クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家K > Koch, Erland von

pscd710コック:
①北欧奇想曲 Op.26 (1943)
②交響曲第2番「シンフォニア・ダレカルリカ(ダーラナ交響曲)」 (1945)
③ヴィオラ協奏曲 Op.33(1946/1966)
④バレエ「シンデレラ」組曲Op.24(1942)

B.トミー・アンデション(指揮)
スウェーデン放送交響楽団
③ヨハンナ・ペーション(ヴィオラ)
録音①1998年6月5日、②1999年8月30日、9月1日、③2000年3月30-31日、④2000年8月15日、ベルワルド・ホール,ストックホルム
(PHONO SUECIA PSCD710)
BISで発売になったエルランド・フォン・コック(1910-2009)の交響曲第3,4番のアルバムが結構良かったので探してみたら交響曲第2番も出ていたので入手してみました。

①BIS盤にも入ってましたが、やっぱりカッコいいですね。冒頭のカラッとしたティンパニから引き込まれます。第2主題も綺麗です。民族的でテンション高い曲です。陽性でハイな感じはニールセンに通じます。

②第2交響曲は4楽章で31分強と第3や第4に比べ長めの作品です。
第1楽章。
低弦の陰気でゆったりした序奏から、アレグロ・モデラートに入ります。オーボエとチェロで始まる主題はちょっと神秘的な感じで良いほうにも悪いほうにも転びそうな雰囲気で。クラリネットが登場するとちょっと明るくなりますが、これらの主題でスウェーデン・ロマン派ぽく一通り展開します。展開部は密やかな感じで始まり、スネアなんかが入りますが、すぐ再現部になるような気がします。最後は序奏が戻ってきて静かに終わります。基本的に密やかな夜の雰囲気の楽章です。
第2楽章。
スケルツォ楽章。ちょっと民族的な感じで、おとなしめに始まりますが元気になります。第2主題はロマンティックな感じでチェロで始まります。第2主題で展開していき、コル・レーニョやフルートのフラッターなどで怪しい雰囲気になったりします。なかなかカッコいいスケルツォです。
第3楽章。
遠くへ呼びかけるようなホルンの独奏で始まります。次にオーボエの独奏が応えます。やがてしっとりと弦楽器が歌います。これがちょっと悲劇的に展開していきます。中間部はチェロでちょっと動きが出てきます。これもまた悲劇的に、しかし今度は激しく盛り上がります。
第4楽章。
密やかな感じでスタート。クラリネットがちょっととぼけた感じの主題を吹きます。リズムが面白く民族的に楽しく盛り上がります。続いて流麗な感じの第2主題が出てきます。これらで賑やかに展開していきます。
なかなか良くできた交響曲で楽しかったです。こういうロマンティックな交響曲はスウェーデンの伝統ですね。

③第1楽章。
低弦のピチカートに導かれておもむろにヴィオラが渋く歌い出します。第2主題は音域が低いけど、ちょっとヒロイックです。オケで展開するとロマンティックです。展開部も超絶技巧見せつけるというよりちょっとリズムが弾むみたいになってます。カデンツァもなく再現部になります。なかなかヴィオラらしくて渋くて良い音楽です。
第2楽章。
スケルツォです。リズムが弾んでいます。ちょっとだけヒンデミットの「画家マチス」ぽい。中間部はゆったりとしていて歌謡的。
第3楽章。
更にテンポがあがってヒロイックな感じでスタート。第2主題はちょっと流麗な感じになります。展開するとヴィオラの高音がちょっと苦しそうだったりします。ここで長めのカデンツァがあってコーダになります。カッコいいフィナーレです。

④バレエの「シンデレラ」といえばプロコフィエフが有名ですね。
1曲目「行進とゴシップ・ダンス」。
祝祭的なファンファーレに続き、ちょっと不思議な行進になります。いきなりフルートのフラッターなんかも聞こえます。やがてテンポがあがり小走りな感じになり、元気なサーカスの音楽みたいになります。
2曲目「夜想曲」。
イングリッシュ・ホルンからオーボエへとソロが受け継がれ、やがてフルートと弦楽による美くしい音楽になります。中間部はちょっと速いテンポになりハープのアルペジョに乗ってうっとりするような場面になります。
3曲目「ワルツ」。
優雅なワルツですが、音の動きがモダンで美しい。結構激しく盛り上がります。
これも聴き応えのある楽しい組曲でした。

①★★★★☆(やっぱりカッコいい)
②★★★☆☆(結構、耳を引きます)
③★★★☆☆(渋くてカッコいい)
④★★★★☆(楽しい)

と言うわけでコックの2枚目のディスクも結構楽しかったです。基本はやっぱりメロディストのようですが、オーケストレーションも冴えています。他にも何か出てきてらぜひ聴いてみようと思います。
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bis2169コック:
①交響曲第3番 Op.38 (1948)
②交響曲第4番 Op.51「シンフォニア・セリア(厳粛な交響曲)」 (1962)
③衝撃 (1964)
④北欧奇想曲 Op.26 (1943)

ペール・ハンマシュトレム(指揮)
スウェーデン放送交響楽団
録音①2011年5月、②③2013年6月、④2010年5月、ベルワルド・ホール,ストックホルム
(BIS CD2169)
エルランド・フォン・コック(1910-2009)はスウェーデンの作曲家。スペルはドイツ人ならコッホですね。メロディ重視の作曲家だそうなので、聴いてみることにしました。

①交響曲第3番は3楽章構成で23分半と規模の小さめな交響曲です。
第1楽章。
低弦がチャッチャカした感じからファゴットが主題を提示します。乾いた感じのヒンデミット風に進みます。しばらくするとテンポがゆっくりになり不安げな第2主題になります。展開部はチャッチャカのリズムにのって第1主題を中心に進んでいきます。ティンパニとスネアがなかなかカッコいいです。再現部(なのかな?)は第2主題が優しくなった感じです。コーダではチャッチャカに戻り、ハープが彩りをそえ、賑やかに終わります。やっぱりヒンデミット系です。
第2楽章。
チェロで始まり、弦楽による陰鬱な音楽になります。コントラバスの持続音が印象的です。次にオーボエで侘しいメロディが奏され木管で絡んでいき、金管に移っていきます。ティンパニの一打で弦楽に戻りますが、やがて悲痛に結構激しく盛り上がっていきます。盛り上がり方がやっぱりヒンデミットぽい。そんな中ハープのアルペジオが独特の色彩感を出しています。
第3楽章。
アレグロですが、また不安げなファゴットで始まります。やがてヒロイックな感じで盛り上がります。続いてチェロの流れるような主題が出てきて、金管や打楽器がぱりっとカッコよく盛り上がります。展開部は始めはコル・レーニョなんかも出てきてきますが、結構闘争的になります。やがて落ち着いてヴァイオリンとヴィオラ、チェロのトリオが綺麗な音楽を奏でたりします。最後はスピーディに激しく終わります。
全編にわたり、ヒンデミットっぽい感じで親しみやすく面白かったです。

②こちらも20分強の3楽章構成。
第1楽章。
始めはゆったりとしているけど不安が増していきます。第2主題は木管で付点のリズムが特徴的。ヒンデミットぽいスネアで躍動的に盛り上がり、やがて元のゆったりに戻ります。
第2楽章。
しっとりした、でもちょっと難解な感じで、夜の雰囲気で始まります。しばらくするとテンポがあがりスケルツォ的な第2主題になります。ザクザクした感じが映画音楽とかにありそう。すぐに元に戻りますが、緩徐な主題とスケルツォ的な主題でABABAのロンドになっていて面白い。
第3楽章。
速いテンポでザクザクと不安げな始まります。やがてゆっくりになり悲劇的になります。元の速いテンポに戻ると激しく盛り上がります。静まっていくときのティンパニのグリッサンドが面白い。やがてヴァイオリン独奏が綺麗に出てきます。最後は感動的に終わると見せかけて不気味な静けさに戻ります。

③「ジャジャーン」の後ゆったりしたメロディになりますが、背後のヒラヒラした木管が面白い。何だかやっぱり映画音楽みたいで親しみやすい。やがてスネアとティンパニで不安が増してきて、テンポが速くなります。速い6拍子でスピード感がありカッコいいです。激しく盛り上がった後、元の静けさに戻ります。

④いきなりティンパニ独奏で付点のリズム強打で始まります。その後も、付点のリズムに乗って旋律が出てきます。付点が終わると民謡調のちょっとゆったりした第2主題が出てきます。場面転換ではティンパニが大活躍。なかなかカッコよくて面白い。

①★★★☆☆(ヒンデミット系でなかなか良い)
②★★★☆☆(こちらは内向的だけど面白い)
③④★★★★☆(なかなか冴えてます!)

交響曲はどちらも盛り上がりますが、第3番はヒンデミットぽく外向的で第4番は内向的な感じで対照的でした。小品は冴えてて切れもあってなかなか素晴らしいですね。

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