◇ 想定レートをより円高に修正 = トヨタ自動車は先週、17年3月期の業績予想を下方修正すると発表した。売り上げを前年比8%減少の26兆円に。営業利益を44%減の1兆6000億円、純利益を37%減の1兆4500億円に、それぞれ変更する。これはトヨタ車の販売台数が減るためではない。円高の進行に備えて、経営的に想定する為替レートを、従来より円高に設定し直したからである。
トヨタは17年3月期の為替レートを、当初は1ドル=105円、1ユーロ=120円と想定していた。しかし為替市場で予想以上に円高が進んだため、これを7月以降は1ドル=100円、1ユーロ=110円に改めることにしたもの。これにより期中の対ドル・レートは102円ということになる。
仮に当初から1ドル=100円を想定していれば、17年3月期の売り上げや利益はその分だけ低くなっていたはず。その場合と今回のように期中で下方修正しても、実際の売り上げや利益が変わるわけではない。実際の売り上げや利益は、市場での為替相場によって決まるからだ。だが株式市場の受け取り方は、全く違ってくる。
投資家は一般的に、業績予想が下方修正されることを嫌う。だから今回のトヨタの発表は、株式の売り材料になるはずだった。しかし為替の想定レートを円高の方向に修正したため、今後は業績を下方修正する可能性が小さくなった。投資家はこの点を好感して、トヨタの株価は逆に急伸した。自動車や電機など他の輸出企業も同様の措置をとれば、円高の進行による株価の下落をある程度まで防ぐことができるだろう。各社がトヨタ流の経営にどこまで追随するか、注目したい。
≪9日の日経平均 = 上げ +114.40円≫
≪10日の日経平均は? = 下げ≫
☆Please click here ⇒
トヨタは17年3月期の為替レートを、当初は1ドル=105円、1ユーロ=120円と想定していた。しかし為替市場で予想以上に円高が進んだため、これを7月以降は1ドル=100円、1ユーロ=110円に改めることにしたもの。これにより期中の対ドル・レートは102円ということになる。
仮に当初から1ドル=100円を想定していれば、17年3月期の売り上げや利益はその分だけ低くなっていたはず。その場合と今回のように期中で下方修正しても、実際の売り上げや利益が変わるわけではない。実際の売り上げや利益は、市場での為替相場によって決まるからだ。だが株式市場の受け取り方は、全く違ってくる。
投資家は一般的に、業績予想が下方修正されることを嫌う。だから今回のトヨタの発表は、株式の売り材料になるはずだった。しかし為替の想定レートを円高の方向に修正したため、今後は業績を下方修正する可能性が小さくなった。投資家はこの点を好感して、トヨタの株価は逆に急伸した。自動車や電機など他の輸出企業も同様の措置をとれば、円高の進行による株価の下落をある程度まで防ぐことができるだろう。各社がトヨタ流の経営にどこまで追随するか、注目したい。
≪9日の日経平均 = 上げ +114.40円≫
≪10日の日経平均は? = 下げ≫
☆Please click here ⇒
| ホーム |