アルザスで大名行列と和太鼓
- 2017/02/28
- 21:46
講談社の広報小冊子『本』の1993年6月号に載った「アルザスは多言語社会」という文章の紹介の最終篇です。アルザスで大名行列と和太鼓余談ですが、昨年末は(*)、日本人が日本から百人近くもアルザスにやって来て、餅搗(もちつ)きやら神楽(かぐら)やら大名行列やら和太鼓の合奏やら、日本の祭を現出させて大喝采を受け、また風の如く去って行きました。(*) 1993年の「昨年」ですから、1992年のことです。西洋かぶれ日本人が日本の伝...
誤用学者の信者(続)
- 2017/02/27
- 21:27
2016年4月24日付けでブログ記事「誤用学者の信者」(*)を掲載した数日後には、主要登場人物から音沙汰が無いので、「これで一件落着」とばかり思っていました。(*)「誤用学者」が誰のことかまだご存じない方は、「書評もどき」のカテゴリーの記事に目をお通しください。「池内恵」と書いて「いけうち・さとし」と読む名前の「言語不全症・耳無し芳一恐怖症患者」です。似非比喩ヲタクも兼ねています。あるtweetところが・・・ある読...
〽一かけ二かけて三かけて
- 2017/02/26
- 20:05
四日前の記事「〽一番はじめは一の宮」で紹介したのと同じ旋律で、別の歌詞の歌があります。この歌詞で縄跳びをした記憶はありません。お手玉歌だったような気もしますが、さだかでありません。歌詞が東京語風ですから、よその地方から伝わって来たものに違いありません。〽一かけ二かけて三かけて 四(し)かけて五かけて橋を架け 橋の欄干に腰を掛け 遥か向こうを眺むれば(*) 十七、八の姐(ねえ)さんが お花と線香 手に持っ...
「冬景色」は雪国の子を無視した唱歌
- 2017/02/25
- 21:21
文部省唱歌に「冬景色」という題名のものがあります。文部省唱歌の常で、作詞者も作曲者も不明です。歌詞〽さぎり消ゆる湊江(みなとえ)の 船に白し朝の霜 ただ水鳥の声はして いまだ覚めず岸の家 烏(からす)啼きて木に高く 人は畑に麦を踏む げに小春日ののどけしや 返り咲きの花も見ゆどうしてこれが「冬景色」なの?雪国の秋田で生まれ育ったF坊やには、この歌がどうして「冬景色」という題名なのか、理解できませんでした...
赤色矮星Trapist-1とその七つの惑星
- 2017/02/24
- 20:02
2017年2月24日(金)付けのLe Mondeル・モンド紙が第6面で「赤色矮星Trapist-1とその七つの惑星」のことを報道しています。日本語ではGigazineというサイトがほぼ同様のことを伝えています。赤色矮星Trapist-1は、地球から39光年の距離にあり、地球から観測すると水瓶座の中にあるのだそうです。七つの惑星は全て岩石で出来ている地球型のもので(*)、そのうち、主星のTrapist-1に近いほうから数えて4~6番目のe惑星、f惑星、g惑星は、...
「故郷を離るる歌」の日本語歌詞は駄作(続)
- 2017/02/24
- 03:08
ブログ記事〈「故郷を離るる歌」の日本語歌詞は駄作〉に書き忘れたことが一つありました。追記で済ませるのでなく、短い記事を立てることにしました。音調無視+拍数無視「終わりの日なり」の末尾の「日なり」の音調無視のことが抜けていました。「日なり」は、三拍の語句で、音調は中高型の「低高低」です。「ひいなありーーーー」と、五拍にされて最後の「り」が特別長い音符に当ててあります。最初の「ひ」が「な」よりも高い音...
アルザス人をドイツ人呼ばわりするな
- 2017/02/23
- 21:09
講談社の広報小冊子『本』の1993年6月号に載った「アルザスは多言語社会」という文章の紹介の第3篇です。アルザス人の定義は複雑・・・アルザス人と親しくしようと思ったら決してしてはいけないことが一つあります。それは、アルザス人をアルザス人以外の何かと取り違えたり、一緒くたにしてしまったりすることです。「フランス国籍者」と「フランス人」は別の概念フランス国籍者だからといってヴォージュ山地の向こうの「内地」の...
〽一番はじめは一の宮
- 2017/02/22
- 20:56
1950年代、就学前から小学生の頃のF坊やが近所の子たちと縄跳び遊びをする時、こんな数え歌を歌いながらそのリズムに合せて跳ぶものでした。大正生まれの母が歌っていた歌詞は、次の通りです。〽一番はじめは一の宮 二(にイ)また日光 東照宮 三(さん)また佐倉の惣五郎 死んで信濃の善光寺 五つは出雲の大社(おおやしろ) 六つは村々お地蔵さん 七つは成田のお不動さん 八つは八幡(やはた)の八幡宮(はちまんぐう) 九つ高野(...
「早春賦」と「故郷を離るる歌」(2)
- 2017/02/21
- 20:03
「早春賦」は、大正2年に高等女学校の教材鹿島岳水(= 赤澤 寛)氏のサイト(*)の記事を要約すると、〈吉丸一昌の教え子の崎山輝は、大正2年、東京音楽学校卒業の直後、師の新作の「早春賦」の楽譜を持って長野県の大町実科高等女学校に赴任し、生徒たちに教え始めた〉そして〈当時「音楽の教科書」というものは無かった〉のだそうです。(*) 追記 2021年11月30日「おっタヌキ」さんが当ブログの記事〈吉丸一昌の「浦の明け暮れ」の歌...
「早春賦」と「故郷を離るる歌」(1)
- 2017/02/20
- 20:30
「早春賦」(*)と「故郷を離るる歌」(**)には、共通点があります。重要なものは、二つです。(*) 吉丸一昌作詞・中田章作曲(**) ドイツ民謡の旋律に日本語歌詞を吉丸一昌が作成第一の共通点 : 歌詞と旋律の不適合どちらの歌も、歌詞と旋律がちぐはぐです。わざと画策したのではないか・・・と思ってしまうくらいです。具体的に言うと、「早春賦」では〈歌詞の音調と旋律が大部分不適合〉で、〈歌詞の拍数と旋律が一部分不適合〉です...