第5部 南米&パンツァー
〜自転車道、始めます〜 パナマから丸5日かけたヨットは静かにカルタヘナの港に到着する。私と沖野君は自転車の取り出し作業があるからと、他のメンバーは先に小型ボートで桟橋へと移動してもらい大量の荷物を並べて脱出準備する。
ゴムボートで2往復。ようやく全ての荷物をまとめた我々は速やかにヨット上で教えてもらっていたオススメだというホステルへと移動である。正直、カルタヘナという一大観光都市では無数の安宿が存在するので適当に選んでも大丈夫だと思うのだが、まぁここは5日間お世話になったクルーの顔を立てておくことに。
5分もせずにホステルに到着し、何はともかくシャワー浴びてネットだネット。心ゆくまでPCいじり倒した時には既に0時を過ぎていた。ほんの1週間ネットに触れなかっただけなのにこの有様。現代人である。
翌日。早速コロンビアの国を走り始めたいところなのだがそうは問屋が卸さない。中米を騙し騙しで走り抜けてきた我がロシナンテ号が色々限界を迎えているところへヨットの湿った倉庫へ突っ込んだまま5日間の放置。ここカルタヘナの町で自転車を整備するのは南米走行を始める前の必須課題なのである。
とりま船で溜まっていた5日分の洗濯物を洗ってから朝食。返す刀で近場の自転車ショップを調べて消耗品パーツを購入しに出発する。
最初のお店でオカシクなってる後輪の修理予約をし、次なる店で安価な部品を幾つか購入。慌てて引き返して時間ギリギリにホステルをチェックアウトする。やはりというか、うるさい上に値段高くて連泊したい場所ではなかったので。
100mくらい離れた場所にある別のホステルへとチェックイン。先の宿より安いのにこっちには敷地内にプールまで付いてる優良物件である。
お昼過ぎにヨットキャプテンから返却されたパスポートが戻ってきたところで今度は別方向の自転車ショップへと向かう。とりあえずこのカルタヘナで私が新しく購入した自転車関連部品はチューブ2本・リアスプロケット・バーテープ・チェーン・パンクパッチキット2組・グローブといったところ。
途中でものすごい勢いのスコールに降られるわ、現金が足りなくてATM探してフラフラ歩きまわるわと忙しい。とりあえず南米に来たという感覚はまだ全く出てこない。
夕方からヨットメンバーで飲みましょうというお誘いがあったので100mほど離れた例のホステルへと向かう。どうやらヨットクルーの人たちも同行するとのことであり、それまでの間は世界遺産であるカルタヘナの町を見て回ることに。
というかそもそも私は歴史的な都市を歩いて回るってそれほど好きじゃないのである。大体最初はワクワクしてるのだが、数時間もすると疲れるわ飽きるわでダレてくるのが大抵のパターン。基本的には自然が好き派なのである。
しかしそんな私でもカルタヘナの歴史地区は見ていて非常に興味深く面白い場所であった。何というか歩いてて町の歴史を感じ取れる気がしたというのだろうか。
惜しむらくは7人で同行しているために、私のペースで見て回れないこと。私はこうした多人数でのグループ行動がとことんダメなタイプであり、海外旅行出てもツアーとかにほとんど参加しないのもこうした「自分のペースで動けない」ことに対して強いストレスを感じてしまうからである。
結局クルーと合流したものの、キャプテンはすでにベロベロでありあっという間に引き上げて行った。ヨット上でも彼が働いている姿を私はほとんど見ておらず、何ていうか彼の部下の方がよっぽど「海の男」というイメージだったのだが、最後にそのイメージは決定的になったというか。
結局何処のバーに入るでもなく街を歩き回っていただけで23時過ぎ。このタイミングで私は引き上げさせてもらうことにした。
なおホステルの門限を過ぎてドアが閉まっている状態で戻ってきたのは、この旅行中で初めてのことである。南米ではぶいぶい爆音で歓楽街を遊びまわってやろうかと思います。戦車だけに。
2017年6月27日(火) 走行距離 2km 累計63319km
2017年6月28日(水) 走行距離17km 累計63336km