載した速度の遅い車両も数多く走っているのだが、ほとんどの道が片側1車線であるため、こうした車両を追い越すには反対車線へ抜けてオーバーテイクする必要がある。別にそれは仕方ないと思うけど。
 これを反対車線の車がいようとカーブの手前で見通し悪かろうとお構いなく抜いていこうとするアホ車両が割と多く、特に自転車なんて存在が目に入っていないのか反対車線に出たところでこちらの存在に気付き、どうにもならず反対車線の道路上で停車する輩とかいる。むしろ停まるからまだマシとも表現できて、そのまま突っ込んできたら冗談じゃなく正面衝突だぞ。狭くて逃げ場のない道路でそういう運転してくるイカれたドライバーがいるため交通量の多い道が本当に怖い。
 ここまで言っておいて何だが、例えばタンザニアみたいにドライバーのほとんどが無茶苦茶な運転してる国とは違い、セルビア人ドライバーは非常に安全運転だしヨーロッパらしく自転車優先の配慮した運転を心がけている人もまた多いのだ。ただし横断歩道の前で待ってても停車してくれる車両は一切いないけど。

◎特徴
 近代史においてずっと民族・領土問題のあった国だが、現代においても南部コソボ共和国との領土問題を抱えており、セルビア側はコソボを自国領土だと主張している。このためセルビア⇄コソボにおける出入国では両国主張の違いからセルビア側でスタンプの押印がなされず(同じ国なのだからスタンプ必要ない!という理屈)、旅行者的には問題となる確率が高い。細かく言えばセルビア→コソボルートは大丈夫だとか情報もあるが、私はそこまで細かく調べてないので何とも。ただこの点については外務省からも注意喚起が出ており、両国における出入国は第三国を経由するのが無難と言える。
例:セルビア→モンテネグロ→コソボみたいな感じ

◎気候
 全体的に西から東への風が吹いているように思う。これは季節に関係なく広域の自転車地図看板に「ここ(西側国境)からベオグラードまでは追い風で快適なサイクリングとなるでしょう」みたいな文言があったことも裏付けできる。
 多少雲量の多い日はあったものの、滞在中に雨に降られることはなかった私だが、天気予報ではセルビア出国日から3日後に1週間以上の期間で国内全域に雨予報出ていたため、単に運が良かっただけではないか・・・というのが正直なところ。
 10月のセルビアはまだギリギリTシャツハーフパンツのスタイルで走行できるが、日が落ちると気温は10度以下に冷え込むし、天気が悪いと上着着ないと厳しい程度には寒い。11月から4月まで雪のためかチェーン規制の看板を多数見かけたため、普通に考えればその頃には降雪が観測される土地なのだろう。そう考えると結構ギリギリのタイミングで走ってたのかもしれん。

◎言語
 セルビア語。文字としてはキリル文字が使用されているため道路標識とかである程度地名の名前を把握するとかが難しいという問題はあるが、大抵の場合はラテン文字も同時表記されてるので気にしなくて大丈夫。
 ボスニア語・クロアチア語・更にはモンテネグロ語ともほとんど同一の言語であるのだが、ここら辺は旧ユーゴスラビアの解体に伴ってそれぞれの国名が付く言語に分かれたと言ったところだろう。
 英語の通用度はボスニアより若干上がったかな?という感じ。ベオグラードみたいな都市部では英語オンリーで困ることはないものの、ちょっと地方に出ると通用率がガクッと下がるのもボスニアと同じ。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 主要都市や観光地ならホステル系の安宿が散見されるが、ベオグラード以外は総じて1泊1500円以下で泊まれる宿泊施設を見つけるのは難しい。というか私が宿泊した宿がやたら安かっただけの可能性が強く、2023年現在では最安値で2500円くらい見ておくのが普通だろう。
 なお野宿するのは難しくない国であり、結構な数の綺麗な河川が流れているため暑い時期に走行しても水浴びする場所に困りはしない。あらゆる場所に地元民が集まるカフェバーが点在してるため充電やWi-Fiに関しても気にする必要はなかったし、無料ネットで使いたいのならスーパーよりガソスタで試してみる方が良いのはバルカン半島諸国の特徴なのかな?
 宿自体は最低値段の底辺宿かと思いきや、親切で融通の効くスタッフにしっかりした設備となかなかレベルが高く予定よりも長居してしまったり。ちなみにこの宿でヨーロッパにおける動画のデータ全てアップロードしたのだけど、ものの数時間で完了したのでWi-Fiの速度が相当速かったことを思わせる。

◎動物
 農地が広がる土地も多く、あまり大型の野生動物が出てくる雰囲気はないかなと思う。南西部に入ると山岳地帯となるため熊などの動物も生息してるらしいが、まぁ姿を見なかったし出会うこと自体が非常に稀なのだということは分かる。他には鹿の姿を見かけたくらいか。
 なおセルビアも犬が非常に凶暴で襲いかかってくる国で、首都のサラエボで迷っている時に犬に追いかけられ自転車後輪のタイヤに噛みつかれたりした。犬叩き棒でぶん殴ってやるべきだったと思う。

◎自転車店
 ボスニアよりは自転車人口が多くスポーツバイクに乗ってる人も幾らか見かける。首都のベオグラードじゃなくても大きめの都市ならスポーツバイクを取り扱ってるショップがあったし、サクッとみた限りではそれなりにパーツも取り揃えられてた印象。
 あとベオグラードにはデカトロンの店舗があったので消耗品補充したくて寄ってみたのだが、取り扱ってる種類が少ないというか在庫切ればかりで半分近く部品が無かったように感じた。需要が高くて供給が追いつかないというよりは、大して人気がないため売れ行きが悪く、それ故新しいパーツも入荷しないという状況に思える。
 それでもボスニアよりは様々な場所にショップがあるためトラブル対応しやすい国だと思う。

◎物価・食事
 ボスニアより若干安いかな?という印象。少なくともスーパーにおける食材ラインナップは確実にセルビアの方が充実してる。東欧諸国全般で見られる挽肉を円柱状に丸めた形のチェバピという名物料理があるのだが、これがスーパーでもよく売られており好んで食べていた。
 旧ユーゴスラビアでの中心的な国だった歴史背景もあるのか、食材以外に関しても内陸国にもかかわらず隣国より物の流通事情が良かったと思ったし、値段も僅かに安いと思う。サラエボにはメトロという大型業務スーパーもあって、アジア食材コーナーで味噌とか蕎麦が売っていたのもポイント高い。
 アルコールとしては100円もしないで飲めるビールの他に、ラキアという蒸留酒が有名でバルカン半島における私の初ラキア体験がここセルビア。非常にフルーティーな香りに似合わず強烈なアルコール度数を誇っている。そういや自分で購入してないから値段知らないや。
 そろそろレストラン入っても何とかなる程度に物価下がってきた気もするが、それでもセルビア国内で食堂すら利用したことは1度もないままフィニッシュ迎えたためレストランに対して何もいうことは出来ず。

◎総括
 土地面積の割に滞在期間が少なくアッサリ通過してしまったイメージの強い国。実は友人のサイクリストから「セルビアは無茶苦茶嫌な国だった」と話を聞かされており、旧ユーゴスラビア崩壊の歴史的にも「セルビア人のセルビア主義が最初の原因」とか歌ってる論調見たこともあって、セルビア入国時にはかなり緊張していた。
 何日か滞在してそこに住む人々が優しく親切であることを実感し、もうちょいセルビア色々走ってみても良かったな・・・とか思ったのだが、その時には既に出国までのルート走り始めていたことと、その後ずっと悪天候が続く予報から「走れる時にガンガン走っておくべきだろう」という考えにシフトしていたことも大きい。結果的に隣国ボスニアで雨停滞となったので、まぁここら辺は巡り合わせというべきだろう。
 ともあれ入国前に抱いてた悪いイメージを払拭し、セルビアという国に対して笑顔で語れることになった。それはとても嬉しいことで、この国を走れて良かったと思っている。
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 2023年9月17日〜9月22日
 走行日数6日間
 累計走行距離345km(140231km〜140576km)

◎道路
 これが非常に良かった。別に道の至る所に自転車道が整備されてる訳でも無いし、むしろ結構な割合で側道もない道路脇を走らされることが多かったと感じるが、この国は「必要な場所にキチンと自転車道を敷いている」という意味で自転車のことをよく分かってる。なお車両は右側走行。
 このため都市部や町中では自転車道を辿って移動がスムーズに行えるし、町の郊外に出て「そろそろ交通量が減ったな・・・」というタイミングで自転車道も消失するため、道路での走行にもそれほどストレスがかからない。更には主要な国道だと峠道もつづら折れを重ねて斜度を緩やかにする配慮までなされている。細いローカル道路を走ればこの限りでは無いが、スロベニアは1度走り方を覚えてしまえば自転車にとって非常に走りやすく快適な走行を約束してくれる国だと自信を持っていえるかな。

◎治安
 問題ないでしょう。首都のリュブリャナ中心部でも嫌な雰囲気は感じなかったし、その周辺にスラム街みたいな危険な地域があるようにも思えない。田舎に関してはもう本当に田舎なので、そんなリスクある行動でもしない限りトラブルに遭う確率は低いと思うが、そういえば2日目にテント張る場所探して夜中町中で地図確認してたら廃墟から瓦礫か何かが落ちてきたことがあった。それも2回。
 恐らく浮浪者か何者かが廃墟に住んでて威嚇行為してきたのだと想像するが、これ大都市じゃなくて人口1000人そこそこっぽい小さな町での出来事なんだよね。それを思うとスロベニアはそんな田舎町ですら浮浪者が溢れているという可能性もあるため、気は抜かない方が良いのかもしれん。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定加盟国なので出入国における審査は必要ない。クロアチアとの国境上には立派なイミグレーションが建ってたけれど、これは今年(2023年)になってクロアチアがシェンゲン協定の加盟国に加わったことの名残であり、現在では出国フリーパス状態なため気にする必要はない。
 ちなみに国境沿いにある免税店と両替ショップもイミグレーション同様に潰れていたが、これらの施設は車両がアッサリ通過できるようになった関係で経営が立ち行かなくなったということなのだろうか?

◎交通事情
 側道のない国だったけど町中はキッチリ自転車と区分けがなされているし、道路を走ってる際には基本安全と思える幅を開けて追い越ししてくれるマナーの良いドライバーが多く危険を感じたことはない。横断歩道で待っていると、車両は停車して自転車を優先的に通してくれるマナーのあるドライバーが多くて非常に素晴らしい。まぁ走っててストレス感じることはあまり無いかと思われます。

◎特徴
 このスロベニアから南、バルカン半島の国々は旧ユーゴスラビア連邦として構成されていた。このユーゴスラビアが解体されたのが1991年で、スロベニアの独立も同年であるため比較的若い国だといえる。
 んで私の目から見た限り、スロベニアは旧社会主義国というより西欧諸国の色合いが濃く、建物や住民の生活レベルも西欧のそれを感じさせるものに感じられた。これから先、旧ユーゴスラビアの構成国を回っていくつもりだが、この辺が国によってどう感じ方変わるのか?・・・という点に結構興味を持っている。

◎気候
 滞在期間中は毎日どこかのタイミングで雨雲が広がる天気だったし、雨模様の天気に悩まされたスロベニア。このことから9月のスロベニアは割と天候が安定しない傾向にある・・・くらいのことは言っても良いんじゃないかな?
 1ヶ月ほど前にも大雨で国内の至る所で洪水被害が発生しニュースになったので、知ってる人は知ってると思う。そういう意味でも夏から秋にかけてのスロベニアは割と雨対策を気にした方が良いんじゃないかな。

◎言語
 スロベニア語らしい。基本的にスロベニア国内でしか使用されていない言語なので話者200万人ちょっとの言語。ヨーロッパはそういう国が多すぎて、単語を覚える前にもう出国しちゃうのが悲しいところ。
 なお英語が非常によく通じるため、コミュニケーション的な意味ではほぼ問題ない。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 リュブリャナの安宿とか相場調べたりしたけど東欧の物価感覚では泊まれる場所がない。基本的にスロベニアは西欧諸国のイメージで宿泊施設も探すべき国であり、そのため私は森に入ってテントを張っていた。
 何故か野営地探しに苦労して夜遅くまで走ることが多かった国だが、基本的に町を離れれば農地と森林が織りなす野宿しやすい国なので、水場の近くという条件を加えても尚テント張る場所で苦労することは少ないと思う。
 私の場合は天候が不安定で屋根のある場所を求めたりと、条件を増やしたことが野営地見つからず苦労した理由であるため普通にスロベニアを自転車旅行するならあまり問題はないと思う。
 なおネット関連だが、スロベニアでは自国のスーパーが割と台頭しておりWi-Fiを備えたチェーン店系のスーパー数がやや少ない。私もこの国ではWi-Fiはスーパーで利用することは少なく、その代わりにガソリンスタンドが大活躍していた。名前「PETOROL」だったかな?多分スロベニアで1番規模の大きなガソスタにはどうやら全店FreeWi-Fiがあるし、そうでなくともカフェが併設してたりする規模の大きなガソスタでは大概ネットが通じてた印象。大きな町なら市内でWi-Fiも飛んでたし、非常に優秀でこの点気にすることなかったわ。

◎動物
 大して動物に遭遇した覚えがない。何処にでも飼育されてる牛・豚・ヤギの他に朝になって鶏の鳴き声がうるさいなと思ったことが1度あったかどうか。田舎走っててもそうした家畜と道路とははっきり区分けされているので道路上に牛の大群が!とかそういうイベント起きません。
 犬に関しても同様で自転車見かけて吠えてくるのは所詮庭から出られない犬ばかり。というかこの国でそうでない野良犬をみた記憶がない。

◎自転車店
 何故か小型バイクの販売店舗と一緒になってる店が多かった。都市部で自転車用レーンを原付バイクが爆走してるのみて「結構ヤンチャしてるのいるなぁ」とか思ったのだが、その後同様のバイクを何台も見かけたことから、小型バイクは自転車と似たような扱いとなっている国なのだろうと思ったり。お店もそうした延長線上にあるのかもしれない。
 商品のラインナップに関しては普通かやや落ちる店が多い。その割にバッグ類がオルトリーブ製品だったりチグハグさを感じたが、自転車部品の取り扱ってる種類が少なくプロショップというより町の自転車屋さんに近い感じのイメージがある。私が訪れた店がそうだっただけかもしれないけどさ。

◎物価・食事
 かなり高い。地理的な位置では東奥に位置する国だけど、物価的にはむしろ隣国オーストリア寄りとすら言える程には。まぁ流石にオーストリアよか大分安いけども。
 ともあれ東欧諸国の物価感覚で旅行すると思った以上に出費を強いられるため、その辺はしっかり引き締めておかねばならない。ちなみにポイストナ鍾乳洞の入場料金は35ユーロ(約5500
円)と書いたけど、チェコで体験した鍾乳洞は約1000円だったからね。如何にスロベニア物価お高いかが分かると思う。
 流石にスーパーの食材に関してはそこまで厳しい値段じゃなかったし、ビールは100円を切る値段で販売されてる種類が1つくらいある印象。普通に自炊主体のスタイルならば1日2000円を越えるほどではないかと思う。

◎総括
 いよいよ旧ユーゴスラビア圏の国に入るということでガラッと雰囲気変わるかと想像してたが、スロベニアの雰囲気(物価も)はむしろ西欧諸国のそれに近いと思った。
 地理的に最も西欧からの影響を受けやすい場所であるし、ここからバルカン半島におけるスラブ人国家の特色がグラデーションのように徐々に現れていくのだとしたら、その変化が現れ始めるスロベニアという国は非常に面白いと思う。
 自転車で走る国としてもなかなか快適な道でありつつ海・山が適度に揃って走り甲斐のある土地となっているため、国土の小さい国とはいえヨーロッパ走るのであれば外せない国の1つだといえよう。
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