クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家C > Chabrier

srcr9455①シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ファリャ:
②バレエ「恋は魔術師」
③祭りのためのファンファーレ
④「はかなき人生」~間奏曲と舞曲
⑤「三角帽子」第1組曲
⑥「三角帽子」第2組曲

レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
②マリリン・ホーン(メゾ・ソプラノ)
録音:①1963年1月21日、②③1976年11月29日、④1965年1月16日、⑤1964年11月23日、⑥1961年11月6日
(SONY CLASSICAL SRCR9455)
これまた中古で見つけたバーンスタインのファリャ(+シャブリエ)です。最近あまりに暑くて難しい曲や地味な曲を聴く気がおきなくて、昔のジャズや子門真人ばかり聴いてたのですが、クラシックでもこれならば聴けそうということで聴きました。

①まずはオマケのシャブリエです。
速めのイン・テンポで爽快です。最後は煽ります。楽しい曲ですね。

②洗練されたサウンドで推進力があり、これまた気持ち良く進行します。歌手はバティス盤ほどじゃないけど地声も駆使した歌い方です。速い舞曲はグイグイ進み、「魔法の輪」のようなゆったりの場面では思い切りテンポを落としてしっとり美しい。「火祭りの踊り」は伴奏の抑揚が大げさについていて、めちゃカッコいいです。もちろん歌は入ってません。チェロのソロも上手くて最後まで聴かせます。
オケは洗練されていて管楽器のソリスト達も達者です。フレージングも素晴らしくて鳴りもよく気持ち良い演奏です。

③三角帽子が始まったと思ったら違うファンファーレでビックリ。

④間奏曲の部分は結構もったいぶっていてクドいですね。でもスペイン舞曲が始まった時はゾクゾクします。素晴らしい。これまたいい曲です。

⑤「三角帽子」は全曲じゃなくて組曲です。
冒頭のティンパニやトランペットがもっさりしていて元気がないので心配になります。組曲なのでオレ!やカスタネットや歌がなくてちょっと寂しい。しかし本編はちゃんと充実したサウンドでホッとします。というか、ここからは快調で聴き入ってしまいます。

⑥第2組曲の最初はかなりの快速テンポでちょっとせかせかした印象。ハープがよく聞こえていて面白い。粉屋の踊りも中盤以降は速くなったり遅くなったり、結構自由です。最後の加速はカッコいい。組曲なのですぐ終曲になっちゃうのが残念。序奏はちょっと速めだけど踊りになるとゆったりテンポです。そこからの場面転換では速くなったり遅くなったりと、やはり自由自在。流石バーンスタインは役者だなあ、と思わせます。これはなかなか素晴らしい名演です!

①③★★★☆☆(なかなか良いです)
②④⑤⑥★★★★☆(素晴らしい)

こういった親しみやすい作品でのバーンスタインの雄弁な語り口は流石ですね。素晴らしいです。

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pocl9597シャブリエ:
①狂詩曲「スペイン」
②田園組曲
③楽しい行進曲
④歌劇「いやいやながらの王様」~スラヴ行進曲
⑤歌劇「いやいやながらの王様」~ポーランドの祭り
トマ:
⑥歌劇「ミニョン」序曲
⑦歌劇「レーモン」序曲
オーベール:
⑧歌劇「黒いドミノ」序曲
⑨歌劇「フラ・ディアヴォロ」序曲

エルネスト・アンセルメ(指揮)
スイス・ロマンド管弦楽団
録音:①-⑤1964年12月、⑥-⑨1960年5月
(LONDON POCL9589の12枚目)
ヤルヴィの「フランスの舞台音楽」を聴いたあとトマとかオーベールとかなかなか思い出すことないと思いせっかくなのでアンセルメのCDも聴いてみることにしました。カップリングがシャブリエなので聴きやすいし。

①有名な「スペイン」ですがのんびりムードが良い感じです。途中のトロンボーン・ソロのポルタメントが良い味だしてます。

②この曲の感想はヤルヴィやトルトゥリエで聴いてるのでそちら参照。
やはり昔ながらのフランス・オケでのんびりしたムードは良いですねえ。速いテンポの曲でもゆったりした気分になれます。3曲目の「木陰で」はヤルヴィ盤よりかなり遅くて印象が違います。後ろでさざめいてる中ゆったりした音楽がなってる印象です。
ヤルヴィとのタイミング比較
1.牧歌/2.村の踊り/3.木陰で/4.ワルツ・スケルツォ
アンセルメ 4:48/4:54/6:08/5:25
ヤルヴィ  4:06/4:46/4:10/6:11
ということで3曲目の「木陰で」やアンセルメがめちゃ遅いけど4曲目「ワルツ・スケルツォ」はヤルヴィが遅いです。

③ちゃんと楽しく行進してますが、ちょっと遅めで田舎風でハイテンション過ぎないのが良い。

④ヤルヴィ盤にも入っていた曲です。
曲はスラヴ舞曲だけどドヴォルザークにはないようなスピードある曲です。何となくスペインの踊りぽい。最後に向けて盛り上がります。

⑤ヤルヴィ盤の「祝祭ポロネーズ」と同じ曲です。
ヤルヴィに比べテンポがかなり遅い(というかヤルヴィが速すぎ?)。賑やかな序奏から3拍子になりますが、結構ためたりして踊りっぽくないけどワルツっぽい。

⑥トマと言えばこの曲といった感じでしょうか。
木管から始まるキレイな序奏があります。ハープの長いソロからホルンがゆったりした主題を奏します。その後の弦も美しい。今度はホルンの信号のような合図から3拍子の愉しげな場面になります。やがて激しく盛り上がって終わります。

⑦出だしはヤルヴィ盤とだいぶ印象が違って賑やかだけど落ち着いています。続く悲しげなメロディでヤルヴィと同じ曲だと確認しました(笑)。最後はいかにも初期ロマン派な感じで楽しく盛り上がります。

⑧何となくタイトルからロシア民謡を思い浮かべてしまいます。「黒き瞳」か。
ちょっと悲しげなアレグロで「ちゃーちゃーちゃーちゃーちゃらら」がしつこく出てきます。やがてチャカチャカしだした後、明るく軽やかになり終わりに向かいます。

⑨ヤルヴィ盤と同じくスネアで始まりますが、続いて弦楽四重奏でマーチが始まりだんだん編成が大きくなっていきます。ヤルヴィでは四重奏ではなかったです。

①-⑤★★★★☆(ちょっと鈍くさいのがうるさ過ぎず快適)
⑥-⑧★★★☆☆(やはり昔風の演奏で楽しい)

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chan8852①デュカス:ラ・ペリ
②デュカス:魔法使いの弟子
③シャブリエ:田園組曲
④シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮)アルスター管弦楽団
録音:1989年2月、6月、8月アルスター・ホール,ベルファスト
(CHANDOS CHAN8852)
今さらながら息子トルトゥリエのデュカス&シャブリエの名曲を入手。中古で状態の良くないのが激安(¥200とか!)だったので買ってみました。トルトゥリエのレパートリーはマルティノンやデュトワなどと被るものが多かったのであまり聴いたことなかったです。今まで持ってたのはヒンデミットとフローラン・シュミットくらいです。せっかくなので聴いてみようと思いました。

①有名なファンファーレですが、こんなに猛烈なテンポで攻撃的な演奏は初めて聴きました。続くバレエもアタッカで、というかファンファーレの残響が終わる前に弦楽の延ばしが始まります。こんなのも初めてです!耽美的なところは芳醇で美しいし、盛り上がると積極的に攻めていてかっこいいです!素晴らしい演奏でした。「魔法使いの弟子」しか知らないと気付きにくいけどデュカスも印象派の素晴らしい作曲家ですね。
②意外と控え目な序奏から、ファゴットのアレグロに入ると速めのテンポで進みます。その後は状況により突っ込んでみたり落ち着いてみたり、中々手が混んでいます。
③一曲目「牧歌」は「中央アジアの草原にて」みたいです。綺麗ですが物悲しい感じです。二曲目「村の踊り」は悲しい「楽しい行進曲」みたいです。中間部は朗らかです。三曲目「木陰で」は暑くも寒くもない秋のゆったりした午後の木陰といった感じです。四曲目「スケルツォ=ヴァルス」。なるほどスケルツォでワルツですね。シャブリエらしい陽性な3拍子の音楽です。トリオは力が抜けて良い感じです。
④暑苦しく演奏しようと思えばどこまでも暑苦しくなりそうなこの曲ですが、逆に速めのテンポでサラリと流すスマートでかっこいい演奏です。

①★★★★☆(これは素晴らしい!)
②③④★★★☆☆(いろいろやってますが、成功してたりそうでもなかったりかな)
知ってる人は知ってたのでしょうけどトルトゥリエ意外とやりますね。中古で出会ったらちょっかい出してみます。

chsa5122シャブリエ(1841-94):管弦楽作品集
①楽しい行進曲
②「グヴァンドリーヌ」序曲
③ハバネラ
④狂詩曲「スペイン」
⑤ラメント
⑥気まぐれなブーレ
⑦田園組曲
⑧喜歌劇「エトワール」より序曲、第2幕前奏曲、第3幕前奏曲
⑨喜歌劇「いやいやながらの王様」から「祝祭ポロネーズ」「スラヴ舞曲」
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)スイス・ロマンド管弦楽団
録音:2012年6月27-29日ヴィクトリア・ホール
(CHANDOS CHSA5122)
相変わらず精力的な父ヤルヴィ先生いつの間にかスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督だったんですね。で何故かシャブリエばかりの1枚を出してきました。

①シャブリエで「スペイン」の次に有名な曲。ノーテンキで楽しいけど巨大編成のオケが凄まじい。
②付点のリズムが特徴的な荒れた悲劇的な雰囲気で始まります。ティンパニがバンバン鳴ってカッコいい開始。しかし、徐々に変わっていき最後は輝かしく終わります。
③舟唄のような、たゆたうような優しく美しいハバネラです。
④これは超有名。よく聴くとオーケストレーションが結構凝ってます。演奏は速めのテンポで気持ちよくスイスイ進みますが(トロンボーンのソロもイン・テンポ!)、意外なところでリタルダンドかけたり、最後は猛烈に加速したり、と楽しいことになってます。
⑤雰囲気豊かな印象派風のゆったり虚ろな感じで始まります。中間部はだいぶ現実的になりますが最後は美しく消えていきます。
⑥一瞬「オルガン付き」かと思いました。ノリノリでしばらく進みます。途中R.シュトラウス風怪しい綺麗系になりますが最終的にノリノリです。
⑦一曲目「牧歌」はチーンとトライアングルのあと速歩きの「中央アジア」みたいな曲です。二曲目「村人の踊り」はクラリネットのソロで始まる民族舞曲風。決めのリズムが面白い。三曲目は伴奏速めのテンポを保っていますが旋律線は終始穏やかでゆったりしています。四曲目は三拍子の楽しい民族的な舞曲です。
⑧序曲は行進曲のような華やかな賑やかな雰囲気で始まります。ロマンティックなヴァイオリン独奏があったりします。最後に向けテンポも上がっていきます。第2幕前奏曲はシンバルがシャンシャン鳴ってる元気な踊り。第3幕前奏曲はちょっとしっとりしてますが、短い。ヨハン・シュトラウス系。
⑨「ポロネーズ」は打楽器群がバリバリ鳴って元気な前奏のあと、ちょっと異様な興奮気味の3拍子の舞曲になります。「スラヴ舞曲」ちょっとだけ長閑な感じの木管の序奏で始まりますが、テンションの高い3拍子の輪舞風な踊りになります。一応、中間部は少ししっとりした綺麗なパートになります。

★★★☆☆(アルバムとして。シャブリエは独特ですね)

1枚ぶっ通しで聴くとやかましい、というかなんというか聴き疲れしますね。しっとりした「ハバネラ」や「ラメント」とか編成の小さな「田園組曲」が凄いいい曲に聞こえます。でも賑やかな曲も1曲づつ聴けばいいですよ。
ヤルヴィとスイス・ロマンド管弦楽団はなりっぷりがいいです!

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