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氷結界の浄玻璃

自分の使っているデッキに新規カードが出るという事は、多くのデュエリストが望むところでしょう。
私は「アニメの放送やOCGのストーリー展開が終了すると同時に終わる方が潔い。墓から掘り起こされるかの如く新規が出るのなんてみっともない」と思っていたものでしたが、私が使っていたデッキにすらも、今や新規カードが登場しました。
しかし、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という訳ではありません。
新規カードが出たと思いきや、設定やネタに特化したとしか思えないような、「強化」には程遠いようなカードだったというケースもあり得ます。とはいえ、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という公式は十中八九当てはまるものなので、大概のデュエリストにとっては、強化に結び付かないような新規カードの存在など実感が湧かないかもしれません
新規カードを望むのは当然そのデッキが強化される事に期待するからであり、カードゲームというジャンルで、しかも今更昔のデッキの関連カードなど出す以上、その評価に関しては強さが全てです。
そんな中で、フレーバー(設定やネタ)に特化するなど、格闘技の選手が、トレーニングそっちのけでお笑い芸を磨くようなものです。当然それでは注目を浴びる事はあっても強くなる事は断じてあり得ません。
私の好きなデッキや使っていたデッキは主に水属性関連、その中でもほんの一握りと非常に数が少ないですが、その数少ないデッキの数少ない新規の中に、そんなフレーバー特化のカードは存在します。ここでは、そんなカードを紹介します。
近年は、時代の流れに置いていかれていた筈のテーマが新規で強化を貰ったり、中にはテーマですらなかった一カードから派生したものが、環境クラスの強さにまでなったりする事もあります。つまり、公式の匙加減次第で、どんなデッキでも環境クラスに押し上げる事は可能なのです。一方で、水属性関連のデッキはというと、長らく環境トップクラスになったという話は聞きません。
ここで紹介するカードを出す位なら、その枠で私の使っていたデッキを環境クラスにまで押し上げられる程の強力な新規カードだって出せていた筈だろう、と思わずにはいられません。


氷結界の浄玻璃

氷結界の浄玻璃
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1800/守 900
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに他の「氷結界」モンスターが存在する限り、
相手がLPを払ってカードの効果を発動する度に相手は500LPを失う。
(2):自分の墓地の「氷結界」モンスター及び相手の墓地のカードをそれぞれ2枚まで対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。
(3):自分フィールドに「氷結界」モンスターが存在する場合、
墓地のこのカードを除外し、フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示にする。



遊戯王OCGの第11期にあたる、2021年1月16日(土)発売の通常パック「LIGHTNING OVERDRIVE」で登場した氷結界の浄玻璃
私の中での遊戯王OCGが終わったのは第8期ですが、続く第9期では開始早々から急激なインフレが起こりました。誇張でも何でも無く、これまで環境クラスだったデッキ全てが過去のものになるレベルのインフレ。そのインフレの頂点に君臨していたシャドールは、第10期にストラクチャーデッキ化されたりしていました。
一方で、私が応援していたテーマの氷結界はというと、第7期を最後に新規カードは登場しておらず、第8期には、他のテーマが劇的かつ真っ当に強化されていくのを指を咥えて見ている事しかできないという状態でした。
そんな不遇な時代や急激なインフレ等も経た末の第11期において、今度は氷結界がストラクチャーデッキに登場しました。が、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-の新規カードは、8期辺りの基準で見てすらも微妙と思えるような性能のカードばかりでした。
カードパワーが時期に見合っておらず、これまでのカテゴリの不遇さと貧弱さを補うようなカードも無い。シンプルに力不足。
更に効果の制約等も妙に嫌らしく、カード同士が嚙み合わなかったり、展開がワンテンポ遅れてしまう事もしばしばです。
しかし、そういった批評の他にも、これまで遊戯王のデュエルターミナル関連のストーリーや設定を追っていた人達は、ある事に気付いていました。
「どのカードも、フレーバー(ストーリーや設定)を意識した効果ばかりじゃないか?」と。
具体例等はここでは書きませんが、カードの性能に対する酷評の他に、そういったフレーバーに関する考察なんかも話題になっていました。
ちなみに、「元々が貧弱なテーマだったんだから、どんな強化を貰ったって強くなるはずが無かっただろう」という意見もありますが、冒頭で書いたように製作者の匙加減次第でその気になれば全くの無からも環境クラスのデッキを生み出す事だってできる為、この意見は見当違いも甚だしいです

凍獄の氷結界は酷評に次ぐ酷評でしたが、発売後、多くの人がこんな予想をしていました。「ストラクチャーデッキで強化されたテーマなのだから、通常パックにも新規が来るはずなのではないか」と。
実際に、ストラクチャーデッキ化されたテーマに遅かれ早かれ新規カードが来ており、中には幾度となく擦られ続けているものもあります。なので氷結界にも、フレーバーを優先したカードなどではなく、ストラクチャーデッキの力不足を補うような強力なサポート効果を持った新規カードの登場が望まれていました。
そんな中で、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-から約3ヶ月後に発売された通常パックに登場した氷結界の新規が、このカードでした。

(1)の効果は、自分の場に他の氷結界モンスターが存在する限り、相手がLPを払ってカードの効果を発動する度に相手は500LPを失うという効果です。氷結界に多い、自分の場に他の氷結界がいる際に発揮する永続効果ですが、それらの多くとは異なり相手の動きを制限するロック効果ではありません
せいぜい、500LP余分にLPを減らしてまで効果を発動させるかどうかを躊躇わせる程度です。
この効果はLPを払って発動する効果に対してしか適用されない為、そもそもLPを払って発動するモンスターが入ってすらいないデッキ相手に対しては、全くの無意味となってしまいます。

(2)の効果は、自分の墓地の氷結界モンスター及び相手の墓地のカードをそれぞれ2枚まで対象として発動でき、そのカードをデッキに戻す効果です。3つある効果の中で、唯一自分の場に他の氷結界モンスターを必要とせずに発動できる効果です。
墓地の氷結界モンスターをデッキに戻せる効果を持ったモンスターは氷結界の輸送部隊に続いて2体目です。あちらは相手にもドローさせてしまうのに対し、こちらは相手のカードもデッキに戻します。
また、あちらは氷結界2枚を戻さなければならないのに対してこちらは2枚"まで"なので、こちらの方が小回りが利きます。
一方、デッキに戻すだけでドローのような追加効果は無い為、相手の墓地利用を妨害するのが主な運用法になるでしょうか。ただ、フリーチェーンではなく自分のターンにしか使用できない為、妨害として役立つかは微妙で、特にサーチやリクルートに優れたデッキ相手には、かえって不利にはたらく事もあり得ます。

(3)の効果は、自分の場に氷結界モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外し、場の攻撃表示モンスター1体を守備表示にするという効果です。
こちらも(2)の効果と同様にフリーチェーンではなく自分のターンにしか使用できない為、「相手の攻撃モンスターを守備表示にして攻撃を防ぐ」という運用はできません。一応、氷結界の依巫の(2)の効果と組み合わせる事で、守備表示にしたモンスターが攻撃表示になる事を防ぐ、という運用は可能です。

…以上、3つの効果を持っていますが3つともデッキの運用とは何ら関係ない効果です。
「フレーバー優先」だった凍獄の氷結界の後にお出しされたのは、「フレーバーしか無いカードでした。
少し解説すると、このカードの3つの効果の内(1)と(3)の2つはインヴェルズに対するメタを意識した効果だと考察されています。しかし、インヴェルズはおろかそれと似たようなコンセプトのデッキすら環境にはおらず、そもそもインヴェルズに対してすらメタとして有効にはたらくかどうかは疑わしいです。
「インヴェルズメタ」というコンセプト自体も、設定上の時系列でを踏まえると若干ズレているような気がします。
(設定やストーリーに関しては、招来の対価の記事内で少し触れています)

このカードの評価点と言えば、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-の新規カード達やVジャンプ付属カードで登場していた氷結界の随身は、展開やサーチ等、デッキの運用に何らかの役目があるという点でまだ良いカードだったんだと気付かせてくれる点でしょうか。実際、TERMINAL WORLDの新規が登場した後には、凍獄の氷結界で登場した新規カードはトリシューラの鼓動を除いていずれも使い勝手が大きく向上しています。
一方で、このカードと特別相性が良いようなカードは登場しておらず、凍獄の氷結界やTERMINAL WORLDで登場したカードよりも優先してデッキに入れる意義は見出せないままです。
一応、攻撃力は1800と、下級アタッカークラスの数値ではあります。攻撃力1800の下級氷結界は、氷結界の武士以来の2体目ですが、あちらとは種族が被っています。
せめて種族が戦士族でさえなければ、まだ氷結界の武士と差別化を図れたものを…。しかもその武士とは、(3)の効果で自分の場に攻撃表示で存在する武士を守備表示にする事で、あちらの効果(自壊&ドロー)の発動に繋げる事ができる点で謎にシナジーがあるという意味不明っぷりです。このカードの元ネタにして死後の姿にあたるリチュア・ナタリアは魔法使い族なので、一層謎です。

「効果テキストがインクの染み」「通常モンスターだった方がマシ」という意見を見かけましたが、これに関しては全くもってその通りだと思います。デュエルターミナルの最初期の6テーマの中で氷結界だけ通常モンスターがいないので尚更です。
また、その効果のあまりの時代遅れ感から「デュエルターミナルの頃(第6期)に出そうとして没になったカードを再利用したんじゃないか?」と揶揄される事もありますが、TERMINAL WORLDの再録カードのテキストを見れば分かるように、デュエルターミナルの頃の氷結界モンスターに、効果を3つも持ったカードは存在しません。同名カードの1ターンに1度の使用回数制限なんかも、(エラッタされたカードを除けば)当時のカードにはありません。
なので、このカードはこれでも紛うことなき2021年、遊戯王OCGの第11期に登場したカードなのです。

テーマ : 遊戯王OCG
ジャンル : ゲーム

No.71 リバリアン・シャーク

自分の使っているデッキに新規カードが出るという事は、多くのデュエリストが望むところでしょう。
私は「アニメの放送やOCGのストーリー展開が終了すると同時に終わる方が潔い。墓から掘り起こされるかの如く新規が出るのなんてみっともない」と思っていたものでしたが、私が使っていたデッキにすらも、今や新規カードが登場しました。
しかし、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という訳ではありません。
新規カードが出たと思いきや、設定やネタに特化したとしか思えないような、「強化」には程遠いようなカードだったというケースもあり得ます。とはいえ、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という公式は十中八九当てはまるものなので、大概のデュエリストにとっては、強化に結び付かないような新規カードの存在など実感が湧かないかもしれません
新規カードを望むのは当然そのデッキが強化される事に期待するからであり、カードゲームというジャンルで、しかも今更昔のデッキの関連カードなど出す以上、その評価に関しては強さが全てです。
そんな中で、フレーバー(設定やネタ)に特化するなど、格闘技の選手が、トレーニングそっちのけでお笑い芸を磨くようなものです。当然それでは注目を浴びる事はあっても強くなる事は断じてあり得ません。
私の好きなデッキや使っていたデッキは主に水属性関連、その中でもほんの一握りと非常に数が少ないですが、その数少ないデッキの数少ない新規の中に、そんなフレーバー特化のカードは存在します。ここでは、そんなカードを紹介します。
近年は、時代の流れに置いていかれていた筈のテーマが新規で強化を貰ったり、中にはテーマですらなかった一カードから派生したものが、環境クラスの強さにまでなったりする事もあります。つまり、公式の匙加減次第で、どんなデッキでも環境クラスに押し上げる事は可能なのです。一方で、水属性関連のデッキはというと、長らく環境トップクラスになったという話は聞きません。
ここで紹介するカードを出す位なら、その枠で私の使っていたデッキを環境クラスにまで押し上げられる程の強力な新規カードだって出せていた筈だろう、と思わずにはいられません。


No.71 リバリアン・シャーク

No.71 リバリアン・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/ドラゴン族/攻 0/守2000
レベル3モンスター×2
(1):1ターンに1度、「No.71 リバリアン・シャーク」以外の
自分の墓地の「No.」Xモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードのX素材1つをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「RUM」魔法カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。



OCGオリジナルのナンバーズであるNo.71 リバリアン・シャーク
遊戯王ZEXALの放送終盤から放送終了後のOCG第9期序盤にかけて、OCGでは通常パックの「ワールドプレミア枠」と呼ばれる枠を中心に、遊戯王ZEXALの登場人物が使用したデッキの新規カードが登場していました。
いずれのデッキも当時のOCGの環境に合わせた新規カードによる強化が行われており、その中でも一際存在感を放っていたのは、それらのデッキの切り札としてデザインされたOCGオリジナルの新規ナンバーズでした。
ワールドプレミア枠等で強化されたZEXALのキャラはメインキャラからサブキャラまで様々で、作中でのナンバーズとの関わりも様々でした。それらのデッキのいずれもが、アニメの枠を超えた大幅な強化を受け、中には当時の環境クラスにまでなったデッキもありました。
…が、私がデッキを組んでいたシャークは、メインキャラであるにも関わらず新規カードを貰えませんでした
メインキャラとしてあるまじき扱い。他のキャラのデッキとの差は開くばかり。そんな扱いに耐えかねて、私は遊戯王を辞めた程でした。
遊戯王から身を引く前の時期に、「シャークにOCGオリジナルの新規ナンバーズさえ出れば」と何度思った事か分かりません。
私が遊戯王から身を引いた後に出た、唯一のシャークを意識したOCGオリジナルのナンバーズこそが、このカードになります。

(1)の効果は、1ターンに1度、同名カード以外の自分の墓地のナンバーズXモンスター1体を蘇生し、このカードのX素材1つをそのモンスターの下に重ねてX素材とするという効果です。
このカードはバハムート・シャークの効果で特殊召喚できますが、「このカードのX素材1つをそのモンスターの下に重ねてX素材とする」という処理が入る為、バハムート・シャークの効果で出した際には素材を補充できない限りこの効果を使う事はできません。

(2)の効果は墓地へ送られた場合に発動でき、デッキから「RUM」魔法カード1枚を選んでデッキの一番上に置く効果です。
こちらの効果は、バハムート・シャークの効果で特殊召喚した場合でも使用する事ができます。また、どこから墓地へ送られた場合でも発動できるので、FA-ブラック・レイ・ランサーなど他のXモンスターを上に重ねたりした後でも発動できる機会はあります。
想定されている使い方は、RUM-七皇の剣をデッキトップに置き、次のドローフェイズにドローする事で効果の発動に繋げる、という運用法でしょう。

以上が、このカードの性能です。正直言って、ワールドプレミア枠で登場した切り札級のナンバーズには程遠いです。
それ以前に、このカードに関して話題になるのは専らカード名の由来に関するネタであり、性能など二の次三の次です。
このカードは、シャークが初めて使用したナンバーズであるNo.17 リバイス・ドラゴンとはランク・属性・種族が同じであり、攻撃力と守備力の値が入れ替わっています。また、数字もあちらが「17」であるのに対し、こちらは「71」と反対になっています。
「シャーク」名前が付いている点も、元ネタがシャークの使用カードだった事を踏襲しており、「リバリアン」というのも、「リバイス」に「バリアン」を合わせたものなのでしょう。

上で解説した(2)の効果の様に、このカードを初めてとしたOCGオリジナルのシャーク(ナッシュ)関連のカードは、バリアン要素、特にRUM-七皇の剣をサポートするようなコンセプト呪いの様に付きまとっており、ナッシュが表紙を飾った弾でもあるデュエリストパック-深淵のデュエリスト編-において牙を剥きます。(ちなみに、同パックではこのカードも再録されています)
パッケージを飾った新規XモンスターのCX-N・As・Ch Knightはカオスオーバーハンドレッドナンバーズ用の下敷き、アビス・シャーククリスタル・シャーク以外の新規は全て水属性も魚族も関係ない七皇(セブンス)やバリアン、オーバーハンドレッドナンバーズ関連のカードという有様でした。
更に、後のDPに登場した他のバリアン七皇は、七皇関連のカードはほとんど無く、それぞれのデッキを強化するカードが大半という、想定し得る最悪の展開でした。特に、ミザエルのデッキが強化されたデュエリストパック-輝光のデュエリスト編-に至っては、深淵のデュエリスト編でナッシュの枠のスーパーレアとして初登場した七皇昇格が、ミザエルの枠でノーマルカードとして再録されているという有様です。あまりにも不公平・不平等過ぎます。
「バリアン七皇のリーダーだし、とりあえずRUM-七皇の剣に関するサポート効果でも付けておけばそれっぽくなるだろう」というのが、製作者サイドがシャーク(ナッシュ)に見出した「個性」なのでしょう。そして、その先駆けとなったのがこのカードだと言えます。
しかし同時に、数字遊びをしたり、今や出て10年以上にもなるオーバーハンドレッドナンバーズをいつまでも擦ってるだけでは強くなる訳でも環境クラスのデッキ相手に勝てるようになる訳でもないという事も実感させてくれます。

テーマ : 遊戯王OCG
ジャンル : ゲーム

シャークデッキ強化案

DP神代兄弟編が出た頃に書いていたのと同じような記事を、現代準拠で書いてみます。
とはいえ、前回の記事から11年以上経ってますが。
という訳で、シャークのデッキと相性が良さそうなカードをいくつか取り上げてみます。


海亀壊獣ガメシエル

海亀壊獣ガメシエル
水属性の壊獣モンスター。シャークのデッキは除去の選択肢は増えたものの、それでも対処に困るカードは多いです。
このカードは「相手の場のモンスターをリリースする」という極めて強力な単体除去性能を持っており、モンスター効果等に耐性を持つカードであっても処理する事ができます。
さすがに特殊召喚やリリースを封じられていればお手上げですが、それ以外のあらゆる耐性を突破できる点は強力です。
罠カードの氷結界を入れていれば、他のレベル5以上のモンスターとサーチを共有できます。
相手の場に特殊召喚されるリスクはあるものの、そこからNo.101の効果でX素材にしたり、No.32 海咬龍シャーク・ドレイクの的にするといった活用法も考えられます。


豪雨の結界像

豪雨の結界像
以前の記事でも取り上げていた、水属性以外の特殊召喚を封じる効果を持ったモンスター。水属性を主体としたデッキには全く効きませんが、それ自体が環境では少ないので、結界像の中でも束縛力は高い部類でしょう。
種族が水族なので魚族のサポートには対応していませんが、いざという時にランク4のX素材にしたり、時空の七皇によるサーチを共有する事はできます。
このカード自体は低ステータスの下級モンスターでしかないので、耐性を持たせるか蘇生手段を用意してフィールド上に維持したいです。


ナンバーズ・プロテクト

ナンバーズ・プロテクト
自分の場にナンバーズがいる際に、効果の発動を無効にできるカウンター罠カード。
シャークのデッキは相手が発動する効果を無効にする手段に乏しい為、ナンバーズを多用するデッキであれば、このカードはその穴を埋めるのに役立ちます。
場に立たせられる機会が多いナンバーズは、No.101、No.32、No.4あたりでしょうか。
また、自分の場のナンバーズが破壊された場合に墓地にあるこのカードを再セットできる効果もありますが、1ターンに1度いずれか1つしか使用できない為、次の使用までにラグが生じてしまう点には注意が必要です。


FNo.0 未来皇ホープFNo.0 未来龍皇ホープ

FNo.0 未来皇ホープFNo.0 未来龍皇ホープ
遊馬の力を借ります。バハムート・シャークの効果で特殊召喚したランク3の上にFA-ブラック・レイ・ランサーを重ね、バハムート・シャークとFA-ブラック・レイ・ランサーでFNo.0 未来皇ホープをX召喚し、その上にFNo.0 未来龍皇ホープを重ねてX召喚します。
上でも書いたようにシャークのデッキは効果の発動の無効化手段に乏しく、そうなった一番の理由は餅カエルの禁止化にありますが、FNo.0 未来龍皇ホープは、対モンスター効果に限れば「餅カエルの代替」としては再現度・現実性共に最上位でしょう。
問題は、アビス・シャーク等の特殊召喚制限に引っかかる点と、何よりもエクストラデッキの枠を大量に割いてしまう点です。当然、展開途中での妨害にも弱く、特に中継地点のFNo.0 未来皇ホープの時点で妨害されてしまうと目も当てられない事に…。


天霆號アーゼウス

天霆號アーゼウス
X召喚の切り札。
シャークのデッキには、戦闘を介する効果を持ったXモンスターが多いので、アビス・シャーク等の特殊召喚制限が無ければ重ねてX召喚できる条件を満たせる機会は多いでしょう。
(1)の全体除去効果はフリーチェーンなので相手への抑制力になる他、「対象を取らず(破壊を介さずに)墓地へ送る」というシャークのXモンスターには無い除去能力であり、死角を補ってくれます。
また、(1)の効果の発動条件は、No.101 S・H・Ark Knightの、鳥銃士カステルとの差別化に一役買ってくれます。


以上、シャークのデッキに使えそうなカードの一部を取り上げてみました。
前回はX召喚までの展開補助のカードが多かったのに対し、今回は相手への妨害用のカードが多くなりました。
もっとも、あらゆる絡め手を駆使したところで今の環境トップのデッキには通じないでしょうが。

テーマ : 遊戯王OCG
ジャンル : ゲーム

アイス・ミラー

ここで紹介するカードは、アイス・ミラーです。


アイス・ミラー

アイス・ミラー
通常魔法
(1):自分フィールドのレベル3以下の水属性モンスター1体を対象として発動できる。
その同名モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターが自分フィールドに表側表示で存在する限り、
自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。



アニメ遊戯王5D'sにて、ダークシグナー化した「ディック・ピット」が使用したカード。5D'sで水属性関連カードというのは、存在自体が珍しいです。
ちなみに、ディックが使用したカードの中でOCG化されたのは、氷結のフィッツジェラルド以来の2枚目です。
過去にモノマネンドが(アニメで登場していた)このカードと同じく「フィールド上のモンスターの同名カードをリクルートする効果」になってOCG化されていたものの、対象が(アニメで登場していた)このカードと同じレベル3以下からレベル2以下に引き下げられ弱体化されていたのを見て、「アイス・ミラーのOCG化はもう絶望的だろう」と思っていたものでしたが、2021年になってOCG化されていました。

効果は、自分の場のレベル3以下の水属性モンスター1体を対象として発動し、その同名モンスター1体をデッキからリクルートするというものです。
アニメ版と同様のリクルート効果がそのまま実装されており、リクルートしたモンスターには表示形式の制限や攻撃不可や効果無効といった様な制約が何らかかりません。
ただし、この効果で特殊召喚したモンスターが自分の場に表側表示で存在する限り、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できないという厳しいデメリットが追加されています。
なので、リクルートしたモンスターの運用法は限られてしまいます。

【氷結界】では氷結界の守護陣をリクルートすれば即席でロックを作れますが、デメリットによってS召喚を行えなくなってしまうのはあまりにも厳しく、そこからの展開は止まってしまうも同然です。
自身をリリースする事で発動できる効果を持った氷結界の伝道師氷結界の随身は、墓地や手札にそれらの効果で特殊召喚できるカードを必要とするものの、このカードの効果でリクルートした後に場から離れさせつつ後続の展開へと繋げられます。
氷結界の決起隊をリクルートすれば、片方をリリースしてもう片方を破壊する事でサーチ効果を使う事ができます。No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲンが自分の場にいる場合に決起隊をリクルートできれば、2発分の相手の除去+氷結界サーチとして扱う事ができます。
氷結界の水影のようなダイレクトアタッカーをリクルートして戦闘ダメージを稼ぐというのも、運用法としてはありでしょうか。

以上です。
2021年に登場したカードかつシンプルなリクルート効果を持ったカードにも関わらず1ターンに1度の使用回数制限が無い事には我が目を疑いましたが、それ以上に「このカードの効果で特殊召喚したモンスターが場にいる限り、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できなくなる」というあまりにも厳しいデメリット効果には(悪い意味で)更に我が目を疑いました
ちなみに、アニメでは呼び出したモンスターはアドバンス召喚のリリースに使われたとの事なので、(リクルートされモンスター及びアドバンス召喚されたモンスター自体はOCG化されていないものの)OCGでの効果との矛盾は無い様です。

テーマ : 遊戯王OCG
ジャンル : ゲーム

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Author:ザルトム
2009/11/20~2016/7/17

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