chan8646①シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレOp.52
②ブラームス:交響曲第3番Op.90

ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
ロンドン交響楽団
録音:1988年7月8‐11日セント・ジュード教会、ロンドン
(CHANDOS CHAN8646)
ブラームスはほとんど聴かないのですが交響曲第3番を演奏することになりまして、せっかくなのでヤルヴィの録音を聴いてみることにしました。

①まずは前プロでシューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」です。この作品は緩徐楽章のない交響曲のようなイメージでしたが、シューマン本人は交響曲じゃないと言っているようです。この作品は1841年の作品で交響曲第1番、第4番(初稿)、ピアノ協奏曲と同じ年ということで、シューマンはかなり充実してた時期ですね。
CDではガーディナー盤を持っていますが、あまりピンとこなかった作品です。
第1楽章 序曲(6:18)
序奏は切ない弦楽と劇的な低弦が対照的に始まり木管がロマンティックに出てくるけど短いです。アレグロになると第1主題は優しくてシューマンらしい。一通り盛り上がっての決めの音型は耳に残ります。第2主題は木管でほの暗く始まります。展開部は短くてすぐ再現部になります。コーダは明るく元気。
第2楽章 スケルツォ(4:06)
付点のリズムがしつこく続きます。トリオはちょっとゆったりになって優しくて良い感じです。最後はトリオのテーマでゆったり終わります。
第3楽章 フィナーレ(6:18)
これまたシューマンの交響曲のフィナーレらしく明るく爽快。展開で短調になっても爽やか。コーダでは聖歌風のメロディが出てきて、最後は元気に終わります。
という訳で久しぶりに聴きましたが、なかなか楽しい作品でした。緩徐楽章もないし、全体的に短い時間に凝縮されていて、とても聴きやすいです。

②ブラームスの交響曲第3番はアマ・オケではあまり演奏されず、私も他の交響曲は何度か演奏したことがありますが、第3番は1度しか演奏したことがありません。最後が静かに終わるというのもありますが、シンコペーションや変則的なリズムは結構難しいです。
第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ(14:18)
第1主題は結構伸び縮みがあって感情豊かです。第2主題ではメロディの繰り返しでエコーつけたり、フレージングが豊かにつけられています。提示部は繰り返しています。展開部は前のめり感が素晴らしい。落ち着いてからのホルンも表情豊か。再現前のクレッシェンドも凄い。第2主題再現の前のゆったりになるところは素晴らしい。
第2楽章 アンダンテ(8:54)
入念にフレージングつけされているけど、わざとらしい感じはなくて引き込まれます。
第3楽章 ポコ・アレグレット(6:35)
ゆったり始まったかと思いきや進んだり緩んだり、フレージングも大きく丁寧に歌っていきます。再現前のソット・ヴォーチェは素晴らしい!
第4楽章 アレグロ(9:16)
密やかに始まるけど、トロンボーンのクレッシェンドには痺れますね。その後もコントラストがカッコいい。第2主題のホルンとチェロはチェロのほうが大きく聞こえていいですね。展開前のラッシュも素晴らしい。エンディングのしみじみ感も味わい深い。
全体的にガッチリしたドイツ風とはちょっと違うけど、フレージング豊かによく歌い、金管は出す時は出す、といった感じで素晴らしかったです。この作品の自分のサンプル数は少ないですが、これはいいです。

①★★★☆☆(なかなか楽しい!)
②★★★★☆(結構素晴らしいのでは?)

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