pscd706フェーンストレム:
①交響曲第6番(1938)
②コンチェルティーノ(1941)~フルートと小管弦楽、女声合唱のための
③気まぐれな吟遊詩人(セレナード)Op.21(1931)

スウェーデン放送交響楽団
①②ミッコ・フランク(指揮)
③ステファン・ソリヨム(指揮)
②スサンネ・ヘルベリ(フルート)、スウェーデン放送合唱団女声合唱団
録音:①1997年8月20-22日、②1999年6月15日、③1998年8月14日
(PHONO SUECIA PSCD706)
幼少のころ中国で育ったという面白い経歴を持つスウェーデンの作曲家ヨン・フェーンストレム(1897-1961)です。フェーンストレムは12曲も交響曲を書いていますが、CD化されてる作品は半分以下っぽいです。レベルが高いので、ぜひ全部聴いてみたいです。指揮は一時話題になったミッコ・フランク。確か病気かなんかした後、パッとしないイメージです。最近どうしてるのかな?
①恐怖映画のイントロのような不安な短い序奏で始まる。アレグロの本編に入るとティンパニとファゴットの掛け合いがユニークですが、やはり不安を煽るような楽想が続きます。付点のリズムが若干ニールセンの第6交響曲を思い起こさせます。落ち着いて展開部ぽい雰囲気だけどタイミング的に第2主題かな?。ここからは時折ほっとするような長調の楽想もでてきます。最後はヒロイックに終わります。面白く聴けますが、形式感はよくわかりません。
第2楽章は弦楽とハープによる嵐の後の静けさといった感じで始まる。主旋律を弦楽と木管でやりとりしつつ、ジワジワと盛り上がります。クライマックスに達するとまた元の静けさに戻っていき祈るように消えていきます。
第3楽章は楽しげなティンパニのリズム打ちから愉快な雰囲気のスケルツォになります。中間部は短調の民謡風です。
第4楽章は怪獣が出てきそうな仰々しい開始ですが、スネアがリズムを打つとパーっと明るくなります。その後どんどん楽想が変わっていき、最後は明るく楽しくフィニッシュ。
②珍品、女声合唱入りのフルート協奏曲。フルートより先に合唱が先にでてくる。ピアノがリズムカルで面白い。合唱とフルートの絡みがなかなか斬新だけど叙情的な雰囲気の佳品。録音が何故かMELODIYAばりの残響過多。
③第1楽章は「前奏曲」ですが行進曲風な第1主題と民謡風な第2主題でできています。第2楽章は「カンタービレ」。北欧の作曲家お得意の弦楽による沈痛なゆったりした作品。泣けるねえ。第3楽章はちょっとおどけた感じの「ジョコーソ」。ピツィカートに乗ってフルートとヴァイオリンが歌います。第4楽章はザクザクと進む「フィナーレ」。金管群も久しぶりに登場。フーガ風のイントロがかっこいい。しかし、アッという間に終わります。
★★★☆☆
何れもレベル高い!聴きこんだり、もっとよく演奏できれば★4もいけそう。