氷結界の輸送部隊
氷結界の輸送部隊
効果モンスター
星1/水属性/海竜族/攻 500/守 200
1ターンに1度、自分の墓地の「氷結界」と名のついた
モンスター2体を選択して発動できる。
選択したモンスター2体をデッキに戻してシャッフルする。
その後、お互いにデッキからカードを1枚ドローする。
このカードは遊戯王OCG史上初の、レベル1の海竜族モンスターでした。
また、禁止カードのブリューナクを除けば氷結界で唯一の海竜族という事になります。
このレベル・種族から、深海のディーヴァの効果でデッキから特殊召喚する事ができ、ワン・フォー・ワンでもデッキ・手札から特殊召喚する事ができます。
また、海皇の重装兵とグルナードという、2種類のモンスターの「二重召喚効果」によって通常召喚する事ができます。
効果は、一言で言えば「氷結界専用の簡易版・貪欲な壺」といった感じです。
貪欲な壺とは異なる点は、デッキに戻すモンスターカードが2枚である点と、その後のドローがお互いにデッキから1枚ドローするという点です。
また、この効果は1ターンに1度しか使用できません。
墓地に行った氷結界のシンクロモンスターをEXデッキに戻すのに使えますが、【氷結界】はそんなに頻繁にシンクロ召喚を行えるようなデッキではなく、何よりも「墓地からの再利用」という点では、伝道師の効果で蘇生した方が良いケースが多いです。
このカードの効果は主に、神の宣告や神の警告などでシンクロ召喚を無効化される等して蘇生制限を満たせなくなったシンクロモンスターや、特殊召喚できない神精霊を再利用するのに使う事になるでしょう。
浮上に対応している点も伝道師と共通しています。浮上で蘇生すればこのカードの低攻撃力を晒さずに済む利点がありますが、やはり基本的には蘇生効果を持つ伝道師の方を優先するべきでしょう。
氷結界モンスターをメインデッキに戻すことで、氷結界の紋章のサーチ先を増やすのには役立つでしょう。
手札に紋章があり、かつ「墓地に回収したい氷結界モンスターがいるがデッキにそれと同名カードはもう無い」という状況の時にサルベージが無い時、もしくはその回収したいモンスターがサルベージに対応しないモンスターだったという時には、このカードでその氷結界モンスターをデッキに戻した上で紋章でサーチする事で、擬似的に回収する事ができます(輸送部隊のドロー効果で引ける可能性もありますが)。
ただ、単に墓地のカードを2枚デッキに戻したいならば、通常罠カードの転生の予言が存在します。
何よりも痛いのは、効果によって相手にも1枚ドローさせてしまう点です。
この効果で相手にキーカードを引かれようものなら、目も当てられないです。
一応、相手によるドローを逆手に取って、便乗でこちらは2枚ドローしたり、強烈なはたき落としで相手がドローしたカードを墓地へ落としたりする事はできますが、伏せてから発動できるまでのタイムラグが辛過ぎる上に、果たしてこのためにわざわざそれらのカードを投入する意義があるかどうかは微妙です・・・。
氷結界と同じDT出身のテーマの「ガスタ」の専用の貪欲な壺効果を持っているガスタの静寂 カームを見ていると、このカードの境遇がより悲しく思えてきます(泣
このカードの活用法は、数少ないレベル1の氷結界モンスターである点を活かしたレベル調整でしょう。
同じく数が少ないレベル1・水属性・海竜族モンスターとして見ても、自分の場に他に水属性モンスターがいない時に深海のディーヴァの効果でリクルートし、忘却の都 レミューリアのレベルアップ効果を使用すれば、ディーヴァのレベルが4、このカードのレベルが3となり、このカードとディーヴァの2体でグングニール等のレベル7のシンクロ召喚を行う事ができるようになります。
また、このカードとディーヴァの2体を選択してタンホイザーゲートを発動すれば、両者のレベルは3となり、ブラック・レイ・ランサー等のランク3のエクシーズや、ドゥローレン等のレベル6のシンクロに繋げることができます。
自分の場に水属性モンスターがこのカードとディーヴァの2体だけの時に、タンホイザーゲートを使ってからレミューリアのレベルアップ効果を使えばランク5のエクシーズを、レミューリアのレベルアップ効果を使ってからタンホイザーゲートを使えばガイオアビス等のランク7のエクシーズを狙う事ができます。
また、海皇の咆哮の効果で蘇生する事もできます。海皇の咆哮でこのカードを3体蘇生すればランク1のエクシーズに繋げる事ができます。そこからレミューリアのレベルアップ効果を使用すれば、レベルモンスター4×3の素材指定を持つランク4のエクシーズを狙う事もできます。
…登場以来長らくの間、これらの戦法はこのカードのみの専売特許でしたが、第9期にネプトアビスが登場した事によって、このカードは「唯一の」レベル1・水属性・海竜族モンスターではなくなってしまいました(汗
同じ運用はネプトアビスでも可能な上に、あちらはこのカードよりも攻撃力が高く、【海皇】デッキの主軸となる効果を持っています。どちらもテーマに依存する効果を持っていますが、テーマへの貢献度は雲泥の差でしょう…。
深海のディーヴァが制限カードとなった今では、【氷結界】デッキに上述のようなシンクロやエクシーズを組み込むのもそう容易ではありません。
ネプトアビスよりもこのカードを優先して使うならば、海皇が入っていないデッキや墓地からデッキへ氷結界のモンスターを再利用できる事に利点を見出せるようなデッキ、デブリ・ドラゴンの様にステータス関係でネプトアビスとはシナジーが無く事このカードとのみシナジーのあるカードを投入したデッキになってくるでしょう。