「ロシア未来派の音楽第3集(2枚目)」
①モソロフ:弦楽四重奏曲第1番
②ロスラヴェッツ:弦楽四重奏曲第1番
③ロスラヴェッツ:弦楽四重奏曲第3番
④クニッペル:弦楽四重奏曲第3番
ノヴォシビルスク・フィルハーモニー弦楽四重奏団
録音:①-③1994年5月、④1996年10月、ノヴォシビルスク・フィルハーモニック・レコーディング・スタジオ
(ARTE NOVA 74321 48723の5枚中5枚目)
今頃になって聴いてきたARTE NOVAのロシア未来派の音楽ですが、最後の1枚になりました。モソロフにロスラヴェッツ、クニッペルと興味をそそる作曲家達の弦楽四重奏曲です。
①モソロフの初期の作品は外れが少ないですね。この四重奏は全部で4楽章ありますが、インレイの表記だと第1楽章だけ15分で第2~4楽章はそれぞれ2・3分と短いアンバランスな構成ですが、どうもこのCDはトラックの付け方間違っているようです。トラック2がアダージョと書いてありますがどう聴いても猛烈なテンポです。
ネットで調べてみたらYou Tubeで譜面と連動してこの演奏を聴けるすばらしいのがありました。それによるとトラック1の初めの10分くらいが第1楽章Andante agitao、あとの5分くらいが第2楽章Adagio、トラック2が第3楽章のScherzoで、トラック3と4が第4楽章Allegro molto risolutoでトラック4はLargoになって落ち着いてます。
第1楽章。陰気にゆったりと始まったかと思ったら、テンポ無視したようなヴァイオリンが下降音型を引き出して、やがてショスタコの第3交響曲のような感じでヘンテコな感じで躍動的になります。その後も陰気と変な躍動感が入れ替わっていきます。途中スルポンで叫んだり、楽器を叩くような音が聴こえたり、狂乱のスピード感になったり、結構面白いです。終わり方はスキタイ組曲の一曲目みたいです。
第2楽章(トラック1の後ろ5分)。ゆったりとした歌で始まりますが、すぐにリズミカルになり機関車のようにチェロとヴィオラがリズムを刻む上でヴァイオリンがひたすらフラジオレットで弾いたりして面白いです。再びゆったりに戻りますが、ゆったりだけではなく一筋縄ではいきません。音響が色々工夫されていて面白いです。
第3楽章(トラック2)。速いテンポですがスピードが増してききます。ひねくれたスケルツォです。ふざけてるようで恐い感じがします。
第4楽章(トラック3)。いきなり猛スピードで走り出します。かと思いきや急に落ち着いたりしますが、基本激しく暴れています。(トラック4)に入るとラルゴになって時計のように規則正しい伴奏にヴァイオリンが歌います。不気味な夜の静けさを感じさせる作品ですが、最後にはちょっとビックリ。
尖っている時のプロコフィエフのような作品で、これはなかなか素晴らしかったです。
②ロスラヴェッツは今まで面白い曲に会わなかったような気がします。晦渋なイメージですね。これらの作品はどうでしょう?
第1番は11分弱の単一楽章。
モニャモニャと始まりますがすぐにスピード感が出てきます。印象的な三連符が出てきたり、盛り上がると冷たいけどメロディックになったりもします。冷たいバルトーク的な感じです。同じ主題が戻ってきたりしてどうもソナタ形式っぽい感じがします。コーダではテンポが上がって激しく終わります。
そんな感じなのでモダンだけど、ぶっ飛んでるというよりアカデミックな感じがします。
③こちらも単一楽章ですが11分弱です。やはり第1番と似た雰囲気のバルトーク的な感じがです。
最初はユニゾンで始まりますが、すぐにヒラヒラコリコリします。冒頭のユニゾン音型でフーガぽいことやったりして展開しています。やはりソナタ形式ぽくて意外と古典的なフォルムです。
④急に音質が変わってちょっと驚きます。第1楽章はやたらユニゾンが多く斬新な楽章。トレモロや「キェッキェッ」などキツい音出てます。
第2楽章。高音がチリチリなってるなかチェロから始まります。トリルとピチカート重ねたりすりサウンドがやはり斬新。コル・レーニョや弓を弾ませたり面白いサウンドが続きます。
第3楽章。緩徐楽章だけど、やはりふざけてるようでもあり、ユニゾンが多かったりとてもユニーク。
第4楽章はゆったりと始まります。ヴァイオリンが寂しげに歌いますが、何か起こりそう。続いてユニゾンでファンファーレ風音型が出てきてアレグロになり列車が走るようなスピード感になります。ヴァイオリンが高音で歌ったりしてカッコいいですが、すぐにゆったりに戻り不気味に消えていきます。
①④★★★★☆(尖ってて面白い!)
②③★★★☆☆(モダンなカルテットでなかなか素晴らしい)
というわけでこの「ロシア未来派の音楽」全5枚聴いてみたけど、室内楽やピアノのほうが本領発揮のトゲトゲした音楽で面白かったです。最初に第2集の2枚を聴いたときのガックリ感は他ではありませんでした。でもこのモソロフのカルテットのトラック間違いには悩まされましたが。
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①モソロフ:弦楽四重奏曲第1番
②ロスラヴェッツ:弦楽四重奏曲第1番
③ロスラヴェッツ:弦楽四重奏曲第3番
④クニッペル:弦楽四重奏曲第3番
ノヴォシビルスク・フィルハーモニー弦楽四重奏団
録音:①-③1994年5月、④1996年10月、ノヴォシビルスク・フィルハーモニック・レコーディング・スタジオ
(ARTE NOVA 74321 48723の5枚中5枚目)
今頃になって聴いてきたARTE NOVAのロシア未来派の音楽ですが、最後の1枚になりました。モソロフにロスラヴェッツ、クニッペルと興味をそそる作曲家達の弦楽四重奏曲です。
①モソロフの初期の作品は外れが少ないですね。この四重奏は全部で4楽章ありますが、インレイの表記だと第1楽章だけ15分で第2~4楽章はそれぞれ2・3分と短いアンバランスな構成ですが、どうもこのCDはトラックの付け方間違っているようです。トラック2がアダージョと書いてありますがどう聴いても猛烈なテンポです。
ネットで調べてみたらYou Tubeで譜面と連動してこの演奏を聴けるすばらしいのがありました。それによるとトラック1の初めの10分くらいが第1楽章Andante agitao、あとの5分くらいが第2楽章Adagio、トラック2が第3楽章のScherzoで、トラック3と4が第4楽章Allegro molto risolutoでトラック4はLargoになって落ち着いてます。
第1楽章。陰気にゆったりと始まったかと思ったら、テンポ無視したようなヴァイオリンが下降音型を引き出して、やがてショスタコの第3交響曲のような感じでヘンテコな感じで躍動的になります。その後も陰気と変な躍動感が入れ替わっていきます。途中スルポンで叫んだり、楽器を叩くような音が聴こえたり、狂乱のスピード感になったり、結構面白いです。終わり方はスキタイ組曲の一曲目みたいです。
第2楽章(トラック1の後ろ5分)。ゆったりとした歌で始まりますが、すぐにリズミカルになり機関車のようにチェロとヴィオラがリズムを刻む上でヴァイオリンがひたすらフラジオレットで弾いたりして面白いです。再びゆったりに戻りますが、ゆったりだけではなく一筋縄ではいきません。音響が色々工夫されていて面白いです。
第3楽章(トラック2)。速いテンポですがスピードが増してききます。ひねくれたスケルツォです。ふざけてるようで恐い感じがします。
第4楽章(トラック3)。いきなり猛スピードで走り出します。かと思いきや急に落ち着いたりしますが、基本激しく暴れています。(トラック4)に入るとラルゴになって時計のように規則正しい伴奏にヴァイオリンが歌います。不気味な夜の静けさを感じさせる作品ですが、最後にはちょっとビックリ。
尖っている時のプロコフィエフのような作品で、これはなかなか素晴らしかったです。
②ロスラヴェッツは今まで面白い曲に会わなかったような気がします。晦渋なイメージですね。これらの作品はどうでしょう?
第1番は11分弱の単一楽章。
モニャモニャと始まりますがすぐにスピード感が出てきます。印象的な三連符が出てきたり、盛り上がると冷たいけどメロディックになったりもします。冷たいバルトーク的な感じです。同じ主題が戻ってきたりしてどうもソナタ形式っぽい感じがします。コーダではテンポが上がって激しく終わります。
そんな感じなのでモダンだけど、ぶっ飛んでるというよりアカデミックな感じがします。
③こちらも単一楽章ですが11分弱です。やはり第1番と似た雰囲気のバルトーク的な感じがです。
最初はユニゾンで始まりますが、すぐにヒラヒラコリコリします。冒頭のユニゾン音型でフーガぽいことやったりして展開しています。やはりソナタ形式ぽくて意外と古典的なフォルムです。
④急に音質が変わってちょっと驚きます。第1楽章はやたらユニゾンが多く斬新な楽章。トレモロや「キェッキェッ」などキツい音出てます。
第2楽章。高音がチリチリなってるなかチェロから始まります。トリルとピチカート重ねたりすりサウンドがやはり斬新。コル・レーニョや弓を弾ませたり面白いサウンドが続きます。
第3楽章。緩徐楽章だけど、やはりふざけてるようでもあり、ユニゾンが多かったりとてもユニーク。
第4楽章はゆったりと始まります。ヴァイオリンが寂しげに歌いますが、何か起こりそう。続いてユニゾンでファンファーレ風音型が出てきてアレグロになり列車が走るようなスピード感になります。ヴァイオリンが高音で歌ったりしてカッコいいですが、すぐにゆったりに戻り不気味に消えていきます。
①④★★★★☆(尖ってて面白い!)
②③★★★☆☆(モダンなカルテットでなかなか素晴らしい)
というわけでこの「ロシア未来派の音楽」全5枚聴いてみたけど、室内楽やピアノのほうが本領発揮のトゲトゲした音楽で面白かったです。最初に第2集の2枚を聴いたときのガックリ感は他ではありませんでした。でもこのモソロフのカルテットのトラック間違いには悩まされましたが。
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