自転車ときどき世界1周

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 ボリビア33日目&チリ1日目 ブランカ湖畔〜サンティアゴから北に約1200km サンペドロ デ アタカマの町

 宝石の道12日目にして最終日。というか私の中で宝石の道は昨日で走り終えており、今日はウイニングランというか考えているのはチリに着いて何を食べようかということばかり。

 というかここ3日くらいの私と沖野君の会話なんて、その8割が「チリに着いたら○○を食べたい」という本能に忠実すぎる内容で占められており、自転車旅行者なんてちょっと食事上の悪い土地が続くとそんな程度なワケですよ。

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 テント泊でないと出発準備が楽なこと

 国立公園の事務所でチケットにスタンプ押してもらい、アッサリと公園を後にする。高額な入園料だったのに、出て行く時にはチェックすらスルーしかねない適当っぷり。ボリビアのね、そういう適当な仕事っぷりは嫌いじゃないけどトラブル起こりそうな気がして怖い。

 地味に200m近く登らされつつも見えてくるのは僻地にポツンと佇むイミグレーション。ロケーションとしては最高にゾクゾクさせるのだけれども、その建物周りに30台くらいツアーのランクル車が止まっているので雰囲気台無しなのだが。バーベキューは他所でやってほしい。

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 宝石の道、完全終了

 職員がナチュラルに「手続き15ボリ(約250円)ね」とかボッてくるのであり、現状で(冗談ではなく)1ボリすら持ってねーよと言い返したら、あっさりスタンプ押されて返却されるワケですよ。そういう適当な仕事っぷりは嫌いじゃないけども!

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 とにかくチリへと入国だ

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 路面からもチリのレベルの高さを感じる

 しかしチリ北部の入国には1つ問題がある。というのも45kmほど先のアタカマの町まで移動しないと入国イミグレーションが無いのだ。チリにしてみれば無人地帯にイミグレを作る無駄を省くと利口な選択なのかもしれないが、自転車乗り的にはここから東進してアルゼンチンへと進みたい場合、無駄な往復90kmを走らされることとなる。

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 しかも2000m以上の超ダウンヒルの道

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 景色が良いのが何というべきか

 ブレーキをかける必要もない緩やかなカーブは時速60kmとか出るのであり、これまで宝石の道ではその1/10とかで移動してたのにギャップの大きさに驚いてしまうわ。

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 あっという間にアタカマへ

 イミグレーションには1人も待機している職員いないレベルの適当っぷりの割に、手荷物全てをチェックするという気合いの入れように少々驚いた。手荷物チェックなんて行った国は既に思い出せないほど前なのだが。

 集合場所として決めてたキャンプ場にネット設備がないとのことで、どこか適当な場所を探して町中フラついてると一昨日出会ったサイクリストが声かけて来て、そのままオススメの場所を紹介してくれるとか旅行あるある。

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 5000ペソ(約870円)はアタカマで考えれば激安

 とりあえず食べたい物ということで、毎度代わり映えしないがトンカツを作るのだ。肉を揚げた食べ物が美味くないわけないのであり、とにかく物価の高いチリでは気軽にレストランなど行けるはずもなく自炊に精を出そうと思う。

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 久保さん来るまでここでゆっくり滞在ですな

 2週間ぶりに触れるネットは人を一瞬でダメにするようで、気づけば時刻は深夜2時。まだ自転車の整備も大量の洗濯物も、宝石の道でぶっ壊れた数々のアイテムの修理や新規購入の目処すら全く立っていないというのに。時間というのは残酷である。

 2017年12月9日(土) 走行距離54km 累計71706km
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 チリ2〜4日目 サンペドロ デ アタカマの町

 何というかペルー・ボリビアという2ヶ国で3ヶ月以上を過ごしてきたため、チリのレベル高さには驚くばかりというか、物価の高さに早くも絶望的な気持ちである。

 とはいえ私はか弱い普通の人間なので、宝石の道を抜けて来た身としてそのまま休みも取らずにぶいぶい走り続ける気概も体力も有りはしない。というか砂まみれとなってる自転車その他の掃除作業が急務でもある。

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 とりあえず午前中に衣類とバッグを洗っておく

 もちろん自炊の昼食を挟んで午後から自転車整備となるのだが。あらゆる場所に砂が付着してるのであり、これを掃除のやり甲斐がある!と考えられるほど私はお気楽な性格はしていない。ただひたすらに面倒くせえ。

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 4時間かかった

 働かなくなってたガソリンバーナーを沖野君に教わりつつ修理したりと、ひたすら作業が続いた本日。これだけ忙しかった割に、初めてキャンプ場の敷地外へと出たのが18時というのはどうなのだろうとも思う。

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 買い物しなくちゃ夕食も作れないし

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 チリには町中にこんな立派な公園も

 しかしこれだけ観光に全力振ってる町って久しぶりに見たよ。ぶっ壊れてる自転車パーツが欲しいと思っていたのだが、町中にある自転車ショップはことごとくレンタルバイク屋。苦労してボリビアを抜けて辿り着いた自転車旅行者にとってアタカマの町はあまり優しくないと感じる。とにかく物価高いし。

 とにかく大量に食べたいサイクリスト2人。ということで鶏肉1匹と大量の野菜で唐揚げ&天ぷらという油にまみれた夕食作る。無茶苦茶大量に揚げたので食事始めた時刻が22時とかだったのだが、シエスタ文化圏入ったチリではこのくらい普通ですよ。

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 タコス頂く 

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 どうせ夜更かしするし


 翌日。余りにも夜更かしやりすぎた午前4時過ぎの就寝なのだが、8時半には目が覚める。日が出るとね、暑くて眩しくて寝てらんないのであり、全くもって健康的な生活だと思う。

 作業的なことは昨日一通りやり終えているため、今日はひたすらダラけるというかPCの前にてネットしながら情報収集して遊ぶ。マジで1日何もしないために昨日大量の天ぷらを作ったのであり、朝・昼食を昨日の残り物でやり過ごし建物内から不動の構えである。

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 キャンプ場だけどもWi-Fiあるので

 ネット作業に精を出しつつ、考えてるのは今日の夕食について。物価の高い頭かの町で如何に安く満足できる食事を作るかと考えると、これはもう鶏肉を使ってどうにかするしかないのであり考えた結果が親子丼と鳥&トマトスープなのである。

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 貧困な発想とか言うな


 さらに翌日。そろそろ元気になってきたことだしアタカマの町を出発すべく準備を始める。というのもこの先も数日間に渡って無補給地帯が続く道を走ることになるため、食材の大量購入が必須なのである。

 各種野菜に保存できる食材を求めて幾つもの店を巡って回る・・・ような面倒はかけないけれど、それでも小さな商店を2つも3つも巡るのは面倒ではある。素直に大型スーパーを作って欲しいものですが。

 買い物を終えた後も町中で観光とかするワケもなく。前述の通りアタカマの町は観光に特化した町の作りであるため、お金を持たない旅行者には眩し過ぎるというか立ち寄ることすら許されない雰囲気を感じてしまいまして。

 結局宿に戻って250円のチリワインを飲みつつ遊んでいるのが私に許された行為であるのかと思ってしまう。

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 本日の夕食はグラタンにしてみる

 流石に明日出発する身として今夜はアホな夜更かしもしない。しない代わりにワイン1ℓも飲んでるのであるが、これは乾燥した区域を走り続けて乾いた体に潤いを与える措置なので仕方ないのだ。・・・という苦しい言い訳を自分に記して、明日から走行再開である。

 2017年12月11日(月) 走行距離3km 累計71709km
 2017年12月12日(火) 走行距離0km 累計71709km
 2017年12月13日(水) 走行距離0km 累計71709km
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 チリ5日目 サンペドロ デ アタカマの町〜サンティアゴから北に約1130km ソカイレの町

 一緒に宝石の道を走った久保さんとアタカマの町で再開してから先へと進む腹づもりだったのだが、ちょっと年末の予定に間に合わなそうなので出発することにした。自転車旅行者のクセにタイトなスケジュールを気取ってるなんて生意気だと思いませんか?

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 計4泊したキャンプ場は実はホステルも併設している

 このままアルゼンチンへと抜ける場合、アタカマのイミグレーションで出国スタンプを貰うのだと調べた情報では歌っていたのだが、職員に聞いてみたところ「3年前国境近くに新しくイミグレーションができたからそこでスタンプもらってね」とのこと。

 こちらのスペイン語読解力の低さもあり、最悪アルゼンチンの入国拒否された場合に3日かけて戻ってこなくてはならないのでは?という不安でいっぱいなのですが。というか戻ってる途中で食料尽きて倒れる危険性すらあるですよ。

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 とか割と悩んだものの、行くしかない

 アタカマの町さえ抜けてしまえば、地平線まで続くかと思わせる直線的に延びた道路が広がる快走路。左手には先日脇を抜けてきたリカンカブールを始めとするアンデスの山々が連なっている。

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 そして景色の変化は絶望的に少ない

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 天体観測関連の施設っぽい

 というのもアタカマ周辺は世界で最も乾燥している地域であり、そのため空気の揺らぎが少なく星の観測に最適な場所である・・・というのはちょっと天文関連好きな人なら周知の事実。

 実際アタカマにもその手の博物館だとか、大型天体望遠鏡を備える施設見学のツアーだとかも多種あるのだが、お金ないのと興味ないのとで向かうことはなかった。そういえば昨夜は流星群があったそうだが私はチリワイン飲んで酔っ払ってたのでアッサリ寝てしまった人でもある。

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 星を見ること自体は好きなんだけどさ

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 躍動感に溢れてます

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 いい感じの石

 40kmほど走った所に出てきた町でお昼休憩。入口看板に町に住む人の数が表示されてたのも驚きだが、その数800人強でも立派な中央公園や設備が揃っていることも驚きである。公園水道の水がそのまま飲めるし。

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 これが先進国クオリティってヤツか

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 こういう遊び心を見るのも久しぶりだ

 山に沿って南下しているのだが、アルゼンチンへと入るためには嫌でもアンデスの山へと向かわねばならない事実。どこで山に向かって舵を切るのかとドキドキしてたのだが、距離にして70km前後から本格的な上り坂がスタートする。

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 それもかなり急な斜度

 ギアを際軽にまで落とし、低速にもほどがある速度でヨタヨタ進んでいくワケだが、ふと気づくと額からの汗で目がしみるではないか。なんだかんだでアンデス山中を走ってた時は日差しが強いとはいえ標高4000mオーバーの世界。

 流石に汗が吹き出ることはなかったのだが、ここは3000mに満たない低地である。必然的に気温も上がり、私も汗をかくのだ。ようやく南米は夏真っ盛りだということを実感したよ。

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 結局3400mくらいまで登る

 というのもこの道最後のまともな規模したソカイレの町があるからだ。3日もダラけていたからなのか、やたらと疲弊した行程だったのであり、とにかくコーラを飲まねば明日から頑張ることができないレベル。

 全身に炭酸を巡らせながら、サマータイムのせいで20時になっても真っ暗にならない空を見て、テント設営を待ちつつ先に夕食を作るのである。この制度、旅行者にとってはシエスタ文化と同じくらい迷惑にしかならないのですが、どうにかならないもんですかね?

 2017年12月14日(木) 走行距離91km 累計71800km
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 チリ6日目 ソカイレの町〜サンティアゴから北北東に1098km地点 謎のキャンプエリア

 寝床に使わせてもらっていた今はもう使われないっぽい教会は、しかしツアーの観光ポイントに指定されているらしく朝から人がひっきりなしなのであった。朝一でサッサとテント収納してたから良いものの、お食事中にバッチリ噛み合ってしまい色々質問攻めとなる朝の一幕。面倒くせぇ。

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 テント張ってること自体は問題にすらならない小さな町

 この先しばらく商店は存在しないので、出がけにコーラを1本買っておく。僻地にある田舎町なので無茶苦茶値段高いのだが、まぁ仕方がない。これが有ると無いとでは1日終了時のテンションがまるで違うし。

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 そんじゃ出発

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 昨日の上り坂はまだ続く

 この辺りでアルゼンチンへと抜けるルートには、私がボリビアから抜けてきた道路の「ハマ峠」と、現在走行中の「シコ峠」という2つが存在する。アタカマの町から一直線に抜けることができるハマ峠の方が一般的なルートであり、シコ峠はその一部区間が未舗装ということもあってかここを通過しようとする旅行者は少ない。

 では何故そんな道を行くのかといえば、同じ道を往復したくないという点が1つと、このシコ峠ルートもまた宝石の道と同じように美しい湖を携える風光明媚な道であるからだ。

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 今はまだ茶色が広がる景色だけど

 そんな景色を見れるのならば、多少の苦労は厭わないというのが自転車乗りであろう。できれば苦労なくして楽しく走りたいのだが、そんな道がアンデスにあるハズもなく。

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 赤道から結構南下してきたからか、5000m峰でも冠雪が

 そんで未舗装となる道なのだが、地図で確認すると太い黄色の道から明らかに頼りない細い道へと変化するポイントがあって「間違いなくここだな」と覚悟を決めていたのだが。

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 何というアスファルトでしょう

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 完璧ではないですか

 明らかに最近になって造られたと思われる色合いをしたその道路は、今まで路面状態を理由に避けてきた旅行者を向かわせるに十分なコンディションに変わったと言える。

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 工事の人から水を頂く

 まだ全ての区間が完全舗装に変わったわけではないけれど、それでも近い将来に全面舗装となるのは確実な雰囲気で、これは嬉しいことだと思いきや、どうせアルゼンチン側に入ってしまえば工事されてない未舗装の道になってしまうのだろうと現実的なことを考えたりもする。

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 町から59kmより未舗装開始

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 こっちの湖も見応えある

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 写真じゃ緑色の湖面が分かりづらいのが悔しいな

 湖沿いにキャンプエリアがあるとのことで、半信半疑で探してみると岩に囲まれた素晴らしい一角がありました。4000mまで標高上がったせいか、再び午後には強い西風が吹き付けるようになったため、こうした風除けがあるポイントは大歓迎なのである。

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 キャンプとはこういうモノだ 

 ここを作った前任者に感謝をしつつ、アグアスカリエンテス=暖かな水・・・と表示された湖なのに、温泉が存在しないことに落胆を隠せない茶壺さんであった。

 2017年12月15日(金) 走行距離69km 累計71869km
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 チリ7日目&アルゼンチン1日目 キャンプエリア〜メンドーサから北に約1020km イミグレーション

 絶妙のポイントであるキャンプ地は、しかし東の空が岩壁に覆われておりやや寒い。数日前にアタカマの町で「暑くてやってられんわ!」と文句タラタラだったのに、ほんの1500mも登れば寒さに身を震わせる日々である。ちょうど良い気候にならないものか。

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 今年は前半暑くて後半寒かった感じ

 出発準備を済まし、メイン道路へ戻ってしまえばキチンと舗装された路面がお出迎えである。どうやら国境までの道は区間ごとに舗装工事が成されているようで、今日はアスファルトからスタートすることができるようだ。ゴールまで続いても良いんだよ?

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 そんな簡単にはいかなかった

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 この道も塩湖をよく観れる

 既に2日間に渡って坂道登り続けているのだが、それでも道は天を目指すが如く登っていく。斜度が緩やかなことは救いだが、標高が4500mを越えてもまだ登り続ける点は救われない。

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 早いところ工事完了させて頂きたい

 4600mの峠を登りきったところでようやく一段落の下り坂。疲れてるし楽ができるようのんびりと走りたいよね・・・とか思っていたワケですが。

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 猛烈な急斜面で怖くて仕方ない

 80km/hオーバーとかそういうのはもっと路面が綺麗で安全が確約されてる場所で、無理なく出したいものである。こんな強風下で自転車ぶっ飛ばしたら、次の瞬間には私がぶっ飛んでいるかもしれないので。

 下ると再び4500mまで登り返しと来たもんだ。どっちが示されていたシコ峠なのかは最後まで分からなかったが、とりあえず国境自体は峠を過ぎた先にあることが分かった。山のてっぺんで国を跨ぐ方が楽しいのにと思いつつ。

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 ながーい下り坂を走った先に

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 出てきましたよ国境が

 しかし笑ってしまうくらいアルゼンチン側とで変わる路面状況。ひっどい未舗装路の道を自転車ガタガタ鳴らしながら、イミグレーションがある11km先の施設まで移動する。

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 見事に周囲何もないでござる

 懸念事項だったチリの出国スタンプも一度に押してもらい、晴れてアルゼンチン入国ができました。でもこの強風&砂漠でテント張るのは大変なのであり「この敷地内にテント張ってもいい?」とお願いしたところ、職員の人が使ってる寮なのか施設を使わせてくれることに。

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 ありがたいことです本当

 シャワー浴びて洗濯物を片付けて、ついでに伸びまくってたヒゲも綺麗に剃ってと忙しい。厳しいシコ峠ルート後半戦の前に、こうした場所で一息つかせてもらえるのは明日への活力となりまする。まだアルゼンチンペソ持ってないので何1つとして買い物できないし。

 とにかく残り食料2日分が尽きる前に、どうにか町で補給をしなければならない事実。事前に日数計算して食材積載しているし予備の食料も一応持っているとはいえ、こうして考えてみると自転車旅行って結構綱渡り的な要素のある遊びだと思う。

 2017年12月16日(土) 走行距離68km 累計71937km
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 チリ9日目 道路脇〜サンティアゴから北に約360km ビクーニャの町

 「楽な行程」というのは主に2つのパターンがあって、1つは「下り坂」もう1つは「追い風」の場合である。さすれば今日みたいに2000m以上のダウンヒルが確約されていて、なおかつ東からの強烈な追い風が吹く本日の道は「ものすごく楽な道」ということではないですか。

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 もう今日は勝ったも同然

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 と思ったらパンクしてやがった後輪

 出発こそミソ付いたが、走り始めてしまえばもう一気ですよ。楽勝すぎて笑いが止まらないというか、私にかかればこんな峠なんぞチョチョイのチョイだと豪語したい。下り坂だけな。

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 ちょちょちょちょ〜い

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 湖もあります

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 湧き水もあります

 ちなみにアグア ネグラ峠はアルゼンチン側から登坂の方がレベル低いようでして。これは要するに未舗装路の登りと距離がチリ側の方が長いという理由からで、アルゼンチンなら最寄りの町から2日で山頂奪取できるところがチリ側では3日は必要とする。私の場合だけども。

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 湖の終わりから舗装路に戻る

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 チリ側の方が景色好きだな

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 ようやくイミグレーションに到着

 そうして入国審査なワケだが。私ちょっと勘違いしてたかもで、このアグア ネグラ峠における道ってかなり主要な国境なのではないかと思い始めてきた。

 というかチリ〜アルゼンチン間の国境ってどうやってもアンデス山脈を跨いで通過するしかないのであり、そう考えると標高の高い山越えだからマイナー国境なんて道理は無いのだな。

 とか思わせる立派なイミグレーションは、人は多いしなんか手続き長いしでやたら緊張しましたよ。仮に入国拒否されたらもっかいアグア ネグラ峠登ってアルゼンチンまで戻らなきゃいけないのだろうか?とか考えてた。

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 死ぬわ(食料的に)

 干しぶどうも没収されてしまい、いよいよ予備食除いて残りがなくなった私はイミグレーションから90km先のビクーニャの町を目指す。そこまで行かないとATMがないので仕方ない。規模は大きいクセに両替商の1人もいないってどうなのよ。地元民しか使わない系国境なのか?

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 なおイミグレーション過ぎてから

 鬼のような向かい風が私を出迎えてくれる。下り坂なのに本気でペダル漕がないと押し戻されんじゃね?という位の強風で、ちょっと待てや!山登り最中に私を助けてくれた東風さんはどこに消えてしもうたん?

 何が「ものすごく楽な行程だよバカヤロウ」と悪態つきながらやっとの思いでビクーニャの町へ。

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 疲れたわさ 

 下調べしといたキャンプ場併設のホステルが思った以上にいい雰囲気で、思わず連泊申請してしまったのも致し方ない。ビール6缶入りを買ってしまったのも仕方ない。そんな先進国のチリである。

 2018年1月29日(月) 走行距離135km 累計73590km
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 チリ10日目 ビクーニャの町

 特に何するでもない休養日は、他の日と合わせて1記事にしたりと普段にも増して手抜きが激しい私だが。そういう意味では1日ぼさっとダラけてた今日も日記を書いてるなんて僥倖だと思う。自らハードルを下げて飛び越えたいタイプ。

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 10時前起床

 標高下がったので暑くて寝苦しい夜かと目論んでいたのだが、アルゼンチンよかよっぽど寒いのはどうしたものか?チリの北部地域は砂漠が多いらしいので、日中暑くても夜中は冷え込むパターンなのかもしれん。

 というかその日中でも日陰の下で過ごしているとむしろ快適な環境だったりして、昨日の夕食残りをパスタソースにコーヒー楽しむのはなんとも言えぬ贅沢気分。

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 ネットしながらコーヒー

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 庭のぶどうを摘んだりとか

 そういや旅行するまで登山もキャンプもあまりソロでやること少なかった私だが、最近になってお一人様キャンプの魅力を実感しだした気がする。自転車旅行とキャンプは微妙に別物でしてね。

 多人数でキャンプするとBBQなり温泉なり何かしら「やること」を提供すべく企画段階から考えたりしたものだが、ただテント張ってコーヒー飲んだり本読んだり、昼間っからビール飲んだりワイン飲んだりと、気兼ねしない自由な時間を過ごせるのは1人でキャンプこその良さだと感じる。

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 多人数は多人数で楽しいけどさ 

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 自転車旅行ではテント張った後は夕食作って寝るだけになりやすいから

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 それに飽きたらちょっと町中を散歩して回ったり

 ちなみにビクーニャでチリ始めてのスーパーに入ったワケだが、もうこのレベル高さに平伏してしまうというか何というか。

 南米他の国だってスーパーあるとこはあるけどさ、扱ってる商品数少なくて「デカいだけの商店」という傾向が強い中で、陳列されてるラインナップの充実っぷりよ。そんなスーパーがこうした地方の小さな町で当たり前に存在しているというね。

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 なんかもう感動すら覚えるわ

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 豆のコーヒーも普通に売られてたし

 そんな素晴らしきかな先進国チリではあるが、それは同時に物価高で困窮することを意味してもいる。散々アルゼンチンで牛肉三昧してた私であるが、これからは鶏肉で慎ましくやっていこうと思いますん。

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 慎ましい夕食

 2018年1月30日(火) 走行距離0km 累計73590km
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 チリ11日目 ビクーニャの町〜サンティアゴから北北西に367km地点 道路脇

 早くも1月が終わってしまった。別に「この調子では1年過ぎるのがあっという間だ云々〜」とか言うつもりは全くなくて、単純に南米における夏の期間中に最南端まで行かないと、寒い時期に寒い場所を走る羽目になるという問題から少々焦っているだけです。

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 じゃあ寄り道すんなよ

 そんな意見もあるかもだが、私としては「行ってみたい場所を走る」ことの方が優先順位が高いため仕方ないのだ。「世界1周をする」ということは主軸じゃなくて、「行ってみたい場所を回っていたら結果的に世界1周していた」という形でありたいと常々思っている。世界1周のためにする自転車旅行なんて楽しくないよ。

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 やたら長い橋なのに1斜線で怖い

 居心地良かったホステル兼キャンプ場だが、やはりチリは物価高で呑気に長逗留ができないというか。ある程度ちゃんとした夕食作ろうとしただけで、あっという間にお金が吹き飛んでしまうのは恐ろしい限り。

 ここでもう1泊くらいのんびりしてもという気持ちはあったのだが、予算がそれを許してくれない。おっと、時間的にもそれなりにシビアだったな。

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 とりあえずサンティアゴまで533km

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 チリもワインが有名だったなと思い出させるブドウ畑

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 「とろろ」と来たら昆布を連想するよね

 4700mを超えていた標高もいよいよ500mを下回り、左右を囲んでいる山がどんどん小さくなっていく。下り切るのに休養日計上しなくても3日かかった峠道だが、ようやく起点となる海まで降りてきたのだと思うと感慨深くあるな。

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 トンネルのレベルが高い気がする

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 地平線の向こうはきっと水平線

 お昼休憩を挟みつつも約60km。セレナの町へと突入し、高台から町と太平洋を望んだ時はかなり嬉しかった。ペルーのリマ以来だから・・・4か月ぶりの海かな。

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 この先しばらくは海岸線の走行

 とりあえず大都市なんて早く抜けるに限るのであり、ただ通り過ぎるだけとなったセレナの町。縁がない町なんてのはこんなモンですよ。

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 スタンドバイミーじゃなくて線路の点検かな?

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 ちゃんと列車走ってる 

 町外れのガソスタで終了するつもりだったのだが、思いの外早くに到着してしまい昨日休んだこともあった体力・気力共にまだイケイケの状態。折角なのでもうちょっと先に進んでみようかと思う。チリのガソスタはビール売ってないし。

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 割とアップダウンあるな海沿いでも

 ガソスタから20kmほど進んだところの立体交差点脇で野営することとし、一旦最寄りの町まで買い物に。往復6kmとかあるのだが、ここまで来てビール飲まないとかそんな選択肢は存在しない。

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 夕食前に飲んでしもうた

 この調子で走れば最南端まで楽勝でたどり着ける計算ではあるのだが。余裕ができるとその分を寄り道に回してしまう私であり、結局ギリギリになるんだよねいつも。走れば走るほどタイトなスケジュールへと変わる呪いである。

 2018年1月31日(水) 走行距離113km 累計73703km
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 チリ12日目 道路脇〜サンティアゴから北北西に283km地点 道路脇

 朝起きたら空が青色じゃなかった驚き。チリの北部は基本的に砂漠地帯であるため、勝手に毎日晴天が続くものだと思い込んでおりました私。こういう天気もあるワケだ。

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 立体交差点の隙間

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 んじゃ出発

 この手の海沿い道路って海側からの横風が吹くものだと相場が決まっているのだが、実際にはかなり北側からの追い風模様となっており、これ幸いと条件良いうちに距離を稼ぐことにする。

 ちなみに風は東西南北どの方角からも吹くのだから、まぁ平等だよね・・・といえばそんなことはない。実際には自転車が進むことによって、横から吹く風も斜め前からの向かい風となってしまう。

 つまり3/4は風が邪魔してくる計算となり、こうした追い風の恩恵を受けることができるのは非常にありがたい状況なのだ。

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 1日1回くらい料金所が 

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 すげー立派なレストエリアには

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 なんと無料のシャワールームまであった

 まぁこうしたレストエリア以外には何もない地域ですが。しかしここ海岸線の何もない地域のクセに、かなり急角度のアップダウンが連続して続く嫌らしい土地であり、しかも1つ1つの峠が100m以上ある結構な大きさ。

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 これは相当キツい

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 ドライバーの人から氷水頂く

 チリを牛耳っている2大ガソスタの1つであるコペックで飲み水補給しFreeWi-Fiでちょっと遊ぶ。ガソスタに設備が整っているのを見ると、チリの先進国っぷりを感じられると思うのですよ。

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 風力発電とかもそう思う

 午後になってからは天気が良くなる反面、風向きが変わってしまうという自転車旅行者にとっては嬉しくないことばかりの環境変化。朝はちょっと肌寒いかも・・・くらいに感じてたのが、坂道登ってサングラスが汗で見えなくなるのを気にしなくてはならないレベルに。

 っていうか海沿いに道路延ばせばこの坂道問題全て解決できるのに、わざわざ1〜2km離れた山の上に道を作っているとか何考えてるのかと思う。あまりに急角度の坂道作ることからしても、チリは自転車乗りに優しくない国ですね。

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 傾向としてエクアドルとかに近い

 当初はもっと距離走ってやる気満々だった私だが、風と坂で早々にやる気を失ってしまい、オマケにすぐ右手に風力発電が立ち並ぶ景色、反対側には大型駐車場という絶妙のポジション。もうここ終了でいいや。

 結果として駐車場は野営にあまり適しておらず、近くの陸橋隅にテント張ったワケですが。この道、地味に道路左右常に鉄線が張り巡らされてて、道路から見えない場所にテント張るのが難しいんだよね。自転車乗りに「優しくない」チリは、自転車旅行者には「ちと厳しい」国でもある。

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 この景色見れたからまぁいいや

 2018年2月1日(木) 走行距離109km 累計73812km
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 チリ13日目 道路脇〜サンティアゴから北北西に約190km ロス ビロスの町

 やっぱり陸橋の下なんかで野営するもんじゃなかったと実感する朝。別にメッシュを掻い潜って蟻が何匹がテント内に侵入するくらい問題ないけれど、朝食用に仕込んでいたお米に100匹単位で蟻が群がってたりするのは勘弁してほしい。私の朝ごはんがー

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 変な場所で野宿しちゃダメですね

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 景色だけは最高だったが

 昨夜目を覚ました際には星が綺麗に見えてたはずなのに、朝になると雲が空を覆っている不思議。昨日と全く同じ天候&風向きであることを鑑みると、この時期・地域における特色なのかもしれないと思うのだが、これで3日目に全く当てが外れると格好つかないので明言は避けておく。

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 山の上に電波塔ってのは基本

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 どうやらこの道もパンアメリカンハイウェイのようで

 右手に海が見えたり見えなかったりする道は、つまりアップダウンを繰り返すということであり、内陸に位置していたアルゼンチン西部の方がよっぽど平坦路だったと今にして思う。別に平坦な道だから走るとかそういうのはないのだけれども。

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 景勝地

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 って看板掲げられるほどの景色でもない 

 流石に太陽が出てなければ暑くて我慢ならないという緯度ではなくなった。というかむしろ朝夕は寒いくらいとも言えるのであり、チリの短い夏が過ぎ去ろうとしているのを感じる。

 というかチリって南北に長すぎて1つの国で年中暑い地域と寒い地域を併せ持っているため、この言い分は「適当」ではなく「適当なことを語っている」のだと解釈していただきたい。

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 この看板見て北海道を思い出した

 手持ちの水が補充できる場所にて昼食休憩するのが最近のパターン。そういう場所は決まってレストエリアだったりするため他の車両も多数止まっているのが常。そうするとドライバーから色々と話しかけられることもままあるのであり、

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 色々頂いてしまうこともままある

 チリの人も親切で嬉しいなぁとホクホク顔で走る午後。やっぱり昨日と同じくこの時間になると晴れ間が広がり北風は反対方向へと向きを変えるのである。さすがに私も学習したというか予想はしてたので、コンディションの良い午前中に走れるだけ走って距離を稼いでおいたが。

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 午後に走らないというワケではないし

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 意外にもサーファーの姿は全く見かけない

 徐々に景色も砂漠を主とする砂や岩石を主とした景色から、緑鮮やかな草原や木々が生え揃う風景へと変わってきたようで。こうした植生の変化は自転車だと緩やかに変わっていくのが見て取れて楽しい。

 自然の変化はあるけども、首都に近づいてるはずなのに一向に集落レベルを超えない小さな町しか出てこないのはどうしたものか。本当にサンティアゴまで残り300kmちょっとで着くんかいな?

 やっぱりチリも主要大都市のみに人口集中していてその他は過疎ってる国ということなのか。こういう言い方してるけど、町外れにも満遍なく人が住んでて人家が途切れない国って今の所日本以外に見た事ないです私。

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 ようやく規模の大きなロス ビロスの町に

 とはいえ中央部にあるスーパーで買い物した後、郊外のガソスタまで引き返してテント張ってるのだけどさ。

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 食材が無かったのです 

 南米とガソスタは切っても切れない関係にあると考える人は、まず間違いなく自転車旅行者だろうと思うのです。

 2018年2月2日(金) 走行距離115km 累計73927km
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