氷結界の浄玻璃
自分の使っているデッキに新規カードが出るという事は、多くのデュエリストが望むところでしょう。
私は「アニメの放送やOCGのストーリー展開が終了すると同時に終わる方が潔い。墓から掘り起こされるかの如く新規が出るのなんてみっともない」と思っていたものでしたが、私が使っていたデッキにすらも、今や新規カードが登場しました。
しかし、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という訳ではありません。
新規カードが出たと思いきや、設定やネタに特化したとしか思えないような、「強化」には程遠いようなカードだったというケースもあり得ます。とはいえ、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という公式は十中八九当てはまるものなので、大概のデュエリストにとっては、強化に結び付かないような新規カードの存在など実感が湧かないかもしれません。
新規カードを望むのは当然そのデッキが強化される事に期待するからであり、カードゲームというジャンルで、しかも今更昔のデッキの関連カードなど出す以上、その評価に関しては強さが全てです。
そんな中で、フレーバー(設定やネタ)に特化するなど、格闘技の選手が、トレーニングそっちのけでお笑い芸を磨くようなものです。当然それでは注目を浴びる事はあっても強くなる事は断じてあり得ません。
私の好きなデッキや使っていたデッキは主に水属性関連、その中でもほんの一握りと非常に数が少ないですが、その数少ないデッキの数少ない新規の中に、そんなフレーバー特化のカードは存在します。ここでは、そんなカードを紹介します。
近年は、時代の流れに置いていかれていた筈のテーマが新規で強化を貰ったり、中にはテーマですらなかった一カードから派生したものが、環境クラスの強さにまでなったりする事もあります。つまり、公式の匙加減次第で、どんなデッキでも環境クラスに押し上げる事は可能なのです。一方で、水属性関連のデッキはというと、長らく環境トップクラスになったという話は聞きません。
ここで紹介するカードを出す位なら、その枠で私の使っていたデッキを環境クラスにまで押し上げられる程の強力な新規カードだって出せていた筈だろう、と思わずにはいられません。
氷結界の浄玻璃
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1800/守 900
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに他の「氷結界」モンスターが存在する限り、
相手がLPを払ってカードの効果を発動する度に相手は500LPを失う。
(2):自分の墓地の「氷結界」モンスター及び相手の墓地のカードをそれぞれ2枚まで対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。
(3):自分フィールドに「氷結界」モンスターが存在する場合、
墓地のこのカードを除外し、フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示にする。
遊戯王OCGの第11期にあたる、2021年1月16日(土)発売の通常パック「LIGHTNING OVERDRIVE」で登場した氷結界の浄玻璃。
私の中での遊戯王OCGが終わったのは第8期ですが、続く第9期では開始早々から急激なインフレが起こりました。誇張でも何でも無く、これまで環境クラスだったデッキ全てが過去のものになるレベルのインフレ。そのインフレの頂点に君臨していたシャドールは、第10期にストラクチャーデッキ化されたりしていました。
一方で、私が応援していたテーマの氷結界はというと、第7期を最後に新規カードは登場しておらず、第8期には、他のテーマが劇的かつ真っ当に強化されていくのを指を咥えて見ている事しかできないという状態でした。
そんな不遇な時代や急激なインフレ等も経た末の第11期において、今度は氷結界がストラクチャーデッキに登場しました。が、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-の新規カードは、8期辺りの基準で見てすらも微妙と思えるような性能のカードばかりでした。
カードパワーが時期に見合っておらず、これまでのカテゴリの不遇さと貧弱さを補うようなカードも無い。シンプルに力不足。
更に効果の制約等も妙に嫌らしく、カード同士が嚙み合わなかったり、展開がワンテンポ遅れてしまう事もしばしばです。
しかし、そういった批評の他にも、これまで遊戯王のデュエルターミナル関連のストーリーや設定を追っていた人達は、ある事に気付いていました。
「どのカードも、フレーバー(ストーリーや設定)を意識した効果ばかりじゃないか?」と。
具体例等はここでは書きませんが、カードの性能に対する酷評の他に、そういったフレーバーに関する考察なんかも話題になっていました。
ちなみに、「元々が貧弱なテーマだったんだから、どんな強化を貰ったって強くなるはずが無かっただろう」という意見もありますが、冒頭で書いたように製作者の匙加減次第でその気になれば全くの無からも環境クラスのデッキを生み出す事だってできる為、この意見は見当違いも甚だしいです。
凍獄の氷結界は酷評に次ぐ酷評でしたが、発売後、多くの人がこんな予想をしていました。「ストラクチャーデッキで強化されたテーマなのだから、通常パックにも新規が来るはずなのではないか」と。
実際に、ストラクチャーデッキ化されたテーマに遅かれ早かれ新規カードが来ており、中には幾度となく擦られ続けているものもあります。なので氷結界にも、フレーバーを優先したカードなどではなく、ストラクチャーデッキの力不足を補うような強力なサポート効果を持った新規カードの登場が望まれていました。
そんな中で、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-から約3ヶ月後に発売された通常パックに登場した氷結界の新規が、このカードでした。
(1)の効果は、自分の場に他の氷結界モンスターが存在する限り、相手がLPを払ってカードの効果を発動する度に相手は500LPを失うという効果です。氷結界に多い、自分の場に他の氷結界がいる際に発揮する永続効果ですが、それらの多くとは異なり相手の動きを制限するロック効果ではありません。
せいぜい、500LP余分にLPを減らしてまで効果を発動させるかどうかを躊躇わせる程度です。
この効果はLPを払って発動する効果に対してしか適用されない為、そもそもLPを払って発動するモンスターが入ってすらいないデッキ相手に対しては、全くの無意味となってしまいます。
(2)の効果は、自分の墓地の氷結界モンスター及び相手の墓地のカードをそれぞれ2枚まで対象として発動でき、そのカードをデッキに戻す効果です。3つある効果の中で、唯一自分の場に他の氷結界モンスターを必要とせずに発動できる効果です。
墓地の氷結界モンスターをデッキに戻せる効果を持ったモンスターは氷結界の輸送部隊に続いて2体目です。あちらは相手にもドローさせてしまうのに対し、こちらは相手のカードもデッキに戻します。
また、あちらは氷結界2枚を戻さなければならないのに対してこちらは2枚"まで"なので、こちらの方が小回りが利きます。
一方、デッキに戻すだけでドローのような追加効果は無い為、相手の墓地利用を妨害するのが主な運用法になるでしょうか。ただ、フリーチェーンではなく自分のターンにしか使用できない為、妨害として役立つかは微妙で、特にサーチやリクルートに優れたデッキ相手には、かえって不利にはたらく事もあり得ます。
(3)の効果は、自分の場に氷結界モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外し、場の攻撃表示モンスター1体を守備表示にするという効果です。
こちらも(2)の効果と同様にフリーチェーンではなく自分のターンにしか使用できない為、「相手の攻撃モンスターを守備表示にして攻撃を防ぐ」という運用はできません。一応、氷結界の依巫の(2)の効果と組み合わせる事で、守備表示にしたモンスターが攻撃表示になる事を防ぐ、という運用は可能です。
…以上、3つの効果を持っていますが3つともデッキの運用とは何ら関係ない効果です。
「フレーバー優先」だった凍獄の氷結界の後にお出しされたのは、「フレーバーしか無い」カードでした。
少し解説すると、このカードの3つの効果の内(1)と(3)の2つはインヴェルズに対するメタを意識した効果だと考察されています。しかし、インヴェルズはおろかそれと似たようなコンセプトのデッキすら環境にはおらず、そもそもインヴェルズに対してすらメタとして有効にはたらくかどうかは疑わしいです。
「インヴェルズメタ」というコンセプト自体も、設定上の時系列でを踏まえると若干ズレているような気がします。
(設定やストーリーに関しては、招来の対価の記事内で少し触れています)
このカードの評価点と言えば、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-の新規カード達やVジャンプ付属カードで登場していた氷結界の随身は、展開やサーチ等、デッキの運用に何らかの役目があるという点でまだ良いカードだったんだと気付かせてくれる点でしょうか。実際、TERMINAL WORLDの新規が登場した後には、凍獄の氷結界で登場した新規カードはトリシューラの鼓動を除いていずれも使い勝手が大きく向上しています。
一方で、このカードと特別相性が良いようなカードは登場しておらず、凍獄の氷結界やTERMINAL WORLDで登場したカードよりも優先してデッキに入れる意義は見出せないままです。
一応、攻撃力は1800と、下級アタッカークラスの数値ではあります。攻撃力1800の下級氷結界は、氷結界の武士以来の2体目ですが、あちらとは種族が被っています。
せめて種族が戦士族でさえなければ、まだ氷結界の武士と差別化を図れたものを…。しかもその武士とは、(3)の効果で自分の場に攻撃表示で存在する武士を守備表示にする事で、あちらの効果(自壊&ドロー)の発動に繋げる事ができる点で謎にシナジーがあるという意味不明っぷりです。このカードの元ネタにして死後の姿にあたるリチュア・ナタリアは魔法使い族なので、一層謎です。
「効果テキストがインクの染み」「通常モンスターだった方がマシ」という意見を見かけましたが、これに関しては全くもってその通りだと思います。デュエルターミナルの最初期の6テーマの中で氷結界だけ通常モンスターがいないので尚更です。
また、その効果のあまりの時代遅れ感から「デュエルターミナルの頃(第6期)に出そうとして没になったカードを再利用したんじゃないか?」と揶揄される事もありますが、TERMINAL WORLDの再録カードのテキストを見れば分かるように、デュエルターミナルの頃の氷結界モンスターに、効果を3つも持ったカードは存在しません。同名カードの1ターンに1度の使用回数制限なんかも、(エラッタされたカードを除けば)当時のカードにはありません。
なので、このカードはこれでも紛うことなき2021年、遊戯王OCGの第11期に登場したカードなのです。
私は「アニメの放送やOCGのストーリー展開が終了すると同時に終わる方が潔い。墓から掘り起こされるかの如く新規が出るのなんてみっともない」と思っていたものでしたが、私が使っていたデッキにすらも、今や新規カードが登場しました。
しかし、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という訳ではありません。
新規カードが出たと思いきや、設定やネタに特化したとしか思えないような、「強化」には程遠いようなカードだったというケースもあり得ます。とはいえ、「新規カードが来る=そのデッキが強化される」という公式は十中八九当てはまるものなので、大概のデュエリストにとっては、強化に結び付かないような新規カードの存在など実感が湧かないかもしれません。
新規カードを望むのは当然そのデッキが強化される事に期待するからであり、カードゲームというジャンルで、しかも今更昔のデッキの関連カードなど出す以上、その評価に関しては強さが全てです。
そんな中で、フレーバー(設定やネタ)に特化するなど、格闘技の選手が、トレーニングそっちのけでお笑い芸を磨くようなものです。当然それでは注目を浴びる事はあっても強くなる事は断じてあり得ません。
私の好きなデッキや使っていたデッキは主に水属性関連、その中でもほんの一握りと非常に数が少ないですが、その数少ないデッキの数少ない新規の中に、そんなフレーバー特化のカードは存在します。ここでは、そんなカードを紹介します。
近年は、時代の流れに置いていかれていた筈のテーマが新規で強化を貰ったり、中にはテーマですらなかった一カードから派生したものが、環境クラスの強さにまでなったりする事もあります。つまり、公式の匙加減次第で、どんなデッキでも環境クラスに押し上げる事は可能なのです。一方で、水属性関連のデッキはというと、長らく環境トップクラスになったという話は聞きません。
ここで紹介するカードを出す位なら、その枠で私の使っていたデッキを環境クラスにまで押し上げられる程の強力な新規カードだって出せていた筈だろう、と思わずにはいられません。
氷結界の浄玻璃
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1800/守 900
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに他の「氷結界」モンスターが存在する限り、
相手がLPを払ってカードの効果を発動する度に相手は500LPを失う。
(2):自分の墓地の「氷結界」モンスター及び相手の墓地のカードをそれぞれ2枚まで対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。
(3):自分フィールドに「氷結界」モンスターが存在する場合、
墓地のこのカードを除外し、フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示にする。
遊戯王OCGの第11期にあたる、2021年1月16日(土)発売の通常パック「LIGHTNING OVERDRIVE」で登場した氷結界の浄玻璃。
私の中での遊戯王OCGが終わったのは第8期ですが、続く第9期では開始早々から急激なインフレが起こりました。誇張でも何でも無く、これまで環境クラスだったデッキ全てが過去のものになるレベルのインフレ。そのインフレの頂点に君臨していたシャドールは、第10期にストラクチャーデッキ化されたりしていました。
一方で、私が応援していたテーマの氷結界はというと、第7期を最後に新規カードは登場しておらず、第8期には、他のテーマが劇的かつ真っ当に強化されていくのを指を咥えて見ている事しかできないという状態でした。
そんな不遇な時代や急激なインフレ等も経た末の第11期において、今度は氷結界がストラクチャーデッキに登場しました。が、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-の新規カードは、8期辺りの基準で見てすらも微妙と思えるような性能のカードばかりでした。
カードパワーが時期に見合っておらず、これまでのカテゴリの不遇さと貧弱さを補うようなカードも無い。シンプルに力不足。
更に効果の制約等も妙に嫌らしく、カード同士が嚙み合わなかったり、展開がワンテンポ遅れてしまう事もしばしばです。
しかし、そういった批評の他にも、これまで遊戯王のデュエルターミナル関連のストーリーや設定を追っていた人達は、ある事に気付いていました。
「どのカードも、フレーバー(ストーリーや設定)を意識した効果ばかりじゃないか?」と。
具体例等はここでは書きませんが、カードの性能に対する酷評の他に、そういったフレーバーに関する考察なんかも話題になっていました。
ちなみに、「元々が貧弱なテーマだったんだから、どんな強化を貰ったって強くなるはずが無かっただろう」という意見もありますが、冒頭で書いたように製作者の匙加減次第でその気になれば全くの無からも環境クラスのデッキを生み出す事だってできる為、この意見は見当違いも甚だしいです。
凍獄の氷結界は酷評に次ぐ酷評でしたが、発売後、多くの人がこんな予想をしていました。「ストラクチャーデッキで強化されたテーマなのだから、通常パックにも新規が来るはずなのではないか」と。
実際に、ストラクチャーデッキ化されたテーマに遅かれ早かれ新規カードが来ており、中には幾度となく擦られ続けているものもあります。なので氷結界にも、フレーバーを優先したカードなどではなく、ストラクチャーデッキの力不足を補うような強力なサポート効果を持った新規カードの登場が望まれていました。
そんな中で、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-から約3ヶ月後に発売された通常パックに登場した氷結界の新規が、このカードでした。
(1)の効果は、自分の場に他の氷結界モンスターが存在する限り、相手がLPを払ってカードの効果を発動する度に相手は500LPを失うという効果です。氷結界に多い、自分の場に他の氷結界がいる際に発揮する永続効果ですが、それらの多くとは異なり相手の動きを制限するロック効果ではありません。
せいぜい、500LP余分にLPを減らしてまで効果を発動させるかどうかを躊躇わせる程度です。
この効果はLPを払って発動する効果に対してしか適用されない為、そもそもLPを払って発動するモンスターが入ってすらいないデッキ相手に対しては、全くの無意味となってしまいます。
(2)の効果は、自分の墓地の氷結界モンスター及び相手の墓地のカードをそれぞれ2枚まで対象として発動でき、そのカードをデッキに戻す効果です。3つある効果の中で、唯一自分の場に他の氷結界モンスターを必要とせずに発動できる効果です。
墓地の氷結界モンスターをデッキに戻せる効果を持ったモンスターは氷結界の輸送部隊に続いて2体目です。あちらは相手にもドローさせてしまうのに対し、こちらは相手のカードもデッキに戻します。
また、あちらは氷結界2枚を戻さなければならないのに対してこちらは2枚"まで"なので、こちらの方が小回りが利きます。
一方、デッキに戻すだけでドローのような追加効果は無い為、相手の墓地利用を妨害するのが主な運用法になるでしょうか。ただ、フリーチェーンではなく自分のターンにしか使用できない為、妨害として役立つかは微妙で、特にサーチやリクルートに優れたデッキ相手には、かえって不利にはたらく事もあり得ます。
(3)の効果は、自分の場に氷結界モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外し、場の攻撃表示モンスター1体を守備表示にするという効果です。
こちらも(2)の効果と同様にフリーチェーンではなく自分のターンにしか使用できない為、「相手の攻撃モンスターを守備表示にして攻撃を防ぐ」という運用はできません。一応、氷結界の依巫の(2)の効果と組み合わせる事で、守備表示にしたモンスターが攻撃表示になる事を防ぐ、という運用は可能です。
…以上、3つの効果を持っていますが3つともデッキの運用とは何ら関係ない効果です。
「フレーバー優先」だった凍獄の氷結界の後にお出しされたのは、「フレーバーしか無い」カードでした。
少し解説すると、このカードの3つの効果の内(1)と(3)の2つはインヴェルズに対するメタを意識した効果だと考察されています。しかし、インヴェルズはおろかそれと似たようなコンセプトのデッキすら環境にはおらず、そもそもインヴェルズに対してすらメタとして有効にはたらくかどうかは疑わしいです。
「インヴェルズメタ」というコンセプト自体も、設定上の時系列でを踏まえると若干ズレているような気がします。
(設定やストーリーに関しては、招来の対価の記事内で少し触れています)
このカードの評価点と言えば、ストラクチャーデッキ-凍獄の氷結界-の新規カード達やVジャンプ付属カードで登場していた氷結界の随身は、展開やサーチ等、デッキの運用に何らかの役目があるという点でまだ良いカードだったんだと気付かせてくれる点でしょうか。実際、TERMINAL WORLDの新規が登場した後には、凍獄の氷結界で登場した新規カードは
一方で、このカードと特別相性が良いようなカードは登場しておらず、凍獄の氷結界やTERMINAL WORLDで登場したカードよりも優先してデッキに入れる意義は見出せないままです。
一応、攻撃力は1800と、下級アタッカークラスの数値ではあります。攻撃力1800の下級氷結界は、氷結界の武士以来の2体目ですが、あちらとは種族が被っています。
せめて種族が戦士族でさえなければ、まだ氷結界の武士と差別化を図れたものを…。しかもその武士とは、(3)の効果で自分の場に攻撃表示で存在する武士を守備表示にする事で、あちらの効果(自壊&ドロー)の発動に繋げる事ができる点で謎にシナジーがあるという意味不明っぷりです。このカードの元ネタにして死後の姿にあたるリチュア・ナタリアは魔法使い族なので、一層謎です。
「効果テキストがインクの染み」「通常モンスターだった方がマシ」という意見を見かけましたが、これに関しては全くもってその通りだと思います。デュエルターミナルの最初期の6テーマの中で氷結界だけ通常モンスターがいないので尚更です。
また、その効果のあまりの時代遅れ感から「デュエルターミナルの頃(第6期)に出そうとして没になったカードを再利用したんじゃないか?」と揶揄される事もありますが、TERMINAL WORLDの再録カードのテキストを見れば分かるように、デュエルターミナルの頃の氷結界モンスターに、効果を3つも持ったカードは存在しません。同名カードの1ターンに1度の使用回数制限なんかも、(エラッタされたカードを除けば)当時のカードにはありません。
なので、このカードはこれでも紛うことなき2021年、遊戯王OCGの第11期に登場したカードなのです。