男女間の嫌悪感が世界的に高まっているようだ。
女性との交際経験がなく、自分を「モテない人間」、いわゆる「非モテ」とみなす若い男性たちのインターネット上のコミュニティーの存在が、ある事件をきっかけに注目されています。その事件とは、先月、カナダ最大都市・トロントでワゴン車が歩行者を次々とはね、10人が亡くなった事件。容疑者の男が事件の直前、ソーシャルメディアに投稿していたメッセージの内容から、「非モテ」ネットコミュニティーの一部で渦巻く、女性に対するゆがんだ怒りや恨みが事件の動機につながった可能性が浮上しているのです。
聞き慣れない暗号のような文章に戸惑いながら調べていくと、「インセル、incel」は英語のinvoluntary celibate(不本意の禁欲主義者)の略語で、女性に好かれず、性体験のないことを女性のせいにするという、ゆがんだ女性蔑視の考えを持つ男性たちのことを指すことがわかってきました。
彼らはネット上にコミュニティーを作り、女性と問題なく交際する、現実の生活が充実している人たち、いわゆる「リア充」の男性を「チャド」、自分たちを受け入れない女性を「ステイシー」と呼び、敵視していました。中には、女性を性的な暴力で「罰する」ことを肯定する男性たちも含まれ、去年11月には「インセル」たちが集まるネット上の掲示板の1つが内容が暴力的だとして、閉鎖されていました。
ニューヨーク市立大学の犯罪心理学者、チトラ・ラグハバン教授はインセルとして過激化する男性たちの問題は国や地域を問わない問題で、放っておけば、世界中で、女性を蔑視する男性たちに発言の場を与えることになると懸念。深刻な心の病として対応する必要があるとしたうえで、警察などの介入も必要なケースも出てくると指摘します。
こうした中、印象に残ったのは、取材に応じてくれた元インセルの男性が、インセルから抜け出した経験から訴えていたことです。それはデートや性交渉の有無で人生の価値を決める必要は無いという考えでした。
「『あなたの価値は性交渉できるか否かとは関係ない』という考え方をインセルの人たちに知らせることが重要だと思います。女性とデートできない男性がいても、『そういう人もいる、何の問題もない』と伝えるのです。性交渉は、人生の価値を決める大きな要素ではない、そう伝えることがおそらく、インセルに対処する最善の方法だと思っています」
過激な言動をする背景は、その悩みが本人にとっていかに深刻な問題であるかを示しているように思う。それなのに、『あなたの価値は性交渉できるか否かとは関係ない』なんて言われたら余計に怒りが増しそうに思うわ。
「愛の反対は無関心」という言葉を聞いたことがある。彼らの女性への嫌悪感は、女性に受け容れてほしいという気持ちから来ていると思う。
『あなたの価値は性交渉できるか否かとは関係ない』ではなく、『あなたの価値は、女性に受け容れてもらえるか否かとは関係ない。女性の評価は、あなたの価値に関係ない。』と言えばいいんじゃないか。女性に受け容れてもらうことを目指すということは、一個人でしかない女性が持つ価値観を神格化することにも近いんじゃないか。
とはいえ、焦る気持ちはわからないではない。彼らを救済する仕組みが社会にないのも問題な気がする。初めての交際相手を見つけるまでのサポートは、公的扶助として実施すべきとも思うわ。
韓国の男性嫌悪サイト、高麗大学のトイレを盗撮し画像流布
今月15日、インターネットの男性嫌悪掲示板サイト「Womad(ウォーマッド)」に「高麗大学男子盗撮」というスレッドが立った。ある男性が公衆トイレで便器に座って用を足している画像も掲載されていた。
「男女嫌悪現象」が行き過ぎの様相を呈している。
この嫌悪感の広がりは、なんなんだろな。
どちらもインターネットと結びついているのであれば、これまで少数の人々が持っていた意見がネットを通じて集約されるようになり、少数派が互いに結びつくことが可能になったということか。少数派と決めつけていいかも少し考えるべきかもしれないが。