クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家K > Khachaturian, Karen

cdve04410カレン・ハチャトゥリアン(1920-2011):
①交響曲第3番
②交響曲第4番「墓碑銘」
①ヴァシリー・シナイスキー(指揮)ソビエト国立交響楽団
②ミロスラフ・トラチ(指揮)オポーレ交響楽団
録音:①1982年10月15日②1985年
(VENEZIA CDVE04410の2枚目)
カレンの交響曲集2枚目です。さすがに80年代の録音なのでステレオです。最上の録音ではありませんが、まあ良いでしょう。更に第4番は珍しいポーラントのオポーレのオケの録音。初演のライヴかな、との思いますが、解説がオール・ロシア語なので全然わかりませーん。色んなインフォでこの指揮者トカチと表記されていますが、CDではトラチ(Tratc、Трач)と表記されています。

①第3交響曲は単一楽章で23分。聴感上は緩急緩の3つの部分に分かれていて、さらにそれぞれ2つに分けられるような気がします。
何やら深刻な映画が始まるような暗く強烈なファンファーレから始まります。続いて弦楽による陰気なゆったりした音楽になります。フルートが出てくる5分くらいからはちょっと雰囲気が変わって、よりまったりとした時間に。
7分前頃からホラーっぽく荒れだします。スピード感もあり打楽器群が荒れ狂う部分もあり、カッコいいです。
12分半くらいにはテンポが落ちて再び弦楽中心の陰気な音楽にもどります。
19分くらいから雰囲気が変わり、ちょっと穏やかな感じになります。やがて幻想的に収束していきます。
ショスタコの進化型の一つといった感じ。

②第4交響曲も単一楽章で22分半くらいです。この曲は交響曲と言わないで単に「墓碑銘」ということもあるそうです。スクリャービンの後半の交響曲みたいですね。
冒頭から咳の音や小物打楽器を増幅したような変な音がたくさん聞こえます。基本よく解らない現代音楽ですが、終始コケオドシや効果音風な音響のなかにロマンティックな音楽が混ざってきたり、バッハのたG線上のアリアが乱入したりして面白いです。何だかシュニトケに対抗しているような感もあります。最後終わったかと思ったら、終わってないかと思わせて拍手がおこるのでビックリします。ライヴだったんだ~。
幻想的なんだけど、残響過多の録音に頭が変になりそうです。

①★★★☆☆(結構楽しめます)
②★★★☆☆(面白いですが、何だかよくありそうな曲)

cdve04410カレン・ハチャトゥリアン(1920-2011):
①交響曲第1番
②交響曲第2番
①ロジェストヴェンスキー(指揮)モスクワ放送交響楽団
②アレクサンドル・ラザレフ(指揮)ソビエト国立交響楽団
録音:①1963年11月、モスクワ音楽院大ホール(モノラル)②1980年2月録音(ステレオ)
(VENEZIA CDVE04410の1枚目)
有名なアラム・ハチャトゥリアンの甥っ子カレンの交響曲集のCDセットで、第1番から第4番まで収録されています。これで全集ではなくてカレンには第5交響曲もあるようです。指揮者のエミン・ハチャトゥリアンもアラムの甥っ子らしいけどカレンと兄弟ではないみたいです。

①交響曲第1番は4楽章の古典的な構成。
第1楽章は葬送の音楽のように陰鬱な音楽が続きますが、4分過ぎにアレグロに入ります。威勢のよい怒り気味な音楽のあと、テンポが落ち着いてクラリネットで悲しみの主題が奏され、楽器を替えて展開していきます。展開部は第1主題を中心に激しいけどクライマックスは第2主題です。再現部は第1主題からしっかりやって、不気味で激しいコーダになります。なかなか聴かせる楽章です。
第2楽章はチャイコフスキーの「アラビア」の踊りっぽく始まります。ちょっとエキゾチックなのは叔父ハチャトゥリアンぽいが若干ジョン・ウィリアムズ入ってる気もします。中間部はノンビリしています。
第3楽章弦楽によるバッハ風のイントロ。これにフルートを始め色々な楽器が乗っていきます。やがてラフマニノフばりにロマンティックになります。
第4楽章は金管による激しいファンファーレから始まります。やがて落ち着くとフーガっぽくなって再び激しくなってきます。ふざけてるのか真面目なのか判然としないショスタコの4番風の音楽が続いてフィニッシュに向かいます。
モノラルで大音量だとビリつくなど、音質はあまり良くない。ヘッドホンで聴くと耳が痛くなります。終始ヒスノイズかありますが、よく聴くと電気的なノイズも続いています。

②交響曲第2番は緩急の2楽章構成。
第1楽章は金管のファンファーレが大きくなってきてやがてフルオケで爆発します。落ち着くとちょっと宇宙戦艦ヤマト風の第1主題が登場します。この主題の展開でジワジワと盛り上がります。その後もしつこくヤマトの主題でネチネチと展開。ショスタコ風な感じです。
第2楽章はスピード感溢れる激しいスケルツォ。暗くてカッコいい!太鼓の乱打のあと落ち着いて幻想的な場面に。宇宙人が出てきそうな雰囲気になります。これがジワジワと盛り上がって頂点に達すると、再びハイスビードで突っ走りますがすぐにおわり。
続いて再び幻想的に。徐々に落ち着いてきて、コントラバスが息絶えるように終わります。
こちらはステレオで第1番よりかなりマシです。80年の録音とは思えないヒスノイズや電気的なノイズが多いですが、安心して聴けるレベルです。

①★★☆☆☆(もうちょっとマシな音で聴いてみたい)
②★★★★☆(なかなか素晴らしい)
両作品とも叔父のハチャトゥリアンより師匠のショスタコーヴィチの影響が大きいようです。

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