mk417087「ロシアのピアノ協奏曲」
①バラキレフ(1837-1910):ピアノ協奏曲嬰ヘ短調Op.1
②リムスキー=コルサコフ(1844-1908):ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
③メトネル(1880-1951):ピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.33

イーゴリ・ジューコフ(ピアノ)
モスクワ放送交響楽団
①③アレクサンドル・ドミトリエフ(指揮)
②ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー(指揮)
録音:①③1973年、②1968年
(MEZHDUNARODNAYA KNIGA MK417087)
今はなき新世界レコードのオビ付きのメジドゥナロドナヤ・クニーガ盤を中古で入手。懐かしくてこの手のものはつい見つけたら買ってしまいます。
名手ジューコフによるロシアの単一楽章のピアノ協奏曲を集めた一枚です。

①まずはバラキレフから。13分半の作品です。
弱音でティンパニがトントンとなった後低弦が陰気に動き出しだんだん広がりフォルテでロマンティックで悲劇的な第1主題が奏されます。やがてクラリネットでちょっとホッとするような第2主題が出てきます。その後ピアノ独奏が登場。短調で激しく登場しすぐ第2主題になります。この辺りショパンぽい感じるもします。展開部はいかにもロシア・ロマン派でオケだけになったところはカッコいいし、ピアノはロマンティックに大活躍です。
コーダは明るい曲調になりめでたしめでたし。

②リムスキー=コルサコフのピアノ協奏曲もあまり演奏されませんね。14分40秒ほどの単一楽章です。
前の曲から続けて聴くと録音は古くさくなります。
ちょっとエキゾチックで賑やかな短いオケの序奏から民族的な断片が出てきてピアノが登場。ピアノがヒラヒラするなかちょっとロシア民謡風の断片が出たり消えたり。やがて強烈なピアノの強打からアレグロになりカッコよくなります。しばらくするとピアノによる優しい主題が登場します。左手のゆったりした分散和音が印象的。ここは緩徐楽章的な部分のようです。トランペットのファンファーレが聞こえると元気な音楽になります。明るく元気に盛り上がります。

③メトネルのピアノ協奏曲は3曲あって、ヤルヴィの全集(CHANDOS)を持ってた気がするのですが、探しても出てこないので気のせいだったようです。
いきなりドロップアウト多めのピアノのソロが登場しちょっとびっくり。でもその後はそんなにドロップアウトないです。
アルペッジョの中オケがロマンティックで激しい主題を奏します。この辺りラフマニノフぽい。次に流れるようや主題が出てきます。しばらく暗めの曲調で展開していきますが、やがて明るく輝かしくなります。その間ピアノはヴィルトゥオーゾ風に動き続けます。
9分くらいに落ち着いて次のパートに入ります。時折ピアノが激しくなりますがロマンティックな緩徐楽章的で綺麗です。
16分半くらいからテンポがあがりカッコよいパートになります。暗めから明るくて激しい音楽になります。ロマンティックで盛り上がってのトランペットなど決然としていてカッコいいです。ラプソディックに展開していきますが、最後はちょっとゆったりになって良い感じできてピアノが低音をダダーンと叩いて終わります。
Wikipediaによると単一楽章だけど提示部のあとは主題と変奏になって再現部になるそうですが、トラックが1つしかないし、聞いてるだけだとよくわかりませんでした。

①‐③★★★☆☆
バラキレフはショパン風、リムスキー=コルサコフはリムスキー=コルサコフ風(笑)、メトネルはラフマニノフ風と何れの作品もロマンティックで聴いている間は楽しいですが、終わるとあまり覚えてないパターンです。
ジューコフのピアノは流石で力強いし、クッキリしていて指も良く回るし素晴らしい。オケもロシア・オケらしいサウンドで気持ち良く、また引き締まっていて素晴らしい。

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村※ランキングです。良かったらクリックしてください!