三浦淳史さんが紹介していたモーランの「ロンリー・ウォーターズ」を中古で見つけたので買いました。このCDの解説も三浦淳史さんの解説でした。
①モーラン:交響曲ト短調
②バターワース:シュロップシャーの若者「青柳の堤」
③バターワース:青柳の堤「シュロップシャーの若者」
④モーラン:小管弦楽のための2つの小品
※なんとこのCDのトラック・リストが②と③が逆になっていました。(2024.4.25追記)
ネヴィル・ディルクス(指揮)
イングリッシュ・シンフォニア
録音:①1973年3月12、13日、②③1971年6月3日、④1971年6月2日、アビー・ロード・スタジオ
(EMI TOCE‐6419)
解説によるとモーラン(1894‐1950)は暴風の防波堤から転落死、バターワース(1885‐1926)は戦死と共に悲しい死に方だそうです。
①モーランの交響曲は以前ハンドリー盤を聴いていて、意外と派手だった記憶があります。
第1楽章 アレグロ(13:18)
いきなりちょっと切ない第1主題が始まります。展開するとちょっとモダンな雰囲気です。だんだんゆったりになって民謡調の第2主題が出てきます。きれいでヴォーン=ウィリアムズみたいに盛り上がります。ティンパニの一撃から展開部になるとテンポが速くなって緊迫します。金管打楽器も派手に活躍。弦はフーガぽくなったりもします。やがてテンポが落ちて落ち着きますが、今度はシベリウスぼく盛り上がります。再現部になったかな?と思わせてあまり再現せず、長くて派手なコーダになります。
第2楽章 レント(12:14)
冒頭は静かなティンパニと金管ではじまり木管が出てくるシベリウスぽい雰囲気。弦楽が中心に徐々に盛り上がっていきます。冷たい感じでやがて金管が出てきて恐ろしげになります。落ち着くと冷たいけどちょっとメロディアス。次にバックでうねうね動く感じはやはりシベリウスぽい。
第3楽章 スケルツォ(ヴィヴァーチェ)(6:09)
冒頭の主題はオーボエで歌われます。朗らかだけど切ない民謡調でもあります。次にテンポがあがりリズミカルになるけど、すぐに落ち着いて叙情的になります。やはりバックでうねうね動いてる感じはシベリウス風。やがてトランペットが登場してカラッと明るくなりますが、長くは続かずすぐしっとりになります。あまり形式感はなく最初のテーマに戻らない気がします。
第4楽章 フィナーレ(レントーアレグロ・モルト)(13:53)
序奏は悲劇的に始まります。やがて落ち着いていきアレグロに入ります。速い6拍子でヴァイオリンがオスティナートを刻んで始まります。結構激しくてカッコよく展開していきます。落ち着いてきて静かだけどマーチ風になり、次に3拍子の優しい音楽になります。再び6拍子になって激しく展開していきます。また落ち着いてからティンパニのソロがペール・ギュントみたいに出てきて終結に向かいます。
前に聴いたハンドリー盤の印象に対して質実剛健なイメージでした。
②(2024.4.25追記)「シュロップシャーの若者」と思って聴いていた曲が実は「青柳の堤」でした。という前提で以下の感想を読んでください。
バターワースは「シュロップシャーの若者」を題材とした歌曲集も残していますが、この作品の主題はその歌曲の一つから取られているそうです。
クラリネットで上品なテーマが出てきて弦楽に引き継がれます。だんだん激しく盛り上がっていきますが、穏やかに戻ります。なかなか素敵な作品です。(6:03)
③主題は「青柳の堤」という民謡によるものだそうですが、ちょっとどの部分がそれにあたるのかよく分かりません。(←そりゃそうでしょう。2024.4.25追記)
ヒンヤリとした印象派風の雰囲気で始まりますが、じわじわと盛り上がります。その後は押したり引いたりしつつ金管やティンパニも出てきて意外と劇的。でも終盤はゆったりの元に戻っていきます。
(8:54)
④こちらはハンドリー盤を聴いていたので比較しての印象です。
第1曲「ロンリー・ウォーターズ」
ハンドリーに比べだいぶ現実的なサウンドでどんどん進むのですが、個人的にはハンドリーのほうが幻想的で良いと思いました。
第2曲「ホイソーンの影」
やはりハンドリーに比べるとぶっきらぼうな感じがして、しんみりとは来ませんでした。
タイミング比較です。
ディルクス 7:01/6:35
ハンドリー 9:16/6:31
「ロンリー・ウォーターズ」はだいぶ違いますね。
①★★★☆☆(渋いけどなかなか良い)
②③★★★☆☆(穏やかそうで意外と劇的)
④★★★☆☆(ハンドリーより現実的)
モーラン:
①交響曲ト短調
②仮面劇への序曲
ヴァーノン・ハンドリー(指揮)
アルスター管弦楽団
録音:1987年9月7‐9日アルスター・ホール、ベルファスト
(CHANDOS CHAN8577)
モーランの交響曲のハンドリー盤も改めて聴いてみました。
①ディルクス盤に比べての感想です。
第1楽章 アレグロ
冒頭から残響も多めでオケの編成も大きく感じます。金管も派手でゴージャスな感じがします。第2主題はふくよかで美しく始まります。盛り上がるととにかくド派手。
第2楽章 レント
やはりオケのサウンドが立派で、ますますシベリウスの冷たい世界っぽい。盛り上がっての不協和音がモダンな雰囲気でスゴい。
第3楽章 ヴィヴァーチェ
ディルクス盤に比べてだいぶ速くて軽やかです。
第4楽章 レントーアレグロ・モルト
やはり派手でゴージャス!終わりもなんかよく分からないけどカッコいい。
と言うわけでタイミング比較です。
ディルクス 13:18/12:14/6:09/13:53
ハンドリー 13:42/13:03/5:02/14:25
ということでハンドリー盤のほうが派手で雄弁です。
②賑やかな序奏からファンファーレがあってワクワク感のあるアレグロになります。途中暗くなったり恐ろしげになったい色々な場面があるけど、最終的にはド派手になってなかなか楽しい序曲です。
①★★★☆☆(派手で雄弁)
②★★★☆☆(結構面白い)
ということで「ロンリー・ウォーターズ」「ホイソーンの影」はハンドリー盤のほうが雰囲気豊かで好みでしたが、交響曲はハンドリーの派手さ・雄弁さが曲に合ってるかどうかちょっと分かりませんでした。
にほんブログ村※ランキングです。良かったらクリックしてください!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
①モーラン:交響曲ト短調
②バターワース:
③バターワース:
④モーラン:小管弦楽のための2つの小品
※なんとこのCDのトラック・リストが②と③が逆になっていました。(2024.4.25追記)
ネヴィル・ディルクス(指揮)
イングリッシュ・シンフォニア
録音:①1973年3月12、13日、②③1971年6月3日、④1971年6月2日、アビー・ロード・スタジオ
(EMI TOCE‐6419)
解説によるとモーラン(1894‐1950)は暴風の防波堤から転落死、バターワース(1885‐1926)は戦死と共に悲しい死に方だそうです。
①モーランの交響曲は以前ハンドリー盤を聴いていて、意外と派手だった記憶があります。
第1楽章 アレグロ(13:18)
いきなりちょっと切ない第1主題が始まります。展開するとちょっとモダンな雰囲気です。だんだんゆったりになって民謡調の第2主題が出てきます。きれいでヴォーン=ウィリアムズみたいに盛り上がります。ティンパニの一撃から展開部になるとテンポが速くなって緊迫します。金管打楽器も派手に活躍。弦はフーガぽくなったりもします。やがてテンポが落ちて落ち着きますが、今度はシベリウスぼく盛り上がります。再現部になったかな?と思わせてあまり再現せず、長くて派手なコーダになります。
第2楽章 レント(12:14)
冒頭は静かなティンパニと金管ではじまり木管が出てくるシベリウスぽい雰囲気。弦楽が中心に徐々に盛り上がっていきます。冷たい感じでやがて金管が出てきて恐ろしげになります。落ち着くと冷たいけどちょっとメロディアス。次にバックでうねうね動く感じはやはりシベリウスぽい。
第3楽章 スケルツォ(ヴィヴァーチェ)(6:09)
冒頭の主題はオーボエで歌われます。朗らかだけど切ない民謡調でもあります。次にテンポがあがりリズミカルになるけど、すぐに落ち着いて叙情的になります。やはりバックでうねうね動いてる感じはシベリウス風。やがてトランペットが登場してカラッと明るくなりますが、長くは続かずすぐしっとりになります。あまり形式感はなく最初のテーマに戻らない気がします。
第4楽章 フィナーレ(レントーアレグロ・モルト)(13:53)
序奏は悲劇的に始まります。やがて落ち着いていきアレグロに入ります。速い6拍子でヴァイオリンがオスティナートを刻んで始まります。結構激しくてカッコよく展開していきます。落ち着いてきて静かだけどマーチ風になり、次に3拍子の優しい音楽になります。再び6拍子になって激しく展開していきます。また落ち着いてからティンパニのソロがペール・ギュントみたいに出てきて終結に向かいます。
前に聴いたハンドリー盤の印象に対して質実剛健なイメージでした。
②(2024.4.25追記)「シュロップシャーの若者」と思って聴いていた曲が実は「青柳の堤」でした。という前提で以下の感想を読んでください。
バターワースは「シュロップシャーの若者」を題材とした歌曲集も残していますが、この作品の主題はその歌曲の一つから取られているそうです。
クラリネットで上品なテーマが出てきて弦楽に引き継がれます。だんだん激しく盛り上がっていきますが、穏やかに戻ります。なかなか素敵な作品です。(6:03)
③主題は「青柳の堤」という民謡によるものだそうですが、ちょっとどの部分がそれにあたるのかよく分かりません。(←そりゃそうでしょう。2024.4.25追記)
ヒンヤリとした印象派風の雰囲気で始まりますが、じわじわと盛り上がります。その後は押したり引いたりしつつ金管やティンパニも出てきて意外と劇的。でも終盤はゆったりの元に戻っていきます。
(8:54)
④こちらはハンドリー盤を聴いていたので比較しての印象です。
第1曲「ロンリー・ウォーターズ」
ハンドリーに比べだいぶ現実的なサウンドでどんどん進むのですが、個人的にはハンドリーのほうが幻想的で良いと思いました。
第2曲「ホイソーンの影」
やはりハンドリーに比べるとぶっきらぼうな感じがして、しんみりとは来ませんでした。
タイミング比較です。
ディルクス 7:01/6:35
ハンドリー 9:16/6:31
「ロンリー・ウォーターズ」はだいぶ違いますね。
①★★★☆☆(渋いけどなかなか良い)
②③★★★☆☆(穏やかそうで意外と劇的)
④★★★☆☆(ハンドリーより現実的)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
モーラン:
①交響曲ト短調
②仮面劇への序曲
ヴァーノン・ハンドリー(指揮)
アルスター管弦楽団
録音:1987年9月7‐9日アルスター・ホール、ベルファスト
(CHANDOS CHAN8577)
モーランの交響曲のハンドリー盤も改めて聴いてみました。
①ディルクス盤に比べての感想です。
第1楽章 アレグロ
冒頭から残響も多めでオケの編成も大きく感じます。金管も派手でゴージャスな感じがします。第2主題はふくよかで美しく始まります。盛り上がるととにかくド派手。
第2楽章 レント
やはりオケのサウンドが立派で、ますますシベリウスの冷たい世界っぽい。盛り上がっての不協和音がモダンな雰囲気でスゴい。
第3楽章 ヴィヴァーチェ
ディルクス盤に比べてだいぶ速くて軽やかです。
第4楽章 レントーアレグロ・モルト
やはり派手でゴージャス!終わりもなんかよく分からないけどカッコいい。
と言うわけでタイミング比較です。
ディルクス 13:18/12:14/6:09/13:53
ハンドリー 13:42/13:03/5:02/14:25
ということでハンドリー盤のほうが派手で雄弁です。
②賑やかな序奏からファンファーレがあってワクワク感のあるアレグロになります。途中暗くなったり恐ろしげになったい色々な場面があるけど、最終的にはド派手になってなかなか楽しい序曲です。
①★★★☆☆(派手で雄弁)
②★★★☆☆(結構面白い)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ということで「ロンリー・ウォーターズ」「ホイソーンの影」はハンドリー盤のほうが雰囲気豊かで好みでしたが、交響曲はハンドリーの派手さ・雄弁さが曲に合ってるかどうかちょっと分かりませんでした。
にほんブログ村※ランキングです。良かったらクリックしてください!