自転車ときどき世界1周

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 インドネシア2日目 フェリー船内〜インドネシア首都 ジャカルタ

 さて、このペルニ社フェリー。インドネシア国内を網羅する国営フェリー会社であり、基本的にインドネシアで長距離海上移動をしたい場合、ほぼ確実にお世話になる会社でもある。

 だが、以前にも述べたようにこのペルニ社、チケットは現地で直接購入するしかないわ、1週間前にならないと就航予定が今イチ定まらないわと、愛すべきへっぽこ会社でもある。

 何よりハードなのがその船内環境で、座席指定よりも確実に多くの人間が乗船しているため、あぶれた人達がそこら中にマットを敷いて横になっている。日本のフェリーが利用客がいなくて続々と廃線されてるのとはエラい違いである。

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 どこもかしこも人だらけ

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 とはいえキチンと就寝スペースあるし悪くない

 1日3回極めて残念なレベルでだが食事も無料で受け取ることができし、船内には冷房もシャワーも完備されている。ただし余りに人が多すぎて、その効果や使用状況は割と残念な感じ。

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 残念な食事だ〜

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 水・お湯は無料

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 みんなこの方法で携帯を充電してた

 近くの人達がどんどん話しかけてくれて色々と教えてくれる。荷物の盗難防止という側面からも、周囲の人達と仲良くなっておくことは重要だと思っていたのだが、特に自分から動かなくても気付いたら楽しげに会話していた。

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 家族連れが多い

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 子どもは何処でも元気

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 デッキには売店もある

 難をいえば周辺を常にゴキブリが這い回っていることか。船内の人の多さと相まって、いくら船員が掃除をしてもゴミをその辺に捨てまくるインドネシア人が多いため、常に船内は汚い。

 まぁそんな環境ではあったが意外とグッスリ眠れた。朝になってフラフラと船内探索していると、私のチケットに記載された船室が、ある?・・・・どういうことかと思ったのだが、どうやら船に入る時に案内してくれたインドネシア人が間違ってエコノミーの船室に案内した模様。あんにゃろう!


 ビビって最低レベルより1ランク上の「2等B」というチケットにしてたのだが、普通に気付かずエコノミーで一晩過ごしてしまった茶壺である。というかこのベッドの人、誰か居たのでなかろうか?

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 多分この人のベッドだった

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 ということで移動したのがこの部屋

 もうこれはどう考えても世界が違う。金を払うことで豪華な環境が用意されるのは世の常だけど、日本円にして1500円の差でこうも待遇が違うのかと知ると、貧富の差が激しい国ほど治安が悪くなる理由がよく分かる。

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 ちなみに2等からはレストランで食事ができる模様

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 食事の内容も大分違う

 寝床以上に食事の量と内容に大きく差が出るのと、大量の荷物を部屋の中に置いておける安心感に1.5倍の料金が出せるかどうか。思いもかけず2つのクラスを体感した身としては、そこら辺で選択すれば良いと思う。あと夜ゴキブリが頭の上を通ることに耐えられないタイプも2等以上を選択する方が良い。

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 後半はみんなグッタリしてた

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 同室の人達と一緒に

 予定時刻から30分遅れの19時半に無事ジャカルタにフェリーは到着。降りるための準備で自転車に荷物を積載していたところ、再び周囲から注目の的に。「今日はこのあとどうするんだい?」と聞かれたので、「とりあえず近くの安宿に泊まるよ」と答えたところ、「じゃあウチで泊まりなさい」と有難い言葉をかけてもらったので、住所をメモして夜のジャカルタを自転車で走る。

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 結構楽しかったな

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 車両が多くて怖いジャカルタ

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 ちょっと道を聞いたら色々助けてくれる人達

 無事に家まで辿り着き、夕食(2度目)を御馳走してもらいつつ日本とインドネシアの国際交流。海外ではワンピースよりナルトの方が知名度高い印象。なおドラえもんは別格に愛されてる存在。JKT48?知らなかったけど人気らしいです。

 深夜1時まで話し込んでしまったが、楽しい時間であった。実質インドネシア初日みたいなもんだが、インドネシアの旅行は楽しくなりそうな気がする。

 2015年7月23日(木) 走行距離15km 累計16262km
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 インドネシア3日目 ジャカルタ市内

 思いもかけず家に招待されてしまった昨日。お袋さんから「今日からアナタは私の家族で息子よ。」ってドラマですら聞いたことない台詞を頂いて感謝感激雨あられ。30過ぎでニート歴も1年を越えた穀潰しですが構いませんかね?

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 右のソファが私のベッド

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 朝から豪勢な飯を頂く

 さて、せっかくインドネシアの首都ジャカルタに来たことだし1日くらい観光で回ってみようかと思う。別に親切に甘えているワケじゃなくて、最初からそのつもりでしたよ?私は。

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 ・・・・どちら様でしょうか?

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 高層ビルが建ち並ぶのはどの国でも同じですね(ラオス除く)

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 セブンイレブンのスゴさは海外に出てこそ分かる

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 コンビニの店内とは思えないイートインスペース

 どうやら外国の小売店はインドネシアに新規参入ができないらしく、苦肉の策で「飲食店」として進出しているそうだ。こちらとしては、コンビニで座って涼みながら無料Wi-Fiが弄れるので願ったり叶ったりであるが。

 ベトナム以来の空気の悪さでやや喉が痛い。人間の数に対し、それを賄うインフラ状況が完全に追いついていない状況。道路はあちこち凸凹だし、渋滞が慢性化しているのに加え、バイクが脇をすり抜けて信号無視とか逆走するので危険極まりない。そしてとにかくアチコチでゴミを捨てまくるインドネシア人。

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 まさに成長途上という印象

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 町中央にある記念塔

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 なおバスキングで塔の下はかしましい

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 ヘルメットはちゃんと着けてる

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 落差が激しい

 散々遊び回ってご帰宅するニート。すると「出かけるから準備しろ」とのことで、そんなこといわれても私のウェアなんてどれもヨレヨレで汚いのですが。一応ズタボロのズボンを一番マシな物に変更し、タイで買ったまだ10回位しか袖を通していないTシャツに着替える。上下とも黒色になってしまったが、まぁいいか。

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 車に乗ってお食事へ

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 よかった、ローカル食堂だった

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 顔、デカいっすね

 普通の食事・・・と思ったらそのままバーへ移動。今日の観光で思い知ったのだが、理由は分からないけどインドネシアでは、一般の小売店でアルコールは販売されていない模様。というワケで、お酒が飲みたい場合はこうしたお店に足を運ぶのが一般的なのだそう。

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 準備ってのは「身分証持って」ということだったらしい

 これ即ちインドネシア国内で今後のアルコール接種チャンスは絶望的なのであり、今日が最後のチャンスだとばかりにガンガン飲む茶壺である。普通にインドネシア産ビールがあるというのに・・・全くどうなってんだ!

 翌1時過ぎまで飲んでぶっ倒れるように就寝。というか、帰りの車内で既に寝てた。コイツ最悪ですね。

 2015年7月24日(金) 走行距離33km 累計16295km
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 インドネシア4日目 ジャカルタ〜ジャカルタから東南東に約70km チカンペックの町

 寝るのが遅いと朝早く起きれないのは自明の理、目が覚めた時には8時過ぎである。こういう時に、時間的な制約がない長期旅行者の精神力が問われるのだと思う。曰く「もういいや!」と延泊するか、自分に活を入れて準備を始めるか・・・である。

 精神力に定評のある茶壺は当然後者を選択する。というか人様の家で既に2晩もお世話になっているのに、これ以上迷惑をかけるほど私は厚顔無恥ではない。

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 でも朝御飯はキッチリ頂く

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 お世話になりました

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 というわけでジャカルタ出発

 ところでインドネシアには2億人以上の人が暮らす、世界でも堂々第4位の人口を誇る国である。ジャワ島はその中でも最大の人口を有する島であり、しかし島の国土は日本より小さい。何が言いたいかといえば、車とバイクが多すぎる!

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 電車もスゴい人乗ってた

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 流石に車両だらけの状況で写真撮ってる暇はなし

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 40km走ってようやく畑の風景が

 渋滞だらけの道からようやく解放されたかな・・・と思い始めたところで左ペダルのトゥークリップが折れる。マレーシアで右ペダルにも同じ症状が出たことを考えると、金属疲労による寿命かもしれない。かれこれ3万km以上使い続けてるし。

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 ポッキリ逝っちゃってます

 しかしそれで終わらせないのが自転車旅行者である。近くの溶接作業しているオジちゃんを見つけて、ジェスチャーで状況を説明。修理作業の始まりである。

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 助かりますのん

 なんかこだわり始めちゃって、角度の調整や表面のコーティングまでしてもらい、完璧に復元されるロシナンテ号のトゥークリップペダル。こういうことがあるかと思って鉄製品をメインに選んでいる私であり、しかし素晴らしいのは溶接工のオッチャンである。

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 インドネシアにも痛車!

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 インドネシア版かき氷は「エス チェンドル」という名前

 少々早めに投宿して、昨日は時間がなくてできなかった散髪をするため床屋を探して回る。そして大概この手の散歩は余計な寄り道が付いて回る。

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 ショッピングモールとか気になるし

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 インドネシアの自転車店はまだまだという感じ

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 しかし田舎の割にレベル高い

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 今回はこの店に

 散髪に顔剃りまでしてもらい料金を聞いたら「トゥ」といわれたので2万ルピア渡したら8千ルピア返された。どうやら料金は1万2千ルピア(約110円)のようで、安いにも程がある!コーラの1.5ℓペットボトルとほぼ同額とか、それで食べていけるのか心配になるレベル。

 シンガポールの後だからか、新鮮な思いで物価の安さに驚ける嬉しい国である。ビールが飲めないけど。

 2015年7月25日(土) 走行距離78km 累計16373km
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 インドネシア5日目 チカンペックの町〜ジャカルタから南東に約120km バンドンの町

 東南アジアにおいて、インドネシアの田舎は旅行者が少ないということを実感する。それは宿泊施設の少なさや、外国人向けのサポートの少なさといった点からではなく、周囲に人達がやたらと私に注目してくることからである。

 ラオスやベトナムの田舎にあった陽気に挨拶をしてくるスター的な異分子ではなく、ミャンマーの田舎でもあった「一体何だコイツは?」といった注目のされ方は、とにかく周囲の人達から見つめ続けられるので、やや居心地が悪い。

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 蚊の多い宿でした

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 きっと日本人では初の宿泊者なんだろな

 とはいえインドネシア人もフランクなタイプが多く、一休みする度に「何処から来たんだ?」「オマエは何人だ?」とか色々話しかけてくれるのは素直に嬉しい。そしてお互いに下手糞な英語同士だと、簡単な単語に終始するため意外と意思疎通しやすい不思議。

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 移動式の屋台が多い

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 街灯が凝ってる

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 というか、コレは街灯なのか?

 ひたすら海沿いの道を走っても面白くないので、ジャワ島内陸部を攻めるべく国道3号線へ。すると平坦路だった道は一変して上り坂へと変わる。こういう時、ベルトコンベアーで山頂まで運んでくれないかなぁ・・・みたいな見果てぬ夢を思いながら坂を上るのが最近のマイブーム。まぁ何でも良いんですよ、辛い坂道が続く現実から目を逸らせれば。

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 ここまで坂を上ったのはタイのメーソート以来

 インドネシア版チェンドルは氷を砕かずにそのまま混ぜてしまうので、あの絶妙に氷と絡み合った独特の美味さが出てこずに残念な食感だったのだが、新たな刺客がやって来た。というか氷の代わりにアイスを入れたバージョンのチェンドルなのだが、これが美味い!

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 大切なのは食感なのかも?

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 写真撮ってくれ!といわれたので

 チェンドルに無限の可能性を感じ、しかし私には無限の体力があるわけではない。いい加減上り坂が終わりを迎えてくれやしないかと気を揉みつつ時速10kmでヨタヨタと走る。

 ちなみに私にとって「峠」とは標高600m以上の高さを示している。これは私の地元にある「高尾山」という名前だけなら数千mを想起させるような、観光名所である山の標高が599mのためだ。高尾山も越えられないような高さの峠は、峠にあらず!

 今後、最高地点の標高が600m以下の坂道は「丘」若しくは「アップダウン」と表現することにしよう。まぁこんな決意、明日には忘れてるかもしれんが。

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 なお、この峠は最高地点が670mでした

 上った坂を下ることないまま高原に位置する町、バンドンへと到着する。インドネシアで始めて宿泊先にてWi-Fiが使えるので、この国のビールの販売状況について調べてみる。・・・どうやら今年に入ってからインドネシア国内のコンビニ(含む小売店)でビールの販売が禁止されてしまったらしい。バリ島は除く・・・って、そんなもん知らん!

 一応面積の大きなスーパー等では普通に販売されているとのことで、いざ行かん!ビールを求めてバンドン市内を散策開始である。

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 本当にNARUTOは海外で人気

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 落書きもこれくらい上手いと許せる気持ちに・・・ならないか

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 このタワーがモスクだという事実

 結論からいうと、6つのスーパーマーケットを回り、その全てに食品売り場が併設されていなかったでござる。私の2時間返してほしい。悔しいのでヤケ酒ならぬヤケコーラ(1本30円)を煽ってフテ寝する。ビールと出会える日は遠い。

 2015年7月26日(日) 走行距離88km 累計16461km
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 インドネシア6日目 バンドンの町〜ジャカルタから南東に約200km タクシマラヤの町

 久しぶりにネットが使える環境だったので夜更かしし、翌朝寝坊するところがまでがワンセットの茶壺です。こういうのを繰り返す人間を一重に「学習能力がない」というのであり、そういえば昔から本当に痛い目に会わないと物事が改善しないタイプだった。

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 宿が快適だったことも大きい

 インドネシアではまだ2回しか宿に泊まってないため、比較する対象は一昨日泊まった宿になってしまうのだが、同じ10万ルピア(約920円)を支払っているにもかかわらず、部屋の清潔さ・Wi-Fiの有無・手桶とホットシャワー等々、コストパフォーマンスに違いがありすぎやしないかい?都市部の宿は大変である。

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 まさかの朝食も付いてきた

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 まぁその後にもう一度食べましたが

 バンドンの町を抜けるまで、大渋滞で進まないのは仕方ない。しかし、町を抜けてからも要所要所で渋滞が頻発する。腹立つのは明らかにボトルネックとなる交差点等で、誰もが自分勝手な運転をすることで身動きが取れなくなり、そんな下らないことが原因で渋滞の起点となっていること。

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 二輪車でも抜けられない程の混み具合

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 戦犯はコイツ

 この手のミニバンが好き勝手に、しかも長時間に渡って停車するため、割を食った後続車両が無茶な車線変更を繰り返し、結果渋滞の列はどんどん延びてゆく。マイナスの連鎖という言葉がこれほど綺麗に当てはまる場面もそうあるまい・・・とか思う余裕があるワケなし。

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 山間部に入ってきました

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 交通量が多すぎるのでお店には必ず誘導員がいる

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 なんでそんなにレッドブル?

 山あいを走っているのでアップダウンはあるのだが、昨日標高を稼いでいるためそこまで過酷な上り坂はない。坂を上り終えたところで商店のオッチャンに声かけられて、ジュースを御馳走になったり周囲の友人を呼びまくったりして大いに楽しいぞ。

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 自転車旅行者で良かったと思った瞬間

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 長崎県にも似たのを見た

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 案外涼しいインドネシア

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 マウンテンバイク系が人気の様子

 地図アプリに宿の1件も表示されないような町において、宿泊施設を見つけるのは己の勘と経験、あと人に聞くことが重要になってくる・・・のだが、最も大切なのは言わずもがな「運」だ。運をキッチリ掴めれば大抵の場合は上手くゆく。

 今回はホテルが固まっているエリアを通ったにも拘らず、その幸運を理解せずに「もっと中央部行けば安い宿があるだろ」と通過してしまった。その結果市内中心部で右往左往することになり、癪だけど先刻の道を戻って宿泊するかな?と思って自転車を戻そうとすると1件のうらぶれた宿が。

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 運と縁が大切なのかね

 こういう時、なんだかどうにかなってしまう・・・というパターンが私は非常に多い気がする。困っている時には誰かが助けてくれるし、どうしようもなくなる前に宿や食堂が姿を現す。これは、道中の行動責任を自分で取れる自転車旅行ならではだと思う。

 まぁ世の中の大抵のことは、諦めずにしつこく続ければ解決される時が来る(解決できる、ではないとこがミソ)。それをどれだけ粘れるか、というのはバスや電車や飛行機といった他の乗り物に依存する他の旅行者と比べ、自転車旅行者は圧倒的に自由である。回数増やせば当たりくじ引く確立が上がるのと同じ。

 そんなワケで、「今回もどうにかなっちゃった系自転車乗り」として幸運に感謝しつつ、夜は更けてゆくのですな。

 2015年7月27日(月) 走行距離114km 累計16575km
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 インドネシア7日目 タクシマラヤの町〜ジョグジャカルタから西に約160km バニュマスの町

 赤道直下に位置するインドネシアであるが、少なくともジャワ島におけるこの時期の最高気温は35度程度。日本では「うだるような暑さ」と表現するところなのだが、湿度が高くないインドネシアでは結構快適だったりする。

 吹き抜ける風が体に心地良く、そういえば南半球にいるので南風の方が涼しいのだ・・・という考えに至り、その違いを全身で受け止めようとしてみるも、そんな細かな違いが分かるわきゃない。そういうのは気持ちが大事なのだ気持ちが。

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 宿の屋上から

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 マックのロゴを上下反転させただけ

 ロシナンテ号を走らせジャワ島を東へ東へと進む。私の勝手なイメージだが、インドネシアという国はジャングルが生い茂る大自然に溢れる南国というイメージだったのだが、現在まで5km以上に渡って集落が途切れた瞬間がない程の人口過密な都会の国である。想像の50倍くらいコンビニが乱立してるし。

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 観光バスも多い

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 柑橘バス停も多い

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 郊外のガソリンスタンドはコンビニ・モスクが複合してること多し

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 でかでかと書かれてる割に何もなし

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 インドネシア1週間目にして始めて道路ポストに気付く

 アップダウンが多く道路状況もガタガタで走りづらい道ではあるのだが、それでも多少は交通量が減ってきたのでペースも上がる。16時過ぎには100kmを超えて、このまま一気にはしっちゃるぞ!・・・というところで異変に気付く。

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 テント袋が・・・ない

 エラいこっちゃ、えらいこっちゃ!今まで割と無茶な走行をしてもどこか余裕があったのは「最悪、野宿できるし」という保険が存在したという側面が大きい。というか、単純にお高いテントを失くしたとなれば、金銭的なダメージも大きすぎる。まだ200回くらいしか使ってないというのに。

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 固定紐のフックが破損したのが落下原因の模様

 大慌てで道を引き返して確認しようと、近くにあったモスクで事情を話して荷物を置かしてもらう。何km戻ることになるか分からないが、とにかく行くしかない!と悲愴な顔をしているのを気の毒に思ったのか、お祈りに来ていたオッチャンが「俺のバイクで一緒に行ってやる」と有難すぎる申し出をしてくれる。

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 写真撮ってる場合じゃない

 道を戻って確認すること40km。完璧にバッグは消失していて私も意気消失である。オマケに宿もない田舎地域で外は真っ暗になってしまい、たった1つのトラブルで何が起こるか分かったものじゃない。げに恐ろしきや自転車旅行。

 バイクに乗せてくれたオッチャンが親切で「今日はウチに泊まれよ」といってくれ、家族の人達と食事出してもらったり警察署にポリスレポートを作成しにいったりと、凹んでいる中で本当に良くしてもらった。インドネシア警察は「レポートなんか作れないよ」と何の役にも立たなかったけど、この国の人達は本当に親切である。

 とりあえず暫くの間、野宿は相当難しくなった事実。まいったなこりゃ。

 2015年7月28日(火) 走行距離107km 累計16682km
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 インドネシア8日目 バニュマスの町〜ジョグジャカルタから西に役80km ケブメンの町

 テント失くしてかなりテンパっていた私だが、1晩グッスリ眠ってようやく沈着冷静ないつもの私が戻ってきた。この勢いでついでにテントも戻ってきてほしいものだが、流石に未練タラタラと考え続けていても仕方ないので気持ちリセットして走り出すことにする。

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 泊めてもらったオッチャン家

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 娘さんは7時前に学校に行ったとのこと

 インドネシアの人達は家族の繋がりを非常に大切にするようで、昨日も一族9人に囲まれてアレやコレやと質問攻めにあったりしたのだが、果たして本日も同じだと何時になっても出発できない。楽しい時間ではあったのだが、9対1はかなり疲れる。向こうもブロークンイングリッシュなので、単語の解読するのも一苦労だし。

 ややドキドキしながら自転車を預からしてもらった母屋へと向かうが、既に1人を残して出かけていた模様。会えないと分かると、なんだかちょっと寂しくもあるなぁ・・・という面倒くさい気持ちを抱えつつ出発である。

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 辛いこともあれば嬉しい出会いもありました

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 自転車需要の少ないインドネシアにも旅自転車乗りがいた!

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 るろうにサムライX

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 ずっとこんな(整備された)道だったら良いのに

 そういえば私は「凧揚げ」というのは日本独自の文化だと思っていたのだが、割と東南アジアのどの国でも見かける遊びだったりする。日本ではお正月でもないと滅多に姿を見ない凧揚げだが、海外で割と普通に凧揚げしてる姿を見かけたり。むしろ現代の日本の子どもは凧揚げ経験者の方が少ないのかも。

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 普通に道路脇で売ってます

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 しかしインドネシアもコンビニが多い

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 このアルファマートとが2大巨頭みたい

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 道路挟んで2店舗とか日本やタイ並みに無駄な設営してる

 相変わらず路面状況が悪いので時速20km以下のスローな移動が続く。別に遅いのは良いのだが、新しくしたばかりのタイヤに余計な負荷がかかったりして寿命が縮んだらどうするんだ!とか詮無ないことばかり考えつつ。それでもちゃんと距離は走っているのであり、見える景色だって少しづつ変わってゆく。

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 米が食べたくなる

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 何で道路脇で干すのかね?

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 終盤にようやく整備された良い道路が

 とりあえず適当な宿に・・・と思って幾つか確認してみたのだが、何と半数以上が満室とのこと。何で観光地でも何でもない普通の規模の町で、そんなに大勢の宿泊者がいるのか?

 流石にラマダン開け休暇は終わってるだろうし、今日はインドネシアの祝前日とかそんな日なのかもしれない。本当ならば調べて確認したいところなのだが、本日もネット環境はなし。そしてビールもなし。明日で禁酒6日目に突入である。

 2015年7月29日(水) 走行距離99km 累計16781km
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 インドネシア9日目 ケブメンの町〜ジョグジャカルタから北西に約30km ボロブドゥールの町

 インドネシアは宿のコストパフォーマンスが割と良い国だと感じる。まぁシャワーが無くて大抵は水桶だったりするのだが、料金の割に部屋やベッドがキレイで好感が持てる。あと何故か知らんが抱き枕がある宿が多い。

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 自転車も中に入れさせてくれるので安心

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 水回りさえ平気ならば朝食有りの宿が多いし好印象

 それに比べて残念なレベルである道路を今日も走る。いつの間にか溜めた位置エネルギー標高は30mまで数字を減らしており、従ってやや暑さを感じつつの道。でも本当の敵は路面の凸凹と車両の多さ。

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 嫌がらせか!

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 鳥を運ぶスタイルのバイク

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 私の好きそうな匂いを感じたので寄ってみる

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 センス良し

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 こういう遊び心って大切だと思うんだ

 ところでインドネシアではお金を引き出すのに苦労している。ATMはそこら中に立ち並んでいるのだが、VIZA・MASTERカード共にキャッシングしようと操作しても、「接続できません」的なメッセージが流れて上手くいかないことが多い。国際キャッシュカードに関しては、カード受け付けさえしてくれなかった。

 こういう時は、数打ちゃ当たる!的に試しまくるのだが、「インドネシアのATMはカード吸い込まれて帰ってこない危険があるから気をつけて!」みたいな注意を受けたので、銀行や信頼できそうな建物に付属しているATMしか使わないようにしている。

 結局本日は3台目のATMでようやくお金を引き出すことに成功。ゲンナマが出てきた瞬間に「よっしゃ!」とか口ずさんでしまったが、何で自分で稼いだお金を手元に出すのにこんなに苦労しなけりゃならんのだ?とも思う。

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 学校は屋台の稼ぎ場所

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 日本ではまず見ないであろう看板

 昨日まではジャワ島中部に位置するジョグジャカルタまで行ってしまおうと考えていたのだが、現在位置から見て手前に位置するボロブドゥールは見学行くつもりだったし、このまま直接移動することにした。ジョグジャ(とインドネシア人は省略する)から反対方向に走るの何だか勿体無い気持ちになるし。

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 その代わり山の中アップダウンですが

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 既にインドネシアでこのコーラ20本くらい飲んでる

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 ボロブドゥールの遺跡に到着

 到着はしたが、時間も遅いので遺跡見学は明日に回して宿を探す。有名な観光地近くなので町の規模の割に安宿は豊富にあるのだが、まさかドミトリータイプの宿まであるとは驚いた。聞けば料金は3万ルピア(約280円)・・・って安っすいな!

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 個室は料金10倍ってのも極端な宿

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 中庭も立派

 恐らく元は中〜高級ホテルで営業していたのが、お客の入りが少ないため、幾つかの部屋を貧乏旅行者に向けた格安部屋に改装したのではないかと考える。まぁ12床のベッドがあっても使ってるのは私1人で快適そのもの。Wi-Fiあるし、洋式トイレにシャワーだし。

 やっぱりインドネシアは宿のコストパフォーマンスが高い国である。

 2015年7月30日(木) 走行距離88km 累計16869km
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 インドネシア10日目 ボロブドゥールの町〜ジョグジャカルタの町

 アンコールやバガンの遺跡群、これらは世界三大仏教遺跡として名を馳せているのだが、残り1つの遺跡の名前とその場所がパッと出てくる人は存外少ないのではないかと思われる←失礼

 そうしたややマイナーなポジションに属しているボロブドゥール遺跡の見学である。アンコールやバガンでも明らかに周辺物価とつり合いが取れていない法外な入場料に閉口したものだが、ボロブドゥールも然り。外国人料金25万ルピア(約2300円)を支払ってようやく突入である。

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 なお入り口にて腰巻きを付ける

 ということで入場ゲートから歩いて500m。なおボロブドゥールは「遺跡群」ではなく単独の遺跡であるため、広大な敷地の中を移動しながら様々な遺跡を見て回るものではない。

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 姿見えてきた

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 なかなかの威厳である

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 なかなかの威厳である?

 こういうデカい遺跡は、全景の写真を撮る方が規模も分かりやすいし迫力もあるのかもしれないが、私は結構目の前の細々としたレリーフや模様を撮るのが割と好きである。後で見返した時に「こんなのあったかなぁ?」とかそういう感想が出てくれば完璧だといえる。

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 多分、大砲とか飛び出てくる

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 石組みとか気が遠くなりますな

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 向こう側が気になるかもだが、大体同じ景色

 いわゆるピラミッド型の遺跡であり、この手の遺跡にありがちな人体のサイズに合ってない階段を上って最上段を目指す。ボロブドゥールは上3段からがまた別の建築方式となっているようで、その様子がガラリと変わるのが面白い。

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 ミニドームがあちこちに

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 なお中には仏像が入ってる

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 こんな森の中によく造ったよね

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 「ありがとうございました」

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 ちょっと離れた場所に補修用の石がわんさか

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 なお駐輪場には世界一周途中の自転車が置いてあった

 割とゆっくり回ったつもりだったが見学時間は3時間弱。日本の映画館より単位時間辺りの料金高いってどうなのよ?とか思ってしまう私は貧乏性。

 宿泊先の宿に置かせてもらっていた自転車以外の荷物を回収し、インドネシアの京都にあたるジョグジャカルタまで簡単に移動しておくことに。

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 周辺の遺跡群は無料だし良い感じだと思うの

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 良い感じだと思うの

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 明らかに町の風景に景色が変わってきた

 バリ島を除けばインドネシア随一の観光地であるジョグジャカルタ。適当に道を聞きつつ安宿街へと移動し投宿したのだが、時刻はまだ15時前。・・・・よし、行こうかね。

 何処に行くのかといえば、2日前に宿泊したケブメンの町に決まっている。ここの宿に洗濯袋を忘れた私であり、以前からブログを読んでる人は「あれ、デジャヴか?」とか思うかもしれない、まさかの同じ道具を再び置き忘れた進歩のない茶壺さんである。

 料金400円にも満たない長距離バスに乗ってケブメンの町へと到着したのは20時過ぎ。悪運強い私は海外で2度も忘れ物をしながらキッチリ発見して回収している。3度目の紛失はないと信じたい。

 この後、今日のバスはバスが終わったいやいやあるだろ問答とか、郊外のバス停まで10km歩いたりとか、翌2時発のバス待つ間に蚊を50匹くらい倒したりとか、バスの降りる場所を早まって宿に帰り着くまで7km歩いたりとか色々あったが、特に書きたい話でもないので省略する。

 翌朝5時半に宿へと戻り、7時からの無料朝食まで眠らずに耐えきり、食事後倒れるようにして就寝。ハードな1日だった。

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 待つのが暇なバス移動

 2015年7月31日(金) 走行距離48km 累計16917km
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 インドネシア11・12日目 ジョグジャカルタの町

 目を覚ましたのは12時過ぎ。本当ならば今日1日かけて忘れ物を撮りに戻るミッション実行中だったことを考えると、半日程の余裕があるという表現ができなくもない。昨日動いたことで作り出した貴重な時間である。

 その貴重な時間を使い、ジョグジャカルタ市内のアウトドアショップでテントを探すことにする。とりあえずネットで出てきた店を3軒程リストアップしてマップに登録し、いざテント探しへ出発。

 んで、3時間後。アウトドアショップなんて1つも存在してなかった事実。どうやらFacebookページにリンクされている地図はクソ仕様であるらしく、住所と示されている場所が別々であることが多い模様。私が必死に作り出した貴重な時間は、こうして何にも生かすことができないまま消費され終了しました。お粗末様です。

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 今の気持ち

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 残った時間でせめて壊れかけたサンダルの補修作業をば


 翌日。今度こその思いでお店を調べたり、インドネシアの走行ルートについて調べる。インドネシアの田舎はWi-Fi事情が悪いので、確実にネットに繋がる環境を確保できるジョグジャカルタにいる内に調べておきたい情報は多い。

 とりあえず昼前までPCイジった後で、せっかく安宿が密集している地域だし、気分を変えるためにも宿を変更してみることにする。

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 この細い路地に宿が密集している

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 こういう道は何だかワクワクするな

 泊まった宿から距離にして50mも移動してない宿へ移動。料金も1万ルピア(約90円)安くなったし、2階でバルコニーもあって気分が良い・・・・のだが、このためにわざわざ4つのバッグと1つのボックスに荷物をパッキングし、自転車に積載して落下防止のネット付けたり予備のタイヤを引っかける作業。

 当然新しい宿に到着したら再び部屋に荷物を全て運び込まなくてはならないのであり、どう考えても効率悪すぎである。自転車旅行はホイホイと宿泊先を変えるのに向いてないことを身をもって実感した。

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 2階からの景色は良かったけど

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 隣棟との距離が近すぎだと思うの

 態勢も整ったので改めてアウトドアショップ巡りへ出発する。ところで私は幾つかのポイントを回って戻る際には、一番遠い場所を最初に訪問し、徐々にスタート地点へと近づくようにルートを組むのが好きだ。これは後半になればなるほど「あと少しだけ」という精神的に楽な状態になれる気がするためで、食事で好きな物を最後に残しておく行為に近い。

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 ごちゃっとした町は住みたくはないけど好き

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 1番遠い店

 全てこのレベルの店だったらどうしよう・・・とか思ったが、なかなか侮れないインドネシア。海外アウトドアの有名ショップであるReiの店も存在したりで、なかなか先進的なショップもあるっちゃある。ただし私が名前を知ってるメーカーで売られていたのは唯一コールマンのみであった。

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 つまり選ぶのは博打に近い

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 偶然見つけたショップは宿から徒歩5分だった

 しかしインドネシアの京都などと評されるジョグジャカルタにいるのに、観光もせずテントを探し続ける茶壺である。明日くらいは有名どころを回ってみようかなと思いますのん。

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 宿併設のカフェで1週間ぶりのビール 

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 しかし屋台で調理するオッサンはカッコいい 

 2015年8月1日(土) 走行距離23km 累計16940km
      8月2日(日) 走行距離18km 累計16958km
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