311110①スカルコッタス(1904-49):交響曲「オデュッセウスの帰還」(1942)
②カロミリス(1883-1962):交響曲 第1番「勇士」Op.21(1919)

ミルティアデス・カリディス(指揮)
①デンマーク放送交響楽団
②ORF交響楽団、ウィーン学友協会合唱団
録音:①1979年9月19日アテネ(ライヴ)、②1986年10月31日ムジークフェライン、ウィーン(ライヴ)
(KOCH SCHWANN 311110)
このギリシャの作曲家による交響曲集ですが、中古で見かけて買いそうになったんですが、持ってたような気もして確認したら、やはり持ってました。ということで相変わらず作品の記憶がないので改めて聞いてみました。

①この作品はこのCDでは単一楽章の交響曲となってますが、検索すると序曲となっていたりします。スカルコッタスはベルリンでヴァイルやシェーンベルクに学んだそうです。
第9の始まりっぽいけどリズミカルにスタート。緊張感がありだんだん盛り上がっていきます。調性はあるような無いような感じでシェーンベルク的です。ヴァイオリンやチェロのソロも活躍。その後は速くなったり落ち着いたりを繰り返していきますが、主題や形式感が感じられなく取りとめがないです。カッコいい瞬間もありますけど・・・。ストーリーがあるなら場面ごとのタイトルをつけてトラック割りしてくれれば聴きやすいのに、と思いました。(23:43)
あと左右のトラック逆みたいです。今さら誰にも文句言えないですが(笑)

②カロミリスはスカルコッタスより一世代前のギリシャの作曲家。ワーグナーとリムスキー=コルサコフをリスペクトしていたそうです。
第1楽章 マエストーソ・パテティコ(15:14)
映画が始まりそうな派手な序奏から伊福部ぽいカッコいいアレグロに突入。金管がカッコ良く序奏を思い出したりしつつ、だんだん落ち着いてしっとりした第2主題になります。これも派手に盛り上がります。次に再びテンポがあがり展開部になります。遅くなったり速くなったりタンバリンが出てきたりなかなか劇的で面白い。
第2楽章 レント(9:41)
ロマンティックな緩徐楽章。結構激しく盛り上がります。
第3楽章 スケルツォ、ヴィーヴォ(8:03)
いきなりジャカジャン!と激しくスタート。木琴が大活躍します。かなりハイな躁状態です。中間部はエキゾチック。
第4楽章 フィナーレ、マエストーソ(11:49)
壮大にスタート。鉄琴やら鐘やら鳴り響いています。ちょっと落ち着いたあと盛り上がって合唱が登場します。美しく祈るような場面から勇ましくなったりして劇的。最後は盛り上がりますが、ちょっとあっけないかも。盛大な拍手が入ってます。
流石ワーグナーとリムスキー=コルサコフを愛していただけあって、全楽章通してロマンティックでオーケストレーションも派手です。結構面白く聴けました。

①★☆☆☆☆(取りとめない、調性もない)
②★★★☆☆(スカルコッタスに比べかなり分かりやすい)

ということでスカルコッタスはあまり聴きたくないけど、カロミリスは機会があったら別の作品も聴いてみたくなりました。

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