自転車ときどき世界1周

2014年05月

 休憩日。本日の野宿場所はスポーツジムの駐輪場だったのだが、早朝にガスボンベ業者のトラックの音で目が覚める。これは何か言われるかな?とか思いつつ話した私は、10分後にはジュースを奢ってもらい、握手してたりするのであり全くいい人である。

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 本日の野宿ポイント

 さて、雨が降るからと早朝から営業している温泉に入ってしまい、出てきたのは18時なのであり、雨が何時降ってきたのかも知らないが、私がマッサージチェアで寝ていた間に色々あったのだと思う。

 自転車屋とアウトドアショップで壊れてたり、無くしたりした物品を買い足して今治名物の「焼豚玉子飯」を食べる私であり、本当に寝たり食ったりで何もしてないな。

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 これが焼豚玉子飯

 店長が色々と良くしてくれ、ラーメンを丸々御馳走してもらい、満腹のまま明日乗船するフェリーターミナル脇の駐車場で野宿。良い休息日でした。


 んで翌日。6時には出発したのにフェリーの出航時間は8時25分とか言われて、私のやる気はどこへ持っていけばいいのん?もってき行き場の無いやる気と時間をコンビニで立ち読みして消費し、いざ「とびしま海道」へと出発であり、四国とはこれで本当にお別れだ。

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 ありがとー

 さて、しまなみ海道は自転車へのアピールが凄いこともあり、非常に施設が充実していた素晴らしい道なのだが、対してとびしま海道はといえば、とにかく何も無い道である。

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 どこまでも道だけが延びる

 しまなみ海道ととびしま海道、どちらも特徴があり私的にはともに楽しめる道なのである。利用者は雲泥の差があるけれども、それが道の評価を決める決定事項ではないのだ。むしろしまなみ海道はイベントが開催されていた関係で、自転車多すぎて走りにくかったり。

 そんなことを考えながら走っていると、同じ歳の自転車旅行者に出会う。お互いに10年以上仕事をしてドロップアウトした社会不適合者なだけあり、話が弾むことこの上ない。旅人同士が出会って情報交換をするのは珍しくない光景なのだが、現在はFacebookでお互い交流できるのであり、全くもって便利な時代になったものだ。

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 2台並べて記念撮影

 とびしま海道を抜けて呉の町に到着である。私のイメージはCRCと海猿の映画のロケ地なのだが、一般的には海軍の町として有名な呉であり、一般人が潜水艦を間近で見ることができるのは此処だけだと力説されて見に行ってみた。

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 なかなかいい眺めでした

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 別名、鉄のクジラ館だそうです

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 観光をしつつも広島の県庁へと到着である

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 県庁隣りの原爆ドーム
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 広島市内が大都会なので、久しぶりに、本当に久しぶりに宿泊にお金を出してゲストハウスに宿泊。前回泊まったのが京都のライダーハウスだったので、3週間以上野宿(や無料での宿泊)を続けていた計算に。当初の予定ではテント泊は半分位の予定だったのだが。

 5月26日(月) 走行距離 16km
 5月27日(火) 走行距離100km 広島県庁到着 19/47
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 今日の野宿場所も釣りの名物スポットだったらしく、昨日テント立てる時に釣りしていた人達は、私が起床した時もまだ釣りをしていたのであり、何がそこまで突き動かすのか趣味とはそら恐ろしい。

 天気イマイチかな?とか思って走り始めたのだが、どっこい雲はどんどん晴れてきて、今年1番かもという暑さに。手元の温度計は30度を越えているのであり、ついに壊れたか?

 私は囲碁のルールとかイマイチ分かっていないのだが、ヒカルの碁がジャンプに流行った時に中高生だった世代であり、本因坊秀作の墓とか聞くとついつい寄り道したくなってしまう。

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 あのマンガも10年以上前か〜

 自転車乗りならば誰もが1度は走ってみたいと評される「しまなみ海道」である。
 広島の尾道〜愛媛の今治間を結ぶ、9つの島々を縫うようにして走る海の道であり、自転車道が完備されているこれらの島々には、その風光明媚さも相まって非常に評判がいい。

 私も自転車雑誌等で特集を組まれる度に、1度は行ってみたいと思っていた憧れの地の1つであり、長年の夢が叶って感無量である。私は、雑誌で見ていたあの憧れの地を、今こうして走っている。そうした「ここにいる感」という感動はちょっと筆舌に尽くしがたい。体の中からジワジワと喜びが溢れ出てくるような感じか。

 日曜日ということもあってか、他のサイクリストも数多い。各島のルートもオススメされている近道もあれば、健脚者向けの大回りルートも存在しており懐が深い。道の周辺に立ち並ぶコンビニや食堂にはサイクルスタンドが置かれていて、いかに自転車乗りに対して親切な道であるかが分かるというものでしょう?

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 これがサイクルスタンド

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 外国人はペアキャンプツーリングしている人達も多い

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 午後からサイクリング大会の人達とすれ違うことが多かった

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 リカンベントでリアカー引いている!

 さて、しまなみ海道からは少々外れてしまうが、大久野島という島をご存知だろうか。旧日本軍が毒ガス兵器を研究・作成していたことで有名な島であり、怪しい探検隊の茶壺としてはこうしたスポットを調査しないわけにはいかない。

 なにしろ当時の日本地図には機密のために地図からも削除されていた島なのだ。十分な準備と注意が必要だと思われるこの大久野島へ向かうため、フェリーへと乗り込む私である。ん、フェリー?

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 これが地図にも載ってない島か

 到着っ。もし旧日本軍の秘密兵器とか発見してしまったら、秘密保持のために消されてしまうのではないだろうか?と若干の緊張を孕みつつ、島を探索すると「ガサっ!」
「!?」

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 「なんだよ」

 ウサギである。くそう、ビビらせやがって。一体どんな新兵器が出てきたのかと思ったじゃないか。慌てずに発電所跡地に行ってみることにしよう。

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 廃墟好きとしては素晴らしいスポット

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 も、やはりウサギだらけ

 というか何だこの島。人の数よりウサギの数の方が多いのだが。20mも歩くとウサギを見かけるのであり、野ウサギのくせに人になれ過ぎだろう、コイツら。

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 エサくれ、エサ

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 ベンチの下は彼等の休憩スポット

 結論:毒ガス島はウサギに制圧されていた

 遊びすぎたために、最短で70kmの距離のしまなみ海道を、未だに渡り終えてない。そんなの別に構わないのだが、明日は大雨らしいので、温泉のある地域まで移動するべくサイクリングロードを走るのである。

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 最後の来島海峡大橋で海に落ちて行く夕日を見ながら

 走行終了したのが8時前、頑張りすぎました。スポーツジムの自転車置き場で野宿しつつ、明日は休息日だ。

 5月25日(日) 走行距離119km
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 分かってたことだが港での野宿は朝が早い。太公望や漁業関係者達の声やエンジン音で目が覚めるのだが、こんな辺鄙な場所に5時前から陣取っているとは凄いな。野宿者としては早々に撤収作業に入るのみである。

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 隣に綺麗なトイレがある良い場所でした

 土庄の港から7時10分発のフェリーで岡山港へと出発。あっという間の小豆島であり、思い出は大観音と世界一狭い海峡といったところ。短い時間でしたが楽しい島でした。

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 いざさ〜ら〜ば〜

 さて久々の本州は岡山県。国道2号を沿う形で、西のしまなみ海道を目指すんだ。と、思っていたのだが一桁国道は駄目である。測道が狭いのに大型トラックがバンバン通るし、陸橋は自転車進入禁止で回り道を余儀なくされるし。

 早々に離脱して瀬戸内海の沿岸部を通る県道47号線を走ることにした。私は主要道路よりもこうしたローカルな道にこそ、その土地の本当の姿が見えるものだと思っており、つまり岡山県は私にとってカブトガニの県だと認定された。

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 遊泳は禁止である

 ところで特に事前情報もなく走っている時に、ふと見かけたオブジェというものは、どうしてこんなにもココロオドルのであろうか。

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 男の子の夢、恐竜

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 こうしたイケてる公園が前触れもなく現れるのだから旅は楽しい

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 楽しい度は広島県へ突入

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 あちこちの学校で運動会してた

 西へ西へと進み、しまなみ海道に辿り着くのだが、遥か上空を大きな橋が架かっている光景はワクワクするものがある。そうした橋がカーブを越えていきなり現れる時などに、自転車旅の醍醐味を感じると私は思うのだ。

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 ぬっと表れる

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 しまなみ最初の島は渡し船で

 因島をぐるっと回って、美しい景色を楽しみながら考えていることは「野宿場所どこにしよう」ということだったりして、風情も何もあったもんじゃねぇ。さるキャンプ場で聞いてみると
「野宿はオススメしないよ。猪が出るからね」
 とか言われてしまうのであり、全く恐ろしい人外魔境にまよいマイマイである。

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 島々をつなぐ橋は高速道路

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 なのだが自転車・歩行者も通れる親切設計

 第2の島、生口島の橋の下で野宿。橋の下と表記しているが、ご想像しているのとは多分違う。

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 橋のスケールが!

 5月24日(土) 走行距離121km
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 お遍路19日間のうち完全休養日は1日のみ。やはりというか疲れがたまっていたようであっという間に爆睡していた私である。実は昨日もお世話になった方の家に泊めていただいており、結局四国にいた3週間程の間、宿泊でお金を使ったことはついに1度も無かったのである。

 他の地域を全て回ったワケでないので断言できないが、旅をするという点において四国という地域は非常に優しい場所であるといえると思う。道端で野宿してようがスーパーの駐車場でビール飲んでいようが、その光景を「当たり前」のものとして受け止められる土壌が四国という地域には存在している。

 私の旅においても、一体何人の人に応援されたか分からない。女子中学生から当然のように挨拶される住所不定無職の人間が毎日目撃されるのは四国という島ならではないだろうか。

 おっと、振り返って思い出に浸る程暇ではない私であった。高松港から出港するフェリーに乗船して、一路小豆島へと向かうのである。

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 さらば四国 多分明後日にまた訪れるけども

 何故に小豆島へ?と問われればそんなのは「何となく」としか答えようがないのであるが、どうせなら瀬戸内の島々を観光して走って見たいと思うのはごく自然な感情であり、ちょっと寄り道をするような余裕と遊びが旅を楽しくさせるものだと私は思っている。

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 ということで小豆島

 美しい海岸線と町並み。のんびりとした雰囲気。良いじゃないですか!日々、次の寺を目指してガンガン進むのも良かったが、こうしてのんびりと島内探索するのも乙なものだと思っ・・・・

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 でたぁ〜

 お久しぶりです巨大仏様。必至に峠を登っている最中に山陰からいきなり現れると笑ってしまって力が出ないぞコンチクショウ。

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 この観音様はなんか女性っぽい感じをうける

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 しかし周囲の景観を思いっきり無視していて素晴らしいな

 この手の巨大仏は大概観光地として成立しているようなのだが、当然のように駐車場には1台の車も存在しない。建築主もきっと制作当初は「いける!きっと全島民の信仰の中心となるに違いない」とか思っていたのかもしれないが、現在では自転車旅行車の笑の的となっているのが現実である。

 そういえば小豆島には天使の道ことエンジェルロードという干潮時にのみ表れる道を伝って移動出来る島があり、何ソレ面白スポットじゃないかと勇んで見に行く私なのだが

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 恋人スポットじゃねえかよ

 なんか気分が優れないのでここら辺のラブラブ絵馬を叩き割ってやりたいところなのだが、良い大人のすることではないので我慢しておく。

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 そういえばエンジェルロードも一部浸水が始まっていて何の比喩ですか?

 ところで小豆島といえば「24の瞳」というドラマの舞台ということで売りにしていたのだが、私はそんな昔のドラマを知らないし、興味があるのはもっと微妙なスポットなのであり、世界一狭い海峡とか見つけて喜んだりしており、そいういうのを期待していた人はご自身で観光して下さい。

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 ギネスブックにも乗ってる!

 明日には本州へ移動してしまなみ海道を目指すんだ。とか思いながら港付近で野宿。

 5月23日(金) 走行距離46km
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 四国初日にお世話になった方に「戻ってきたら連絡しなさいよ」と念を押されていたので再訪して泊めていただいたのであり、昨日は遅くまで宴会を開いてもらったりと本当に私は出会う人達に良くしてもらっていると実感する日々である。

 さて四国遍路も最終章で残す寺は5つ。先ずは84番札所屋島寺へ赴くために山を登るのだが、この寺には自転車で行くことができない(車は有料道路で行ける)ので、楽しい歩き登山である。標高こそ200m程度の山であるが、直登ルートの急斜面の道であり、なかなか大変な思いをしながら登頂。

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 タヌキの寺こと屋島寺

 続いて85番札所の八栗寺も山の上。最後だからか嫌らしい場所ばかりに寺を置いているような気がするのだが気のせいか?

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 ケーブルカーで自転車ごと一気に登らしてもらい楽勝のはずだったのだが、下りの坂の斜度を見て背筋が凍る。

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 21%!?

 フルブレーキをしてもスピードが落ちない恐怖というものを心底味わった私である。仕方が無いので片足を地面にこすりつける「足ブレーキ」という小学生の頃にやっていた手段を併用しながら恐る恐る下る。やはり最後まで気を抜くことは許されない、これこそが修行なのだなとか思った次第である。

 とか言ってると86番87番札所は何の苦労も無く打つことができる寺だったりして、落としたり持ち上げたりと忙しいのがお遍路だということか。

 いよいよ最後の88番札所、大窪寺へと向かうのであり、気分的にはファンファーレが鳴り響いてスタッフロールが流れ始めようとしている場面であるはずなのだが、最後の峠がなかなかに大変なのでありちっとも私は笑顔で終えることができないではないか。

 そんなことを思いつつも、最後の坂を登りきって15時20分、無事四国88カ所お遍路結願です。

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 最後の寺 大窪寺

 本当に楽しく多くの人達に助けてもらった四国であり、また来たいと思わせてくれる良い人と場所でありました。いよいよ明日には四国を脱出して、しばらくは小豆島やしまなみ海道の島々を堪能した後、本州から九州へと向かうことになる予定である。

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 四国でお世話になった皆様、どうもありがとうございました。

 5月22日(木) 走行距離66km 84番〜88番札所 88/88結願!
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 寝坊です!起きたら7時半なのであり、屋根と布団のある生活は簡単に人間を駄目にするのかと、責任を必至に他のものに押し付けつつ8時に出発である。まぁ6時代はまだ雨が降っていたのであり、結果オーライなのだが。

 香川県内の札所は距離が近いので、お遍路している者としてはどんどん進んで行く印象であり、まるで自分がレベルアップして強く速くなったのかと錯覚する気分である。よっしゃ、今日もやったるで!なのである。

 さて、香川県といえばうどんであり、町の中を走っていると実感するのだがうどん屋の数が桁違いに多い。私としても香川に来てうどんを食さないで帰るわけにはいかないのであり、というか香川県に入ってからは朝・昼食は毎日うどんなのだが、これが安くて美味くて最高である。

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 これだけ食べて350円

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 様々なうどん屋

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 道路を走っているといくらでも見かける

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 かけうどんのみなら180円

 こうして朝うどん・昼うどん・おやつうどんと食べまくっている私なのだが、うどんの麺がモチモチプリプリで噛みごたえがありいくら食べても全く飽きることがない。香川のうどん、恐るべしである。

 食べてばかりじゃイカんということで、81番札所白峰寺への峠越え。ここまで楽な道が続いていたのだが、おそらくお遍路の本格的な最後の峠越えになるのかなと思いつつ走る。この山がポツンとそびえ立つ山なのであり「この山迂回すれば楽なのになぁ」と周りの景色を見ながら独り言。
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 瀬戸大橋がよく見えた

 ここでようやく壊れかけていたカメラを交換することに。友人に頼んで郵便局に局留めでGRを送ってもらっていたのであり、持つべきモノは頼りになる友人である。

 大喜びでカメラを手に遊んでいたところ、なんということでしょう今日の予定である82番札所、一ノ宮寺までの距離が14〜15kmあるにも関わらず現在の時間が16時25分。どう考えてもキャンピング自転車では厳しいといわざるをえない状況である。

 しかしそんなこと冷静に考えてる時間はない。魂が口から抜け出るかと思うほどの限界ギリギリ走行の開始である。平坦路とはいえ市街地なので信号に引っ掛かりつつも納経終了時刻のジャスト17時に到着。すげえ、平均速度30km/hくらい出して走っていたのであり、どう考えても日本1周のペースじゃねえ。

 途中で若い女性の自転車乗りが声をかけてくれたのに、返事もソコソコにぶっ飛ばして行ってしまったことは悔やまれてならない。フェミニストな紳士として最低の対応であったと共に、どんだけ女性チャリダーが少ないと思ってんだよ、なんでこのタイミングで!と悔やみ悶えるのである。

 明日には結願(けちがん)の予定

 5月21日(水) 走行距離99km 76番〜83番札所 83/88
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 恐怖体験。公園のテント内で寝ようとしていると外から謎の「カチカチ」と鳴る音が止まない。音が強弱を付けつつ何時までも鳴り続けているわけだが、確かめるのが面倒くさいのと何も無かったらどうしようという若干の怖さのために、そのまま放って寝てしまう私である。

 翌朝にはすっかり謎の音は消えていたのだが、何故かテントのフライシートにベトベトした樹液みたいなものが付いていて、こういうの止めようよ。気持ち悪いし怖いじゃないか。

 というわけで本日は66番札所の雲辺寺に登るロープウェイへと走る。午後には雨が降ってくるらしいので、その前に街中に入って宿泊場所を確保しておきたいという考えのもと、早め早めの行動を心掛けている。先を見通せる男と呼んでほしい。

 四国遍路88カ所の寺のうち、最も高所に位置する雲辺寺なのだが、本堂までの道中にある像が楽しくって仕方が無い。他の寺にも観音像とか様々な仏像があったのだが、ここの仏像?は表情豊かで私を飽きさせない魅力を備えており、素晴らしい出来に感動した。

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 良い表情しています

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 背中が痒いのん?

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 シェーのポージング

 昨日の激坂で消耗しきっている両足に負担をかけたくない本日の走行なのだが、寺間の距離は短い短いと言いつつも5km〜10kmくらいはあるのであり、なかなかに大変である。そうかと思えば同じ敷地内に2つの寺が建っている場所もあったりして、数合わせのために無理矢理建設したのではないかと訝ってしまう。

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 これは何がしたかったのか

 そんなことをするくらいなら山の上に寺を造るのを思いとどまってほしい私なのであり、本堂まで階段を登り続けるのと坂道を自転車でこぐのと、どちらが楽かと真剣に考えつつそんなのどちらも大変じゃわい!

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 あと530段って嫌がらせですか?

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 こういう言葉遊びを取り混ぜるコンビニは大好きです

 結局75番札所善通寺まで走ったところで雨が激しくなってきてしまい善根宿に宿泊で走行は終了。まだ時間は14時だけど、無理をしないよう出発の際に大勢の人達から言われている私は、約束を違えない男であるため走らないことにする。

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 善通寺は88の寺の中で1番立派な寺でした。なんだよこの敷地の広さ

 洗濯して夕食食べて、日記を書いてブログの記事を書いてもまだ19時にもなっていないのであり、雨が降ることも悪くないと思ったり思わなかったり。

 5月20日(火) 走行距離75km 66番〜75番札所 75/88
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 昨日泊まった(野宿した)道の駅は高速のSAと併設している施設なのだが、深夜も早朝も車中泊者の車以外に全く車両が来る気配が無いことに驚きである。これが関東だったりしたら、どんな時間でも関係なく車がひっきりなしに訪れるものなのだが。おかげさまで本日も快眠して心地よい朝を迎えた私である。

 さて、昨日スルーした60番札所の横峰寺こそお遍路後半における最大の難所であり、遥か高く山の上にそびえ立つ寺を目指して登り続けなくてはならない恐怖のヒルクライムが開催されることになる。

 私は朝7時に出発して朝食もそぞろに横峰寺麓までのアプローチ道を登り始めるのである。

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 アプローチで既にキツい

 横峰寺への料金所の時点で結構な坂道にヘトヘトな私であるが、オバちゃん曰く「ここからあと6kmキツい坂が続くよ〜」なのだそうで、何というか寺の方から下に降りてきてくれやしないかと真剣に願いたくなるほどである。

 フロントバッグ以外の荷物を全て置かしてもらい、私も覚悟を決めて本気のヒルクライムの開始です!

 何回心を折られそうになったか分からないものの、限界ギリギリ最軽量ギアでなんとか登頂に成功。足つかずに登りきった私は今、世界で一番カッコいいと信じて止まない気持ちである。

 頂上の駐車場でも皆が私の登頂成功を祝ってくれ、アイスを頂いたり押判焼きを貰ったりと至れり尽くせりの歓迎に思わず目頭が熱くなった。これは感動的なシーンであるといえる。

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 鳥も私を祝福している

 本日は限界を超える力を午前中から出し切ってしまったので、あとはゆったりとしたライディングにしようと心掛ける。国道11号線を東へと進むのだが、道が狭く車両が多いので北側に平行して走っている県道13号線を使ってのんびり行こうと進路を変更だ。

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 うんうん、良い道になった

 とか思っていると海岸線を走る道なのに何故かもの凄い登り坂に。何が悲しくてわざわざ回り道してまで峠越えをしなけりゃアカンのや。本日の坂道は打ち止めしておりますがーとか思いながらも登らないと先に進めない事実。自転車旅は時に残酷である。

 本気で足が限界なので、今日は65番札所の三角寺だけ打って終了にしようと思ったりしたのが失敗の原因。三たび厳しい坂を登ることになろうとは一体誰が予想したかといえば、何となく予想した人は多そうな気がしないでもない。

 2本目の峠は斜度・距離ともにそこまでではなかったため頑張れたのだが、今度の坂は無理だし。これ以上やったら足が付け根からもげると思うレベルまでペダルを踏んでも未だ頂上は見えず。仕方なく降りて自転車を押して進む私なのであるが、それでも止まること無く吹き出てくる汗。脱水症状が先か、到着が先か、はたまた17時となって納経所が閉まってしまうのが先かという苦しい戦いを強いられてしまう私であり、何で今日はこんなに苦しいのばっかりなんだ!

 それでも終了5分前に到着するあたり、流石の私であるといえる。

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 残った寺は香川県のみとなりましたの図

 夕食・温泉・公園にて野宿。もう今日は動けないのであり、色々とお接待で助けてくれた人達に支えられて今日も私は生きています。

 5月19日(月) 走行距離103km 60番・64〜65番札所 65/88
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 どんなに広い部屋でも寝てしまえば一緒である。むしろ布団だったので出発準備がすぐにできてしまい、6時過ぎには走り始めることとなって非常に気持ちいい。

 昨日に続いて今日も寺が密集している地域を走ることになるのであり、初日以来の大量打ちまくりフィーバータイムが幕を開ける。

 先ずは52番の大山路、53番円明寺と続けて打ち、そこから30kmほど走り、54番延命寺から一挙に63番吉祥寺まで打ち続けた私である。(60番横峰寺除く)

 こうして言葉でいってしまうと一瞬だが、それぞれの寺にドラマや出会いがあるのであって、例えば58番仙遊寺ではキツくて辛い坂の後に見渡す今治の大地に感動したり(写真1)、59番国分寺では物品屋のオジさんがアイスを奢ってくれたり(写真2)、61番香園寺に至っては、それ寺じゃないだろ!的な近代設備の寺にゲラゲラと笑いを取っていたり(写真3)と様々である。

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 写真1

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 写真2

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 写真3 これは本当に異様な雰囲気を醸し出していた

 私もこうして日記に日々のことを適当に色々と綴っているワケであるが、こうしてみると思ったことの1/3も書けているのだろうかと訝ってしまう。思わず歌ってしまうことのないように自制しつつも、この感動や喜びを書き残しておきたいのであり、大概の場合それは面倒くさいという理由によって却下される。

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 却下されたドンドビ交差点

 こうした面白スポットをもっと深く考察したいところなのであるが、バランスとやる気の関係で日の目を見ない写真が幾つあっただろうと思うと悔しくて仕方が無い。

 そんなことを思いつつ温泉が併設している道の駅にて野宿。オチはない

 5月18日(日) 走行距離103km 52〜63番札所 62/88
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 朝の気温が10度を下回っていて寒いことこの上ない。なお、私の服装はメッシュのTシャツの上に白装束、薄手のハーフパンツなのであって、どう考えても気温と服装が食い違っているといえる。

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 今日のへんろ休息所にはコンセントまでついてる贅沢

 寒さを必死で我慢しつつ45番札所、岩屋寺へと下り坂を走る。おぉおぉぉおっ、歯が噛み合わないんだぜ。でも1時間後には暑くて仕方なくなっていることが予想出来るので上着は着ないでおく。これで風邪とかひいた日には大馬鹿者の烙印を押されること必至であるが、私のことだから風邪引かないんだろうなぁ。

 岩屋寺は名前の通り山の中腹にある寺であり、麓で自転車を置いて山登りしなくては寺には辿り着けない。片道20分、結構な坂を登っていく私である。

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 途中には弟子を引き連れた大使様が

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 岩に引っ付くようにして立てられているから岩屋寺なのか?

 ようよう降りてきてみれば、自転車のヘルメットにアメ玉が置かれているのであり、こういう心遣いが嬉しくてお遍路にはリピーターが多いらしいのだが、なるほど良く分かる。

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 これは思わずニマニマしてしまうってものでしょう(キモい)

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 この看板のセンスはあカンと思うのですが

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 別名「軍艦岩」そう見える人には見える

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 おまいりんぐじゃねぇww

 さてここからは、お遍路でのボーナスステージといえる。寺間の距離が非常に近く打って回る苦労が高知県とは段違いなのであり、人生も遍路も楽な時とそうでない時の差を実感しろというお達しなのかとか色々考えてしまう私であるが、もう少しバランスとか考えなかったのかと思ってしまうのも事実。

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 なんだよその距離〜

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 松山ということで愛媛県庁にも到着

 そして何といっても松山といえば道後温泉である。夏目漱石の「坊ちゃん」の舞台というよりは、私の世代的には「千と千尋の神隠し」の温泉のモデルとなった場所といった方が分かりやすいと思われる。というか私も「坊ちゃん」読んだことねぇ

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 外観の雰囲気は最高である

 しかしこの道後温泉。入浴に時間制限があるわ、入れるお湯が金額によって違うわ、入るまでに待ち時間があるわとどこぞのアトラクションだよ!と文句を言いたくなる温泉なのであり、実は1度道後に来ている私にとってリピートする気はないのである。気になる人がいたら入ってみればいいと思うよ。

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 私とは相入れない経営方針だ

 それはともかく51番札所、石手寺の通夜堂で就寝。本日の宿泊者は私だけなのだが、異様に広い広間に唯一人。逆に怖いんだけれども。
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 5月17日(土) 走行距離62km 45番〜51番札所 51/88 愛媛県庁到着 18/47
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