クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家I > Ives

smk60203アイヴズ(1874-1954)
①答えのない質問(1908年)
②祭日交響曲(1897-1913)
③宵闇のセントラル・パーク(1898-1907)
エリオット・カーター(1908-2012)
④管弦楽のための協奏曲(1969)

レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
②カメラータ・シンガーズ
 シーモア・リプキン(副指揮者)
③小澤征爾&モーリス・ペレス(指揮者)
録音:①1964年4月17日マンハッタン・センター、②1963-1968年マンハッタン・センター&フィルハーモニック・ホール、③1962年5月7日マンハッタン・センター、④1970年2月11日フィルハーモニック・ホール
(SONY SMK60203)
中古でバーンスタインのアイヴズ作品集買いました。カップリングがバーンスタインが演奏するイメージのなかったエリオット・カーターというのもちょっと興味をひきました。

①この曲は以前モートン・グールド盤で聴いてました。
清らかな弦楽に最初は調和的にトランペットが出てきますが、やがて管楽器が噛み合わなくなっていく様が面白い。

②この録音は何故か楽章ごとに長い時間をかけて録音されています。
第1楽章「ワシントン誕生日」
ざわざわと始まりゆったりと不安な感じで始まります。旋律があるような無いような、無調的にモヤモヤと盛り上がるような盛り上がらないような感じでしばらく進みます。中程で突如アメリカンな感じで楽しくなります。口琴が「びよーんびよーん」聞こえたり、民謡がいくつも聞こえてきたりカオスになります。クライマックス後はゆったりの民謡風ですが空虚な感じです。
第2楽章「戦没将兵記念日」
この楽章もモヤモヤと不安な感じで始まります。だいぶ調性的です。やがて盛り上がってくるとどこかで聞いたことあるメロディが混ざってきますが、すぐ消えていきます。モヤモヤが続くのですが、終盤に我慢できないかのようにマーチが出てきます。が、バックはモヤモヤしていて幻想的。
第3楽章「独立記念日」
やはりモヤモヤでスタート。モヤモヤの中から何か元気なものが生まれそうで生まれない。やはり聞いたことあるメロディが聞こえたりしますが、幻想的というかホラー的というか。混沌とした世界です。
第4楽章「感謝祭」
ちょっと重々しくスタート。じわじわと盛り上がりますが、ずっと不協和音で不安感いっぱいです。そんな感じなので中程で優しくなって協和音が出てくるとホッとします。終盤はだんだん盛り上がりクライマックスでは合唱まで登場します。が、だんだん力が抜けていって終わります。
久しぶりに聴いたけど、何というか凄い曲ですね。民謡などがたくさん引用されてるけど不気味で怖いです。

③この曲の第2指揮者はわれらが小澤征爾です!小澤さんはこの作品を後にボストン響と一人で振って録音しています。
この曲もモヤモヤの中に色んな音が紛れてきて狂ったように激しくなりますが、やがて元の静けさに戻ります。「答えのない質問」が大げさになった感じです。

④エリオット・カーターはアメリカ人ながらブーレーズ一派ということで聴くのを避けていました。前にチェロ協奏曲を聴いてましたが微妙でした。バーンスタインが演奏してるということは面白い現代音楽をちょっと期待。このCDが発売された時はご存命でした。
曲はスネアの弱音でのロールから不穏な感じの音楽が続きます。色んな打楽器やハープにピアノが入り編成はでかい印象。メロディはない無調でギクシャクとした音響がひたすら続く24分。アメリカ産の作品だけにヨーロッパ産に比べるとカラッとしてますが、ザ・現代音楽といった感じで聞いてるのがツラい。

①-③★★★☆☆(規模は違うけど同じような趣向の作品ばかり)
④★☆☆☆☆(早く終わってほしくなる)

今回のアイヴズ作品は何れも無調と民謡やマーチなどのまぜこぜや、複調やポリリズムの落ち着きの悪さのごった煮のせいで、気持ち良いような悪いような何とも言えない気分にさせられます。アイヴズって本当に変な作曲家ですね。

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88875120702「モートン・グールド、シカゴ響録音全集5」
アイヴズ:
①オーケストラル・セット第2番
②オーケストラル・セット第1番~「コネチカット州レディングのパットナム将軍の野営地」
③ロバート・ブラウニング序曲

モートン・グールド(指揮)シカゴ交響楽団
①シカゴ交響合唱団
録音:1967年2月15日メディナ・テンプル、シカゴ
(RCA 88875120702の5枚目)
モートン・グールドとシカゴ響セットの2枚目のアイヴズです。モートン・グールドはアイヴズには思い入れあったんでしょうね。インフォメーションでは交響曲第2番が入っていることになっていましたが、実際はオーケストラル・セット第2番でした。

①一曲目「われらの祖先への悲歌」。
妖しい低弦にピアノやチェンバロがポツポツと音を絡めていきます。やがてトランペットから侘しげなメロディが出てきて、広がっていき、また静まっていきます。アチコチ不規則ぽいリズムが出てきて独特の雰囲気。
二曲目「ロックストルーンの丘」。
鐘がなって混沌の中からけだるいジャズっぽい雰囲気が出てきます。ジャズっぽいのや民謡っぽい断片が色々出てきて混沌としてきます。最終的には何かのメロディで盛り上がりますが、伴奏がやかましく邪魔します。
三曲目「ハノーヴァー広場北停車場から」。
いきなり合唱が宗教曲風に出てきます。ちょっと伴奏がなんだか変ですが。すぐに合唱はフェイドアウト、変な伴奏だけ残ります。だんだん色んな音楽が具茶混ぜになり混沌としてきます。そんな感じで盛り上がっていきますが、頭おかしくなりそうです。
アイヴズはわざわざ不快なサウンド作り上げて、本人は楽しんでるんでしょうね(笑)

②アイヴズにしてはだいぶ素直に楽しめる曲。太鼓が楽しげです。第1番の1曲目しかないのが残念ですね。LPの収録時間の都合でしょうけど。

③まったり始まりますが、しばらくすると攻撃的なマーチになり不協和音がキツイ音響がなり響きます。その後再びまったりになります。ほの暗くてマーラーの9番ぽい感じもします。次はまた激しい調子に戻ります。ティンパニのリズムうちが怖い。どんどんグチャグチャになってきてヒロイックな雰囲気も出てきてクライマックスに達すると「新世界」風に終わります。
激しい部分は切迫感があって物凄いですが、まったり部分はダラーっとしてました。

①★★★☆☆(面白いような不快なような)
②★★★★☆(楽しいです)
③★★☆☆☆(やかましい部分はもの凄い)

いやあ、アイヴズって結構激しいんですね。なんていうかショスタコとかとはまた違った恐ろしさです。

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88875120702「モートン・グールド、シカゴ響録音全集2」
アイヴズ:
①アメリカの主題による変奏曲
②交響曲第1番ニ短調
③答えのない質問

モートン・グールド(指揮)シカゴ交響楽団
③アドルフ・ハーセス(トランペット)
録音:①⑥1966年1月31日、②1965年11月6日、オーケストラ・ホール、シカゴ
(RCA 88875120702の2枚目)
モートン・グールドとシカゴ響セットの2枚目はアイヴズです。

①いきなり景気のよい音楽が出てきますが、これは既に変奏されたもの。第1変奏かと思うものが主題ですが、これが何だか聞いたことあるメロディですけどアメリカとは何か違うような?。調べてみたらなんと「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」!本当はイギリスの主題による変奏曲ですね。さすがアイヴズひねくれてます。
アイヴズだけにどこかヘンテコですが、元の主題は最後までわかります。元はオルガン曲だそうで、木琴など多様されている楽しいオーケストレーションはウィリアムス・シューマンらしい。カスタネットが入ったスペイン風なものまであります。

②アイヴズの第1交響曲はヤルヴィ盤を結構聴きましたが、すっかり忘れてました。確か楽しかったような気がします。
第1楽章。冒頭クラリネットにより叙情的で綺麗なちょっとドヴォルザーク風の第1主題で始まります。しばらくこの主題で展開します。しばらくしてちょっと明るくなる躍動的な感じのが第2主題かな?
何だかソナタ形式っぽいのですが、一つの主題だけで展開しているような気もします。最終的には結構ドスコイな感じで激しく終わります。
第2楽章。冒頭からイングリッシュ・ホルンの暖かいメロディが出てきます。ちょっと「新世界」ぽい。盛り上げ方などもドボ7の緩徐楽章ぽいところがあります。
第3楽章。スケルツォでフルートで始まり段々広がっていきます。短調でやはりドヴォルザークぽいです。トリオはちょっと緩やかになりますが、活気があります。
第4楽章はティンパニの一撃からスピード感溢れるアレグロになります。明るく朗らかな感じは初期ロマン派風でもあります。しばらくチャカチャカと展開した後ちょっと落ち着いた主題が出てきます。結構聞き応えある激しい展開をします。最後はボロディン風のヤンヤの盛り上がりです。
アイヴズも初めはロマン派、民族楽派の影響が大きかったんですね。

③弦楽がひたすら穏やかにゆったり動いている上で、左チャンネルからトランペットが聞こえてきます。しばらくすると右チャンネルから木管群が聞こえてきます。笑っちゃうことにトランペットや木管が出てくる直前にサーっとヒスノイズが聞こえちゃいます。ヘッドホンで聴いてると頭がおかしくなります(笑)。まあ、トランペットと木管がそれぞれ弦楽と関係なく勝手にやってる感が面白いです。トランペットはシカゴ響の名物トランペット奏者ハーセスです。

①④★★★★☆(インパクトありますねえ)
②★★★☆☆(結構良いです)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ついでに3枚目のチャイコフスキーのワルツ集も

「モートン・グールド、シカゴ響録音全集3」
チャイコフスキー:
①「眠れる森の美女」~ワルツ
②弦楽セレナード~ワルツ
③「くるみ割り人形」~花のワルツ
④「くるみ割り人形」~終幕のワルツとアポテオーズ
⑤「白鳥の湖」~ワルツ
⑥「白鳥の湖」~小品円舞曲
⑦「白鳥の湖」~白鳥のワルツ
⑧交響曲第5番~第3楽章
⑨「エフゲニ・オネーギン」~ワルツ

モートン・グールド(指揮)シカゴ交響楽団
録音:①⑤1965年11月6日、②-④⑥-⑨1966年1月31日、オーケストラ・ホール、シカゴ
(RCA 88875120702の2枚目)
チャイコフスキーのワルツばかり集めた一枚です。この間聴いたコステラネッツのライトなショスタコに対抗したわけではないでしょうけど。それぞれの曲は好きな曲ばかりだし、演奏も真面目に取り組んでますが、この並びでは聴きたくないですね(笑)
「くるみ割り人形」のフィナーレではワルツが終わってからも演奏されてたので、ワルツじゃないのがちょっと入っててちょっと嬉しい。
一曲づつなら★★★☆☆ でもアルバムとしては★☆☆☆☆

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