自転車ときどき世界1周

カテゴリ:北中米 > コスタリカ

 コスタリカ2日目 ラ クルスの町〜サンホセから西北西に約170km リベリアの町

 深夜になって体調不良で目をさます。実は昨日の朝食で卵かけ御飯を食べていた私。海外の生卵は衛生面が悪いから食べちゃダメだと聞いたことこともありそのまま食すことはしなかったのだが。

 朝食で卵はフリーだとか言われてついうっかり食べてしまったら案の定、夜から猛烈な下痢と頭痛に襲われる始末。どこから切り取っても阿呆である。

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 朝もフラつきながら準備

 だがまぁ体力だけは人並み以上にある私。ベッドで寝込むのは御免だと自転車乗って走り出すなんて、本当に自転車旅行が好きなんですね。

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 ホテル代が高いからという説も

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 コスタリカは何でも物価高いので

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 流石にペースはかなり悪い

 沖野君も心配してくれて本日は距離短縮しての走行を了承してくれた。当初の予定から大幅な変更は少なからずストレスの溜まることであることを思うと私としても申し訳ないのだが、影では「自業自得ですよ!はっはー」とか言ってるかと思われるのでそんなに気を使う必要ないか。

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 使ってください

 道路工事なんぞ珍しくも何ともないが、片側1車線が5km以上続くとなるとそれは滅多に見ない。ましてコスタリカ国道1号線で他にエスケープできるような道もない幹線道路。こんな道を日中1時間近くも待たされたりしてドライバーの皆様はさぞやご立腹ではなかろうか?

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 なお自転車はスルーして良いらしい

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 思ったよりも道中に商店がなくてバス停にて休憩する

 前半戦がアップダウンを繰り返す道だったのに対し、後半からは平原が広がる平坦基調の道。でも「どっちが大変か」と問われたら、甲乙つけがたいとも思う。

 というのもアップダウンがあっても森林地帯の中を走れるならば、案外涼しいというか爽快さがあるのに対してド平原だと炎天下を景色も変わらないまま走り続けなくてはならないため。

 自転車旅行してるとよく分かるのだが、単純な体力的にキツい道よりも楽でも変化が少なくて楽しくない道の方が疲れを覚えたりするものである。

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 写真一瞬見るだけなら良いんだけどさ

 リベリアの町に到着したと同時に天候急変、スコールとなる。大慌てでファストフード店に逃げ込んでやや遅めの昼食に。

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 タイミング良かった

 ちょっと走ったらなんだか元気になったりとか、そんな都合の良いことは起こらないため朝に話していた通りにリベリアの町で走行終了とさせてもらう。どのみち外は大雨なのでこれ以上走るのは難しそうだし。

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 この規模の町でもファストフードがあるのがコスタリカ

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 自転車ショップもちゃんとしたスポーツサイクル店が出てきた

 雨が降り止んだ間隙を縫ってホステルに投宿。とにかく体力回復しないことにはどうにもならないため、早々にベッドへと潜り込んで寝ればいいのにネットしてましたが。

 それでも普段よりはかなり早めに就寝である。元気でなくちゃあ自転車旅行は楽しめません。

 2017年5月30日(火) 走行距離77km 累計62089km
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 コスタリカ3日目 リベリアの町〜サンホセから西北西に約110km ティラランの町

 やたら親切なオバちゃんが印象的だった宿は6時半に目を覚ます。心配していた体調不良も自転車旅行する分には問題ないレベルまで回復してると判断し、いつも通り1合半のアボカド丼とラーメンの朝食を済ます。

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 もう1人自転車旅行者が泊まっていたドミ部屋

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 やたら蚊が多かった中庭である

 当てにならない天気予報では午後から降水確率90%超とのことで、午前中のうちにできるだけ距離を稼いで後はその時のノリで!と早めに宿を出発する私たち。

 リベリアの町を過ぎるとそれまでの道路とは一変し、側道が広がり路面も新しくなっているのが分かる走りやすい道になる。

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 まぁね、高速道路になったんだけども

 地味に自転車走行禁止っぽい看板が出ていたりして、そういうことなら仕方がないと道を外れようとしたら自転車道路が出てくる不思議。排除したいのか走らせたいのかよく分からないコスタリカ。

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 自転車走って良いのんか?

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 山に雲がかかっているのだが

 私たちが進もうと思っているのが正にその山々なのですが。素直にコスタリカを抜けるだけならこのまま国道1号線を進むのが正解なのだが、私がやってるのは旅行であり面白そうな場所に寄り道するのが正しいあり方なので仕方ない。

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 この先より左へ曲がりま〜す

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 その前にお昼休憩

 先ほどまでの広い道は何処へやら。しかし狭くともしっかり舗装されてる道路であれば自転車的に問題はあんまりないのです。車が追い越していくのが怖いとか、上り坂が続くのが大変とかあるけども。

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 些細な問題だ

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 ティラランの町へ行こうぜ!

 この時点で午後2時を過ぎ、降水確率98%の青空の下を移動することに。皮肉ってはいるが、ふとさっきまでの道を振り返ってみると雷鳴轟かせる雨雲が広がっていたのであり、もしかして大ラッキーだったのかもしれない。

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 雨に降られる前に早いとこ移動するかな

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 ここにも風力発電が

 このプロペラがあるということは強風が吹き続ける地域という意味でもあり、それを裏付けるかの如く風は吹き荒ぶ。なおプロペラの向きから想像してはいたが、向かい風でちっとも楽できないのはご愛嬌。

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 思ってる以上に羽は大きい模様

 どうにか雨が降る前にティラランの町へと辿り着き、宿へと逃げ込むことに成功する。シャワー浴びた後で外に出てみたら地面が濡れていたので、間一髪であったことが伺えるというか最近はやたら運が良いな。

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 ちょっと良さげな丘を眺めつつ

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 小さな街と思ってたけど立派な公園と建物の数々

 あーでもないこーでもないと食堂を探し続けてようやく入ってみたお店には、日本人のお客さんがいた。話してみると近くのアレナル湖畔でホテル業をしているとのことであり、明日ちょっと挨拶してみることになった。あとビールと夕食を頂いてしもうた。

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 ご馳走様でした

 そんな感じで「面白そうな道を選べば、それ以上に楽しい出来事があるのです!」と満面の笑みで結果論を語る私である。

 2017年5月31日(水) 走行距離70km 累計62159km
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 コスタリカ4日目 ティラランの町〜サンホセから西北西に約120km テホナの町

 一応ペアランをしている関係上、全て私の自由勝手で予定を決めることはできない。誰かと走るということは楽しいことであると同じくして身勝手が許されないということでもある。

 これを無理やり要約すると、突発的な事態への対応力が低いということだと思う。自転車の利点というのに「簡単に止まれる」「すぐ行き先を変えれる」というフットワークの軽さがあるが、複数人でいると予定の変更には確認作業が生じてしまうのは仕方のないこと。

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 だから朝に1日の予定を確認することは多い

 そんな我々が向かう最初のチェックポイントはティラランの町から北部に位置するアレナル湖。町出て1kmで早くも猛烈な坂道が出てきたりしたのだが、文句を言いつつも走ることができているのでまだ余裕があるとも言える。

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 200mほど登って湖が見えた

 そのまま昨日出会った岩崎さんが経営しているホテルへ向かう。正確にはこのホテルを共同経営されているとのことで、特にクラフトビールの酒造を取り仕切っているのだそう。

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 コスタリカでもクラフトビールはブームとのこと

 話聞いてて面白いのと岩崎さんの好意でホテルに1泊させてもらえることに。一応ペアランをしている関係上、私だけの意思で勝手に予定を変更することはできないのであり、沖野君と相談するべき局面であるはずなのだが、まぁ相談する必要なんてなかった。

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 豪勢な部屋にて

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 自転車旅行じゃまず使わない立派なホテル 

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 ビール泥棒の現行犯

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 というかクラフトビールって夢がある

 昼食をご馳走になった後で仕事に戻った岩崎さんを横目に遊び呆ける自転車乗り。とりあえずガチガチの低レベルチェス勝負は思っていたより良い勝負になった。

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 まぁ私ほどではないけど強かったよ

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 頭使った後はプールで身体使って遊んだり

 うまいビールと食事。オマケに標高600mを超えた内陸部では暑さも和らぎ快適な気候。ベランダから見える湖を眺めつつのんびり過ごしていると、日本からコスタリカへと渡って居を構える気持ちが少し分かった気になる。

 ホテル周辺には割と色々な動物がいるようでナマケモノこそ姿を見ることは叶わなかったが、葉切り蟻を筆頭に目が赤いカエルなどを撮影して喜び回る茶壺さん。

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 葉っぱが動いてるのを見るのは新鮮

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 あんまり寝てないのかい?

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 夕食の肉が柔らかくて美味しくてもう、ねぇ

 海外旅行始めて900日目となる節目の日は、想像だにしなかったスペシャルな1日であった。

 2017年6月1日(木) 走行距離9km 累計62168km
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 コスタリカ5日目 テホナの町〜サンホセから北西に約90km フォルトゥナの町

 予期せぬ形で1日ホテルにてゆっくりさせてもらい、身体もばっちりリフレッシュ・・・と簡単にはいかないのが30代であると思う。でも旅行するにあたって「回復力」って要素は体力なんかよりよっぽど大切な能力なのであり、何とも悩ましい。

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 原因の大半は深夜までネットしてたことに有

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 私が淹れたのより美味かったコーヒーと朝食と

 朝食頂いた後、出発しようと準備してたら沖野君の自転車がパンクしていた。やったぜ!・・・じゃなくて、何と気の毒なことであろうか。私ばかりがパンクしている日々は、今終わりを告げたのである。

 修理を終えてお世話になった岩崎さんにお礼とお別れの挨拶。ホテル従業員の人たちも皆さん親切で、すごく楽しい時間を過ごせたことに改めて感謝。短期的にしか国に滞在しない旅行者にとって、こうした出会いがその国の印象を大きく左右させるのであり、私の中でコスタリカは今本当に素晴らしい国となっている。

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 ありがとうございました

 それでは先日突入したアレナル湖畔を回る道の再開だ。ホテルからも見えていたこの湖は、長辺で50km近くの長さを誇る巨大な湖でありつつも人造湖である。

 人が作った湖ならばさぞや周辺路の整備状況も良いだろうと思いきや、湖を抜けるまで平坦路が全く存在しないレベルのアップダウンが連続する自転車殺しの道であった。

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 しかも斜度がエグい

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 道も悪い 

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 カエルは楽しい 

 午前中で25kmも走れずで、昨日リフレッシュしたはずの私の両足は限界ギリギリ。ストップ高叩き出したはずのコスタリカ株は只今大恐慌へと突入しております。

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 景色は素晴らしいのだけど

 それでも湖東部へ行くにつれて緩やかになる坂道。代わりに雨雲が空を覆い、雨の状況を常に心配しながら気が気でない走行しつつアレナル湖を走りきる。最後までドキドキしたぜ。

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 その最後が1番良い景色だった

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 山頂隠れてるのがアレナル火山

 火山を横目にいよいよ本日の大イベントであるタバコン温泉へと到着する。このタバコン地域は火山の付近であるためかホットスパリゾートが盛んな土地だ。もちろんそうしたリゾート施設は一介の自転車旅行者がおいそれと利用できるものではないのだが、そうした人にも楽しめる無料の温泉がちゃんとある。

 U字を描く道路の最下部に川が流れているという割とよくある地形なのだが、この川が温泉となっており入浴することができるのだ。無料で。

 道路脇から土手道を降りて行けばものの30秒で温泉へ到着である。カナダ以来約10ヶ月振りの温泉は疲れ切った体に染み渡ることこの上ない心地よさ。

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 ただし例によって水着着用

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 野趣あふれる温泉という言葉が似合う

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 温泉です 

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 なお地元民は全然いなくて旅行者ばっかり

 もうこの川すぐ脇にテント張って野営したいくらいだ。下まで自転車持ってこれたら本気で考えたかもしらん。

 汗をながし、気分的にもリフレッシュし再出発。500mで再び全身汗まみれになってしまうのはご愛嬌で済まされるだろうか?

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 なんとか雨も降らなかったし

 明らかに旅行者のために作られた感のあるフォルトゥナの町へ辿り着きホステルへ。コスタリカは物価高いこともあるし、せっかくキッチンがあるのだからと夕食は自炊することにしてスーパーにて買い物したり。

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 結果としてちょっとだけ安く済んだ

 入浴するって行為はリフレッシュする反面、疲れる気もする。食事済ましたら途端に眠くなってしまい、沖野君ともども倒れるように就寝した。食べ過ぎで眠くなったのではないと思いたい。

 2017年6月2日(金) 走行距離69km 累計62237km
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 コスタリカ6日目 フォルトゥナの町〜サンホセから北西に約70km ラ ティグラの町

 中米諸国の雨季は5〜10月である。つまりこの時期のコスタリカで雨降ることが多いのは必然であり、自転車旅行に適した季節であるとは言えない。

 それでもこうして雨季のコスタリカを自転車旅行するのだから、そりゃあ雨に降られて右往左往することもあるってもんだ。大切なのは雨が降っても慌てず騒がず柔軟な対応をすることなのであり、平たく言えば「やる気を出さない」ことが重要である。

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 朝から雨が降れば慌てずゆっくりするのが正解

 私くらいの人間にもなれば、そうした心の余裕を持ってダラダラとすることに何の罪悪感も覚えなくなるというかむしろもっとダラけたいのだが、沖野君の出発の意志は固かった。それとなく意思表示していた「ゆるりと進もうぜ」というサインは理解されることがなかったようだ。

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 もう絶対雨降るよね?的な天気の中を出発

 案の定10kmも進まないうちに降り出す雨。とりあえずバス停へと逃げ込んでの雨宿りはこのまま2時間にも及ぶことに。

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 こういうことがあるから小説は重要

 現在走っている道は主要道から外れた国道702号線。そっちの方が交通量が少なくて走りやすいと教えてもらったので選んだ道だが、一旦雨が降り出してしまうと道中に町が少なく計画の変更が困難な道でもある。

 流石に雨降る中米の山中でテント張りたくないため、このまま無茶苦茶頑張って70km先の町まで山の中を走るか10km先の町で止めてしまうかという2択。

 やはりそれとなく伝えるような形ではダメなのだ!男ならば自分の主張は断固押し通すくらいの気概を持って「走りたくない」と言わねばならぬ。

 沖野君が「たとえ土砂降りになろうとも行くのだ!」というのを、腰に縄つけて引きずってでも休む根性と迫力が必要であることを私は理解した。ここでいよいよ意見の対立が始まるわけだ。

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 とりあえず近くの食堂で食事して、と

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 皆さん何を見てるのかと思いきや

 チャンピンズカップのテレビ中継でユベントスVSレアルマドリード戦が放送されていた。ここで沖野君の様子を伺うと試合状況に夢中ではないですか。

 スペイン語繋がりなのか何故かレアル贔屓なコスタリカサポーターと一緒にサッカー観戦。ちょうどいい具合に雨も上がってこの小康状態の間に近くの宿へ投宿してしまいたいのですが・・・。どうやら沖野君が動く気配はなさそうだ。

 まったく。自転車旅行なのにダラダラ休んで進みもしないとは何という輩であろうか。君の自転車も寂しくて泣いている声が聞こえるようだぜ。もっと私みたくガンガン自転車に乗って走るようあるべきだと思うのだよ自転車旅行者なのだし。

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 今日の日記、彼には見せられん

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 床が鉄製の橋はスリップが怖いんだよね

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 間違って落ちたら絶対助からない高さ

 すったもんだありつつも、ラ ティグラという小さな町にある看板も出していない小さな宿を見つけて無事投宿。天気予報では向こう5日くらい雨が降り続くらしいけど、まぁ細かいことは朝起きてから考えるとしよう。

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 そんな小さな町でも自転車店があるし

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 立派なフットサルコートがあるのがコスタリカ

 こうした設備が(中米では)素晴らしい反面、物価がクソ高いのがネック。私が今まで訪れた国の中で、お金を1日平均で使っている額ではオーストラリアでもカナダでもなくコスタリカがNo.1である事実。

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 こんなので400円取ってくる 

 ゆっくりしていたい気持ちと早く進みたいという相反する気持ちが同時に両立するのは、こうしたコスタリカのレベルと物価の高さと天候と治安の悪さが絶妙に絡み合っているからなのである。最初から最後まで言い訳が続いたな。

 2017年6月3日(土) 走行距離25km 累計62237km
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 コスタリカ7日目 ラ ティグラの町〜サンホセから西に約50km サン ラモンの町

 6時に目を覚ましたら外は大雨であった。どうにもならない事態であり、せめて私がやる気ないことを示して雨雲が「こんなに働かなくても大丈夫だな!」と誤解するのを期待して二度寝する。

 1時間後に確認すると見事に雨は降り止んでおり、私の演技力で事態が好転した素晴らしい事例として記録しておきたい。

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 よかった出発できるぜ

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 案外早く道路って乾く

 昨日走るはずだったサン・ラモンまでの道はピタリ1000mの標高を登る峠道。自転車旅行にとって1日の走行距離はあんまり意味がなくて、大切なのは「どれだけ登ったか」を示す獲得標高である。

 この1日1000mという数字は荷物満載の自転車にとって「相当キツいけど、全身全霊で走る程ではない」という、10段階評価では6〜7くらいの数字が該当するレベル。スタートする前に「今日は頑張るか!」と気合いを入れたりはする。

 そうした「かなりキツい」と思っていた道は「無茶苦茶キツい」から「というか自転車乗りを殺す気か!」に変化するまで大して時間は必要としなかった。だって坂道の角度がオカシイのです。

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 本当、写真だと分からないのが悔しい

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 死にそうになりながら休憩したレストラン

 どのくらいキツいのかといえば、私の体力で限界ギリギリ地面に足を着かず走り続けることができるくらいにはキツい。コスタリカは割と厳しい斜度の坂道が多いのだが、そんなキツい道を走り続けること約5時間。途中で雨に降られたりとか色々あったけども、どうにか峠のてっぺんへ。

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 景色も山の上っぽい

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 ここから下り坂と思いきや

 この後もちょいちょいアップダウンが出てきたりして気が抜けないぞコスタリカ。最初に計算した通りに標高1200mまで登ったのだしちょっとは容赦してくれやしませんか?

 お疲れモードでサン ラモンの町へとたどり着き、とりあえずセントロの公園で地図を確認しようとしたのだが。「あなたたち旅行者なの?」と声をかけてくるオバちゃんが。

 どこか近くで泊まろうと思っている旨を話すと「じゃあウチに泊まりなさいよ!」・・・という、お泊りのお誘いが。すごいな、こんなことってあるんだな。数日前にもあった気がするけど。

 道中で話を聞いてみると、カウチサーフィンのホストをしてるとのことで今までにも多くの旅行者を招いていた家族なのだそう。息子のイサックが英語が堪能な上に日本語の勉強をしているとのことでもあり、お家にお邪魔してからも色々と話が楽しい。

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 嬉しい

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 サン ラモンの町でしか作っていないチンチビーという飲み物頂く

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 味は綿菓子を炭酸にしたような感じに近い

 結局2人でイサックの部屋にある2段ベッドを独占してしまい、彼は居間のソファで寝ることに。いきなり押しかけてきての傍若無人っぷりで誠に申し訳ないです、本当に。

 2017年6月4日(日) 走行距離56km 累計62293km
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 コスタリカ8日目 サン ラモンの町〜サンホセから西南西に約60km ケブラダガナドの町

 冒頭に歌っている主要都市の町から○○kmという表記は、とりあえず私が訪れる予定のある町を指して書いているのだが、サンホセの町は特別観光する場所もないし治安も悪くて無理して行くような場所でないよ・・・と諭されてしまい、向かわないことにした。

 かといって今更1週間分の日記を書き直すのは面倒なので、コスタリカにおける所在地はこのままサンホセ基準で続けることにする。まぁコスタリカの首都だし、他に分かりやすい町もないし。

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 良いんじゃないでしょうか?

 イサック一家のお家で朝食とコスタリカコーヒーもたらふく頂き、感謝感激の朝。良いことがあると天気も良くなるのか、久しぶりに朝は雲のない青空が広がる自転車びより。

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 本当にお世話になりました

 オヤジさんが自前のMTBで我々を近くの町まで先導してくれるというのでお願いする。昨日1000m以上の標高を稼いだのであり、海岸線まで抜ける予定の本日はさぞや楽チンなダウンヒルの1日になるだろうと気楽に構えていたのだが。

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 何ですかこの道は?

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 サン ラモンの町が遠く小さく見るじゃないか〜

 とりあえず国道3号線から海岸線へと下ろうと話していたのだが、その道路に出るまでに地獄のような峠道を走らされることになろうとはちょっとしか予想していなかった。正しくは、こんな厳しい坂道だとは思ってませんでした!

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 峠の頂上まで走ってくれたオヤジさんにお礼いって別れる

 下り坂も急斜度にも程があろう!と文句を言いたくなるレベル。全開でブレーキ握ってるのに速度が全然落ちない狭いスネークラインを走らされる恐怖は、四国のお遍路で経験して以来だと思う。

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 半分も来てないのに満身創痍

 というかコスタリカは坂道が全体的に急斜面である。高速道路でもある国道1号線とかは流石に緩やかだったが、一般的な道路は自転車が走るということを全く考慮に入れてないとしか思えない道が多すぎる。この国で育った自転車好きの子供はさぞかし優秀なサイクリストになること間違いないよ。

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 今までで1番安かった昼食(でも約500円)

 一気に下り坂を駆け下りて、ハコの町へと向けて後半戦。このハコという町は、沖野君がグアテマラで偶然出会った旅行者から「日本食レストランがあるから是非行ってみて」とオススメされた場所であり、我々は夕食のカツ丼を食べるためこの厳しい道を文句も言わずに走っていたワケだが。

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 まさか雨が降ってこようとは・・・

 ガソスタ軒下に逃げ込んだはいいが、何時までたっても降り止まない雨。中米諸国の雨は1時間もすれば止んでしまうのが常だと思っていたのだが、今日の雨は日本の梅雨みたくしつこく降り続ける嫌な雨。

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 こういう時に小説は役立つ 

 結局17時になっても降り止まず、このまま待機してると日が暮れるということで近くの町まで走り出す。カツ丼を食べるどころか今日の寝る場所すら危うくなる環境でかなり必死に自転車走らせてる我々は滑稽ですな。

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 何か橋の下にいると思ったら

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 野生の・・・クロコダイルって

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 この周辺で野宿を諦めた瞬間である

 結局ケブラダガナドという町まで辿り着いたのはいいが、目論んでた安宿が見つからない。既に時刻は18時を過ぎ、夜の帳が下りて周囲は暗闇に。

 どうしたもんかと悩みつつ、近くのオッちゃんに「この辺にホテルはないか?」と聞いてみたら「ウチに泊まればいいぜ!」と言ってもらえるのがコスタリカ。

 そんな親切なコンドルは現役時代に自転車のメカニックの仕事をしていたのだそう。奥さんに夕食を作ってもらいつつ、3人でビールを飲んでいると今日1日の苦労は全てこの瞬間のためにあったのだ!と思わずにはいられない。

 人様の親切によってコスタリカ旅行は成り立っています。

 2017年6月5日(月) 走行距離82km 累計62375km
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 コスタリカ9日目 ケブラダガナドの町〜サンホセから南西に約70km ハコの町

 自転車のプロメカニックだったらしいコンドルのお家で泊めてもらった朝。全くの偶然なのだが出発準備しようとしたら、私の自転車後輪がパンクしていたのであり、そのままパンク修理をすることになったのでして。

 そのままタイヤ調べてみたらスポークが1本折れていることを発見し、スポークの交換へと作業は移る。そうすると今度はタイヤのフレが気になりだして、あたふた対応していたのだが。

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 いいから俺にやらせてみな!

 とカッコよすぎるコンドルの一言で交代する。お陰様で見るからにブレブレになってたタイヤもだいぶマシな状態に回復し、本当感謝感激です。これでパナマまではノートラブルで行けると思いますん。

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 すごく楽しかった

 作業が長引いた関係で11時前の出発である。が、本日に関しては全く問題ない。というのもハコの町にある日本食レストランは17時からの開店であるため、本日の走行は20kmにも満たない距離で終了するからだ。カツ丼食べて、明日から本気出すよ私は。

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 まぁ道中に1本だけ峠があったのだが

 この峠がすこぶる暑い。キツいのではなく暑い。海抜0メートル地帯の海沿いというコンディションは、これほどまでに厳しい暑さを誘発させるものだったのかと驚愕する思いで登る坂道汗まみれ。

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 割と最悪の状態だった

 まぁ頑張った分だけ飯が美味いもんだ。とりあえずお店の場所だけ確認しておこうとハコの町に到着した我々は日本食レストランarigatoへと向かうのだが。

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 まさか定休日だとは

 ちなみに前日の月曜日も定休日。つまり昨日どんなに必死に走り続けてハコの町に着いたとしてもレストランが営業していることはなかったのであり、まだマシな結果だったのだと自分を慰める。

 意気消沈してこれ以上進む気力も無くなったのでハコの町で本日終了とする。コスタリカは50km走らずに終えてしまう日が割合多いのだが、気力がなくなって終了したのは今日が初めてだと思う。多分。

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 適当に海とか見たり

 気を取り直してホステル泊まるは良いのだが、コスタリカでも指折りの観光地ハコはとにかく物価高い。ただでさえ中米で圧倒的な物価高を誇るコスタリカで更にお高い料金の宿とレストラン。

 2時間前までお高いであろう日本食レストランに入ろうとしていた事実もそこそこに、夕食は自炊して安く済ませようとする姿は哀愁を誘う。

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 自炊しても1人分130円くらいしたけど

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 手前の玉子スクランブルなのは沖野君作成

 明日はレストラン営業するようだけど、流石に先に進みます。私が求めているモノは、カツ丼以外にたくさんあるのだと、そう信じて。

 2017年6月6日(火) 走行距離18km 累計62393km
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 コスタリカ10日目 ハコの町〜サンホセから南に約60km ケポスの町

 コスタリカという国は豊かな自然と多数の動植物があることが特徴の国である。アホみたいな斜度の坂とか温泉ばかりに目が向いていた気もするが、コスタリカという国に来たからにはそうした珍しい動植物を1度くらいは味わっておこうと思うのです。

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 夜中はかなり涼しいコスタリカ

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 安宿にプールもあるぜコスタリカ

 そんなワケで我々が向かうは海沿いにあるケポスの町。この町に隣接しているマヌエルアントニオ国立公園で自然満喫体験しようじゃないかということに。

 そのため午前中のうちにケポスの町に到着すべく、8時前には宿を出発して走り始める私たち。カツ丼食べ損ねてもやる時はやるのですよ。

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 ハコの海岸を眺めつつ

 一応話には聞いていたのだが、小さな峠を越えて以後はひたすら平坦な道が続く。それどころかコスタリカでは大変珍しい側道がある道である。

 私は常々中米で抜群に物価高いし豊かな国であるコスタリカが、道路状況において最低のそれであることに不満を持っていたのであり、この点に関して大いに評価したい。ただ、30kmも進むと側道なくなってしまったのはどうにかならないもんですかね?

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 なお側道ないだけで路面自体は素晴らしいのがムカつくというか

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 ひたすらジャングルの木々が続く

 アップダウンがなければ移動するのの速いこと!予定通りに12時前にはケポスの町へと到着し、早々とホステルにチェックイン。カメラセットのみを持って国立公園の探索開始である。

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 なお公園入口まではバス使った(約60円)

 なお公園への入園料金だが、現地民は1600コロンの入園料金が外国人だと16ドルとなる。この1600コロンというのは150円強なのであり、何という恐るべき料金格差。しかも一見して分かりづらいよう数字を合わせていたりする小癪さが感に触る。

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 文句を繰り返す私も矮小だとは思うけど

 それはともかくマヌエルアントニオ。公園内をガイドしてくれるという申し出を「お金ないから」という理由で断りずんずん進む。見たところでは今日も散々見てきたジャングル地帯であるのだが・・・・

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 結構動物はいるようで

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 イグアナはどこにでもいるようでして 

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 猿の数は本当に多い

 地味に歩いて回れるトレイルの距離が長いアントニオ。この国立公園の面白いところが奥まったポイントが海岸になっており、そこで多数の人が海水浴に興じている点だと思う。お高い入場料払ってたいして綺麗じゃない海で泳ぐなんて物好きだなぁと私は思うのだが、そんな考えを持ってる私は少数派だった事実。

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 みんな海水浴大好きだった

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 木の実を食べてたら

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 アライグマが横取りしてきたりとか

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 小さい生き物はガイドいないと見つけるの難しいと思う

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 私は意外と小さい生物写真に撮るのが好きだったみたい

 午前中に70km近く走った足で公園内をフラつくこと3時間。疲れ切った状態でヘロヘロになりながら公園から出てきた私は充実感に溢れた顔してたか定かでない。ただ帰りのバスで隣の沖野君は完全に寝てた。

 手持ちのお金が少なくなってきたので今日も夕食は自炊で済ます。というかワンパターンな中米の料理よりも自分で食べたいもの作る方が良いと思うのですが。

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 たくさん食べれるし

 ともあれ私もコスタリカ生き物見学を堪能し、いよいよ中米のゴールであるパナマシティに向けてラストスパートの始まりだ。とりあえずアラスカスタートした日から1年以内に北中米の終了を目指すことにしようかね。つまりは残り19日である。

 2017年6月7日(水) 走行距離67km 累計62460km
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 コスタリカ11日目 ケポスの町〜サンホセから南南東に約130km パルマルノルテの町

 割とキツかった日が多い割に1日の走行距離が100kmを超えた日がないコスタリカ。別に長い距離走ることに意味はないけれど、茶壺さんが毎日適当にタラタラ走っていると思われるのは癪だ。人様が「自転車でよくまぁ走るねぇ」と示しやすいターニングポイントに「100km」という数字は分かりやすい。

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 なので今日は100km超えを目標にしようか

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 何故なら今日の道はアップダウンがほとんどない

 繰り返すが走行距離なんてのは大した意味がないことは百も承知なのであり、この数字は主に初対面の人に対してどれだけ走っているよ、という話のキッカケとして役立っている。

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 個人的に大切な数字である獲得標高は残らないので

 さて朝から弱くとも雨が降っていたりとコンディションに不安が残る天気。コスタリカで特に雨が多いのは中央部における山岳地帯であるようだが、そうした山々に引っかかった雲は大抵午後になると低地にまで進出して雨を降らせる。午前中にどれだけ進めるかが勝負と言える。

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 ガンガン進め

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 ときどき写真撮れ

 しかし我がロシナンテ号にやたら違和感がある本日の走行。この中米では色々と不具合で酷い状態である自転車を騙し騙し乗ってきている私だが、本日の不調はちょっと走り続けるのに不安を覚えるレベル。

 調べてみたら、後輪タイヤの側面が裂け初めているのが見つかった。ローテーションしつつも北米前半戦から使い続けているタイヤなのであり、流石に寿命が来てしまったようだ。

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 とりあえず原因究明できたので本日終了まで放置

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 午後からにわかに天気が悪くなる

 自転車漕ぎつつ何度も空を見上げては雲の状態を確認する私たち。ゴール予定の次の町まで残り10kmを切っても何とか雨に降られることもなく

 「案外大丈夫かもしれないね!」
 「このまま雨は降らないと思いますよ!」

 とか根拠もなくお気楽な感想を言い合っていたのだが。この時の私たちは何と馬鹿であったことか。

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 よりによって町の3km手前で豪雨に

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 全身ずぶ濡れだよ!

 もう15分早く出発してれば避けられたのでないか・・・とか無為な想像をしつつもパルマルノルテの町にて宿に投宿す。そのまま2人して濡れた自転車の整備作業、私においてはタイヤを取り外し針と糸使って裂けた部分を縫い合わせたりもしてた。

 疲れ切った状態で雨の中を夕食へ。今分かった!私がコスタリカであんまり距離走ってなかったのは、しょっちゅう雨が降るので走りたくても走れないからなのだ。そういうことにしておこう。

 2017年6月8日(木) 走行距離105km 累計62565km
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