「ヒッチコックの音楽」
①バーナード・ハーマン:「知りすぎた男」演奏会序曲
②ワックスマン:「レベッカ」組曲
③ワックスマン:「裏窓」組曲
④ティオムキン:「見知らぬ乗客」組曲
⑤ティオムキン:「ダイヤルMを廻せ」組曲
⑥ハーマン:「めまい」前奏曲
⑦ハーマン:「北北西に進路を取れ」メイン・タイトル
⑧ハーマン:「サイコ」弦楽のための物語
⑨ベンジャミン(ハーマン偏):カンタータ「嵐の雲」(「知りすぎた男」で使用)
⑩ダニー・エルフマン:「ヒッチコック」エンド・クレジットの音楽
ジョン・マウチェリ(指揮)デンマーク国立交響楽団
⑨クラウディア・キドン(ソプラノ)、デンマーク国立コンサート合唱団
録音:2012年11月23、24日DRコンサート・ホール、コペンハーゲン(ライヴ)
(TOCCATA TOCC0241)
映画はあまり見ないのですが、ヒッチコックは高校くらいの時教育テレビで特集があって結構見ました。意外に「サイコ」は見てないんですけど。なんですが、このCDはサイコの例のヤツを聴きたくて買いました。バーナード・ハーマンやワックスマンというクラシック界でも有名な映画音楽作曲家が中心です。アメリカのオケじゃなくてデンマークのオケというのもいいですね。
指揮はちょっと懐かしいマウチェリ。退廃音楽とライト・クラシックの人っていうレッテル貼られてますね。この録音ではかなりの作品(①~⑤⑧)でマウチェリ自身が編曲や構成を行っているそうです。
①いかにもこれからサスペンス映画が始まります、といった感じの曲でゴージャスなサウンドです。ティンパニはカッコいいし、スネア、シロフォン、ドラが気持ちよい。
②タイトルは組曲だけど切れ目のないメドレーです。冒頭鐘がなりホルンが不安を煽りますが、すぐに濃厚でロマンティックなリヒャルト・シュトラウス風音楽になります。その後沈んだゆったりした音楽が続きます。徐々に激しくなり後半は俄然スリリングな音楽になりしまいには狂ったような3拍子になったりして盛り上がります。
③一曲目。いきなりドラムセット登場するジャズっぽい曲。クラリネットのソロからノリのよい感じで楽しいです。 二曲目は甘いソプラノ・サックスとトランペットがいやらしく絡み合ってロマンティックに歌います。昔のムード音楽ですね。 三曲目もドラム・セットで始まりますが、ジャジーな感じではなく、スリリングな追われるような感じがカッコいいです。 四曲目は甘く穏やかな感じ。再びドラム・セットのブラシがいいですね。最後はソプラノ・サックスが登場しテンポがあがってドラム・セットが一曲目を思いだしつつ、ちょっとおどけたような感じで終わります。 ジャズっぽいおしゃれな組曲でした。
④こちらも組曲というよりメドレーで色んな場面がどんどん出てきます。コープランド風アメリカの素朴系だったり、大げさなエセ・バロック風だったり、ワルツ風だったり色々です。
⑤明るく煮え切らないイントロで始まり、一瞬暗転したあと優雅な「バラの騎士」風ワルツになります。ヴァイオリンのソロまで「バラの騎士」風。また暗転して不安な場面のBGMぽくなります。木琴のオスティナートが不安を煽ります。その後は短い場面が2~3あって明転して終わります。
⑥前奏曲は不安な6拍子のリズムが弦楽やハープによって刻み続けられた上に、強奏でジャーンとかやります。不安で確かに「めまい」感があります。 後半の「愛の場面」はテンポ感が無くなり、美しいヴァイオリンが高音から徐々に降りてきます。
⑦「ダンダダダン、ダンダダダン」といきなりリズミカルで攻撃的でかっこいいです。ひたすらこれで押し通して気持ちよい。
⑧「ザンザン、ザザン!」とインパクトのある始まりかた。バルトークにありそうな弦楽によるワイルドなアレグロで始まります。テンポが落ち着くトリオのような部分もあります。 次はじっとりと時間が止まったような緊張感のある不気味な部分に。続いて強烈な例のアレですが、まあ効果音的ですぐおさまります。また静まって不気味な音楽に戻ります。 次の曲はさざ波のような刻みの上にフラジオレットの伸ばしが不気味です。そこへ例のアレが登場しアレグロになりますが長続きせず。また不気味な静けさからフィニッシュにむかいます。続いてざわめきのような弦の刻みが徐々に盛り上がりワーグナーの甘ーい曲っぽくなります。
⑨10分ほどのカンタータでこれだけ映画のオリジナルではないようです。カッコいい序奏があります。やがて叙情的に美しくなり、ソプラノが悲しげに歌い始めます。女声合唱が美しく応えていきます。続いてティンパニが登場し激しい雰囲気になると男声も登場します。テンポが上がると明るい雰囲気に変わり輝かしい合唱になり、めでたしめでたしで終わります。なんだかカッコいい! 何故かこの曲にだけ拍手が入っていてえらい盛り上がりです。
⑩落ち着いたテンポの不気味な音楽です。後半はちょっとホッとする感じです。まあ整理運動的なアンコールでしょうか。
⑧★★★★★
①③⑥⑦★★★★☆
②⑨★★★☆☆
④⑤⑩★★☆☆☆
やっぱりサイコがサイコー。あとはハーマンとワックスマンは良いですね。ベンジャミンのカンタータも良かったです。しかし、やはりハリウッドはリヒャルト・シュトラウスの系譜を引き継いでるんですね。 演奏も思いきりよくて素晴らしかった!
①バーナード・ハーマン:「知りすぎた男」演奏会序曲
②ワックスマン:「レベッカ」組曲
③ワックスマン:「裏窓」組曲
④ティオムキン:「見知らぬ乗客」組曲
⑤ティオムキン:「ダイヤルMを廻せ」組曲
⑥ハーマン:「めまい」前奏曲
⑦ハーマン:「北北西に進路を取れ」メイン・タイトル
⑧ハーマン:「サイコ」弦楽のための物語
⑨ベンジャミン(ハーマン偏):カンタータ「嵐の雲」(「知りすぎた男」で使用)
⑩ダニー・エルフマン:「ヒッチコック」エンド・クレジットの音楽
ジョン・マウチェリ(指揮)デンマーク国立交響楽団
⑨クラウディア・キドン(ソプラノ)、デンマーク国立コンサート合唱団
録音:2012年11月23、24日DRコンサート・ホール、コペンハーゲン(ライヴ)
(TOCCATA TOCC0241)
映画はあまり見ないのですが、ヒッチコックは高校くらいの時教育テレビで特集があって結構見ました。意外に「サイコ」は見てないんですけど。なんですが、このCDはサイコの例のヤツを聴きたくて買いました。バーナード・ハーマンやワックスマンというクラシック界でも有名な映画音楽作曲家が中心です。アメリカのオケじゃなくてデンマークのオケというのもいいですね。
指揮はちょっと懐かしいマウチェリ。退廃音楽とライト・クラシックの人っていうレッテル貼られてますね。この録音ではかなりの作品(①~⑤⑧)でマウチェリ自身が編曲や構成を行っているそうです。
①いかにもこれからサスペンス映画が始まります、といった感じの曲でゴージャスなサウンドです。ティンパニはカッコいいし、スネア、シロフォン、ドラが気持ちよい。
②タイトルは組曲だけど切れ目のないメドレーです。冒頭鐘がなりホルンが不安を煽りますが、すぐに濃厚でロマンティックなリヒャルト・シュトラウス風音楽になります。その後沈んだゆったりした音楽が続きます。徐々に激しくなり後半は俄然スリリングな音楽になりしまいには狂ったような3拍子になったりして盛り上がります。
③一曲目。いきなりドラムセット登場するジャズっぽい曲。クラリネットのソロからノリのよい感じで楽しいです。 二曲目は甘いソプラノ・サックスとトランペットがいやらしく絡み合ってロマンティックに歌います。昔のムード音楽ですね。 三曲目もドラム・セットで始まりますが、ジャジーな感じではなく、スリリングな追われるような感じがカッコいいです。 四曲目は甘く穏やかな感じ。再びドラム・セットのブラシがいいですね。最後はソプラノ・サックスが登場しテンポがあがってドラム・セットが一曲目を思いだしつつ、ちょっとおどけたような感じで終わります。 ジャズっぽいおしゃれな組曲でした。
④こちらも組曲というよりメドレーで色んな場面がどんどん出てきます。コープランド風アメリカの素朴系だったり、大げさなエセ・バロック風だったり、ワルツ風だったり色々です。
⑤明るく煮え切らないイントロで始まり、一瞬暗転したあと優雅な「バラの騎士」風ワルツになります。ヴァイオリンのソロまで「バラの騎士」風。また暗転して不安な場面のBGMぽくなります。木琴のオスティナートが不安を煽ります。その後は短い場面が2~3あって明転して終わります。
⑥前奏曲は不安な6拍子のリズムが弦楽やハープによって刻み続けられた上に、強奏でジャーンとかやります。不安で確かに「めまい」感があります。 後半の「愛の場面」はテンポ感が無くなり、美しいヴァイオリンが高音から徐々に降りてきます。
⑦「ダンダダダン、ダンダダダン」といきなりリズミカルで攻撃的でかっこいいです。ひたすらこれで押し通して気持ちよい。
⑧「ザンザン、ザザン!」とインパクトのある始まりかた。バルトークにありそうな弦楽によるワイルドなアレグロで始まります。テンポが落ち着くトリオのような部分もあります。 次はじっとりと時間が止まったような緊張感のある不気味な部分に。続いて強烈な例のアレですが、まあ効果音的ですぐおさまります。また静まって不気味な音楽に戻ります。 次の曲はさざ波のような刻みの上にフラジオレットの伸ばしが不気味です。そこへ例のアレが登場しアレグロになりますが長続きせず。また不気味な静けさからフィニッシュにむかいます。続いてざわめきのような弦の刻みが徐々に盛り上がりワーグナーの甘ーい曲っぽくなります。
⑨10分ほどのカンタータでこれだけ映画のオリジナルではないようです。カッコいい序奏があります。やがて叙情的に美しくなり、ソプラノが悲しげに歌い始めます。女声合唱が美しく応えていきます。続いてティンパニが登場し激しい雰囲気になると男声も登場します。テンポが上がると明るい雰囲気に変わり輝かしい合唱になり、めでたしめでたしで終わります。なんだかカッコいい! 何故かこの曲にだけ拍手が入っていてえらい盛り上がりです。
⑩落ち着いたテンポの不気味な音楽です。後半はちょっとホッとする感じです。まあ整理運動的なアンコールでしょうか。
⑧★★★★★
①③⑥⑦★★★★☆
②⑨★★★☆☆
④⑤⑩★★☆☆☆
やっぱりサイコがサイコー。あとはハーマンとワックスマンは良いですね。ベンジャミンのカンタータも良かったです。しかし、やはりハリウッドはリヒャルト・シュトラウスの系譜を引き継いでるんですね。 演奏も思いきりよくて素晴らしかった!