〽佐渡へ佐渡へと草木もなびく
- 2022/11/02
- 19:50
〽ハアー佐渡へ佐渡へと草木もなびくヨ・・・新潟県民謡の「佐渡おけさ」の代表的な歌詞は、F坊やには謎でした。F坊やの生まれ育った秋田県の海辺に生えている草や木々は、一年中潮風を受け、冬は北西からの季節風にも耐えて育ち、内陸に向かって傾いて伸びるのです。「磯慣(そな)れの松」という言葉もあるくらいです。はっきり言って、海に背を向けています。靡(なび)いてなんかいません。《新潟県の浜の松は、この辺とは反対側に...
デカンショ節と黒田節
- 2017/02/07
- 21:31
S.Solaさん相互に無関係な内容の歌詞を同じ旋律で歌う民謡の例として、「デカンショ節」と「黒田節」を取り上げて記事を立てることにしました。日本の中でも、世界的にも、決して珍しいことではありません。この二曲の他にも例は多数ありますよ。デカンショ節デカンショ節の有名な歌詞としてS.Solaさんが挙げていらっしゃったのは、次の二節ですね。 〽丹波篠山(ささやま) 山家(やまが)の猿が 花のお江戸で芝居する(*) (...
柴の折戸・江戸子守歌
- 2016/06/17
- 20:42
「柴の折戸」または「江戸子守歌」は、不思議な曲です。一つ、題名を知っている人に遇(あ)うことは稀なのに、日本人なら知らない人はいないくらい有名な子守唄なのです。二つ、陰旋法(*)でも陽旋法(**)でも歌います。同一人物が両方の旋法で歌いますし、歌っている途中で陰旋法から陽旋法に変わったり、その逆になったりもします。(*)(**)「陰旋法と陽旋法」をご覧ください。歌詞を紹介すると、途中で、多くの方が「あ、それなら知...
陰旋法と陽旋法
- 2016/06/09
- 20:54
前置き伝統の日本音楽の陰旋法と陽旋法を良く知らない(または術語として良く理解できない)読者が多いことに気付いたので、分かりやすい説明を試みます。固定ド唱法と移動ド唱法の違いをまだご存じない方は、ブログ記事「移動ド唱法と固定ド唱法」「移動ド唱法と固定ド唱法(続)」「移動ド唱法と固定ド唱法(3)」を先にお読みください。本文このブログでは五線譜を表示することは出来ないので、全て移動ド唱法を用いて説明します。簡...
「君が代」を教材に
- 2016/05/11
- 19:40
昨日のF爺のフランス語人向け日本語講座三年生の授業の主題は、「君が代」でした。先週、受講者からの要望があって、特別に教材として取り上げたのです。こういう場合のフランスでの定石として、歴史から始めます。『古今和歌集』(905)に載っていることをまず言います。みんなびっくりしました。「へえーっ、そんなに長い歴史のある歌なんですか!」「古」「今」「和」「歌」「集」の漢字一つ一つの説明が必要です。「古」と「今」...
三坂馬子唄
- 2013/11/25
- 02:58
昨年(= 2012年)9月某日。愛媛県の久万(くま)高原町で45番札所の岩屋寺(いわやじ)から打ち戻る山道の途中です。44番・大寶寺(だいほうじ)まであと僅かという辺りで、呟くような歌声が聞こえて来ました。民謡のようです。十数歩進んだ所で木々の向こうにお爺さんの姿が見えました。土地の人でしょうか。杖に寄りかかって立ち止まって歌っているのです。知らない歌だったので、立ち止まり、手帳を取り出して書き留めました。お爺さん...