クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家W > Wagner

mcd183ワーグナー:
①「タンホイザー」序曲
②「ローエングリン」第1幕への前奏曲
③「ローエングリン」第3幕への前奏曲
④「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」
⑤「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」
⑥「ジークフリート」より「森のざわめき」
⑦「マイスタージンガー」前奏曲
⑧「マイスタージンガー」第3幕への前奏曲
スヴェトラーノフ(指揮)ソビエト国立交響楽団
録音:1980年
(MELODIYA MCD183)
スヴェトラーノフのワーグナー集です。中古で珍しいものを発見したので入手しました。しかし、なんだかんだ言ってワーグナー買ってますね。大好きな指揮者ヤルヴィやスヴェトラーノフが演奏しているからなんですが、アンチ巨人も巨人ファンらしいので、私もワーグナー・ファンなのでしょうか。オペラは聴きませんが。

①なんといいますか至って真っ当な演奏です。ティンパニなんかもっと強く(収録し)ないと面白くないです。
②この曲は知らなかったです。カヴァレリア・ルスティカーナぽいですね。
③この曲は速いテンポでやたら攻撃的で面白い演奏。トロンボーンの大げさなクレッシェンドが面白い。
④盛り上がるとエコーの海に溺れていく感じです。
⑤スヴェトラーノフならもっと突き抜けた感じがほしいところです。
⑥タイトル通りの曲ですね。聴いたことのあるモチーフがたくさん出てきて馴染みやすいですね。この曲では人工的なエコーはあまり気になりませんでした。
⑦賑やかな曲ですね。私事ですが、そんなに好きではない曲なのに何度も演奏させられてウンザリな曲です。完全な逆恨みですいません。演奏も特に無し。
⑧エピローグに良い曲ですね。穏やかで長くない素敵な曲です。

★★☆☆☆(スヴェトラーノフにしては期待外れ)

スヴェトラーノフにしてはちょっと期待外れ。でも録音のおかしさが原因かと思われます。低音が少なく、特にティンパニが大人しくてつまらない。また後付けっぽい金属的なエコーが不快です。
以前イェダン・レーベルでもこのスヴェトラーノフのワーグナーは2枚に別れて出ており、MELODIYA以上の人工的なエコーと低音強調が気持ち悪かったのですが、元々エコーが付加されてるのに更にエコー追加したので気持ち悪くなってたんですね。
おそらくスヴェトラーノフのワーグナーを聴くならミュンヘン・フィルとのライヴが良いのでしょう。

chsa5097ワーグナー
①交響曲ハ長調 WWV.29
②交響曲ホ長調 WWV.35(オーケストレーション:モットル)
③感謝の行進曲 WWV.97(オーケストレーション:ワーグナー&ラフ)
④歌劇「リエンツィ」序曲WWV.49
⑤皇帝行進曲 WWV.104
ネーメ・ヤルヴィ指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
録音:2011年3月22日、⑤のみ2010年8月19日
(CHANDOS CHSA5097)
パパ・ヤルヴィのワーグナー・シリーズも第5弾。ヤルヴィとスコティッシュ・ナショナル管のレコーディング再開シリーズということで、全て聴いてきたのですが、オペラを編曲して交響詩的に構成したものばかりで、オペラに馴染みもなく形式のない交響詩を聴くのもつらいと思っている私には段々しんどくなってきたところでした。しかし、今回は純粋な管弦楽作品ということでちょっとホッとしています。
①これはワーグナー19才の時の作品。
ジャンジャン!と清々しい古典派風序奏で始まります。主部に入る初期ロマン派らしく明るく輝かしいまるでウェーバーの序曲のようなアレグロに入ります。「タタータ、タタ」のリズムがモチーフのようです。第2主題は「タータータター」とちょっとリズムが変わって落ち着いてモーツァルト風。この演奏は提示部を繰り返しているようです。展開部はこの2つのリズムが絡みあいますが、すぐ再現部に入ります。4拍子なのにティンパニが3拍ごとに叩くところなんか面白かったです。最後まで爽やかです。第2楽章は3拍子の緩徐楽章ですが、葬送行進曲風。といっても「エロイカ」のような激しいものではありません。第3楽章はこれまた爽快でスキップしてるようなスケルツォ。ジャン!のあと軽快に走り出す4楽章は「オベロン」序曲風です。
ビゼーやウェーバーの交響曲同様、なかなか楽しめる習作交響曲です。
②こちらは21才の作品だけど未完に終わった作品。オーケストレーションはワーグナー指揮者として有名だったフェリックス・モットル(1822-82)とのこと。
ハ長調よりだいぶロマンティック。だけどベト8に似たところが多くて微笑ましい。他にはやっぱりウェーバーの影響が大きいような気がします。またモーツァルト風シンコペーションもよく出てきます。第2楽章は、しっとり美しい緩徐楽章。若干ブルックナーを思わせます。ヤルヴィも終わりのソット・ヴォーチェをグッと音量を落として聴かせます。残念ながらここで終わります。
③交響曲の第3楽章が始まるかと思ったら、急にワーグナーらしいサウンドになって驚きます。と思ったらワーグナー51才の作だそうです。穏やかなイントロの後、晴れやか行進曲になります。何故かオーケストレーションがワーグナー&ラフ、となっていますが、どうも稼ぐために軍楽隊版と管弦楽版を作ることになり、管弦楽版はラフに完成してもらったようです。
④急に知ってる曲になって驚きます。イントロ後のゆったりしたところは速めにサクサク進みます。逆にテンポが上がったところは遅めのテンポで進みます。低音が大事なところはヴァイオリンの刻みの音量を落としたり丁寧にやってます。幸せな気分になれる「リエンツィ」でした。
⑤皇帝だけに前半は気品ある感じですが、だんだんやかましくクドくなる行進曲です。マイナーな行進曲の間にワーグナーにしては古典的な「リエンツィ」序曲を入れるヤルヴィのセンスに脱帽です。
★★★☆☆
ワーグナーにしては、結構楽しめるアルバムでした。

chsa5092ワーグナー:
①「ニュルンベルクのマイスタージンガー」オーケストラル・トリビュート(デ・フリーハー編)
②「ファウスト」序曲
③2つの悲劇的間奏曲(デ・フリーハーによる演奏可能版)
④「クリストファー・コロンブス」序曲
ネーメ・ヤルヴィ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
録音:2010年8月17-19日
(CHANDOS CHSA5092)
①ヤルヴィ先生の歌のないワーグナー・シリーズ、まだ続いてます。第4弾はマイスタージンガー。前奏曲はよく知ってるので楽しめるかな、とちょっと期待。
いわゆる前奏曲の部分は早い!昔からテンポが速めのヤルヴィですが、最近のドイツものでの速さは際立ってます。その後交響詩風にメロディや場面が代わっていく様はまるでリヒャルト・シュトラウスのようです。これが48分弱続きますが、正直言って・・・楽しくない。それに長い。このシリーズで一番つまらなかったです。僕みたいにオペラを聴かない人間にはハイライトとして楽しめるかと思ったんですけど…。
ワグネリアンやオペラ・ファンはこういうのあまり聴かないだろうし、いったい誰向けの企画なんだろう?トラック7でちょっとショスタコの映画音楽ぽいのは面白かった。でも前奏曲があれば十分でした。あんだけ長いオペラなんだからもっとスペクタルな場面無いのかな?
②~④のカップリングのこれら初期の序曲集のほうが興味深いもので、楽しかったです。
②ファウストだけあって、怪しさ満点。序奏はからムード満点だし、主部に入っても暗く怪しい感じでカッコいいです。
③この2曲は1832年のスケッチからデ・フリーハーが演奏できるように構築したようです。
一曲目はウェーバーのような初期ロマン派風作品。陰影があってほの暗い印象。なかなか素敵だけどワーグナーには聞こえません。二曲目はちょっと軽い運命かボロ2かというような冒頭の上高音型と優しげな主題による作品。印象深いけどあっさり終わります。
④この曲もウェーバーの後継者的な序曲。だけど序盤の弦楽群のうねりや、トランペットのメロディなどはまるでワーグナー(本物ですが)。後半はチャンチャンチャン・チャーチャチャチャーンの音型が印象的。

①★☆☆☆☆(長い・・・)
②~④★★★☆☆(若きワーグナーは意外と楽しい)

chsa5087ワーグナー:
①「恋愛禁制」序曲
②「妖精」序曲
③オーケストラル・パッション「トリスタンとイゾルデ」(デ・フリーハー編)
ネーメ・ヤルヴィ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
録音:2010年2月(CHANDOS CHSA5087)
ワーグナーは苦手です。まずオペラ聴かないのでオペラをメインに書いてた作曲家は馴染みないし。まあ、他にも色々理由はありますが、要は虫が好かないんです。唯一好きなのは「ワルキューレの騎行」。これは何度聴いてもカッコいいです。
このヤルヴィのワーグナー・シリーズも「リング」「パルジファル」に続いて第3弾。オペラ聴かない人もリヒャルト・シュトラウスの交響詩のようにワーグナーを楽しめる、といういかにも私向けな邪道企画です(実はR.シュトラウスも苦手)。筋金入りのワグネリアンはこういうの聴くのかな?
なんやかんや言ってますが、ヤルヴィ先生とSNOの黄金コンビが復活してのシリーズなんで、内容はなんだろうと、買ってるのです、実は。

①凶暴なロッシーニといった感じ。若干「サムソンとデリラ」のバッカナール。ワーグナー(1813-1883)とロッシーニ(1792-1868)て意外と年近いなあ。
②重厚なウェーバー(1786-1826)といった感じ。こちらのほうが好き。
③この「トリスタン」編曲は「前奏曲」と「愛の死」の間に色々挟まっております。前奏でお話が始まってないのに死んでしまう通常の演奏会版と違って、お話が繋がってるんですね。「前奏曲と愛の死」ですが、オケで何度かやりました。嫌々でしたがおかげで主題なんかは知ってましたので、この編曲は結構聴けました。リヒャルト・シュトラウスの交響詩などと書きましたが、流石にワーグナーの音楽はシュトラウスなんかに比べると立派ですねえ。素直に感心しました。でも51分はやっぱり長いかな。このCDも何回も取り出しては聴かないだろうなあ。

3曲とも鳴りっぷりのいい、ヤルヴィ&SNOサウンド健在!という感じで気持ち良かったです。いや、1曲目はちょっと喧しかったです。そのあたりも含めて懐かしくて安心しました。
①★☆☆☆☆
②★★☆☆☆
③★★☆☆☆

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