bis1822①コルンゴルド:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
②ドヴァリョーナス:悲劇的小品「湖のほとりで」
③ドヴァリョーナス:ヴァイオリン協奏曲ロ短調
ワディム・グルズマン(ヴァイオリン)
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)ハーグ・レジデンティ管弦楽団
録音:2009年6月アントン・フィリップス・ザール,ハーグ
(BIS BISCD1822)
コルンゴルド(1897-1957)はあんまり興味のない作曲家でして、何枚かCD聴いたけど深みが感じられずピンとこないものでした。このCDは珍しいリトアニアの作曲家ドヴァリョーナス(1904-72)がカップリングになっていたため買いました。恐らく今のところネーメ・ヤルヴィの最後のBISレーベルへの録音だし。ドヴァリョーナスは時代的にもソビエトの作曲家。ハチャトゥリアン、カバレフスキー、ショスタコーヴィチと同世代だし、隣国のエストニアにはトゥビン(1905-82)なんかもいます。という訳で一番興味のあるソビエト作曲家の世代ですね。

①コルンゴルドのヴァイオリン協奏曲はハイフェッツのために書かれアルマ・マーラーに捧げられたそうです。
第1楽章冒頭から「たりら~…」と特徴的な不思議な主題がヴァイオリン独奏で奏でられます。チャカチャカ系も若干ありますが、基本的にジワジワ系でラフマニノフやマーラー、映画音楽など色々連想させます。
第2楽章はロマンティックな緩徐楽章。
第3楽章はチャカチャカ系ですが何だかコープランドっぽい田舎の超絶ヴァイオリン弾きが弾きまくる感じです。元気にバカ騒ぎで終わります。なかなか楽しいけどアメリカ音楽!って感じですね。

②しんみりとしたちょっと民族的子守歌風のヴァイオリンの小品です。中間部はちょっとリズミカルになりますが、チャイコフスキー風短調に変わります。バカ騒ぎのコルンゴルドの後に聴くと染みるね~。

③メインのドヴァリョーナスのヴァイオリン協奏曲は第1楽章はゆったりした序奏から始まります。最初はホルンの印象的な独奏で始まり、静かでエキゾチックな雰囲気です。しばらくするとしみじみとしたヴァイオリン独奏が始まります。
アレグロに入るとチャカチャカとしたハチャトゥリアン風になります。第2主題はゆったりしてます。
カデンツァも含めちょっと都会的なハチャトゥリアンといった感じでカッコ良いです。
第2楽章は寂しげなクラリネット独奏で始まります。しみじみと歌う緩徐楽章。中間部はグリーグとかにありそうな民族舞踊風です。伴奏の刻みにコル・レーニョが使われたりします。
第3楽章は冒頭からフルオケでハイテンション。シンバルもバシバシなってます。ヴァイオリン独奏も民族に暴れまわっています。そのハイテンションのまま一気に駆け抜けます。
ちょっと都会的なハチャトゥリアンといった感じのカッコ良い協奏曲です。

①★★☆☆☆(コルンゴルドは苦労した割に深みがないような気がします)
②③★★★★☆(ドヴァリョーナスは結構いけてます。交響曲もあるみたいなので聴いてみたい!)