クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家S > Shapolin

melcd1002482シャポーリン:オラトリオ「どれくらいの間凧は飛ぶのか?」(1945-47/63)

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ソビエト国立交響楽団
スヴェシニコフ国立アカデミー・ロシア合唱団
ラリサ・アヴデーエワ(メゾ・ソプラノ)
マレク・レシェーティン(バス)
録音:1964年
(MELODIYA MELCD10 02482の7枚目)
シャポーリンのこのオラトリオは戦争と平和についての作品でスヴェトラーノフによって初演されたそうです。

第1部「1914~1918年」
1.「凧」(5:17)
悲しげなイントロからちょっとテンポが上がり女声合唱のハミングがありバスが歌います。やがて恐ろしく変容します。
2.「ペトログラードの空は雨でいっぱい」(9:22)
今度は速めのテンポでメゾ・ソプラノが悲しげに歌います。途中で男声合唱が登場。さらに進むとトランペットの警告するようなソロがありテンポ・アップし劇的になっていきます。
第2部「1941~1945年」
3.「厳しい時間はここで再び」(3:15)
タイトルからすると厳しいかと思いきや「森の歌」にありそうなちょっと速めの流れるような明るめの行進という感じ。なかなか良い。
4.「盲目の男」(7:21)
バスの3拍子のメランコリックな歌。中間部は2拍子になり劇的になります。
5.「祖国のために倒れた人々の追憶に」(7:40)
優しい悲しげな金管のコラールで始まります。合唱はヴォカリーズです。しばらくするとテンポがあがり悲劇的な様相に。しばらくオケのみで進みますが、盛り上がってきて再びヴォカリーズの合唱が出てきて鎮まっていきます。
第3部「戦後の年月」
6.「羊飼いの角笛が牧草地から再び聞こえる」(3:51)
悲しげなイングリッシュ・ホルンから弦楽に拡がっていきます。ピッコロに促されてメゾ・ソプラノが歌い始めます。途中印象派風に美しく盛り上がります。
7.「どこへ行っても」(8:11)
前の部分からアタッカで夜明けのような音楽になります。バスが歌い合唱が続きます。続いてテンポがあがりメゾ・ソプラノ、バス、合唱全員が登場し、やがて感動的に盛り上がります。

前回聴いた「ロシアの土地の~」よりメロディも分かりやすく曲によって起伏もあり聴きやすいです。さらにコンパクトにまとまっているのも(といっても45分もありますが)良いです。この作品からすると大戦後は平和で希望に満ちているような結末になっていて興味深いです。

★★☆☆☆(だいぶ聴きやすい)
と言いながらも、あまりしょっちゅう聴きたくなる作品ではないような気がします。

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melcd1002482ユーリ・シャポーリン(1887-1966):
オラトリオ「ロシアの土地のための戦いの物語」Op.17

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ソビエト国立交響楽団
スヴェシニコフ国立アカデミー・ロシア合唱団
ラリサ・アヴデーエワ(メゾ・ソプラノ)
ウラディーミル・イワノフスキー(テノール)
イワン・ペトロフ(バス)
録音:1966年
(MELODIYA MELCD10 02482の6枚目7枚目)
シャポーリンはあまり管弦楽作品がないので、なじみのない作曲家ですね。スヴェトラーノフの作曲の師匠だそうです。
このオラトリオは80分ほどの大作でこのセットでも1枚に収まっておらず第2部の10aから2枚目のディスクになります。
この作品のコンセプトは1942年にできてたらしいし、このタイトルですからもちろん戦争がテーマですね。歌詞がブックレットにも無いので具体的なことはよく分かりません。

第1部
1.「春の日」(8:08)
穏やかなちょっと印象派風な曲。合唱が美しい。テノールが登場すると盛り上がってきます。歌詞でやたら「ぜに」を繰り返します。
2.「侵入」(7:46)
いきなりドラがなりまくりの激しい部分。強力な金管が恐ろしい。中間部はちょっとテンポを落として悲劇的な感じになります。
3.「女性の嘆き」(10:27)
女声合唱と女性ソリストによる嘆きです。嘆きも盛り上がって一段落するとメゾのソリストが結構長く淡々と歌います。
4.「老人の言葉」(1:30)
金管をバックにテノールが始めは厳かにやがて輝かしく歌います。1分半の短い部分。オケが登場しアタッカで次に続きます。
5.「赤軍の男の歌」(3:10)
テンポが上がり楽しげにバスが歌い男声合唱が続きますます。この部分も3分半と短い。クライマックスに達すると静まります。
6.「友人への手紙」(5:11)
落ち着いた曲になります。前の曲とは全く違う落ち着いたキャラクターでバスが歌います。
7.「パルチザンのバラード」(6:05)
楽しげ。スネアが軍隊調。前半のフィナーレにふさわしく結構盛り上がります。

第2部
8a.「ヴォルガの岸辺で」~人々の合唱(3:17)
暗めの合唱がだんだん熱を帯びてきます。やがて落ち着いてクラリネットのソロから次の部分に続きます。
8b.「ヴォルガの岸辺で」~母の嘆き(5:25)
メゾが嘆きの歌を歌います。盛り上げると合唱も登場しフォルテで歌います。テンポが上がってきてアタッカで続きます。
9a.「ドンの草原にて」(7:38)
速いテンポの劇的な場面です。やがてメゾやテノールが力強く歌います。とにかく激しくもりあがりますが、落ち着いてきて次へいきます。
9b.「夜明け」(3:43)
弦やハープが綺麗な中フルートが美しく登場、続いてメゾが優しく歌います。そこから感動的に盛り上がり、一旦終わります。
10a.「老人の呼び声」(2:14)
落ち着いた優しい音楽になります。テノールが結構力強く歌います。
10b.「永遠の栄光、英雄への永遠の記憶」(6:23)
女声合唱に導かれバスがしみじみと歌い、やがてメゾも登場します。終盤は「スパルクタス」ぽいゆったりしたマーチ風になりますが最後は静かに終わります。
11.「誓い」(4:05)
ちょっと不安なオケの序奏があります。バスは力強く歌い、合唱が元気に出てきます。しかし緊張感がまし劇的になりフィナーレに突入。
12.「春が再び」(8:11)
スカッと晴れたような明るく感動的に始まります。しばらくするとちょっと落ち着いて美しく合唱が出てきます。次にテノールが長々と歌い他のソリストや合唱が入ってきて感動の大団円を迎えます。

★☆☆☆☆
と言うわけで巨大な作品で激しい場面も多いのですが、分かりやすいメロディとか踊りとかが少ないのがつらいところ。
重厚長大すぎて聴き疲れします。残念ながらまた聴きたいとは思わない曲ですね。

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