クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家T > Tchaikovsky, Boris

rdcd11115①ボリス・チャイコフスキー:チェロ協奏曲(1964)
②ババジャニアン:チェロ協奏曲
ロストロポーヴィチ(チェロ)
コンドラシン(指揮)モスクワ・フィル
録音:1964年3月13日
(RUSSIAN DISC RDCD11115)
ワインベルク&クニッペル&レヴィティンに続き、ボリス・チャイコフスキー&ババジャニアンの協奏曲集も運よく入手できました。
①1楽章は孤高の独白といったチェロのモノローグで始まります。4分から速いテンポになり静けさや暴力的な音響が交替していきます。凶暴が大勢をしめたあと静けさがしばらく続き冒頭のチェロ独奏のテーマが戻り今度は凶暴に変容して終結。無調ではないが緊張感の高い音楽。2楽章は何かのパロディか?というようなハッキリした6拍子の主題がトロンボーンのソロで示され、ほぼこの主題に支配されます。3楽章はスピード感がカッコいい!ロストロの超絶技巧が冴え渡る。4楽章スカッとしないファンファーレ。その後は快活ですが、おどけた雰囲気と怖い雰囲気が入り交じる不思議な音楽。最後にロストロさんが唸ってます。ボリ・チャイのヴァイオリン協奏曲よりかなりイケてます。
②17分弱の作品。1楽章形式ですが聴く限り前半・後半に別れてします。前半はチェロのモノローグで始まる鬱々とした音楽。ティンパニの凶暴な合いの手なんかもありがち。3分半くらいでテンポが速くなり怒りの音楽に。一暴れしたあと静けさが戻ってきます。8分前頃ガラっと雰囲気が変わり5拍子のキャッチーなメロディが登場。ヤンヤの盛り上がりです。長いカデンツァのあとフィニッシュです。協奏曲というよりは狂詩曲のようです。前半はありがちですが、後半はなかなか独創的な主題で面白かった。
①★★★★☆(ボリ・チャイにしてはなかなかです)
②★★★☆☆(これも結構楽しめました)
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czs5720162ボリス・チャイコフスキー:
①無伴奏チェロ組曲(1960)
②パルティータ(1966)
③チェロ協奏曲(1964)
ロストロポーヴィチ(チェロ)
②アレクサンドル・デデューヒン(P)、ボリス・チャイコフスキー(Cemb)、メッスルス・ホヴォフ,マリチコ&ゴディン(エレキ・ギター,打楽器)
③コンドラシン指揮モスクワ・フィル
録音:①1961年11月5日、②1967年1月10日、③1966年9月4日
全曲ロストロポーヴィチへの献呈作品・初演ライヴ
(EMI CZS5720162(13枚組)の5枚目)
ついでに例のEMIセットのボリス・チャイコフスキーを集めた1枚も聴いてみました。
①短い5つの楽章の組曲。一筆書き的な力強く、聴いていて気持ちのいい作品。1楽章は力強い。2楽章はリズムが面白い舞曲。3楽章は悲しげに切々と歌う。4楽章はショスタコ風スケルツォ。5楽章はしみじみ系で始まりますが1楽章を変形したテーマが帰ってきて盛り上がって終ります。
②チェンバロ、打楽器、エレキ・ギターにチェロと変わった編成の室内楽。いきなりただの音階でおちょくられる感じですが、全体に真面目な作り。無調ではない。寂寥感漂う終り方。
③ロシアン・ディスクと違う演奏のようです。タイミングも録音データも違いますが、印象は全く同じ。最後のロストロさんのうなり声も同じに聞こえるし。初演と書いてあるEMI盤のほうが録音日が後、というのは???。問題の音質は、ワインベルクより音は悪くないです。ステレオだし、このCDでも十分楽しめます。
★★★☆☆(ボリ・チャイのチェロ作品はレベルが高い)

nfpma9946ボリス・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(1969)
ヴィクトル・ピカイゼン(ヴァイオリン)
エドワルド・セーロフ指揮オーデンセ交響楽団
録音:1994年12月ライヴ、カール・ニールセン・ホール
(NORTHERN FLOWERS NFPMA9946)
ショスタコーヴィチの弟子2大ボリスといえばボリス・チャイコフスキーとボリス・ティシチェンコですが(←今決めました)、僕はティシチェンコのほうが深刻で好きです。ボリ・チャイはどうも甘~いロマンティックな感じの作品が多く、作曲家の迫力ある顔がマッチしません(←顔関係ないから)。でもこのジャケ写はかっこいいですね。ピアノの前でタバコをくゆらす作曲者です。
このCDはボリ・チャイのヴァイオリン協奏曲一曲のみ、デンマークのニールセン・ホール(いい名前)でのライヴ。ヴァイオリン独奏はこの作品を献呈されたピカイゼン。1楽章形式44分、ボリ・チャイには珍しい甘いメロディはほぼナシの硬派な作品。前半は字余り的なメロディ(昔のニュース番組の井上陽水の歌みたい)を最弱音からジワジワと盛り上げていき、その後テンポや表情がコロコロ変わり、予断を許しません。20分くらい以降はスケルツォっぽく盛り上がります。クライマックスからカデンツァに入り、ゆったりしたテンポに。凶暴なオケや、静かなヴァイオリンと弦楽の掛け合いなど、やはり次々と場面が変わっていきます。最後は決然としたヴァイオリンが締めます。後半はそれなりに聴かせます。
一つ気になるのは、ヘッドホンで聴くと弱音部で何か電気的な「ブーン」というノイズがヴァイオリン独奏と連動して聞こえてくることです。うーん、ロシア・クオリティだからしょうがないか。
★★★☆☆(退屈な前半が惜しい)

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