su4044バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)BWV1007-1012
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
録音:1955年5月26-27日、ルドルフィヌム、プラハの春音楽祭ライヴ
(SUPRAPHON SU4044-2)
お正月のせいかわかりませんが、バッハの無伴奏チェロ組曲聴きました。ロストロポーヴィチ(1927-2007)が若いとき(28歳!)にプラハで行った全曲ライヴです。私はチェロを弾かせていただいてるのですが、大メジャー曲であるこのバッハの組曲はCDではロストロさんのEMIの92年録音しか持っていませんでした。EMIの録音はまあいいんですけどいかにも大人の演奏といった感じでなんだか枯れきったというか伸びちゃったというような印象でした。あんまり聴き比べてないのでエラそうなことは言えないんですが・・・。

組曲全体のタイミングをEMIの新盤と比べつつちょっと感想です。
①第1組曲はきびきびと元気よく胸のすく快演。
 旧14:12 新16:13
②第2組曲は短調で冷たく厳しい感じです。フォルテの力強さは素晴らしい。弱音部での重音のビブラートはちょっと苦しそう。
 旧17:41 新21:17
③第3組曲は朗らかな感じですね。引き締まってて良いですね。
 旧20:07 新23:49
④第4組曲は少し陰りがありますね。ロストロさんのチェロもすらすらと少し余裕のある感じです。
 旧22:11 新25:29
⑤第5組曲は暗いですねえ。こういう暗く力強い曲はロストロさん向きですね。
 旧23:50 新27:00
⑥第6組曲は淋しいですね。楽しげなガヴォットさえ陰があります。ロストロさんもお疲れなのか音がかすれること多いし、録音までヒスノイズが多めでちょっと聴き疲れしました。
 旧25:37 新33:32

こうやって書き出して初めて分かったのですが、番号が進むにつれ曲の長さが長くなっていくんですね。どうりで後に行くほど聴き疲れすると思いました。
とまあ、演奏時間を見るだけで正反対の演奏ですね。誰が何と言おうと私のチェロのスターはロストロポーヴィチなのでこの2種の演奏があればバッハの無伴奏は十分な気がします。
★★★★☆(最後のほうは疲れたけど素晴らしい曲と演奏)
それからこういった独奏曲はモノラル録音でもほぼ問題なしですね。モノラルかステレオかよりも音質のほうが重要になんですね。この録音も第6組曲以外はとても良かったです。