自転車ときどき世界1周

2023年10月

 ボスニア21日目&クロアチア7日目&モンテネグロ1日目 橋の下〜ポドゴリツァから西に64km地点 川沿い

 珍しく日が登る前の時間に起きて出発準備をする私。今日中にクロアチアへ入国してそのまま出国までこなすというスケジュールを思い描いており、時間的な余裕を作っておきたかったので。

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 テントビショビショだけど出発だ

 素直に主要道路を沿ってく形だとトレビニエという町まで進んでクロアチア国境に向かうのだが、ここから狭い道を直線的に進んでいけば多分5kmかもうちょっとショートカットができるため突入する。

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 あ、これ失敗のパターンじゃん

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 素直に回り道走った方が速かった疑惑

 かなり酷い未舗装路に5km、ようやくアスファルトに道が変わるも狭い上に結構な斜度の坂道を更に10km走らされてようやくイミグレーションに到着する。

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 このまま出国手続きしたいのだけど

 ここまで商店の1つも出てこない道だったため、残ったボスニアマルクを使い切らねばならぬ。ということで道路1kmほど逆走しガソスタで両替え&お買い物。無事に使い切ることができてほっと一息。

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 一息ついてる場合か

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 久しぶりのクロアチアです

 出入国手続きも全く問題なく済まし、いざクロアチア。わざわざクロアチアに入国しなくともボスニアのトレビニエからそのまま南のモンテネグロへ抜ける道もあるのだが、どうしてもドゥブロブニグの町は一目見ておきたかったので。

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 メイン道路使わず山を越えルートを走って

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 ドゥブロブニグの町が見渡せるポイントへ

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 拡大すると城塞都市なのが良くわかる 

 町中からケーブルカーが出ている見晴台があるようで、実はこの場所には車両でアクセス可能なのだ。聞いた限りじゃケーブルカーの料金40ユーロ(約6350円)近く取ってくるのだそうで、そんなもん乗らなくても自転車ならば自力で来れますよ。

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 大変だけども 

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 これは確かに絵になる町並みだ

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 他の観光客が大勢いたのでかなり待ったけど

 正直この写真が撮れただけでかなり満足してるのだが、まぁ一応ドゥブロブニグの町中へ向かう。猛烈な下り坂で海沿いまで降りるし、その後もっかい急斜度の坂を登るのが分かってるのでテンションやや低め。

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 だったのだけれど

 それでもなおドゥブロブニグは訪れて良かったと思える非常に面白い町だと思う。所々に要塞が立ち並び、城壁に囲われた町の姿はとても興味深い。こういうタイプの町は世界中にそこそこあるのだけど、その中でもピカイチの良さだと思う。

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 ただし観光客は凄まじい数

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 あとレストランを始めとする物価がエグい

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 壁の上をぐるっと歩いて回ることもできる(有料)とのこと

 すごく魅力に感じたのが、これだけ観光地化された土地でありながら海が透明度が高く非常に綺麗な姿を保っているところ。流石に観光船の船着場は少々汚さが目立ったが、それでもゴミが全く落ちてないし、護岸から水の底をはっきり見ることができる。

 これはドゥブロブニグの清掃事業に相当力を入れていることが窺える感じで、鬼のように高い物価もこうして町の景観保全や環境整備にしっかり回されているなら「まぁ良いのかもしれん」とか思ってしまう。なお私はこの町で1円も使ってない人。

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 よくそれで偉そうに語るな

 ちなみにドゥブロブニグは自転車での走行に全く適していない造りをしてて、狭い道に坂と階段だらけの町並みはフルパッキンの自転車だと全く自由に動けない。そもそも城壁内では自転車走行禁止のため押して進む必要があるし。

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 宿取って荷物置いてから散策するのが正解なんだろうな

 ということでドゥブロブニグを後にして再び幹線道路へ戻るべく上り坂。地形的に仕方ないのかも知れないが、海沿いなのに町を抜ける道路に合流するため200m以上登らされるのどうなのよ?

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 クロアチアっぽいといえばそうだけど

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 バス運転手からお水もらえて非常に助かった

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 なおこの後海抜0mまで下がった理不尽

 北部でも走った国道8号線はこの南部飛び地でも変わらず海沿いを貫く道路として君臨している。そんでもって道幅は狭いし場所によってはガードレールも無いし、隣を走る高速道路が無くなってしまい交通量まで増えるというオマケ付きだ。

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 歩道が多いから多少は気が楽だったかな

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 モンテネグロの表記出てきた 

 ずっとアドリア海の脇を進むのかと思いきや、山の裏側に入り海を眺めて走ることもなくなった。飛行場をを過ぎたあたりからは交通量もガクッと減り、アップダウン多めの木々の間を進んでいく道に。

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 だからかあんまり写真撮ってないな

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 あんな感じで山が雲を止めるから内陸側は天気悪い日が続いたのかね?

 思ったよりも順調に走って16時過ぎにはモンテネグロとの国境イミグレーションに到着す。実は1日で2度の出入国審査を受けるの旅行初めて今日が初。

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 1日で3カ国回ったことなら何度かあるけどさ

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 ということでモンテネグロです

 時間余裕あるかと思ってたけど、モンテネグロ側のイミグレーションに10台以上の車両並んでて30分以上待たされてしまった。なんか旅行再開してからイミグレーションで待たされた記憶がほとんどなかった(除く飛行場)けど、そうだよねこういうこともあるんだよね。

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 お、モンテネグロは自転車に優しい国か!?

 とりあえず最初に出てきたスーパーで買い物してクロアチアとの物価の違いに驚いたり。ボスニア も地味に食材値段高い物が多かったため、もうこれだけでモンテネグロ楽しくなりそう。

 スーパー裏手に流れてた川を遡ること約1km。草地にテント張って一息ついてもまだ空が明るい17時半。遅くなるだろうと危惧していた日の方がよっぽど余裕ある走行になったのであり、自転車旅行はわからんものだ。

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 モンテネグロもチェバピと呼ばれる円柱形の肉が名物

 2023年10月23日(月) 走行距離76km  累計142380km
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 ボスニア19・20日目 モスタルの町〜サラエボから南に122km地点 橋の下

 雨降ってたので延泊。まぁこればかりは仕方ない。サラエボ出発してからそんな走ってないので身体はあまり疲れてないが、リムの破損というド級のトラブル対応で精神的にはぐったりだし。のんびりしましょう。

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 ガッツリ降ってきたのは午後からだったが


 翌日。今朝はバッチリ雨止んだので出発準備。地味に今日も延泊すると手持ちの現金足りなくなる状況だったので天気回復してくれ胸を撫で下ろしている。

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 モスタル出発

 ここから幾つか道路が分かれており、ルートが複数選べるのだがとりあえず町に沿って流れてるネレトバ川を下っていく道を進む。休み明けとはいえ信用置けないリムに交換した一発目から峠道を爆走するのはちと怖いし。

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 ボスニアは山ばかりだったので楽な道も走りたい

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 ドライバーの方から大量にみかん頂く

 モスタルに到着するまでは交通量が多くて怖い道だったが、町より南は道路が複数あるため車両が分散してるのか交通量が減ってストレス少ない快適な走行ができ嬉しい。というかボスニアはアドリア海に近い土地に大きな都市が少ないのかもしれん。

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 だから車も少ない理論

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 随分立派な橋だけどまだ施工完了してないみたい

 かなりのハイペースで40kmほど走り、アドリア海まで直線で10kmほどの場所までやってくる。しかしここから道を曲がって山中のローカル道へ突入するのは、まだクロアチアに入国したくないから。

 この先ドゥブロブニグの町に寄ってみたいけど、シェンゲン協定の残り滞在日数もなるべく残しておきたい私。なのでドゥブロブニグから距離が1番近い国境でクロアチア入国し、その日の内にクロアチア脱出して滞在日数1日のみ!・・・というのを目指しているので。

 クロアチアがシェンゲン協定加入したのは今年(2023年)なので、もうちょいタイミング早ければこんな余計なこと考えなくても良かったのだが。クロアチアには「余計なことすんな!」と言ってやりたいのが本音。

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 それはそれとして

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 この道自体は風光明美で非常に走り甲斐がある

 ほぼ0mまで下がっていた標高もアッサリ500m近くまで上昇し、私の両足もガクガクのそこそこ斜度も厳しい坂。でも交通量がほぼ無い道なので多少のキツさは気にしませんよ。

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 この辺でモスタルからの別ルートと合流

 今回私が走ったルートが1番獲得標高少ない(距離は長い)道だったけど、それでも相当キツかったという事実。いやもう本当にボスニアは最後まで楽させてくれない国だな。

 ちなみにボスニアは僅かな土地が海と繋がっているため内陸国では無かったりする。とはいえ外洋に出たくてもクロアチアの島々が邪魔になる配置だし、海沿いの町から内陸へ向かうには私が登ったこの峠を越えねばならず流通的にも面倒くさい。クロアチア国内を経由すればまた話は違うけどさ。

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 なお世界で2番目に保有する海岸線の短い国(1位はモナコ)

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 山の反対側は多分アドリア海なんだろな

 もう今日は上り坂無いかと思っていたが、そんなことなかった200mアップの道が平均斜度12%と限界ギリギリを攻めてくる厳しい坂。フラフラになりつつ峠の向こう側に出てきたRavnoという町の宿でパーティ開かれており、聞いてみたら「今日は戦争が終わった記念日なんだよ」とのこと。

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 それは大変素晴らしいとコーラ飲みつつ1枚

 ここで店員からサンドイッチ頂いて無茶苦茶助かった。というのも今日は日曜日で、スーパー等の小売店は軒並み休んでいたため。ボスニアは日曜日でもスーパー営業している国だったが、どうやらそれは都市部の大型スーパーのみらしく、地方では普通に休みとなってて「今夜の食材何にもない!」と焦ってたので。

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 非常食も1食分しか残ってなかったし

 最悪トレビニエという町まで足を延ばせば何とかなった可能性が高いが、それだと確実に夜間走行突入のペースだったので。明るいうちにテント張れたのはRavnoで色々頂いたからです。

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 偶にはビールが無い夕食も良しと思おう

 ということで明日は一気に3カ国を駆ける予定。それこそ国境にたどり着けなかった場合は夜間走行もやむなしくらいに思っている。

 2023年10月21日(土) 走行距離  0km  累計142188km
 2023年10月22日(日) 走行距離116km  累計142304km
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 ボスニア18日目 モスタルの町

 降水確率90%とは何だったのか?目を覚ましても全く雨降っておらずやや拍子抜けした気持ち。とりあえず準備して昨日調べた自転車ショップへ行ってみようと準備始めたの10時過ぎてから。

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 昨夜遅くまでネットしてたからさ

 あんまり先の予定を書き残すの好きじゃない(予定通りに進む自信がないから)けど、とりあえずこの先トルコまで走ると仮定して、その間だけリムが保てば構わない。

 ・・・という考えからクラック入ったリムの内側に鉄の板でも入れて応急処置とかどうかしら?みたいな方法を考えたりもしていた私。応急処置で2000kmくらい走りそうだけどそれはそれ。

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 思ったよりもしっかりした店っぽい

 店員に事情を話してみたところ「リムの在庫見てみるからちょっと待ってな!」と言われてお出しされたメーカーも何処か分からない謎リム。

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 なのだけど

 スポークにハブも一式セットで58マルク(約4700円)と言われ「下手にリム探しでサラエボ戻ったり何日も時間かけるよりマシ」と思いその場で決断、購入することにした。

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 スポーク36本組だし強度もあると信じたい

 宿に戻って早速リムの交換作業に入る。屋上がレストランとなってる宿だけど、オフシーズンな上に昼間は客どころかスタッフの1人もいないため周囲を気にせず作業ができる。

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 このタイミングで自転車整備も実施

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 とりあえず交換完了

 ちゃんと実走行するのは明日以降だけど、とりあえずリムの破損というド級のトラブルを一旦回避できたことは素直に喜びたい。場所が場所なら応急処置のために何千kmと移動する必要もあっただろうし。

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 落ち着いたところでモスタルの町を観光してみようかな

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 あの橋がランドマークらしい

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 地図で名前見ると「古い橋」って表記に笑う

 この橋自体はそれほど歴史あるそれとかではなくて、内戦中に破壊された橋を修復しそれが多民族が住むボスニア和解の象徴として世界遺産認定なんだそう。いわゆる「負の世界遺産」というヤツで、最近見学したアウシュビッツ収容所なんかと同様の立ち位置。

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 その割に観光客がニコニコ笑顔で記念撮影してた

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 私もここでの撮影は絵になるし良い景色だなと思っていたが

 やっぱりボスニアという国は近現代史において悲惨な戦争があったことを想起させる場所や物がそここに見え隠れする。そうした苦難の歴史があったから、ことさらに人々が優しいのかと思ったり。

 結局丸1日雨が降ってくることはなく拍子抜け。このまま明日には走行再開といきたいところだが、深夜からの降水確率が驚異の100%で24時間ほど降り続くみたいなんだよね。

 昨日の朝には天気予報に感心し、今日1日を持って予報など当てにならないと思ったわけだが、果たして明日私はスタートできるのだろうか?

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 延泊すると手持ちの現金キツいんだけど

 とりあえず現時点で未だ雨は降っていない。こんな感じで高い降水確率でも雨降らないのを期待してるとアウストラル街道走った時を思い出すな。あの時も雨100%をひっくり返したものだがボスニアはどうだ?

 2023年10月20日(金) 走行距離8km  累計142188km
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 ボスニア17日目 ダム湖支流〜サラエボから南西に約70km モスタルの町

 目を覚ました直後に雨がポツポツ降り出し肝を冷やしたが、一時的なものであったらしく何とかやり過ごせた。昨日の時点で朝の1時間だけ降水確率40%と表記されてたんだけど、いやすごいな天気予報って。

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 そんなピンポイントの雨を正確に予想するのだから

 非常に良ポイントの野営地で、私以外にキャンピングカーでの利用者が他に1組いたのも納得できる程。向こうにしてみたら日没後に音もなく大荷物で現れたサイクリストであり、相当驚いただろうと思うけど。

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 とりあえず幹線道路に戻るか

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 ダム湖を眺めつつ下り坂が怖い 

 1度気になってしまうと嫌なもので、リムが割れたことによる影響で後輪からの異音に「いつ走行不能になるのだろう・・・」という不安を抱えながら走ることになってしまう。

 実はリムのクラックそれ自体で即自走不能になることは少ないのだけれど、内部に入ってるゴムチューブと干渉してパンクが頻発するようになって・・・と段階を踏んで走ることが難しくなるイメージ。

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 なるべく早くに問題解決したいのだが

 2016年にアメリカ国内で今回と同じくリムにクラックが入ったトラブルがあったのだけど、あの時は当時使用していた「ライノライト(なお現在廃盤)」という強度が強く(重たく)自転車旅行に最適とされるリムを販売しているサンリングルというメーカーがアメリカの会社だったのだ。

 このため次の大きな町にてアッサリ新しいリムを入手することができたのだけど、今回問題なのはトラブル起きた土地が「東欧諸国」であるということ。

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 良い景色の道なのだけど

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 交通量が多くて運転荒いヤツがいるため怖くて仕方ない

 これが西欧ならばアメリカよろしく長期の旅行に耐えられそうな頑丈なリムを取り寄せてホイール組むことも十分可能だったであろう。しかしバルカン半島の国に入ってから自転車の人気はガクッと下がり、需要に応える形で自転車店の数も減ったし取り扱う部品のレベルも下がってしまった。

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 しかしボスニアはトンネル多い国だよね

 ここボスニアではバニャ・ルカとサラエボの2大都市以外でマトモなプロショップを見てないし、2都市で営業していたショップも取り扱い品の種類もグレードも随分下がったと感じている。

 つまり旧ユーゴスラビア諸国で長期自転車旅行に耐えられるリムを見つけるのは非常に難しいのが実情であり、いやまぁそうはいっても新しいリムを入手しないと何時走行不能になるか分からない。

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 悩ましい感じでモスタルの町に

 まだお昼過ぎのタイミングだけど、ここモスタルは世界遺産に認定されてるボスニア有数の観光都市であり、町の規模も大きいし観光客に対応するため安宿が豊富にある。午後から雨の予報だし、一旦宿に宿泊して今後の方針を考えたいと思う。

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 ということで予定に無かったモスタル宿泊

 適当に安宿回ってみたら、ネットに掲載されてる最安値より安価な宿が見つかったので投宿す。そのまま観光することもなく、ひたすら情報収集して今後の身の振り方を考えつつ。

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 一応夕食の材料買いに外出たりも

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 この辺もボスニア連邦(ボシュニャク人はムスリムが多い)なのでモスクが多い

 とりあえずモスタル周辺に自転車ショップがあるようなので、明日の天気次第でとりあえず訪問してみようと思いつつ。しかしこのトラブルで先行き全く読めなくなったな。海外旅行してるとそういう事態は稀によくある。

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 とりあえず今日もビール飲めたしさ

 2023年10月19日(木) 走行距離41km  累計142180km
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 ボスニア15・16日目 サラエボの町〜サラエボから西南西に61km地点 ダム湖支流

 酷い2日酔いで午前中ほぼ寝てた。一応サク君の出発時に起きて挨拶だけしたけれど、彼にとって私の印象が「2日酔いで死にそうな顔してたオッさん」になっていないか不安が残る。

 午後から多少は活動できるようになり、なかなか手をつけられないままでいた各国の総括記事を作ってみたり。

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 とりあえず明日から走行再開ということで


 翌日。ゆっくり休んで体調も万端、改めましてサラエボの町を出発しようと思う。思うのだけど、外の天気は霧がかってて寒いし霧雨が降ってる感じ。サラエボ滞在中は惰眠の限りをむさぼっていたため気付かなかったが、今の時期午前中の早い時間帯は毎日こんな感じなのかもしれない。

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 ともあれ出発

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 意外にも道路脇にサイクリングロードがあるサラエボ

 あまり自転車を見ることのないボスニアという国だけど、なんだかんだヨーロッパで自転車に対して優しい国ではあるんだな。そんなことを思いつつ下調べしていた自転車ショップに向かう私。

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 多分サラエボで1番規模の大きなショップ

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 シュワルベマラソンタイヤが取り扱いにある程度には立派

 実は数日前からフレームに取り付けてるバッグのチャックが吹っ飛んで開閉することができなくなっていた。そもそも使いすぎて無数に穴が空いたバッグを針糸で修繕しながら何とか使い続けていたアイテムだけど、流石に寿命が来たのだと思い新しいバッグを探していたのだ。

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 ちょっとサイズ大きいけど安くて良いのがありました

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 デッドスペースがほぼ無くなったロシナンテ号

 積載量も増えてよかった気もするが、ある程度使ってみないと新しいギアの良し悪しなんて分からないからね。購入した商品が無駄にならないことを祈りつつサラエボ抜けて山道へと突入する。

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 したけれど

 思っていたより斜度が緩いというか峠の規模が小さいというべきか。ほとんど登っている実感がないまま頂上へと辿り着き、下り坂が始まってしまう驚き。休みはしたけどそんな異常なレベルで超回復でも起こしたとは思ってないのだが。

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 なるほど2本目の峠があったのか

 サラエボの標高は500mちょっとだが、なんだかんだ1000m弱まで登らされる辺りがボスニアという山岳国家を表している。これでも海へ向けるいくつかのルートで1番標高低くて楽できる道を選んだのだけど。

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 とりあえず山頂にトンネル作らないでよ

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 ラフティングが有名な土地らしい

 坂を下ってコニーツの町に到着すると、それまで幅員狭かった川が広がり景色も大きく変わってきた。巨大河川の湖面に映る向こう岸の姿がなかなか絵になる風景だ。

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 この辺が最下層だと思っていたら

 このまま川沿いを進む道はどちらかといえば標高を下げてく下り基調の道だった。散々山を走らされたボスニアだけど、いよいよ海岸線が近づき全体的に標高が下がってきたことを感じる。

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 偶に上り坂が挟んでお出しされるけど

 ヤブラニツァという町から南へ向かいモルタルの町を目指す。どうもこの町はボスニアにおける観光名所の1つであり、観光地のみでなく安宿も豊富に取り揃えているらしい。

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 地味に世界遺産の建築物もあると教えてもらった

 渓谷の道へと景色は変われど走行ペースは変化せず・・・とか思っていたのだが、途中から後輪に異音が出始めたので確認してみたら、リムが割れている特大トラブルを発見してしまう。

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 これは洒落にならない

 今まで2度リムは交換しているのだが、さて今回はどうやって対処しようと頭いっぱいで本日終盤戦。余計なことばかり考えてたからか良い感じの野営地見つけることができず、18時すぎて真っ暗になった辺りで地元民におすすめポイントを聞いてやり過ごす方針に変更したり。

 ダム湖よりちょい下流側にあった橋を渡って反対岸をひたすら進み続けた先に出てきた立派なキャンプエリア。途中で「今日は本当の意味で道路脇野宿になるかも・・・」とか心配してたのだけど、結果的には最高のポイントにテント張ることができた。

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 ただし夕食は21時前からスタート

 それでも作業一通り済ませて寝袋入ったのは23時過ぎ。ネット環境もなければ光源の乏しい土地ではなかなか夜更かしできないため、ようやくしっかりした睡眠時間が取れそうなのがちと嬉しい。

 キャンプというのはそういう不便である点がプラスに変換される不思議な体験ではないかと思っている。

 2023年10月17日(火) 走行距離  0km  累計142037km
 2023年10月18日(水) 走行距離102km  累計142139km
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 ボスニア13・14日目 サラエボの町

 休息日。オーナーがトルコ人のためか利用客にやたらトルコ人が多い宿である。その内1人が日本好きで、過去に何度か日本を旅行したこともあるとのこと。

 ちょっと面白かったのが日本語のヒアリングはかなり高いレベルで出来る一方、発音に関してはあまり得意でないそうだ。その理由はアニメ見て日本語覚えたかららしい。

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 私も洋画見続ければ英語上達できるのかな

 外は1日雨続きであったため、特に町歩きをするでもなくのんびり過ごす。コーヒー豆切らしてしまい食材買いに行くタイミングで調べてたお店の豆買ったのだけど、3500円くらいする相当高級な奴買ってしもうた。お洒落カフェすぎて値段が書かれていなかったので。

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 とりあえず美味しいコーヒーであることを祈りたい


 翌日。朝イチで淹れたコーヒーが美味しかったので満足しつつ、午前中に放ってたPC作業や情報収集行い午後からサラエボの町を散策す。

 既に最も興味があったラテン橋は見学したので特に目的地決めることはなく市内をぶらぶら散策する形で歩いてみることに。

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 サラエボで現存してる最古の建築物だとか

 ボスニアに住む民族が3つに分かれているというのは以前語ったが、サラエボはボスニア系民族のボシュニャク人が多数を占める町。そんで彼らはイスラム教を信仰している人が多いため、サラエボ市内は必然的にイスラムの文化や建物が多くなる。

 ヨーロッパの歴史的な建物や街並みにこうした文化が加わって、サラエボ市内はあまり他の欧州諸国で見た覚えがない独特な町並みが形成されており興味深い。

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 日本の観光地とも似てる気がする

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 所々にモスクの姿がある一方で

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 教会の姿も散見される(いや写真はモスクだけど)

 ボスニアは人口比だとイスラム教徒が最大数ではなくキリスト教国という扱いなのだが、首都であり最大都市であるサラエボがかなりイスラム色強いので受ける実感としてはイスラム系の国という感覚が割とある。

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 ちなみにスルプスカはセルビア系が多いのでキリスト教国(正教)の景色

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 鳩に塗れるこの広場が中心地っぽい

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 普通の水飲み場だと思うけど人の数凄かった

 昨日の雨が転機だったのか、今日は晴天だけど気温が低く本格的な冬の到来を感じさせる。ちなみに深夜の気温は0度まで落ち込んだらしい。

 自転車旅行者のサク君と一緒に夕食で天ぷら作りましょうと約束しており、宿の客で日本好きのトルコ人の分も合わせて天ぷら揚げまくり。

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 よくまぁこんだけ作ったな

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 トルコ人のお客と一緒に飲んだ酒がまた強烈で 

 ビールとラキアを飲みつつ自転車旅行談議で話が盛り上がるのは私も非常に嬉しいことでして。気づいた時には深夜3時となっており、彼明日出発なんだけど悪いことしてしまったなと反省してます、本当です。

 2023年10月15日(日) 走行距離0km  累計142037km
 2023年10月16日(月) 走行距離0km  累計142037km
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 ボスニア12日目 パレの町〜ボスニア首都 サラエボの町

 ラキアパワーでバッチリ寝坊した朝。今日は目と鼻の先にあるサラエボまで走って終了する予定のため、どれだけ遅い出発になっても問題ないという気楽さも相まって寝袋から出ずにヌクヌクしてた。

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 あと日当たりがいいので濡れたフライシート乾くの待ってた

 なお昨日お世話になったオッちゃんの1人、ネノが「出発前に一緒にコーヒーを飲もう」と誘ってくれていたのだが、9時にはわざわざ迎えに来てくれたためここから大急ぎで出発準備終えて彼の家へと向かう。

 ボスニアコーヒー頂きながら色々話をしたのだが、ボスニアの人は友人に対して「夜はラキアで歓迎して、朝はボスニアコーヒーを振る舞うんだ」と語っていたのが印象的。確かに昨日も一昨日もそうだった。

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 どうもありがとうございました

 サラエボに近づくと交通雨量増えて危険だから十分注意しろよ!という言葉の通り、パレの町を越えたあたりでどんどん車両が増え始めた。

 町が近づいても急峻な山々という地形に変化が訪れる兆しはなく、切り立った崖のような場所に作られた狭い道が続く一方で車両の数だけ増えてる状況のため、簡単に言えば「怖い」

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 頼むから無茶な追い抜き辞めてくれ

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 もっと余裕を持った走行しようぜ本当に

 オマケにここでもトンネルが頻繁に出現してくるわ、首都近郊のトンネルだけどやっぱり電灯ついてないことが多いわとボスニアインフラの脆弱さを感じずにはいられない。今までは地方で交通量も少ない道だったから良かったけどさ、せめてサラエボ周辺くらいしっかり対応しようよ。

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 とか文句言ってるウチにサラエボ到着

 スルプスカ共和国の首都バニャ・ルカと違ってサラエボは山地の谷間に作られた狭い土地である模様。必然的に建物も背の高いビルが増えるし道路の数が減って幅員が狭まり、でも交通量は増えるという都市部あるある自転車で走りづらい環境に。

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 時間もあるし観光しつつゆっくり進む

 宿へ向かう途中で出てきたラテン橋。教科書に乗ってるレベルで有名な第一次世界大戦のきっかけとなったオーストリア皇太子夫妻暗殺の現場となった場所であり、さぞや観光客でごった返しているであろうと思いきや、地元民の足としてまばらに人通りがある程度。側に小さな事件の概要を示した看板があるのみだった。

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 すぐ側の博物館にある当時の車(レプリカ)は大賑わいだった

 ともあれ本でしか見たことのない場所にこうして自分が立っているということは不思議な気持ちだ。世界はちゃんとつながっているというか、様々な歴史が積み重なって今があるのだなと実感するというか。

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 戦争で失われた方を追悼する炎もある

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 私は記憶ないけどオリンピックの開催地でもあるんだよね

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 とかまぁぐるぐる回って

 14時に予約していた宿へチェックイン。この円安&物価高のご時世でありながら1泊12マルク(約970円)と1000円切る値段で泊めてくれる良心的な宿なのだけど、ビルの4階にあるため荷物上げるのがやや大変。

 とりあえず買い物してビール飲みつつゆっくりしようと思っていたが、他のお客に日本人サイクリストがいて話盛り上がってしまい、気づけば時間は午前様。なお旅行再開してから初めての日本人サイクリストでした。

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 いるところにはいるもんだ

 2023年10月14日(土) 走行距離26km  累計142037km
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 ボスニア11日目 ゴラジュテの町~サラエボから東南東に約20km パレの町


 お世話になってるオルカさん宅の朝は早く、お母さん5時半には目を覚まして朝食の準備を始めていた。昨日0時過ぎまで騒いでいた私たちだが、これは無理させてしまったのではないかと反省しつつ。


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 ボスニアのコーヒーは豆を一緒に煮立たせるトルコ方式


 子供達の学校は車で送っていくそうで、それに合わせて私も出発させてもらう。時間にして8時と言ったところだが、外は無茶苦茶寒いし空一面を雲が覆ってて雨降らないかと不安になるレベル。


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 本当にお世話になりました

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 お花を頂いた経験は少ないけど嬉しいものですね 


 天気予報では朝からずっと晴れだったのに!と思いつつゴラジュデの町中心部で再度情報確認してみたが、天気は変わらず晴天らしい。


 つまりこの状況は谷に位置するゴラジュデに雲がかかり、局地的に天気が悪くなっているとかそういう理由だと思われる。ならば走って移動すれば天気も回復するはずで、坂登って身体動かし身体も温めようじゃありませんか!


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 ということでヒルクライム開始


 地図ではつづら折れの連続でもの凄い急登を予想していたが、思ったよりも緩やかで走りやすいと思えるレベル。そういやボスニアは傾斜が緩くて自転車に優しい系の坂をお出ししてくる国だった。


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 眼下にゴラジュデ


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 本格的に雲の中に入った感じがある


 斜度は緩いが、それはつまりなかなか標高を稼いでいないということでもある。雲を抜けて目指す頂きが見えたにも関わらず、上りはまだまだ続くしどこが頂上ポイントなのかもイマイチ分からず「今回の坂は精神力が大切なタイプだったか・・・」とか思い始めた。


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 上り坂にタイプがあるんかい!


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 雲の上と下とで明らかに天気が違う


 稜線に出てからあまりにも景色が良いもんで、途中で出てきた水場とピクニックテーブルのあるエリアでのんびりお昼休憩することに。こんな天気で必死に走ってる場合か。


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 この環境を満喫しないのは嘘でしょ


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 お昼ポイントからもう3km先にてやっとこ頂上


 なんだかんだ文句も言うけどやっぱり峠は良いもんだ。こうして登った時の達成感と気持ちよさが私を包んでくれるから。でもまぁ山迂回できるルートがあるならそっちを走っても良いとは思う。


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 今回はどのルート走っても峠越えだったのです


 180度ターンを繰り返す道を下って別の山脈との谷間に出たところが道路の交差点。基本的にボスニア山岳地帯は渓谷に沿う形で道主要路が作られていると考えれば良いのかも。


 この道路伝ってそのまま進めば首都サラエボに到着するのだが、まぁ急いでないし日曜日から天気崩れる予報なので、その前日にサラエボ入りして休息とりたい。晴れてる日に休むのなんか悔しいので。


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 ということで適当にテント張ろうと思ったのだが


 微妙に峠道となっており、周囲の森林地帯が傾斜キツかったり民家の敷地だったりとなかなか適した野営地が出てこない。優柔不断なままに峠の頂上まで来てしまい、トンネル越えて下り坂が始まってしまう。


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 ならばパレの町まで進んでしまおう


 その方が標高低くて夜間の冷え込みも和らぐだろう・・・という考えからなのだけど、町に近づけばその分野宿に適したテント張れそうな場所が減る・・・という算段はしていない。


 そんで思ったより都会な雰囲気のパレの町を見てUターン決め逆走始める茶壺さん。大丈夫、日没まで慌てるような時間じゃない。


 すると道路の脇にて仕事していたオッちゃん達から「何か困っているのか?」と声がかかる。というかボスニアは自転車旅行者を放っておかない国だよな。

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 あれよあれよという間に 


 テント張る場所探してると話すとオレらの職場敷地を使えば良いさ!ということに。大変ありがとうございます、助かりますとテント設営後改めてお礼しに行ったらいつの間にか一緒になってラキア飲んでた。


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 アルコール度数40%とかある酒なんだけど


 空きっ腹にラキアポンポン流し込んだこともあり、かろうじて夕食済ました時点で完全ノックアウト。「ラキアを飲めばあっという間にグッスリ快眠だ!」という言葉は正しかったと知る。


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 いやまぁそらそうだ


 2023年10月13日(金) 走行距離65km  累計142011km

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 2023年9月17日〜9月22日
 走行日数6日間
 累計走行距離345km(140231km〜140576km)

◎道路
 これが非常に良かった。別に道の至る所に自転車道が整備されてる訳でも無いし、むしろ結構な割合で側道もない道路脇を走らされることが多かったと感じるが、この国は「必要な場所にキチンと自転車道を敷いている」という意味で自転車のことをよく分かってる。なお車両は右側走行。
 このため都市部や町中では自転車道を辿って移動がスムーズに行えるし、町の郊外に出て「そろそろ交通量が減ったな・・・」というタイミングで自転車道も消失するため、道路での走行にもそれほどストレスがかからない。更には主要な国道だと峠道もつづら折れを重ねて斜度を緩やかにする配慮までなされている。細いローカル道路を走ればこの限りでは無いが、スロベニアは1度走り方を覚えてしまえば自転車にとって非常に走りやすく快適な走行を約束してくれる国だと自信を持っていえるかな。

◎治安
 問題ないでしょう。首都のリュブリャナ中心部でも嫌な雰囲気は感じなかったし、その周辺にスラム街みたいな危険な地域があるようにも思えない。田舎に関してはもう本当に田舎なので、そんなリスクある行動でもしない限りトラブルに遭う確率は低いと思うが、そういえば2日目にテント張る場所探して夜中町中で地図確認してたら廃墟から瓦礫か何かが落ちてきたことがあった。それも2回。
 恐らく浮浪者か何者かが廃墟に住んでて威嚇行為してきたのだと想像するが、これ大都市じゃなくて人口1000人そこそこっぽい小さな町での出来事なんだよね。それを思うとスロベニアはそんな田舎町ですら浮浪者が溢れているという可能性もあるため、気は抜かない方が良いのかもしれん。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定加盟国なので出入国における審査は必要ない。クロアチアとの国境上には立派なイミグレーションが建ってたけれど、これは今年(2023年)になってクロアチアがシェンゲン協定の加盟国に加わったことの名残であり、現在では出国フリーパス状態なため気にする必要はない。
 ちなみに国境沿いにある免税店と両替ショップもイミグレーション同様に潰れていたが、これらの施設は車両がアッサリ通過できるようになった関係で経営が立ち行かなくなったということなのだろうか?

◎交通事情
 側道のない国だったけど町中はキッチリ自転車と区分けがなされているし、道路を走ってる際には基本安全と思える幅を開けて追い越ししてくれるマナーの良いドライバーが多く危険を感じたことはない。横断歩道で待っていると、車両は停車して自転車を優先的に通してくれるマナーのあるドライバーが多くて非常に素晴らしい。まぁ走っててストレス感じることはあまり無いかと思われます。

◎特徴
 このスロベニアから南、バルカン半島の国々は旧ユーゴスラビア連邦として構成されていた。このユーゴスラビアが解体されたのが1991年で、スロベニアの独立も同年であるため比較的若い国だといえる。
 んで私の目から見た限り、スロベニアは旧社会主義国というより西欧諸国の色合いが濃く、建物や住民の生活レベルも西欧のそれを感じさせるものに感じられた。これから先、旧ユーゴスラビアの構成国を回っていくつもりだが、この辺が国によってどう感じ方変わるのか?・・・という点に結構興味を持っている。

◎気候
 滞在期間中は毎日どこかのタイミングで雨雲が広がる天気だったし、雨模様の天気に悩まされたスロベニア。このことから9月のスロベニアは割と天候が安定しない傾向にある・・・くらいのことは言っても良いんじゃないかな?
 1ヶ月ほど前にも大雨で国内の至る所で洪水被害が発生しニュースになったので、知ってる人は知ってると思う。そういう意味でも夏から秋にかけてのスロベニアは割と雨対策を気にした方が良いんじゃないかな。

◎言語
 スロベニア語らしい。基本的にスロベニア国内でしか使用されていない言語なので話者200万人ちょっとの言語。ヨーロッパはそういう国が多すぎて、単語を覚える前にもう出国しちゃうのが悲しいところ。
 なお英語が非常によく通じるため、コミュニケーション的な意味ではほぼ問題ない。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 リュブリャナの安宿とか相場調べたりしたけど東欧の物価感覚では泊まれる場所がない。基本的にスロベニアは西欧諸国のイメージで宿泊施設も探すべき国であり、そのため私は森に入ってテントを張っていた。
 何故か野営地探しに苦労して夜遅くまで走ることが多かった国だが、基本的に町を離れれば農地と森林が織りなす野宿しやすい国なので、水場の近くという条件を加えても尚テント張る場所で苦労することは少ないと思う。
 私の場合は天候が不安定で屋根のある場所を求めたりと、条件を増やしたことが野営地見つからず苦労した理由であるため普通にスロベニアを自転車旅行するならあまり問題はないと思う。
 なおネット関連だが、スロベニアでは自国のスーパーが割と台頭しておりWi-Fiを備えたチェーン店系のスーパー数がやや少ない。私もこの国ではWi-Fiはスーパーで利用することは少なく、その代わりにガソリンスタンドが大活躍していた。名前「PETOROL」だったかな?多分スロベニアで1番規模の大きなガソスタにはどうやら全店FreeWi-Fiがあるし、そうでなくともカフェが併設してたりする規模の大きなガソスタでは大概ネットが通じてた印象。大きな町なら市内でWi-Fiも飛んでたし、非常に優秀でこの点気にすることなかったわ。

◎動物
 大して動物に遭遇した覚えがない。何処にでも飼育されてる牛・豚・ヤギの他に朝になって鶏の鳴き声がうるさいなと思ったことが1度あったかどうか。田舎走っててもそうした家畜と道路とははっきり区分けされているので道路上に牛の大群が!とかそういうイベント起きません。
 犬に関しても同様で自転車見かけて吠えてくるのは所詮庭から出られない犬ばかり。というかこの国でそうでない野良犬をみた記憶がない。

◎自転車店
 何故か小型バイクの販売店舗と一緒になってる店が多かった。都市部で自転車用レーンを原付バイクが爆走してるのみて「結構ヤンチャしてるのいるなぁ」とか思ったのだが、その後同様のバイクを何台も見かけたことから、小型バイクは自転車と似たような扱いとなっている国なのだろうと思ったり。お店もそうした延長線上にあるのかもしれない。
 商品のラインナップに関しては普通かやや落ちる店が多い。その割にバッグ類がオルトリーブ製品だったりチグハグさを感じたが、自転車部品の取り扱ってる種類が少なくプロショップというより町の自転車屋さんに近い感じのイメージがある。私が訪れた店がそうだっただけかもしれないけどさ。

◎物価・食事
 かなり高い。地理的な位置では東奥に位置する国だけど、物価的にはむしろ隣国オーストリア寄りとすら言える程には。まぁ流石にオーストリアよか大分安いけども。
 ともあれ東欧諸国の物価感覚で旅行すると思った以上に出費を強いられるため、その辺はしっかり引き締めておかねばならない。ちなみにポイストナ鍾乳洞の入場料金は35ユーロ(約5500
円)と書いたけど、チェコで体験した鍾乳洞は約1000円だったからね。如何にスロベニア物価お高いかが分かると思う。
 流石にスーパーの食材に関してはそこまで厳しい値段じゃなかったし、ビールは100円を切る値段で販売されてる種類が1つくらいある印象。普通に自炊主体のスタイルならば1日2000円を越えるほどではないかと思う。

◎総括
 いよいよ旧ユーゴスラビア圏の国に入るということでガラッと雰囲気変わるかと想像してたが、スロベニアの雰囲気(物価も)はむしろ西欧諸国のそれに近いと思った。
 地理的に最も西欧からの影響を受けやすい場所であるし、ここからバルカン半島におけるスラブ人国家の特色がグラデーションのように徐々に現れていくのだとしたら、その変化が現れ始めるスロベニアという国は非常に面白いと思う。
 自転車で走る国としてもなかなか快適な道でありつつ海・山が適度に揃って走り甲斐のある土地となっているため、国土の小さい国とはいえヨーロッパ走るのであれば外せない国の1つだといえよう。
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 2023年9月13日〜9月17日
 走行日数5日間
 累計走行距離394km(139837km〜140231km)

◎道路
 路面状況が悪くギャップやひび割れ等が多いし段差もキツくて自転車に優しくない。これは自転車道でも同様の特徴を持っているため性質が悪い。更に道路は側道が無い造りが基本の上に、道路脇に自転車道があると、わざわざ「ここは自転車走行禁止だ!」と看板標識をお出しして来る意地悪さ。そのクセ自転車道は狭くてギャップが多く、段差だらけの上に突然急斜度の坂道をお出ししてきたりと走りやすい道ではない。なお車両は右側走行。
 総じてヨーロッパで最低の道というのが私の評価かな。場所次第では非常に走りやすい所もあるのがノイズとなっていて、それに安心してると酷い目に合わされる感じ。自転車に対してのインフラ自体は力を入れてるのが分けるだけに、勿体ないというか担当者が自転車に対して理解薄いのだろうなぁとか思ってしまう。

◎治安
 まぁまぁ良い。ただオーストリアやスロバキアと比べて都市部ダウンタウンにおける落書きとかゴミの量が増えたように感じたし、宿泊したホステルでは深夜になっても謎の叫声がしょっちゅう響いてた。そうするとブダペストは少々緊張感を持って行動した方が良いかもしれん。
 町を抜ければ嫌な雰囲気を感じたことは無かったし、温泉の駐輪場でフルパッキンの自転車を2時間放置してても「まず大丈夫だろ!」と思える程度にはこの国を信頼してたかな。もちろん自転車は地物ロックして貴重品は鍵付きボックス内に収納してたけど、それでもサイドバックの中身とか狙われたらどうしようも無いのが実情なので。同じことをブダペストでは出来ないかな。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定加盟国なので陸路の入国は西部側の国から出入国する場合審査なし。言い換えると東部や南部に位置するウクライナ・ルーマニア・セルビアからの出入国ではイミグレーションも立ってるし出入国の審査が必要になる。東からヨーロッパへ突入する人にはこのハンガリーがシェンゲン協定最初の国という人も多いのだろう。

◎交通事情
 道路インフラが悪い割にドライバーのマナーは非常に紳士的で安全運転である。スロバキアでは全然止まってくれなかった横断歩道も、ハンガリーだとすぐに停止して歩行者や自転車を優先的に通してくれる。自転車道が余りにもあんまりな場所では道路側にエスケープして走行することもあったけど、それで車側からクラックションを鳴らされたことはこの国で1度もない。結構あるのだ状況も知らないドライバーが「自転車向こう行け!」ってクラックション鳴らしてくる国は。
 そんなワケで道の走りにくさをドライバーの運転マナーの良さでカバーしているという印象だ。隣国スロバキアがこの逆の評価なのであり、やっぱり国が変わると色々な部分が変わってくるなと思う。

◎特徴
 結構色々特徴のある国で、日記本文でも述べた温泉が非常に豊富である点や、子育て支援が世界でも有数の手厚さとして話題に上がることも多い。
 だけど旅行者的にハンガリーは消費税率が世界で最も高いという点が気になるところ。なにせ買い物するとその影響をモロに受ける形となるのだから。その税率は27%となっており、つまり何か商品購入すると元値の4分の1が追加加算されているワケだ。
 実際には商品の値段は消費税含んだ総額表記が為されており、レシートを確認しないとその高い税率は一見気づかないのだけれども。
 まぁヨーロッパ諸国はハンガリーほどではないにせよ、消費税率25%の国とか沢山あるためそこまで気にしても仕方がない。むしろハンガリーはこの高い税金が、先に述べた充実の子育て支援の資金になっていると考えればまぁ納得できるような気もする。外国人旅行者の立場からしたら何も嬉しいことは無いけどさ。

◎気候
 9月の中旬ならまだTシャツ1枚でも余裕で過ごせる暖かさ。そりゃ天気悪ければ寒いだろうけどブダペストのホステルでは雨降ってる深夜に扇風機回しても大汗かいて安眠できなかったほど。これは建物の防寒性能が高いことが影響してる気もするが。
 全体的に標高が低いこともあってか、緯度的にはかなり高い位置にある国の割に気温高めの印象でした。ここまで東に移動すればメキシコ海流から運ばれてくる熱エネルギーもあらかた無くなっていそうに思うけどな。

◎言語
 ハンガリー語らしい。東欧の国々で色々言語の違いがあっても全然わからない!というのが正直なところだし、看板の文字もラテン文字から離れすぎてることが増えて発音することすら難しいレベル。
 オマケに滞在期間が短いこともあって基本的な単語である「ありがとう」とか「こんにちは」と言った現地語も覚える前に別の国に入ってしもうたというね。
 とりあえず英語の通用率は高かったけど、実際に会話した人で英語が話せない人の割合は半分くらいだったような気もする。田舎だったし会話した人の総数10人くらいなので信憑性に欠けるけど。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 暑くて眠れなくて散々に評したアベニューホステルだけど、首都の中心部にあって13ユーロで豪華な朝食が付いてくる上、Wi-Fi速度も極めて良好という物件自体は非常にレベルが高い宿だった。ちゃんと時期を選ぶなり暑さ対策していけば非常にコスパ優れた良い宿だったと思ってる。ここしか泊まってないので他の宿は知らない。
 野宿するにおいても適度な数の河川もあれば、身を隠せる森林地帯も豊富で楽できるためキャンプ主体でも何ら問題はない。Wi-Fiも非常に優秀というか、基本的にチェーン店系のスーパー行けばどうとでもなるし、運が良ければガソスタでもFreeWi-Fiが飛んでるハンガリーでそんなネット接続に苦労することはない。国土も狭いので1日移動してれば複数回FreeWi-Fiがある規模の町やれスーパーやれに寄れる機会があると思う。

◎動物
 特に問題となる動物は出てこなかったけど、田舎地域では「深夜のシカ飛び出し注意」とデカい看板に表記されていたし、野宿の最中にも明らかに小動物ではない生き物の移動する音が聞こえたことがあったので、その辺気にした方が良いのかもしれん。
 犬は他のヨーロッパと一緒で家の敷地内にいるヤツがギャンギャン吠えてくる程度。こちらも気にする必要はないと思われ。

◎自転車店
 ハンガリーで1店も入ってねー。そろそろチェーンの交換したかったし、そうでなくとも自転車ショップ見つけたらとりあえず入店するタイプの私にゃ珍しい。
 けど別にハンガリーに自転車ショップが少ないかというとそういうことはない。単純に土曜日曜での走行で営業時間外で閉まっていたりとかそんなパターンで入店できなかっただけです。消費税率が高い国なので、自転車部品なんかもその辺料金が上乗せされて高いのかチェックしてみたかったんだけどな。

◎物価・食事
 スロバキアより僅かに安いかな?という印象か。使用通貨のハンガリーフォリントが数字大きい系の通貨(1円=約2.5フォリント)なので、お店に表記されてる数字が大きくつい「買い物しすぎたか・・・?」と不安になってしまうが、後で1日の使用金額を精算してみると思った以上に安くて嬉しかったりする。
 端数1の桁は0か5に繰り上げ(繰り下げ)される方式で、カード払いの際はこの限りではない。ケチくさいことを言うなら端数が2や7フォリントの時は現金で支払うと僅かに得することができるワケだ。
 食材もビールもかなりお求めやすい価格だが、一転して温泉の入場料は相当強気の値段だった。実は私が入ったHEVIZ温泉も本来3時間の入場料で4500フォリント(約1820円)だったが、終了2時間前ということで本来メニューにはない2時間分の料金で入場できたという裏があったりする。なおここの温泉が特別高い訳ではなくて、ハンガリーの人気温泉は大体似たような料金設定。いずれにしても温泉を含む観光方面では相当な金額となることが予想される。
 食事?全自炊だよ。私だってハンガリー名物の料理とか味わってみたいけどレストラン高すぎて入れないんだよくそぅ。

◎総括
 温泉大国と聞いて期待していたが、日本人の考えるそれとは少々異なるパターンが多いため、温水プールでない温泉を探したいのなら事前の情報収集をしっかりやるべきかと思われる。
 全体を通してかなり走りにくい国であり、半端に広がる整備されてないボロボロの自転車道路をして自転車フレンドリーな国の顔をしないでほしいとは思っていた。
 ・・・とまぁ良くないイメージの方が先に出てきたりしたが、それでもヨーロッパにおいて物価が安く長期旅行者に優しい国というのは間違いない。シェンゲン協定がなければまた違った感想を抱いたかもしれないのであり、こういうのは巡り合いとか色々あるのでまぁそういう感じです。
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