デュティユー:
①メタボール
②一つの和音の上で
③交響曲第1番
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)パリ管弦楽団
録音:①2013年4月30日、5月2日、②2012年11月7日、③2013年3月20-23日、サル・プレイエル(ライヴ)
(ERATO 0825646242443)
名門EMIレーベルの解散によってクラシック部門はWARNERに吸収されましたが、傘下だったフランスEMIとVIRGINは何と休眠状態だったERATOを名乗ることにしたみたいですね。旧ERATOファンだった私としては嬉しい気もするけど、フランスのエスプリ・シリーズやパーヴォ・ヤルヴィがERATOで出てくると違和感がありすぎですね。プラッソンなんかの再発はWARNERとERATOどちらで出るんでしょうね。
このCDもERATOのデュティユーというとミュンシュやバレンボイム、ロストロポーヴィチを思い出させ、さらに黒くなったERATOのロゴが妙に気になって買っちゃいました。
①「メタボール」はデュティユーの代表作ですね。CDもERATOからミュンシュ盤やロストロ盤が出てて持ってますが、すっかり忘れてました。久しぶりに聴きました。
1「呪いの」は木管が伸ばした和音と打ち込みが印象的。後半はちょっとヒラヒラしてきますが、シンプルで一貫して不気味な静けさを保ちます。
2「線の」は弦楽器が和音を受け継ぐように始まります。冷たく停滞していますがむせかえるようなロマンもあります。ヴィオラのソロ(だと思う)が出てきます。
3「強迫観念」はちょっとリズミカルになりコントラバスのソロのピチカートを受けて管楽器やティンパニも出てきます。点描的にカッコよく盛り上がります。終盤は三連符に色んな打楽器が絡みます。
4「無気力な」は鎮まりますが不気味な打楽器群が中心です。管楽器やコントラバスが音を伸ばしています。
コル・レーニョの弦の合図で5「燃えるような」に入りヒラヒラ、チャカチャカと盛り上がってきます。スピード感が出てきてヴァイオリンのソロなども登場すると冒頭音型がもどりつつ最後の熱狂に行き着きます。
一貫して冷たい音楽ですが最後の盛り上がりには興奮させられます。
②ヴァイオリンを独奏楽器にフィーチャーした作品。若いムターのためにおじいちゃんのザッハーが委嘱した、といううまく時代の境目にできあがった作品ですね。
ヴァイオリン独奏のピチカートで始まります。陰気で無調音楽風ですが、ドビュッシーのような響きでもあります。しばらくするとテンポがあがら光が点滅するような眩しく目まぐるしい音楽になりますが、すぐに、落ち着きチェロの独奏と絡んだりします。5分くらいからテンポがあがり躍動的になります。しかし一通り盛り上がると元の静かな音楽に戻り、そこからフィニッシュに向かって盛り上がってきますがちょっと中途半端な感じで終わります。
無調的ですが、ドラマがあって取っつきやすいと思います。
③第1楽章。コントラバスのピチカートから静かに始まります。これがオスティナートとなって繰り返されていきます。その上にクラリネットが不気味に登場。徐々に楽器が広がっていきます。クラリネットのトリルなんかは「妖怪人間ベム」の音楽を彷彿させます。激しくなってオスティナートをティンパニがやったりしてカッコいいです。その後オスティナートがなくなって展開していきます。最後でようやく落ち着きます。
第2楽章もコントラバスのピチカートで始まりますがすぐにテンポがあがり陰気なスケルツォになります。スピード感ある六連符がカッコいいです。動き回るハープやチェレスタ、ピアノが幻想的。暗くチャカチャカしてたのに最後が長調になるのはちょっとビックリ。
第3楽章はじっとりしたチェロの重奏で始まります。主題はヴァイオリンに移り、透明感のあるやはり不気味な静けさです。途中、リズム打ちもあって推進力が出てきます。
第4楽章は冒頭フルオケで悲劇的だけどどこか空虚にジャンジャンなります。続いてカッコよく猛スピードで走り出します。何となくバルトークによっていきそうで離れようとする感じです(笑)。とにかくスピード感がカッコいいです。躍動的で激しかったり、静かになるとスキタイ組曲っぽかったり、なかなか素晴らしい。
モダンなオーケストレーションも冴え渡り、ストラヴィンスキーやバルトークの正式な後継者っぽい音楽ですね。
①★★★★☆(なかなか素晴らしい)
②★★★☆☆(ちょっと難解ですが、短いしドラマティック)
③★★★★☆(こちらもなかなか素晴らしい)
いずれもパーヴォ・ヤルヴィの演奏は精密でありながらダイナミック。現代的な名演だと思います。メタボールはミュンシュやロストロさんの旧盤も聴いてみようかと思います。
①メタボール
②一つの和音の上で
③交響曲第1番
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)パリ管弦楽団
録音:①2013年4月30日、5月2日、②2012年11月7日、③2013年3月20-23日、サル・プレイエル(ライヴ)
(ERATO 0825646242443)
名門EMIレーベルの解散によってクラシック部門はWARNERに吸収されましたが、傘下だったフランスEMIとVIRGINは何と休眠状態だったERATOを名乗ることにしたみたいですね。旧ERATOファンだった私としては嬉しい気もするけど、フランスのエスプリ・シリーズやパーヴォ・ヤルヴィがERATOで出てくると違和感がありすぎですね。プラッソンなんかの再発はWARNERとERATOどちらで出るんでしょうね。
このCDもERATOのデュティユーというとミュンシュやバレンボイム、ロストロポーヴィチを思い出させ、さらに黒くなったERATOのロゴが妙に気になって買っちゃいました。
①「メタボール」はデュティユーの代表作ですね。CDもERATOからミュンシュ盤やロストロ盤が出てて持ってますが、すっかり忘れてました。久しぶりに聴きました。
1「呪いの」は木管が伸ばした和音と打ち込みが印象的。後半はちょっとヒラヒラしてきますが、シンプルで一貫して不気味な静けさを保ちます。
2「線の」は弦楽器が和音を受け継ぐように始まります。冷たく停滞していますがむせかえるようなロマンもあります。ヴィオラのソロ(だと思う)が出てきます。
3「強迫観念」はちょっとリズミカルになりコントラバスのソロのピチカートを受けて管楽器やティンパニも出てきます。点描的にカッコよく盛り上がります。終盤は三連符に色んな打楽器が絡みます。
4「無気力な」は鎮まりますが不気味な打楽器群が中心です。管楽器やコントラバスが音を伸ばしています。
コル・レーニョの弦の合図で5「燃えるような」に入りヒラヒラ、チャカチャカと盛り上がってきます。スピード感が出てきてヴァイオリンのソロなども登場すると冒頭音型がもどりつつ最後の熱狂に行き着きます。
一貫して冷たい音楽ですが最後の盛り上がりには興奮させられます。
②ヴァイオリンを独奏楽器にフィーチャーした作品。若いムターのためにおじいちゃんのザッハーが委嘱した、といううまく時代の境目にできあがった作品ですね。
ヴァイオリン独奏のピチカートで始まります。陰気で無調音楽風ですが、ドビュッシーのような響きでもあります。しばらくするとテンポがあがら光が点滅するような眩しく目まぐるしい音楽になりますが、すぐに、落ち着きチェロの独奏と絡んだりします。5分くらいからテンポがあがり躍動的になります。しかし一通り盛り上がると元の静かな音楽に戻り、そこからフィニッシュに向かって盛り上がってきますがちょっと中途半端な感じで終わります。
無調的ですが、ドラマがあって取っつきやすいと思います。
③第1楽章。コントラバスのピチカートから静かに始まります。これがオスティナートとなって繰り返されていきます。その上にクラリネットが不気味に登場。徐々に楽器が広がっていきます。クラリネットのトリルなんかは「妖怪人間ベム」の音楽を彷彿させます。激しくなってオスティナートをティンパニがやったりしてカッコいいです。その後オスティナートがなくなって展開していきます。最後でようやく落ち着きます。
第2楽章もコントラバスのピチカートで始まりますがすぐにテンポがあがり陰気なスケルツォになります。スピード感ある六連符がカッコいいです。動き回るハープやチェレスタ、ピアノが幻想的。暗くチャカチャカしてたのに最後が長調になるのはちょっとビックリ。
第3楽章はじっとりしたチェロの重奏で始まります。主題はヴァイオリンに移り、透明感のあるやはり不気味な静けさです。途中、リズム打ちもあって推進力が出てきます。
第4楽章は冒頭フルオケで悲劇的だけどどこか空虚にジャンジャンなります。続いてカッコよく猛スピードで走り出します。何となくバルトークによっていきそうで離れようとする感じです(笑)。とにかくスピード感がカッコいいです。躍動的で激しかったり、静かになるとスキタイ組曲っぽかったり、なかなか素晴らしい。
モダンなオーケストレーションも冴え渡り、ストラヴィンスキーやバルトークの正式な後継者っぽい音楽ですね。
①★★★★☆(なかなか素晴らしい)
②★★★☆☆(ちょっと難解ですが、短いしドラマティック)
③★★★★☆(こちらもなかなか素晴らしい)
いずれもパーヴォ・ヤルヴィの演奏は精密でありながらダイナミック。現代的な名演だと思います。メタボールはミュンシュやロストロさんの旧盤も聴いてみようかと思います。