クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

タグ:ローズ(ギル)

bmop1043ルーカス・フォス(1922‐2009):
①交響曲第2番「コラールの交響曲」(1955‐58)
②交響曲第3番「悲しみの交響曲」(1991)

ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
録音:①2013年6月29日、②2013年6月28日、ジョーダン・ホール、ボストン
(BMOP SOUND BMOP1043の2枚目)
ルーカス・フォスの交響曲残りの2曲です。

①なんでもバッハはフォスのヒストリカル・スパーリング・パートナー(笑)だったそうで、この交響曲にはバッハのコラールが使われているらしいです。初演はスタインバーグとピッツバーグ交響楽団。
第1楽章 トッカータ(11:05)
ピアノ、弦楽、フルートでヒンヤリと始まります。やがてチャカチャカしてくるけどクール。金管や打楽器もたくさん出てくるけどクリアなサウンドでダイナミック・レンジも広い。中間部のゆったりした場面では始めはトランペット、次にサックスが活躍。調性的だけどメロディらしいメロディはありません。でもカッコいい。
第2楽章 アンダンテ・ソステヌート(11:10)
短い序奏のあとは抜き足差し足といった感じで深刻なような、でもちょっと遊んでるような感じもする雰囲気です。やがてトランペットの低音とファゴットで「怒りの日」ぽいゆったりした音型が出てきます。そこから点描的にだんだん盛り上がっていきクライマックスは強烈ですが、すぐ静かになります。
第3楽章 アレグロ・トランキーロ(6:03)
この曲で初めてメロディらしいメロディがヴァイオリンで奏されます。バックは相変わらず冷たい。ちょっと楽しいところではマンドリンも聞こえてきます。終盤ではマンドリンが主役になり静かに終わります。
第4楽章 イントロドゥツィオーネ~ヴィヴァーチェ(11:48)
バン!のあとトロンボーンのソロが登場、やがてトロンボーン+トランペットとオケの掛け合いになり、サックスなど混ざりながらだんだん速くなってきます。トランペットがヘンテコだけど派手な主題を吹き始めます。色々なテーマが出てきて盛り上がりますが、ヘンテコなテーマが帰ってきてクセになる楽しさ。
バッハが元ネタにあるせいか、全曲通して結構面白い。

②この作品はフォスにとって30年ぶりの交響曲で20世紀終わりの折衷様式に影響されて作ったとか。ズービン・メータ指揮シカゴ交響楽団によって初演されました。
第1楽章 フーガ「衝突と闘争について」(8:29)
ゆったりと弱音で弦楽器が重なっていきます。しばらくすると急にフォルテで点描的な音型が出てきて盛り上がりティンパニも参加します。再び静けさに戻ると木琴が点描的音型を弱音で始めます。色々楽器か増えますがバックの弦楽器は時々グリッサンドするのが面白い。やがて点描音型がフォルテに戻り色んな打楽器がドカドカ鳴り出します。
第2楽章 「アンネ・フランクへの哀歌」(7:12)
いきなりピアノ独奏がシンプルなコード進行を弾いて、それに弦楽器がのってきます。やがてピッコロがチェレスタにのってちょっと楽しげに出てきますがバックの伸ばしは不気味。再び最初のテーマに戻ると今度は不気味に盛り上がっていきます。クライマックスに達すると長いGPがありピッコロが再び出てきますが空虚です。
第3楽章 「荒れ地」(11:56)
速いテンポだけどギクシャクとスタートしたあとゆったりになりハープの低音とティンパニで不気味な雰囲気になります。メロディのようなメロディでないような弦の伸ばしに管楽器打楽器が重なってだんだんクレッシェンドしていきクライマックスに達するとギクシャクの猛スピードに戻ります。しかしだんだんゆったりに戻っていき鎮まっていきます。
第4楽章 「祈り」(9:31)
トランペットの重奏でわびしく始まります。やがて弦楽が主体になりますが、しみじみとした雰囲気は変わらず。トランペットで悲劇的に盛り上がりますが、最後穏やかに終わります。
全体的に真摯な内容なので申し訳ないのですが、あまり面白くはない。難解なのか曲が良くないのかは分かりません。

①★★★☆☆(これは結構面白い)
②★★☆☆☆(難解?不出来?)

ということでフォスの交響曲ですが、自分的には第2番があれば十分といった感じでした。

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bmop1043ルーカス・フォス(1922‐2009):
①交響曲第1番ト調(1944)
②交響曲第4番「過去への窓」(1995)

ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
録音:①2012年9月17日、②2013年6月29日、ジョーダン・ホール、ボストン
(BMOP SOUND BMOP1043の1枚目)
この間フォスの詩編を聴いてそれなりに面白かったので、このアルバム入手してたのにほっといてたの思い出しました。フォスが交響曲全集になるほど交響曲を書いていたのに全く録音がないのは、どういうことなのかな?

①第1番はフォスが22歳ころの作品で、なんとフリッツ・ライナー指揮のピッツバーグ交響楽団が初演したとのこと。
第1楽章 アンダンティーノ~ウン・ポコ・アレグレット(7:59)
コープランドぽく木管で穏やかに始まります。やがてちょっと速くなって穏やかな主題が出てきて発展します。低弦のオスティナートが特徴的。次に低弦がずんずんなって展開部ぽくなります。だんだん激しくなっていきますが、どこかカラッとしています。コーダはピアノなんか出てきてちょっと不穏になりつつ盛りあがりますが、静かになって終わります。
第2楽章 アダージョ(7:14)
ホルンのソロで始まるしっとりした緩徐楽章ですが、やはり都会的なコープランド風。中間部はちょっと速くなって怪しいマーチぽいような踊りっぽいような。元に戻ると結構盛り上がりますが、暗く沈みます。
第3楽章 スケルツォ:ヴィヴァーチェ(7:34)
賑やかなスケルツォ楽章。結構スピード感があり、熱狂的に盛りあがります。トリオはリズムが変則的で面白い。
第4楽章 アンダンティーノ~アレグロ(9:52)

第1楽章と同じ始まりだけど違います。トランペットの合図でテンポが上がります。スピード感があり明るく駆け回ってるような感じです。途中怪しく展開したりしますが、最後は興奮状態になりヤンヤの盛りあがりです。
全楽章通して調性的で分かりやすいけど3楽章以外はそれほど面白いものでもないです。

②第4番はフォス73歳ころの作品。初演は作曲者自身の指揮でボストン大学交響楽団だそうです。
第1楽章 モルト・ソステヌート~アレグロ(10:31)
鉄腕アトムが始まりそうな始まり方。すぐに冷めた感じのアレグロになります。その後は断片的な楽想が続きます。
第2楽章 二分音符=48‐52(16:23)
ひゃーとした弦楽のあとぽわ~んと何かが聞こえる妖しい雰囲気でスタート。静けさのなかエレキギターかな、何か出てきます。ハープとかトランペットとか口琴?、ハーモニカとか色んな音がしてきてアヤしいけど、時々調性的な断片も聞こえてきます。ちょっとだけアイヴズぽく何だかサウンドスケープみたい。しかし、これが16分も続くのはどうかしてると思います。
第3楽章 スケルツォ:ヴィヴァーチェ(6:38)
ジャンジャンと激しくスタート。急に元気で分かりやすくなります。トリオはちょっと遅くなり付点のリズムで躍動的に盛りあがります。
第4楽章 花火:「アメリカン・ファンファーレ」に基づく(8:00)
冒頭は何の楽器だろう、やはり鉄腕アトムの序奏みたいに始まりますが、トランペットがフォルテで邪魔し始め、その後はフォルテで点描的になります。次に点描的な金管はそのままに、弦楽は伸ばしの音楽になります。この点描的が一緒になったり入れ替わったりして展開していき、最後は何故か長調の和音で終わります。
なんといいますが、第2楽章以外はまあまあですが、キモのと思われる第2楽章はつまらないのに長過ぎです。

①★★☆☆☆(味の薄いコープランドといった感じ)
②★☆☆☆☆(第2楽章は飛ばしたい)

ということで、どうも今一つスカっとしない1枚でした。残りの2番、3番はどうでしょうか?

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bmop1072ハロルド・シェイペロー(1920-2013):管弦楽作品集
①シンフォニア ハ短調(1948)
②クレド(1955)
③パルティータ(1960)~ピアノと小管絃楽のための
④緑山にて(1957)~ジャズ・アンサンブルのための
⑤弦楽セレナード ニ調(1945)

ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
③ヴィヴィアン・チョイ(ピアノ)
録音:①2014年7月1日ジョーダン・ホール、②2014年9月24日ジョーダン・ホール、③2016年10月5日フレーザー・ホール、④2015年1月26日ディストラー・ホール、⑤2014年5月16日ジョーダン・ホール
(BMOP 1072)
シェイペローはアメリカの作曲家でピストンやヒンデミットに学んだ。バーンスタインとはご学友でストラヴィンスキーに評価され、交響曲はプレヴィンが録音したとか。ちょっと期待したくなる経歴。

①ティンパニのロールと金管のやり取りで始まります。ストラヴィンスキーの何かの協奏曲に似ています。やがて弦楽に移ります。木管だけによる部分もあります。シンフォニアといっても交響曲というよりバロックの変奏曲の雰囲気です。強弱の対比が多い。短調で現代的なサウンドだけどカラッとしていていかにもアメリカン。
(10:48)

②ゆったりとした祈りの音楽。ヴァイオリンとホルンを重ねたり、ティンパニがちょくちょく出てくるところなどコープランドぽいけど退屈。
(7:36)

③フォード財団の支援でシーモア・リプキンのための作曲された作品。初演はリプキンとポール・パレー指揮のデトロイト交響楽団だそうです。
1.シンフォニア(1:48)
真面目だけどどこかヘンテコな賑やかな曲。
2.チャコナ(3:54)
スネアがトコトコなり、ちょっとマイケル・ナイマン風になります。中盤はピアノがソロで暴れます。
3.パストラル(2:32)
チェロの独奏でしんみり始まりますが、やがて牧歌的になります。
4.スケルツォ(1:20)
ちょっとバルトークぽい。
5.アリア(5:27)
訥々とした伴奏にイングリッシュ・ホルンがヘンテコなアリアを歌います。中盤ピアノが不気味に出てきてフルートも登場。
6.ブルレスカ(1:13)
フランス風な軽やかな感じ。
7.カデンツァ(2:10)
カデンツァといいながら合奏で賑やかに始まりますが、ピアノがカデンツァやります。
8.エセルツィツィオ(2:11)
モダンな感じで無窮動ぽくピアノが動き回り、管楽器は点描的に進みます。
全体通してユニークな短いパートが繋がっていて面白かったです。

④いきなりビッグ・バンドでクライマックスになった感じ。すぐ落ち着いてヴィブラフォンが活躍するコジャレたジャジーな感じになります。そのご色々返送していきますが、ビッグ・バンド・ジャズそのものです。それなりに楽しいです。
(10:01)

⑤全5楽章で35分もある大作。作曲者25歳頃の作品です。
1.アダージョ~アレグレット(9:49)
ゆったりしたきれいな序奏があります。やはりコープランドぽい。アレグレットになると良い感じですが。展開してる感じがするのでソナタ形式みたいです。
2.メヌエット(3:19)
モダンな感じのメヌエットです。
3.ラルゲット、ポコ・アダージョ(10:19)
耳当たりのよい緩徐楽章。ゆったりした中にくしゅくしゅっと細かい音が入ってきたりして面白い。途中不穏になったり色々変容しますが、ちょっと長ったらしい。
4.インテルメッツォ(4:32)
ちょっと速めのテンポ。
5.フィナーレ(6:26)
活気あるフィナーレですが、どうも煮え切らない。
全体的に薄味のバルトークといった感じです。

②⑤★☆☆☆☆(退屈)
①③④★★☆☆☆(まあまあ面白く聴けた)

シェイペローの作品は全く現代的な感じのない調性音楽です。特徴もあまりなく、主題に魅力も乏しいので静かな曲は聴いてて飽きてきます。面白く聴けた作品も後から思い出せなそう。

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bmop1074ジョン・ハービソン(b.1938):
①ヴィオラ協奏曲(1988)
②ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(2009)
③バス・ヴィオール協奏曲(2005)

ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
①マーカス・トンプソン(ヴィオラ)
②エミリー・ブラスキン(ヴァイオリン)
②ジュリア・ブラスキン(チェロ)
③エドウィン・バーカー(コントラバス)
録音:①2019年4月5日ジョーダン・ホール,ボストン、②2017年4月3日バックリー・リサイタル・ホール,アムハースト、③2015年3月6日メカニクス・ホール,ワーチェスター
(BMOP 1074)
アメリカの作曲家ジョン・ハービソンの協奏曲集です。ハービソンというとブロムシュテットとサンフランシスコ響が演奏した交響曲のCDを持ってますが例によって全然覚えていません。
ということでこのCDは協奏曲集です。

①第1楽章 コン・モート、ルバート(8:50)
不協和音の伸ばしから武満徹のような動きだけど力感のある序奏があります。やがてヴィオラ独奏が登場。ゆったりしたテンポで、もやもやとした無調音楽が続いていきますが盛り上がったり沈んだりします。
第2楽章 アレグロ・ブリランテ(2:54)
アレグロで今度は無調ではない暗い音楽です。若干プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲っぽい。
第3楽章 アンダンテ(7:04)
今度は映画音楽のように大げさな序奏からすぐに静まって陰気なヴィオラ独奏が登場。不思議な美しさがあります。ハープやチェレスタなども出てきて幻想的。
第4楽章 モルト・アレグロ(6:11)
ヴィオラがちょっとフィドル風に元気に動き回ります。ちょっとバルトークぽい。
しかし楽章構成はショスタコのヴァイオリン協奏曲を雛型にしたような曲ですが、第2、4楽章は面白いけど他は微妙。

②第1楽章 アフェトゥオーソ、ポコ・インキエト(7:12)
不安げな感じでヴァイオリンとチェロのやり取りで開始。マリンバやハープが出てきて現代音楽ぽい。激しくもなりますが、二人の独奏が一緒にモヤモヤしていることが多い。何となくカラッとしています。
第2楽章 ノットゥルノ(6:22)
ちょっとテンポが上がります。最初激しめでだんだん落ち着きますが、時々爆発します。暗いけど調性感が出てきます。
第3楽章 テンポ・ジュスト(5:57)
何となくカントリー風。二人のソリストがノリよく掛け合ってスタート。急に調性的な部分が多くなり面白くなります。終盤の打楽器のアンサンブルは面白い音色です。
前の2つの楽章は自由な無調といった感じですが、取りとめがなく面白くない。しかし第3楽章は急にクロノス・カルテットがやりそうな音楽になって戸惑います。

③バス・ヴィオールというとコントラバスの先祖かな。演奏しているのはボストン響のコントラバス奏者です。音色もコントラバスぼいけど音域はちょっと高い気がします。
第1楽章 ラメント(8:04)
いきなりヴィオールのソロとオケのコントラバスかな、二重奏で始まります。テンポが上がったり落ち着いたり、アルコだったりピチカートだったりとどんどん変化していきます。中盤は叙情的、終盤はテンポが速くなりますが、密やかな感じです。
第2楽章 カヴァティーナ(5:48)
落ち着いた緩徐楽章かと思わせておいて、やがてテンポが速くなってきて緊迫していき、再び落ち着いていきます。
第3楽章 ロンド(5:31)
今度はジャズっぽい。しまいにゃフレクサトーンまで登場。最後はテンポがあがってカッコよく終わります。

①★★☆☆☆(もっと冷たい雰囲気だといいなあ)
②★★☆☆☆(面白いような面白くないような)
③★★★☆☆(面白い)

分かりにくい現代音楽っぽさはないけど、すごい面白いわけでもなく微妙な作品が多かったです。でもこの中ではバス・ヴィオール協奏曲が吹っ切れてる感じがありました。

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