深海のディーヴァ
深海のディーヴァ
チューナー(効果モンスター)(制限カード)
星2/水属性/海竜族/攻 200/守 400
このカードが召喚に成功した時、
デッキからレベル3以下の海竜族モンスター1体を特殊召喚できる。
このカードの効果は、通常召喚成功時に、デッキからレベル3以下の海竜族1体を特殊召喚するというものです。召喚するだけでモンスターを展開できるのは、非常に優秀です。
レベル1のモンスターを呼べばレベル3のシンクロ、レベル2のモンスターを呼べばレベル4のシンクロやランク2のエクシーズ、レベル3のモンスターを呼べばレベル5のシンクロに繋げる事ができます。後者の場合は、汎用的なレベル5シンクロに加えて、同じ属性・種族のシンクロモンスターである神海竜ギシルノドンを出す事もできます。
このカードと呼び出したモンスターをシンクロ素材にする事で、海皇の咆哮の発動条件を満たしやすくなる点にも注目です。
リクルートできる大半のモンスター共々サルベージで回収できるのも、大きな利点です。
呼び出せるモンスターは、攻撃力を強化できるニードル・ギルマン、アタッカーとなる海皇の突撃兵、除去効果を持つロスト・ブルー・ブレイカーやエアジャチ、ダイレクトアタッカーのスカイオニヒトクイエイ、リクルート効果を持った海皇の狙撃兵、レベル2以下の通常モンスターの中で最高の攻撃力を持った海皇の長槍兵など、種類が豊富です。
状況によっては、シンクロやエクシーズをせずに戦うのもありでしょう。
突撃兵やロスト・ブルー・ブレイカーは、ディーヴァによって効果の条件を満たせるという意味でも相性が良いです。
シー・アーチャーは、リクルートした後に効果でこのカードを装備する事で、打点と耐性を得る事ができます。
真海皇 トライドンは、このカードをリリース事でデッキからポセイドラをリクルートする事ができます。実質このカード1枚から、最上級モンスターのポセイドラを呼べるのです。
トライドンはこのカードの効果でリクルートできるモンスターの中で最大の元々の攻撃力を持ったモンスターでもありますが、このカードの効果でリクルートした後の実質的な打点は突撃兵やニードル・ギルマンの方が上なので、アタッカーとして使うのではなくやはりポセイドラと一緒に採用してこそ真価を発揮するカードです。
このカードと特に相性が良いのは、海皇の重装兵でしょう。
重装兵の効果は「特殊召喚」ではなく「召喚権を1回増やす」効果なので、先に重装兵を通常召喚していても問題無くこのカードを召喚でき、更に効果を使えます。
もちろん、このカードの効果で重装兵をリクルートする事もできます。
先に重装兵を出した場合はこのカードの効果でのリクルート先、このカードの効果で重装兵をリクルートした場合は手札にいる海竜族モンスター次第で多種多様なレベルのシンクロ召喚に繋げる事ができます。
このカードと重装兵とでランク2水属性エクシーズのアーマー・カッパーやキャット・シャークをエクシーズ召喚する事ができ、それらの効果発動時に素材となった重装兵を取り除く事で、重装兵の除去効果を発動できるようになる点にも注目したいです。
また、海皇子 ネプトアビスとも相性抜群です。このカードの効果でネプトアビスをリクルートできるのはもちろんの事、ネプトアビスの効果発動時のコストとして海皇の竜騎隊をデッキから墓地へ送る事で間接的にこのカードをサーチする事もできます。
このカードが手札にあり、かつデッキにネプトアビスと竜騎隊がある状況ならば、初動からでも、
このカードの効果でネプトアビスをリクルートし→ネプトアビスの効果で竜騎隊を墓地へ送って海皇モンスターをサーチ、更に竜騎隊の効果でムーラングレイスをサーチ(ムーラングレイスが既に手札にある場合は別に墓地へ送るモンスターは竜騎隊でなくても良い)→このカードとネプトアビスとでたつのこをシンクロ召喚→たつのこと手札にあるネプトアビスの効果でサーチした海皇モンスターとでシンクロ召喚
という流れで回す事で5体の水属性モンスター(このカード、ネプトアビス、竜騎隊、たつのこ、ネプトアビスの効果でサーチした海皇)が墓地に貯まり、一気にムーラングレイスの特殊召喚条件を満たす事ができます。
氷結界では、輸送部隊をリクルートする事ができます。
輸送部隊自体は使いやすい効果のカードではないので、リクルートしてからシンクロ召喚に繋げる運用がメインとなるでしょう。
単にディーヴァからリクルートしただけではレベル3しかシンクロ召喚できませんが、タンホイザーゲートを使えばドゥローレン、レミューリアの効果でレベルを上げればグングニールをシンクロ召喚できるようになります。
このカードは、遊戯王OCG史上初の、「海竜族」のみを指定する効果を持ったカードでした。ちなみに、このカードが出るまでは「海竜族」に関する効果を持ったカードは海しか無く、海もこのカードと同時に登場したニードル・ギルマンも、他の種族との兼用サポートでした。
後に海竜族のみを指定したサポートもいくつか登場しましたが、それらとの相性も非常に良く、このカードは常に海竜族サポートの中核を担い続けていました。
しかし、リクルート先にカードパワーの非常に高いネプトアビスが登場した為、2015/10/01のリミットレギュレーションで制限カードに指定されてしまいました。
なかなかサポートが登場せず、初期から登場していた種族の中では現在最も総数が少ない(現在では後発のサイキック族にすら負けている)海竜族にとって、このカードの規制はあまりにも痛手です。
竜騎隊の規制に続き、海竜族は強烈なワンツーパンチを喰らったと言って良いでしょう。
ちなみに海外では、【水精鱗】への規制の一環として日本版に先駆けて制限カードに指定されていました。
遊戯王カードwikiでこのカードを使用する代表的なデッキを見ると、色んなデッキの名前が書かれています。シンクロ系のデッキはもちろんの事、水属性のデッキの名前も数多く見受けられます。そして、その中には【氷結界】の名前も…。
いくらテーマとのシナジーが無くとも、属性サポートを共有でき、高速でシンクロ召喚を行えるギミックを持つ事で採用圏内になる事からも、このカードの存在がいかに重大だったかが窺えます。氷結界は、シンクロモンスターが強力と言われるので尚更です。
このカードが制限カードになった事で、今後ますます水属性にとってシンクロ召喚は遠き存在となっていく事でしょう…。今ではギシルノドンすらも遠く感じます。
実はこのカードを素材にして出せる水属性シンクロモンスターは、全9体中6体、現在の禁止カードを考慮すれば8体中5体と、そんなに多くもありません。
僕がネット上で遊戯王に関する活動を始めた頃に、水属性のデッキで中心として活躍していたモンスターだったイレカエル、フィッシュボーグ-ガンナー、そしてこの深海のディーヴァ。これら3体が今や全て禁止・制限カードに指定されており、水属性の一つの時代が終わったと感じずにはいられません。
イレカエルやフィッシュボーグ-ガンナーは、強力さの割には僕には上手く使いこなせず、あまり好きなカードではなかったのに対し、このカードに関しては、登場して以来ずっとお世話になりっぱなしでした。
ただ規制されたと言っても、イレカエルやフィッシュボーグ-ガンナーとは違い、まだ禁止になった訳では無いので、これからも使い続けていきたいです。今後はサルベージ等、このカードを再利用する術をもっと考えていきたいです。
海竜族のデッキや、水属性のデッキ全般のシンクロギミックをずっと単独で支え続けてきたと言っても過言では無い存在です。それだけに、制限カードに指定された事による損失はあまりにも大きいです。
水属性を使っている身としては、制限カードになってしまった事は残念でなりません。