クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家R > Ravel

melcd1002338ラヴェル:
①亡き王女のためのパヴァーヌ
②「ダフニスとクロエ」第2組曲
③マ・メール・ロワ
④スペイン狂詩曲

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ソビエト国立交響楽団
録音:1975年3月15日モスクワ音楽院(ライヴ)
(MELODIYA MELCD10-02338)
スヴェトラーノフのライヴによるラヴェル作品集です。
ラヴェルはあんまり聴かないのですが、もちろんスヴェトラ先生目的で買いました(笑)。でもパヴァーヌやダフクロは結構好きです!

①ピアノ協奏曲のオマケに入っていたのと同じ演奏です。改めて聴くとゆったりしていて悪くないです。最後のホルンのアウフタクト引っ張るところなんか絶妙です!
前はホルンのヴィブラートに期待し過ぎて点数辛くつけたみたいなので、星一つ増やします。

②ラヴェルの作品では最も好きな曲です。でも第1組曲は聴きません。
「夜明け」の冒頭、木管が若干ギクシャクしてますが、かえって重量感あって面白い。徐々に盛り上がってフォルテになった時の暑苦しさもスヴェトラさんらしくて良いです。また肝心なところのアウフタクトを引っ張ったりする芸が素晴らしいですね。「パントマイム」の後半なんかもじっくりテンポを落としていて濃厚。「全員の踊り」は速いテンポで、ラストに向けての加速も凄くて爆発してます。

③ラヴェルはあまり聴かないのですが、この曲も一部を除いて何度聴いても覚えられません。
1曲目。静かです。
2曲目。綺麗な音楽ですが、音色がちと現実的すぎるかも。鳥の鳴き声は面白いですね。
3曲目。この曲は聞き覚えあります。中華風で良いです。
4曲目。綺麗に始まるけど、途中の不気味なファゴットが良いです。
5曲目。しみじみしてますねえ。ヴァイオリンの独奏なんかも綺麗です。最後の盛り上がりは知ってます。ジョン・ウィリアムズの映画音楽みたいです。最後の音スヴェトラさんは凄い伸ばしてます。
全曲聴いてみると雰囲気も良く悪くないけど、やっぱり3曲目以外は覚えられなそうです。

④この曲もあまり好みではないのですが、オマケで入っていることが多くて、良く聴きます。
序奏が終わって速い部分ではスヴェトラさんは重量感たっぷりでゆっくり演奏します。次のゆったりの部分も遅くて、最後の賑やかな部分では期待に違わぬ盛り上がりです。起伏が激しいです。

①★★★☆☆(星一つ増量)
②★★★★☆(何やら凄いです)
③★★☆☆☆(悪くないです)
④★★★☆☆(演奏は素晴らしい)

やっぱりスヴェトラーノフはいいですねえ!

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melcd1002160ラヴェル:
①ピアノ協奏曲第1番ト長調
②ピアノ協奏曲第2番ニ長調「左手のための」
③亡き王女のためのパヴァーヌ
④ラ・ヴァルス

ソビエト国立交響楽団
①ヤコフ・ザーク(ピアノ)
②アレクサンドル・スロボジャニク(ピアノ)
①③④エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
②ヴラディーミル・ヴェルビツキー(指揮)
録音:①1959年(モノラル)、②1978年、③1975年、④1982年
(MELODIYA MELCD10 02160)

ラヴェルは個人的にあまり相性がよくないようで楽しめる作品は少ないのです。でも好きな曲もありますよ、「ダフニスとクロエ」とか「展覧会の絵(?)」とか。
このアルバムはスヴェトラーノフを始めとするソ連勢が斜にかまえたこの作曲家をどのようにギャフンと言わせているかが聴きどころかと思い仕入れてみました。
このCDはちょっと変わっててラヴェルのピアノ協奏曲集ということで第1番、第2番という番号が振ってあります。さらに「パヴァーヌ」「ラ・ヴァルス」はボーナス・トラックという扱いになっています。

①これはあまり好きな曲ではないのですが、スヴェトラーノフがどう料理してるか楽しみにしてたのですが、協奏曲の伴奏ということもあり意外と地味でした。リズム感が固い感じは面白いです。音質はモノラルで古くさい感じなのですが聴きやすいです。
②ヒスノイズ多めですが、急に広がりの大きいステレオになってちょっと戸惑います。
こちらはピアノが登場する前、徐々に盛り上がるところですでにロシア・オケの魅力を見せつけます。ピアノが出てきてからも予想外(といっては失礼)の美しさです。
元気の良い中間部での威勢の良さはロシア・オケを聴く醍醐味ですね。ピアノも開放的で素晴らしい!
左手だけでこんなに弾けるの!?という長いカデンツァから終結のオケは大爆発!これは素晴らしい。
この曲だけスヴェトラーノフじゃないです。
③意外と大人しい(何を期待しとるんじゃ?)。ゆったり目のテンポで普通に綺麗です。ホルンのヴィブラートも昔のフランス・オケのほうが凄かったです。
④ライヴ録音なのですが、冒頭の会場のざわざわした感じは日本ではありえないですね。曲が始まってから観客がおとなしくなる感じです。
いまいちこの曲の面白さがわからない私でも金管打楽器が炸裂したり、ピッコロが狂暴だったりで色々楽しめました。
①★☆☆☆☆
②★★★☆☆
③★★★☆☆(2016.11.13★1個増量)
④★★☆☆☆
意外なことにスヴェトラーノフが振ってない左手のための協奏曲が一番面白かったです。

cdm5675972ラヴェル:
 ①ボレロ
 ②スペイン狂詩曲
 ③「ダフニスとクロエ」第2組曲
オネゲル:④交響曲第2番
シャルル・ミュンシュ(指揮)パリ管弦楽団
録音:①②③1968年9-10月④1967年12月
(EMI CDM5675972)
今さらながらミュンシュのラヴェルとオネゲル中古でたたき売りになっていたので仕入れました。ラヴェルは暑苦しさがちょっと苦手です。
①昔は好きな曲でしたが、今はあまり聴きたくない曲です。何故かというとネタバレしてる手品を何回も見せられてる気分になるからです。この演奏はゆったりしたテンポで良く歌ってますが、微妙にスネアがよたっててわざとかなあ、と思ったら終盤グッとテンポ・アップ。さすがはミュンシュ、一筋縄ではないですね。
②この曲もあんまり良さがわからないんです。スペイン風だけど、明らかにスペイン音楽ではない洗練に違和感を感じるからだと思います。でもこの演奏は楽しめました。でもやっぱり暑苦しい。
③ダフクロ聴くとほんとラヴェルて天才と思います。第2組曲はちょっと退屈な前半がないかわりにあっさりし過ぎですね。
④ミュンシュはオネゲルの第2番は得意としていたようで録音も他にボストン響とのモノラル録音(RCA)やフランス国立管とのライヴ(VALOIS)があります。第3番なんて意外なことにセッション録音がなくプラハでのライヴしかないのとは対照的ですね。
ミュンシュは第1楽章の序奏の独奏陣は自由に歌わせている感じですが、対照的にアレグロに入ってからは引き締めて脅迫めいて感じが恐ろしい。第2楽章も厳しい雰囲気の緩徐楽章を手綱を緩めることなく厳しく演奏。盛り上がってくると音も潰れ気味になることも相まって首を絞められてる気分です。第3楽章も任意のトランペットが出てくるまではホッとする間もありません。最後は明るく終わりますが、ずうっと脅迫されてたのにこのハッピーエンドでよいのか、という気分になりました。根暗な作品を容赦なく叩きつけてくる恐い演奏です。
①~③★★★☆☆(私のラヴェルに対しては最上級)
④★★★★☆(恐い、けど素晴らしい)

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