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No.32 海咬龍シャーク・ドレイク

DP神代兄妹編のカードを紹介し終えたので、今回のDPに未収録ながらシャークのデッキと相性が良さそうなカードを何枚か紹介しようと思います。
まず最初に紹介するのはこのカードです。


No.32 海咬龍シャーク・ドレイク

No.32 海咬龍シャーク・ドレイク
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻2800/守2100
レベル4モンスター×3
1ターンに1度、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
破壊したそのモンスターを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。
さらに、このバトルフェイズ中、このカードはもう1度だけ攻撃できる。



GAOVで登場した水属性・海竜族のランク4エクシーズモンスターであるNo.32 海咬龍シャーク・ドレイクです。
遊戯王ZEXALにてシャークが使用したナンバーズです。

効果は、1ターンに1度エクシーズ素材を取り除く事で戦闘破壊し墓地に送った相手モンスター1体を攻撃力1000ポイントダウンさせて表側表示で特殊召喚し、もう1度だけ攻撃できるようになる、というもの。
アニメ版とは違い、2回目の攻撃の際には蘇生させたモンスター以外にも攻撃できます。したがって、No.共通の戦闘破壊耐性が無くなった事を除けば、アニメ版よりも強化されていると言えます。
また、蘇生効果の後に他のモンスターの攻撃を挟んだ場合でも、問題無く2回目の攻撃が行えます。
このカードは2800という最上級クラスの攻撃力を持っており、特殊召喚したモンスターの攻撃力が1000下がっている事も踏まえると、相当の戦闘ダメージが期待できます。元々の攻撃力が1000以下のモンスターを蘇生すれば、ダイレクトアタックと同量の戦闘ダメージを叩き込む事ができます。

問題は、やはりエクシーズ召喚するのが重い点でしょう。このカードを場に出すには、3体ものレベル4モンスターが必要となるのです。
ただでさえ重いのに、せっかくエクシーズしても奈落など除去されてしまっては元も子もありません。また、エクシーズする前に素材となるレベル4モンスターが除去されてしまう事も考えられます。
更に、ランク4には、相手を戦闘破壊し墓地に送った後にもう1度だけ攻撃できるようになるカチコチドラゴンや、「攻撃できなくなるかわりに相手モンスターを墓地に送って1000ポイントのダメージを与える」効果を持つブラック・コーン号が存在しています。それらはいずれもこのカードよりも少ない素材で場に出せます。
レベル4×3の素材で出せるランク4エクシーズにしても、強力なロック効果を持つショック・ルーラーやこのカードにこそ劣るものの高い攻撃力を持ち、除去を始めとした3つの効果を持つヴェルズ・ウロボロス、全体除去効果を持つサンダー・スパーク・ドラゴンなど、このカードよりも優先されるであろうカードが存在しています。
なので、このカードを出す状況は限られてくる気がします…。

水属性である点を考慮すれば、他のレベル4×3のランク4との差別化が可能です。
エクシーズ・リモーラの効果を使えば、リモーラと蘇生した2体の魚族とでこのカードをエクシーズ召喚する事が可能です。
リモーラの効果で蘇生したモンスターをエクシーズ素材にできるのは、他の属性のランク4には無い利点です。
自分の墓地にレベル4の水属性・魚族が1体でもおり、かつ手札にダブルフィン・シャークとエクシーズ・リモーラの2体がある場合には、ダブルフィン・シャークとエクシーズ・リモーラの2枚分の手札消費でこのカードを出す事ができます!
ダブルフィン・シャークを通常召喚し、墓地のレベル4の水属性・魚族を蘇生→2体でランク4エクシーズ→素材となったダブルフィン・シャークとレベル4・水属性・魚族を取り除いてリモーラを特殊召喚→リモーラの効果で取り除いた2体を蘇生→リモーラと蘇生した2体とでこのカードをエクシーズ
という流れです。
これら2体が共にサルベージに対応しているのもポイントです。
また、セイバー・シャークのレベル調整効果を使う事で、シャーク・サッカーフィッシュボーグ-アーチャーといったレベル3の魚族もこのカードの素材にする事が可能です。
ただし、ダブルフィン・シャークやセイバー・シャークには、効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できないというデメリットがある点には注意したいです。
このカードをエクシーズ召喚する事自体には影響はないものの、このデメリットによって、水属性以外の相手モンスターを戦闘破壊した場合、シャーク・ドレイクの効果は発動できません
よって、せっかくの効果を持て余してしまう形となってしまいます…。それならばより攻撃力の高い覚醒の勇士 ガガギゴを出した方がいいのではないかという気さえします。
一応水属性のモンスターを戦闘破壊した場合には問題無く効果を発動できるので、強制転移死のマジック・ボックスによって相手に送りつけた自分の水属性モンスターを殴って戦闘ダメージを与えるという運用ができます。
サイレント・アングラーやシャーク・サッカーならば展開しやすく、攻撃表示で送り付ける事で4000以上の戦闘ダメージを与える事が可能です。
難易度は上がるものの、グリズリーマザー素早いマンボウ等のリクルーターを送りつけて2回殴れば、アドバンテージを得る事ができます。
レベル4軸のシャークのデッキは、バハムート・シャークからアシッド・ゴーレムを出し、それを相手に送り付けるという戦法も取れる為、強制転移や死のマジック・ボックスを入れても腐る事は少ないでしょう。

効果を使用する事を重視するなら、ブリキンギョレスキューラビットやサイレント・アングラーを組み合わせるのが良いでしょう。
これらによる展開は、エクシーズ・リモーラとは違い墓地肥やし等の下準備が必要が無いのが利点です。その分、手札の消費は激しいですが。
他にも、浮上バブル・ブリンガー等を駆使してレベル3の魚族を2体揃え、スピア・シャークの効果でそれら2体のレベルを上げてエクシーズするという方法もあります。
また、バハムート・シャークや深淵に潜む者エクシーズ・シフトを使う事で特殊召喚する事も可能です。
特に、メインフェイズ1に効果を使用した後のバハムート・シャークにエクシーズ・シフトを使用してこのカードを出せば、バハムート・シャークの攻撃できないデメリットを帳消しにした上で、バハムート・シャークをも上回る攻撃力で追撃する事ができます!このカードの効果や、バハムート・シャークの効果で呼んだエクシーズ(あるいはFA-ブラック・レイ・ランサー)による攻撃と合わせて大きな戦闘ダメージが期待できます。
エクシーズ・シフトによる自壊のデメリットも、シャーク・ドレイク・バイスを重ねる事で回避できます。

DP神代兄妹編が出るまでは、シャークのデッキでこのカードを出す為の有効なカードはエクシーズ・リモーラ位しかありませんでしたが、ダブルフィン・シャークやサイレント・アングラーが登場した事で、出しやすさが向上しました。
ここぞと言う時のフィニッシャーとしてエクストラデッキに入れておくといいでしょう。
 


さて、このカードは遊戯王ZEXALの劇中でシャークが入手して以降・シャークのエースカードの様に扱われてきました。
ホープに次いでカオスエクシーズチェンジを果たした事からも、遊馬のホープに並ぶ、シャークのエース級のナンバーズとしての待遇を受けていた事が見て取れます。
当然、OPやEDでもシャーク・ドレイク・バイス共々、シャークのエースカードとして度々登場していました。

これまでのデュエリストパックには、そのキャラクターのエースカードがスーパーレアで再録されるという傾向がありました。
遊馬編ではホープが、カイト編では銀河眼の光子竜が、それぞれ「エースカード枠」としてスーパーレアで再録されていました。
その流れで行けば、神代兄妹編でスーパーレアで再録されるのは間違いなくこのカードだとばかり思っていましたが…実際は再録すらされませんでした
神代兄妹編のスーパーレアの「エースカード枠」に居座ったのはこのカードではなく、漫画版でのシャークさんのエースモンスターであるバハムート・シャークでした。
バハムート・シャークは水属性の素材指定はあるものの2体の素材で出せるので水属性メインのデッキならば間違いなくこのカードよりも出しやすく、DPで相性が良いカードが多く登場しており、何と言っても絶版だったので、このカードよりも需要は間違いなく上だったため仕方ないのかもしれません。
しかし、第8期フォーマットで再録されたこのカードも見てみたかったです…。

しかし、それ以上に気になるのが、神代兄妹編が登場した辺りでのこのカードに対する扱いです。
OP・EDでシャークの代表カードとして登場していた事は上で述べており、神代兄妹編の登場が確定した頃のOP・EDでもシャーク・ドレイク・バイス共々登場していました。
ところが、そのOP・EDだった期間(ストーリー的には遺跡のナンバーズ巡りから闇デュエル界の四悪人との戦いまで)の間にこのカードが登場した事は一度もありませんでした
このカードは、サルガッソでのドルべ戦を最後に、まるで存在していなかったかの様に遊戯王ZEXALの作中から消え去ってしまったのです。
遺跡のナンバーズを巡るデュエルでエクシーズ召喚されたのは、非ナンバーズのエクシーズであるブラック・レイ・ランサーや新たに登場した遺跡のナンバーズであるクリスタル・ゼロであり、このカードの出番はありませんでした。
続くクラゲ先輩戦はアビス・スプラッシュのお披露目の様なデュエルだったものの前座としてすらも登場させてもらえず、過去のベクター戦では素材が揃ったにも関わらずエクシーズはされませんでした(過去設定だから仕方ないか)。
そしてシャークはナッシュとして覚醒し、より出しやすい「本当の切り札」も登場した為、再登場は絶望的となりました…。
バリアン七皇編(神代兄妹編が発売された頃)のOP・EDでは見事に影も形もありません。無数のカードの中に紛れていたり、使い回しのCG位でしか登場していません。
ナッシュとして覚醒した事からシャークの要素自体が薄くなったので仕方ないかもしれませんが、それでも今までエースとして登場していたカードとは思えない程の冷遇ぶりです。
また、神代兄妹編が発売した頃には、アビス・スプラッシュが「シャーク」の切り札の様に扱われていました。
遊馬のホープレイヴィクトリー、カイトの銀河眼の光子竜と並んで神代凌牙トークンに描かれていたのもアビス・スプラッシュであり、アビス・スプラッシュのスリーブも発売されました。
このカードは、ZEXALのストーリーの進行と商品展開の犠牲になったのだ・・・。神代兄妹編の発売は、このカードにとってはタイミングが悪かったとした言いようがありません。

あとこのカードは、シャークファンからの風当たりも良くないです。
「それまでレベル3・ランク3主体だったシャークのデッキが、このカードのせいでレベル4も登場するようになって迷走した」という事は未だによく言われています。
加えてシャークのランク4の中でも、バハムート・シャークやS・H・Ark Knightは素材が少ない上に強力なのに対し、このカードは素材が多いので敬遠されがちです。
属性・種族共にシャークのカードとのシナジーが薄いブラック・レイ・ランサーが、バハムート・シャークの効果で呼べなかったりFA-ブラック・レイランサーに重ねられない事から同情される事はあっても叩かれる事はほんど無いのに対し、シャーク・ドレイクは叩かれる事はあっても同情される事はほとんどありません
せめてシャーク・ドレイクが初登場した段階からダブルフィン・シャークやサイレント・アングラー、エクシーズ・リモーラクラスの有用なサポート、そうはいかずともせめてスピア・シャーククラスのサポートでも出ていたならば、実際ほどこのカードに対する風当たりは悪くなかったと思います。

こうなってしまったのは、ランク云々だけでなく、作中でのこのカードのポジションも関係しているのかもしれません。
このカードはいかにもシャークの切り札っぽい名前ですが、作中ではトロンの計略によってIIIからシャークの手に渡ったという経緯があります。
これまでの遊戯王のメインキャラのエースカードには、「元々は別の所有者が持っていたのが、紆余曲折を経てそのキャラの手に移った」というケースは割と珍しくはありません(むしろそうでないケースの方が少ない気がする)が、敵の計略によって手に入ったエースカードというのは今までに前例がありません。
そこから色々と積み重ねがあってシャークの切り札としての地位を築いていくならばまだ良かったのですが、カオスナンバーズ化も含めて展開がであり、いつの間にか切り札ポジションに居座っていたとしか言えないような扱いでした。
そしていつの間にか出なくなってしまいました。
ただでさえ少なかった僅かな「積み重ね」すらも放棄された形です。
結果、元々使われていたブラック・レイ・ランサーやエアロ・シャークよりも、ファンにとっては取っつきにくい存在となってしまいました。
せめて扱いや描写がちゃんとしていれば…そう思うと残念です。

神代凌牙

スターターデッキ2013のナンバーズ倶楽部会員証より。
今見ると、シャーク・ドレイクの数字と同じ32の文字がむなしく感じます…。

テーマ : 遊戯王OCG
ジャンル : ゲーム

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