クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家K > Kokkonen

bis0468コッコネン(1921-96):
①交響的スケッチ(1968)
②チェロ協奏曲(1969)
③交響曲第4番(1971)

オスモ・ヴァンスカ(指揮)ラハティ交響楽団
②テレイフ・テデーン(チェロ)
録音:1989年11月27-29日、ラハティ十字架教会
(BIS CD-468)
この録音はBISのコッコネン・サイクルの第1集で、なんと作曲家立会いの録音だそうです。

①1曲目「ラメント」。サスペンド・シンバルのクレッシェンドから葬送行進曲風になります。暗くヒンヤリしたトーンがなかなかよろしい。
2曲目「ペッツォ・ジョコーソ」。ウォルトンの交響曲のスケルツォ楽章のようです。スピード感がありヒラヒラしていますが、やはりクールな感じがカッコいいです。
3曲目「レリジョーソ」。バルトーク的不気味な静けさで始まります。雰囲気豊かに盛り上がり、引いていきます。

②第1楽章。
ちょっとした序奏から難解な雰囲気のチェロ独奏がゆったりしたテンポで始まります。とらえどころのないメロディは12音技法かな?しばらくするとアレグロになりますが、やはりとらえどころがない感じです。オケはスネアやティンパニがドカドカと盛り上がります。カデンツァもあります。
第2楽章。軽やかな3拍子です。フルートやハープで幻想的に始まり、チェロの独奏も軽やかに始まります。後半はスピード感ある6拍子になります。
第3楽章。陰鬱な感じで始まります。低音のハープがマーラーやショスタコを相起させます。しだいに明るくなって終わり前には輝かしく盛り上がります。
第4楽章はまるまるカデンツァ。暗く始まり明るくなってきて次の楽章に続きます。
第5楽章。軽快に動き回り、プロコフィエフ的な感じがしますが、あっという間に終わります。

③第1楽章。
チーンと鉄琴がなったあと、ちょっとマーラーの巨人ぽい弦のフラジオレットから、ゆったりとした現代的な音楽になります。やがてシベリウスっぽい暗くウェットな感じになります。しばらくするとちょっとテンポがあがり、乾いた感じのアメリカもののように派手にドカドカと盛り上がっていきます。やがて落ち着き再びウェットな感じに戻ります。
第2楽章。
始めは小物打楽器が色々出てきてバルトーク風の密やかな感じですが、やがてドカドカとカッコいいスケルツォになります。
第3楽章。
何かが起こりそうなティンパニのクレッシェンドから陰気な静けさになります。オーボエやファゴットの独奏はちょっとだけショスタコを思い起こさせます。そこから葬送の雰囲気になり、激昂したり沈んだりして進んでいきます。
第4番は3楽章構成で、見通しもよくだいぶ分かりやすい作品でした。雰囲気も良いのですが、もう一つ何かが欲しい感じもします。

①★★★☆☆(モダンで結構楽しめます)
②★★☆☆☆(良いのですが、第1楽章がちょっと面倒)
③★★☆☆☆(悪くないけど、もう少し何かほしい)

コッコネンは交響曲とカップリングで4枚聴きました。聴いてる間はそれなりですが、正直聴き終わってからはあまり思い出せないような感じでした。シベリウス以降のフィンランドの重要な作曲家ってホントかなあ。

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bis0508コッコネン:
①交響曲第3番(1967)
②オプス・ソノルム(1965)
③レクイエム(1981)

ウルフ・セーデルブロム(指揮)ラハティ交響楽団
③ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)、ワルトン・グロンロース(バリトン)、サヴォリナ・オペラ・フェスティヴァル合唱団
録音:1991年5月16-23日ラハティ十字架教会
(BIS CD508)
①交響曲第3番も4つの楽章ですが、全体で20分半と短めの交響曲です。
第1楽章「アンダンテ・ソステヌート」。(5:18)
ハープとクラリネットか何かのユニゾンで独特のサウンドで始まります。ティンパニやスネアが出てきて密やかだけどザワザワしています。しばらくはゆったりしていて、鳥の鳴き声のようだったり何か色々な雰囲気を感じます。やがてマーチ風になったり、盛り上がりますが密やかに終わります。
第2楽章「アレグロ」。(2:52)
トランペットの不穏な感じで始まるスケルツォ。スネアや木琴など活躍します。後半はドカドカと結構盛り上がりますが、終わりはやはり静かになります。
第3楽章「アレグレット・モデラート」。(3:46)
やはり密やかな緩徐楽章。コル・レーニョとか印象的。やがてテンポも上がってちょっと元気になります。といっても密やかがベースですが。
第4楽章「アダージョ」。(8:49)
ゆったりしていて、この楽章だけちょっと長い。ザワザワとした不安な感じで始まります。ティンパニのグリッサンドが怖い。やがて不穏な感じで盛り上がり爆発します。続いてゆったりしたファゴットで始まり、陰気な感じで進みます。チューブラ・ベルやヴァイオリン独奏なんかも出てきます。やがてピアノなどが出てきてテンポ感が無くなっていきます。やはり「夜の騎行と日の出」風になりますが、最後はクレッシェンドで終わります。
第3交響曲は第1番や第2番に比べだいぶ楽しめました。

②このオプス・ソノルムはJean Sibeliusの名前からとった5つの音が曲の中心モチーフだそうですが、意味がよくわかりません。
第1楽章「モデラート」。(3:29)
現代音楽風の断片的な感じで始まりますが、やがて厳しく盛り上がります。面白いような面白くないような。
第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ」。(4:56)
やはり現代音楽風な密やかで不安な感じで始まります。やがてテンポ感が出てきます。さらに進むと金管がバリバリ鳴ったりします。
第3楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」。
アレグロですが暗い。結構盛り上がり、最後だけ長調になります。バルトークを更に難解にした感じ。

③1「レクイエム」(7:29)
伸ばし中心の暗い序奏から半音階的な合唱とソリストが交代していきます。さらに進むと神秘的な雰囲気になり鉄琴など入って雰囲気豊かで美しい。やがて盛り上がり「ハレルヤ」なんて歌っちゃったりします。
2「キリエ」(2:45)
速いテンポでティンパニなど荒れ狂う暗く激しいキリエです。しかし、最後は輝かしく盛り上がります。
3「トラクトゥス」(5:12)
穏やかな感じの綺麗な合唱です。しばらくするとティンパニや金管が凶暴に鳴り、恐ろしげな音楽になりますが、やがて落ち着きを取り戻します。
4「ドミネ・イエス・クリステ」(3:36)
3拍子だけどちょっと落ち着いたマーチ風。やがて不安に盛り上がりますが、やはり落ち着きます。
5「ホスティアス」(2:10)
速いテンポでファンタジックな感じ。女声合唱が綺麗。
6「サンクトゥスとベネディクトゥス」(3:33)
ティンパニがドカドカいって始まります。速いテンポて明るく力強い感じで始まります。ちょっとポピュラー音楽風。ソリストが出てくるとちょっと落ち着きますが、最後はやはりドカドカ。
7「アニュス・デイ」(4:28)
ゆったりと落ち着いています。ソプラノの独唱が綺麗です。
8「イン・パラディスム」(2:59)
穏やかです、半音階的なたゆたうような動きが美しい。
9「ルクス・エテルナ」(5:02)
鳥の鳴き声のようなピッコロや鐘の音が天国的。穏やかで神秘的で美しい音楽です。

①③★★★☆☆(だいぶ楽しめました)
②★★☆☆☆(ちと難しい)

コッコネン聴いてきて、ようやく交響曲で楽しめました。レクイエムも真摯な作品で聴きこめばもっとよくなるかもしれません。

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bis0498コッコネン:
①開式
②交響曲第2番
③歌劇「最後の誘惑」から間奏曲集
④カンタータ「エレクテイオン」

オスモ・ヴァンスカ(指揮)ラハティ交響楽団
④サトゥ・ヴィハヴァイネン(ソプラノ)、ワルトン・グロンロース(バリトン)、アカデミック・コラール・ソサエティ
録音:①-③1991年1月3-5日、④1990年11月22-23日、ラハティ十字架教会
(BIS CD-498)
コッコネン2枚目です。このアルバムは今や巨匠のヴァンスカによる演奏です。

①オーボエの伸ばしから徐々に拡がっていきます。現代的なサウンドで不安げな感じです。やがて動きが出てきたりします。ちょっとシベリウスの4番のような雰囲気もあります。最後はちょっと明るめの方向で盛り上がります。面白いような面白くないような8分40秒。

②第1楽章アダージョ・ノン・トロッポ。
一瞬「魔法使いの弟子」か、というような始まりです。透明感があるけど調性があるようなないような聴きにくい音楽になります。アタッカで第2楽章に入ります。
第2楽章アレグロ。
ちょっとヒンデミットのアレグロ風です。ホルンが吼えたりしてなかなかカッコいいところがあります。中間部はちょっと落ち着きます。最後は力が抜けていきます。
第3楽章アンダンテ。
じっとりとした空虚な感じの緩徐楽章。やはり調性はあるようなないような。ハープや弦の刻みが綺麗なところもあります。結構凶暴に盛り上がります。アタッカで次の楽章に入ります。
第4楽章アレグロ・ヴィヴァーチェ。
暗くてチャカチャカとして面白い。結構金管も激しくて、これは良いと思っていると、パッと静かな音楽になり、そのまま尻切れとんぼ的に終わります。
全体に無調に片足突っ込んだ愛想のないヒンデミットといった感じです。

③コッコネンの代表作であるオペラからの間奏曲集です。
1曲目モデラート。
激しい嵐の雰囲気です。後半は木琴やチェレスタ、ハープなどが出てきて幻想的。
2曲目アレグレット。
ちょっとユニークな感じのスケルツァンド風。ウッドブロックなんかも入ってジワジワと盛り上がります。
3曲目アレグロ。
密やかに不安な感じで動き回ります。やがて元気が出て盛り上がってきますが、チャカチャカした感じは変わりません。クライマックス後にドラがドーンとなり、鎮まるとアタッカで次の曲に続きます。
4曲目アンダンテ。
ゆったりしたシベリウスの「夜の騎行と日の出」の日の出風な曲です。最後の不協和音とチーンは印象的です。
オペラの間奏曲ということで、交響曲に比べだいぶ楽しめる作品でした。

④1曲目「エレクテイオン」。
ゆったりしたイントロからバリトンが歌い出し、続いて美しい合唱になり、他のソリスト達も参加してきます。荘厳な印象です。
2曲目「形状」。
ちょっとテンポが上がります。合唱がちょっと明るくなります。途中念仏のようなバリトンがありますが、活気が出てきます。最後はマーチ風になります。
3曲目「成人の踊り」。
6拍子のような5拍子のような8拍子のようなユニークな踊りです。バスの低音から徐々に拡がっていくところなど面白い。
4曲目「この国」。
オーボエとバリトン独唱が一緒に歌い始めます。これがソリストや編成を代えながら繰り返していき、最後にクライマックスに達して終わります。

①②★☆☆☆☆(あまり面白いものではない)
③④★★★☆☆(結構面白く聴けた)

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bis0485コッコネン(1921-96):
①弦楽のための音楽(1957)
②歌曲集「鳥達の冥界」(1958)
③交響曲第1番(1958-60)

ウルフ・セーデルブロム(指揮)ラハティ交響楽団
②モニカ・グロープ(メゾソプラノ)
録音:1990年5月28-31日ラハティ十字架教会
(BIS CD485)
突然ですが、コッコネンです。BISレーベルのコッコネン・サイクルで持っていなかった2枚を中古で入手したものでせっかくなので手持ちのものも合わせて聴いてみることにしました。それにしても初めて買ってから20年くらいたってるかな?気の長い話です。
コッコネンはシベリウス以後の最も重要なフィンランドの作曲家と言われてますが、その割に演奏されないし、2枚ほどCD持ってましたが、私の印象も薄かったです。

①弦楽のための4楽章の作品。素気ないタイトルがバルトークっぽくて良いです。
第1楽章。
ヒンヤリとした静けさで始まります。テンポはモデラートでバルトークの何かの途中のような雰囲気です。段々声部が増えていきリズム感も出てきます。冷たい雰囲気で色々場面が移ろっていきますが、結構激しく盛り上がります。形式感は感じられない。
第2楽章。
速いテンポでチャカチャカした雰囲気のカッコいい楽章。やはりバルトーク系の冷たい感じです。コル・レーニョなんかも効果的に使われてます。中間部は時間が止まったようにまったりとしますが、今度はスル・ポンが怖いです。
第3楽章。
暗ーくじっとりとした緩徐楽章。しばらくヴァイオリンのソロが冷たく歌います。じわーっと盛り上がり、引いていきます。チェロのハイ・トーンなども綺麗で、暗いけど幻想的です。
第4楽章。
下降音型が繰り返されるなか賑やかな主題が奏されます。しばらくするとちょっと落ち着きますが、これがひたすら展開していき最後は賑やかに終わります。面白いです。

②こちらは管絃楽伴奏の歌曲です。どんな内容かは分かりません。
1曲目「完璧の世界で」。
軽やかな3拍子だけどどことなく不安げ。不安なクライマックスに達すると暗くゆったりになります。
2曲目「鳥達の冥界」。
低弦の不気味な動きで始まります。徐々に動きが出てきて不気味な歌が始まります。不気味だけど神秘的でもあります。
3曲目「雨」。
ちょっと動きがあるイントロがあり、歌が始まります。印象派風のたゆたうような音の動きが心地よい。最後は希望が出てくるような明るさになります。

③第1楽章。
冒頭は低弦の蠢きに管楽器が応えます。ゆったりしたテンポで押したり引いたりしていきます。盛り上がりますが、フォルテシモで激昂する感じではありません。暗いんだけど、調性が有るような無いような感じで何処か中庸な雰囲気です。
第2楽章。
アレグレットで、ヒンヤリとした肌触り。盛り上がっても強烈に叫ぶ程でもなく、落ち着いた静けさが全体を支配しています。
第3楽章。
突然腰の入った暗く激しい闘争的な音楽になり、驚きました。途中ちょっと落ち着きますが、再び盛り上がり、最後は激しいティンパニが出てきてアタッカで次の楽章に続きます。
第4楽章。
前の楽章の絶頂から静けさに戻っていきます。ヴァイオリンの独奏が結構頑張ります。徐々に盛り上がり、感動的な感じにもなりますが、最後は消えていくように終わります。シベリウスの「夜の騎行と日の出」の後半のような雰囲気です。
3楽章はなかなかですが、あとはイマイチよく分かりません。

①★★★☆☆(なかなか良くできた弦楽作品)
②③★★☆☆☆

何れの作品もバルトークやシベリウス、印象派などの影響が感じられ悪くないですが、ちょっと難解です。そんな中一曲目の弦楽作品が結構面白かったです。北欧の作曲家は伝統なのか、弦楽作品で良い曲作る人多いですよね。交響曲は第2番以降に期待したいです。

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